2022年11月23日更新

『チェンソーマン』の伏線を一覧で考察!回収済・未回収の作中の謎に迫る!

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チェンソーマン
© 藤本タツキ/集英社

連載時から絶大な人気を誇る漫画『チェンソーマン』。魅力的なキャラクターやスリリングなストーリーはもちろん、巧みな伏線回収も話題を呼びました。 この記事では、作中に出てきた回収済・未回収の伏線について詳しく解説していきます! ※この記事は『チェンソーマン』のネタバレを含みますので、読み進める際は注意してください。またciatr以外の外部サイトでこの記事を開くと、画像や表などが表示されないことがあります。

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【考察】未回収の伏線

ここでは未回収の伏線を紹介します。この先、作中で明らかになるのか楽しみな伏線ばかりです。

①4人の騎士について

マキマのセリフのなかでのみ登場した「4人の騎士」。これはおそらく『ヨハネの黙示録』に出てくる四騎士をモチーフにしていて、彼らはそれぞれ「死」「戦争」「飢餓」、そして「支配」という力を持っています。「4人」とまとめられてはいるものの、マキマが残り3人を消そうとしていることを考えるとあまり関係は良くなさそうです。 第1部では支配の悪魔しか登場しませんでしたが、第2部でそのほか3体の悪魔が登場する可能性もあります。マキマの強さを考えると、ほかの悪魔もなかなか手ごわいのではないでしょうか。

②ポチタは地獄で誰に殺された?銃痕の謎とは

ポチタはデンジの前にはじめて現れたとき、傷を負って息も絶え絶えでした。さらにマキマは原作87話でチェンソーマンに対し、「武器の悪魔達と4人の騎士が貴方と戦い その最中貴方は私たちの前から消えてしまった」と発言しています。このことから、彼は地獄で殺されたのではなく、瀕死の状態でどうにか逃げてきたという解釈も可能です。 またボロボロのポチタの身体に銃痕らしき傷跡があったため、彼が地獄で銃の悪魔と戦っていたのではないかと考察しているファンもいます。マキマが言う「武器の悪魔達」のなかには、銃の悪魔もいたのかもしれません。

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③コベニの契約悪魔は?

コベニの契約悪魔についてはまだ明かされていません。本人も作中で「契約している悪魔は……秘密で」と言っています。ビクビクしていて弱そうに見えるにもかかわらず、周りが次々と死んでいくなか大した傷も負わずに生き残ったコベニ。 ファンのあいだでは、実は強い悪魔と契約しているのでは?という考察もされています。彼女の周りで仲間や無関係の人が無残な最期を遂げることが多いため、「死の悪魔」が契約悪魔なのではないかという声も。 しかしコベニは作中で高い身体能力を披露してもいて、単純にここまで生き残ってきたのは彼女の実力+悪運の強さとも考えられます。極度に薄幸かつ巻き込まれ体質なようなので、幸運と引き換えに命を助けてくれる悪魔がいるのかもしれません。 もちろんシンプルに、悪魔と契約していないけれど弱点を隠すために「秘密」と言っている可能性もあります。

④銃の悪魔は本当に死んだ?

銃の悪魔はマキマに瀕死の状態にまで追い込まれ、アキの死体を乗っ取って銃の魔人になりました。その後、デンジによって殺害されています。 しかしこのときの銃の悪魔はアメリカが持つ20パーセントの肉片からできたものです。残る80パーセントは他国や悪魔たちが持っています。そのため今後、それらの肉片によって銃の悪魔が再び蘇る可能性も否定できません。

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⑤デンジとパワーの契約の行方とは?

本編の最終章でパワーはデンジを助けるため復活するも、再び命を落としてしまいます。そして彼女は死の間際に、「血の悪魔を見つけて仲良くなって、血の悪魔をまたパワーに戻せ。その代わりにワシの血をやる」といってデンジと契約を結びました。 そのため2部でパワーが復活する可能性が考えられます。また新生パワーとして、今までとは違う姿で登場するかもしれません。どちらにせよパワーの再登場は、全力で期待したいところですね。

【解説】回収済の伏線

ここでは作中に登場した伏線の中で回収されたものを紹介&解説していきます。

①マキマの正体・目的

マキマの正体は「支配の悪魔」。彼女はその名の通り、あらゆるものを操る力を持ち、作中で随一の強さを誇ります。また内閣総理大臣との契約により、自身への攻撃を日本国民の死に変換することが可能。つまり実質不死身です。 マキマはチェンソーマンの力を使い、より良い世界を作ることを目的としています。チェンソーマンに悪魔を食べさせることで、「なくなったほうが幸せになれるもの」をすべて消そうという魂胆です。

②デンジの心臓が狙われていた理由

作中ではデンジの心臓(=チェンソーマンの悪魔)を狙うキャラクターが数多く登場します。知り合う女が「全員オレん事殺そうとしてんだけど!!」というデンジのセリフも印象的です。 デンジの心臓を欲しがる者たちには、マキマの野望を止めるという目的があります。仮にマキマがチェンソーマンを支配下に置き、彼女の思い通りの世界を作ったとすれば、それは他の勢力にとって非常に都合が悪いです。だからこそマキマが行動を始める前に、チェンソーマンを彼女の手元から奪い取る必要がありました。 そのせいでデンジは、常に刺客から狙われ続けるという可哀想な立場になってしまったのです。

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③扉の意味「開けちゃダメだ」

『チェンソーマン』でたびたび登場する不気味な「扉」と、その向こうで「開けちゃダメだ」と誰かが警告するシーン。これが何を意味していたかは、原作第82話でマキマによって明かされます。 扉の向こうに隠されていたのは、デンジが思い出したくない記憶――父親の死体でした。それまで自殺したと思われていたデンジの父親ですが、実はデンジが自分の手で殺していたのです。 彼は罪の意識に耐え切れず、記憶を意識の奥底に封じ込めていました。マキマのせいですべてを思い出したデンジは、ショックのあまり廃人と化してしまいます

④「人類にとって最悪な平和」とは?

「人類にとって最悪な平和」とはマキマに支配された「より良い世界」のことです。 すでに説明した通り、マキマはこの世から「なくなったほうが幸せになれるもの」をなくすことを目指しています。言葉通りに受け取ればそう悪いことにも思えませんが、結局彼女は「より良い世界」を作った後、自分がそのすべてを支配しようと考えているようです。 というのもマキマは作中で「死」「戦争」「飢餓」を消えたほうがよいものとして挙げていますが、実はここに「支配」を加えるとキリスト教の「4人の騎士」になります(これについては後で詳しく説明します)。この発言からは、マキマが自分自身を駆除対象としてカウントしていないことが明らかです。 本当に心の底から平和な世界を作りたいのであれば、最終的には「支配」も消し去ろうとするはずですよね。

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⑤キャラの名前の由来

主要キャラクターの名前の由来については、作者自身がインタビューで明かしています。 主人公のデンジは、天使に濁音をつけて名付けられました。あまり彼自身の性格とは合いませんが、悪魔を退治するという立場を考えればぴったりの名前だといえますね。 アキについては世界的に有名な銃・AK-47をもじっているとのこと。銃の魔人になってしまうという衝撃的な末路の暗示です。 パワーの名前は天使の階級が元ネタになっています。チェンソーマンの眷属が皆同じように名付けられていることを考えると、第2部でも重要な要素になりそうです。 マキマは「ママ」が由来。「マキマ」の名前からチェンソーで「木(キ)」を取り除くとママになる、という言葉遊びです。デンジが彼女に求めていたのは恋愛でなく母性だったということをほのめかしています。

⑥表紙の伏線

『チェンソーマン』の第1話が収録された『週刊少年ジャンプ』の表紙にも、伏線が隠されています。デンジがチェンソーを構えて不敵に笑うイラストが載っていますが、刃の部分にはマキマの姿が映っているのです。これは最終決戦で登場するとある1コマを連想させる構図になっています。 さらにコミックス第4巻の表紙ではアキの背後に射撃の標的が描かれていて、のちに銃の魔人となる彼の運命を暗示しています。このように本編以外の場所にも、展開をほのめかす伏線が散りばめられているのです。

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⑦サンタクロースの正体

世界の刺客編にて登場したサンタクロース。当初はおじいちゃんがサンタクロース本人だと思われていましたが、実際はトーリカの師匠がサンタクロースでした。おじいちゃんはおそらく師匠ことサンタクロースが作った「精巧な人形」のひとつと考えていいでしょう。 そしてサンタクロースは趣味で養子を迎え、人形にするため大切に育てていました。トーリカもそのひとりです。最終的にはサンタクロースの人形として、あっさり使い捨てられてしまいました。

【謎・噂】2部連載で明らかになるのか?

ここでは、ファンに噂されている作中の謎や噂を紹介&考察していきます。

①サムライソード・レゼ・クァンシはデンジと同じ存在?

サムライソードとレゼ、クァンシはデンジと同じく、悪魔の姿に変身できるキャラクターです。全員ピンや身体のどこかを“引き抜く”動作が変身のトリガーになっています。 サムライソードについては「刀の悪魔」の心臓を移植されたことがわかっているため、ほかの2人も同じように力を得た可能性が高いです。あるいはデンジのケースと同じように、人間と悪魔とのあいだで何らかの契約が交わされたのかもしれません。 なおクァンシが実年齢に合わない容姿であることから、悪魔の心臓を持つ者は不老になるのでは?という考察もされているようです。そう考えると、レゼも見た目よりずっと年上だという可能性もあります。作中で野茂がレゼについて「どこかで見たことないか?」「………まさかな」と言うシーンがわざわざ描かれているのも、その伏線だとすれば説明がつきます。

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②作中の白と黒のコマの意味とは?

『チェンソーマン』の白枠コマと黒枠コマについても、ファンのあいだではさまざまな考察がされています。一般的に黒枠コマは、回想シーンを描くときに使われるもの。しかし本作の場合、黒枠コマはパラレルワールドをしめしているのではないかと言われているのです。 例を挙げると、荒井ヒロカズが撃たれたシーン。彼は白枠の世界では頭のみに、黒枠の世界では頭と喉元に銃弾を食らっています。さらにそばにいたコベニも、黒枠のコマでは返り血を浴びていますが白枠のコマでは顔に血の跡が見られず、拭いた形跡すらありません。 例以外にも白枠のコマと黒枠のコマで微妙に食い違っている描写があり、それが「黒枠のコマは単なる回想シーンではない?」という考察の根拠となっています。

③デンジと並んで座ると死んでしまう?

ファンのあいだでささやかれている説には、「デンジと並んで座ると死んでしまう」というものもあります。作中で条件に当てはまるのは、パワーと姫野、アキ、コベニの4人。このうち生き残ったのはコベニだけです。偶然と言ってしまえばそれまでですが、なかなかの確率だといえるでしょう。 この説がほんとうだとすれば、第2部でコベニの生存が危うくなるということでもあります。彼女の行く末をしっかり見届けましょう……!

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【基本情報】そもそも『チェンソーマン』の設定は?

①キリスト教がモチーフ

原作第83話では、マキマによって「チェンソーマンの眷属」がしめされました。パワー(血の悪魔)やエンジェル(天使の悪魔)も含めた8体がいますが、これはキリスト教における天使の階級と一致しています。唯一大天使の枠だけが空いているため、第2部以降で新たな眷属が登場する可能性もあるでしょう。 さらにマキマが第87話で言及した「4人の騎士」は、『ヨハネの黙示録』がモチーフです。このように本作には、キリスト教的な要素があちこち散りばめられています

②悪魔・魔人・武器人間・悪魔人間とは?

悪魔

悪魔とは、人間が特定の存在や概念に対して抱いた恐怖から生まれる存在です。すべての悪魔は名前を持って生まれてきて、その名前自体が恐れられていればいるほど強い力を持っています。そのため、「銃の悪魔」や「地獄の悪魔」、「闇の悪魔」などはデビルハンターが束になっても倒せないほど強いです。 ほとんどの悪魔は自身の名前を反映した姿をとっています。明らかに異形のものもいれば、ほとんど人間に近い見た目のものもいます。

魔人

魔人は、悪魔が人間の死体にとりついた状態のことを指します。悪魔のときより身体能力や生命力が低下しますが、能力はこれまでと同じように使用が可能です。ほとんど人間と同じ外見ですが、頭部だけが特徴的でツノや背ビレなどが生えています。 魔人の人格は悪魔のものであるため、基本的には悪魔と同じく駆除対象です。しかしパワーやビーム、暴力の魔人など、ある程度理性が高いものはデビルハンターとして活動しています。 悪魔の状態より身体能力も生命力が弱体化するにも関わらず、一部の悪魔が魔人化を選ぶ理由については、不明です。 ただし作中の描写を踏まえると、悪魔は瀕死になった際、生き延びるための最後の手段として魔人化をしているようにもとれます。

武器人間(仮名)

原作第86話で登場した「公安対魔特異5課」。彼らはそれぞれ爆弾や弓矢など、武器の悪魔に変身することができます。武器人間には、かつてマキマに殺されたレゼクァンシがあたります。 マキマによれば、彼らのなかにいる悪魔は「4人の騎士」とともに地獄でチェンソーマンと戦ったとのこと。その際チェンソーマンに食べられてしまい、名前は消えたもののなぜか存在だけは残されました。その結果として人間でも悪魔でもない存在になっています。 彼らがチェンソーマンに食べられてもなお生き残ったのは、武器という概念が人間のなかに根深く在るからではないかと考えられます。それゆえ個々の名前が消えた後も、「武器」というカテゴリーで中途半端に存在し続けてきたのではないでしょうか。

悪魔でも魔人でもない存在

デンジ悪魔でも魔人でもなく、武器人間とも似てはいるものの明らかにちがう存在です。彼はポチタ(チェンソーの悪魔)と融合してはいますが、「デンジ」という人格を保っています。 ポチタはバラバラ死体となったデンジに自分の心臓を与える代わり、「デンジの夢を私に見せてくれ」という契約をしました。この契約があったからこそ、デンジは死体に憑依されたにもかかわらず、魔人にはならなかったのではないでしょうか。

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2部で伏線は回収されるの?いますぐ連載を追おう!

『チェンソーマン』には、今回紹介したものをはじめとして数多くの伏線が出てきました。なかにはまだ回収されておらず、第2部で重要になってきそうなものもあります。 2部は『ジャンプ+』にて、2022年7月13日から連載中です。アニメと併せて楽しみましょう!