2017年7月6日更新

映画『コクリコ坂から』登場人物、あらすじまとめ【ネタバレあり】

2011年に公開された『コクリコ坂から』は宮崎駿の息子・宮崎吾朗監督による長編アニメの2作目です。デビュー作の『ゲド戦記』とはストーリーも時代背景も異なり、1963年の日本が舞台のノスタルジックな作品です。作品のあらすじと登場人物をご紹介します。

スタジオジブリの青春映画『コクリコ坂』

『コクリコ坂から』

2011年7月に公開されたスタジオジブリ作品、『コクリコ坂から』。宮崎駿監督の息子で『ゲド戦記』を手がけた宮崎吾朗監督の第二作目です。

最終興収は2011年邦画第1位の44.6億円を記録し、第35回日本アカデミー賞最優秀アニメーション作品賞を受賞するなど、高評価を受けたジブリ作品の一つです。

そんな映画『コクリコ坂から』のあらすじ・キャストを解説します。

『コクリコ坂から』あらすじ

高度成長期の昭和の時代を純粋に生きる高校生たちを描いた本作を6場面に分けてご紹介します。

海の日課

舞台は東京オリンピックを前年に控えた1963年の横浜。 丘の上に建つコクリコ荘は海が見渡せる下宿屋で、主人公・松崎海の朝は早い。

布団を畳んで押入れに片づけ、ごはんを炊き、写真の前の水を変え、毎朝「航海の安全を祈る」を意味する信号旗をポールに掲げます。

ちょうどその頃、丘の下を通過していくタグボートが一隻。高校に通っている風間俊が、「ありがとう」の返礼を意味する回答端を掲げていました。俊から丘の上の旗は見えますが、庭にいる海の姿は見えません。

海は祖母、弟と妹、下宿している3人を含めた7人分の朝食を用意して、洗い物を済ませ、洗濯をしてから登校します。

俊との出会い

海が教室に行くとクラスメイトから「週刊カルチェラタン」という校内新聞を見せられます。紙面の左下に「女よ、なぜ、君は旗を揚げるのか」と詩が書かれ、クラスメイトに「これ、海のことだよね?」と言われた海はうなずきながら新聞をじっくり見つめます。

その日、海が通う港南学園高等部で、お昼にお弁当を食べていると、騒動が起きます。

俊が旧校舎で部活棟として使われているカルチェラタンの屋根に上り、カルチェタンの取り壊しの抗議のパフォーマンスとして、防火水槽めがけてダイブしたのです。

海は飛び降りた俊を助けるために手を差し伸べますが、写真部が寄ってきて撮影されてしまいます。カルチェラタンの取り壊しに抗議するパフォーマンスするために利用された形になってしまいました。

近づく俊との距離

飛び降りた俊の写真を妹の空が30円で購入し、サインがほしいけれどカルチェラタンに一人で行けないのでついてきてほしいと言われます。カルチェラタンは男子の文化系のクラブが入っている建物で、女子には近寄りがたい場所でした。

『週刊カルチェラタン』の編集長をしていて、右手を怪我している俊に頼まれ、海は原稿を書く手伝いをすることになります。

夕飯のカレーを作るのにやや遅れてしまった海は冷蔵庫に肉がないことに気づき、買い物に出かけます。そこで自転車に乗っていた俊と偶然出会い、二人乗りで商店街に向います。

翌朝、下宿する美大生の広小路幸子の絵を見て、丘の下を航路にしているタグボートが回答旗を出していることを海は知ります。

俊の秘密

俊に討論集会に呼ばれ、一度断った海でしたが、気になってカルチェラタンに向かいます。建て替え案に賛成が大半の中、俊は檀上に上がって異議を唱えました。

下宿人で医大生だった北斗の就職が決まって送別会に俊たちも来ることになり、家の中を案内し、お父さんの写真を見せると俊の様子が変わりました。写真には3人の男が映っていて、海の実父の澤村雄一郎、立花 洋、小野寺善雄と名前が書かれていました。

自分の出生に疑問を持ち始めた俊は父親から昔話を聞きます。生まれたばかりの赤ん坊を亡くしていた風間夫婦のところへ、親友の澤村雄一郎が突然赤ん坊をかかえてやって来たというのです。風間夫婦は赤ん坊を引き取ることにしました。

父親に「お前は…俺たちの子だ…」と言われ、俊は「ありがとう」と小さくうなずきます。

カルチェラタンの取り壊しと2人の関係

カルチェラタンの取り壊しに賛成の意見が多い理由として、不衛生だということがわかり、海の発案で大掃除が敢行されます。しかし、その頃から俊の態度が素っ気なくなってくるのです。

雨の中、傘を差して下校する俊を待つ海は「嫌いなったなら、はっきりそう言って」と促すと、俊は3人の男が映る一枚の写真を取り出します。その写真は海の家の書斎にあったものと同じモノで自分たちは兄妹だと告げます。

学校のOBも参加して大がかりな改装と掃除がほぼ完了した途端、理事会が夏休み中にカルチェラタンの取り壊しを決定したと、俊の親友の水沼が慌ててやって来ます。理事長へ直訴しに海、俊、水沼の3人で東京へ向かことになります。

理事長は徳丸財団の社長で、海の父親が朝鮮戦争で死んだことを告げると、理事長は「お母さんはさぞ苦労してあなたを育てたことだろう」と言い、スケジュールを調整してカルチェラタンを見にいくことを約束してくれました。

解き明かされていく秘密

東京からの帰りの途中で海は「自分が毎日毎日旗を上げて、お父さんを呼んでいたから、お父さんが代わりに風間さんを送ってくれたんだと思うことにしたの」と言ったあと、お互い好きだと告白します。

横浜から帰るとコクリコ荘には母親の良子がアメリカから帰ってきていました。

その夜、海は母親から赤ん坊を抱えてきた父親が、立花が事故で死んで孤児院行になってしまうので勝手に自分の子だと役所に届け出をした事実を打ち明けられます。

次の日、徳丸社長がカルチェラタンにやって来たとき、俊がメモを渡され、父親に電話をすると、3人で映っていた写真の唯一生存している立花が来ていると教えられます。

学生たちの熱意と甦ったかのようなカルチェラタンを見て、徳丸社長が取り壊しの中止を宣言して間もなく、焦っている様子の俊が海を呼び、カルチェラタンを出ていき、海と俊は出航寸前の船乗りの小野寺に会います。

『コクリコ坂から』の登場人物

コクリコ坂の登場人物

海と俊を取り巻く環境で、下宿のコクリコ荘、学校などで様々な人物が関わってきます。

松崎海(CV:長澤まさみ)

『コクリコ坂から』

港南学園高等部の2年生。真面目な性格でアメリカ留学している母親の代わりに弟と妹の面倒を見ながら、下宿のコクリコ荘を切り盛りしてます。家事全般と経済的にもやりくりして、毎朝、行方不明の父親のために信号旗を掲げるのが日課。

海(うみ)という名前ですが、周りからはフランス語の「ラ・メール(海)」から短縮された「メル」と呼ばれています。

風間俊(CV:岡田准一)

『コクリコ坂』

港南学園高等部の3年生。「週刊カルチェラタン」の編集長を務め、生徒会長の水沼史郎とカルチェラタンの取り壊しに反対するためにパフォーマンスや集会で騒動を起こします。学校では問題を起こしますが、普段は好青年です。

松崎花(CV:竹下景子)

海の祖母でコクリコ荘を経営する家長。いつも和服姿で離れで暮らしています。留学中の母親に代わって温かい目で海たちを見守っています。

北斗美樹(CV:石田ゆり子)

コクリコ荘の下宿人で大学の医学部を卒業後、インターンをしていました。海の良き相談相手でしたが、就職が決まって引っ越すことになります。コクリコ荘で行う自らの送別パーティーに、俊たちを呼ぶように海に提案します。生徒会長の水沼の姉とは同級生です。

広小路幸子(CV:柊 瑠美)

コクリコ荘の下宿人で美大生。深夜まで油絵を描いているので、生活は不規則で海の手伝いをするときの動きは鈍いです。幸子の描いた絵によって、丘の下を航路にしているタグボートが返答旗を掲げていることを海が知るきっかけになります。

松崎良子(CV:風吹ジュン)

海の母親でアメリカの大学に留学中。英米文学が専門で大学の助教授を務めていた経歴を持ちます。結婚を反対され、澤村雄一郎と駆け落ちした過去があります。

松崎空(CV:白石晴香)

海の1歳年下の妹。社交的で海にどこかで甘えているのか、家事はあまりしません。俊に一目ぼれして海を連れてカルチェラタンにサインをもらいにいき、海が「週刊カルチェラタン」の手伝いをするきっかけをつくります。

松崎陸(CV:小林翼)

海の弟で中学2年生。海が万能すぎるためか空と同じで、TVに夢中になり買い物を手伝わないシーンがあります。コクリコ荘唯一の男子で、小さい体の割に食欲旺盛です。

水沼史郎(CV:風間俊介)

港南学園高等部の生徒会長で俊の親友。カルチェラタン存続のためにあらゆる手を尽くし、有能で秀才。俊の様子がいつもと違ってもあまり追及せずに空気を読むところがあります。俊と海を2人だけにするためにさり気ない行動を取る器量の良さがあります。

風間明雄(CV:大森南朋)

風間俊の養父。口数は少ない方ですが、言葉の端々から俊への愛情が感じられます。俊が自分の実父の存在を知り始めたとき、動揺しないようにタイミングを計って打ち明けます。タグボートの船長をしていて、俊が登校するときに送っています。

徳丸理事長(CV:香川照之)

徳丸財団の実業家で港南学園の理事長。カルチェラタンを取り壊して新しく建てる方向で話しを進めていましたが、学生たちの熱意に押されて存続を決めます。初代徳間書店社長の徳間康快氏がモデルになっています。

小野寺善雄(CV:内藤剛志)

物語の鍵となる写真に澤村雄一郎と立花洋の親友3人で写っている人物です。唯一の生存者で、外国航路する航洋丸の船長をしています。

『コクリコ坂から』のおすすめアイテム

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DVD『ふたり/コクリコ坂・父と子の300日戦争~宮崎 駿×宮崎吾朗~』 2,982円

映画『コクリコ坂から』製作の裏に密着したドキュメンタリー『ふたり/コクリコ坂・父と子の300日戦争~宮崎 駿×宮崎吾朗~』。

情熱をかけて一本の映画作りに取り組む親子の絆から『コクリコ坂から』の製作秘話までがつめこまれた作品です。