念能力とは?「ハンターハンター」をアツくする個性豊かな能力
「念能力」というのは、オーラとよばれる生命エネルギーを用い戦闘などを有利にする独自の特殊能力です。一般人には能力自体知られておらず、ゴン達も同様に最初は存在も知りませんでした。またハンターになるための裏試験というものがあり、そこでは念能力を習得することが合格の要件となっています。 念能力は非常に強力であり誰もが習得できると危険であるため、表には出ない裏試験で設定されていたり、一般人には基本的に存在を知らせないように扱われます。しかし少数ながらも念能力の持ち主は存在し、ハンター固有の能力というわけではありません。 また念能力には「制約と誓約」という特殊ルールが存在します。念能力を発動する際に条件を設定するといった縛りをつける「制約」を行うことで、より強力な念が使用できるようになります。しかし制約が厳しいほどその「誓約」を破った際のリスクが高く、場合によっては念能力や命をも失う危険があります。
念能力、全6系統それぞれの特徴は?
念能力の系統とは?
念能力には、そのオーラの使い方を大別する6種類の系統が存在します。この系統は先天的なもので、基本的には環境や修行によって変えることはできません。 自分が持つ系統と異なる系統でも使うことはできますが、系統ごとに他の系統の能力との相性の良しあしが存在しています。自分の系統と相性が良い能力であっても本来の力を発揮するまではできず、相性の悪い系統の能力を使うとさらにその効果は減少、習得難易度も高くなってしまいます。 そのため念能力を使うには、まずは自分の系統を理解し、他の系統の能力と組み合わせなどを行う場合には自身の系統との相性なども考慮しながら念能力を作り上げていくことになります。 なお自分がどの系統に属するかは、水を満たしその上に葉を浮かべたグラスに両手をかざして念を込める「水見式」という方法で判別することが可能です。それら6つの系統について概要を紹介すると、以下のようになります。
強化系
オーラを纏わせることで、モノの持つ強度や力を高める能力です。主に自身の体や武器などに使用しパワーアップさせることで使われます。水見式を行うと、グラスの水が増加するという形で発現します。
変化系
オーラの性質や形状を変化させる能力です。水見式を行うと、水の味が変化します。
具現化系
オーラを何らかの物質へと具現化させる能力です。水見式を行うと、グラスに入った水の中に不純物が生成されます。
放出系
通常自分の身体から離れると消失してしまうオーラを、体から離しても維持することができる能力です。水見式を行うと、水の色が変化します。
操作系
オーラによって、何らかの物質を操る能力です。水見式を行うと、水に浮かせた葉が動きます。
特質系
上に挙げた5つの系統に該当しない特殊な念能力を総称したものが特質系です。なお特質系だけは、他の系統の能力者は全く使うことができず、また後天的に身につけることがあります。水見式でも、他の系統とは異なるそれぞれ独自の変化が起こります。
ヒソカによる系統別の性格診断
天空闘技場編で、ヒソカが念能力ごとの性格診断というものを披露しています。以下にその診断の内容を紹介します。また各系統の代表的なキャラクターも紹介しますので、あわせて確認してみると面白いかもしれません。
系統 | 性格 | 主な能力者 | |
---|---|---|---|
強化系 | 単純で一途 | ゴン、ネテロ、ウヴォーギン | |
変化形 | 気まぐれで嘘つき | キルア、ヒソカ | |
具現化系 | 神経質 | クラピカ、シズク、カイト | |
放出系 | 短期でおおざっぱ | レオリオ、ナックル、フランクリン | |
操作系 | 理屈屋・マイペース | イルミ、シャルナーク、プフ | |
特質系 | 個人主義者・カリスマ性がある | クラピカ、クロロ、ピトー |
【強化系】シンプルな強さと能力のふり幅が魅力
強化系は特に自身を強化することで、攻撃力、防御力を高めることが基本の使い方です。そのため戦闘においては、6系統の中でも最も弱点が少なく安定した力を発揮することができる系統と言えます。またギドなど、武器にオーラを纏わせてその能力を強化するという使い方をしているキャラクターもいます。 主人公のゴンは強化系で、必殺技の「ジャンケングー」は拳にオーラを込めて全力で殴るというものになっています。またヨークシンシティ編では、幻影旅団のウボォーギンが強化系能力の持ち主としてそのポテンシャルの高さを圧倒的な強さで見せつけました。 他にもゴンの最初の師匠ウイングやパーム、幻影旅団のフィンクスなどが強化系の能力の使い手ですが、知略戦になるとあまり使いでがないためか、ストーリーが進むにつれてこの系統の能力で新たな使い手の登場は減ってきている傾向があります。
【変化形】多彩なバリエーションがある能力
変化系はオーラの形や性質を変化させる能力。具現化系にも当てはまることですが、オーラを変化させるモノに対しての強いイメージが必要であるため、もともと自身に縁のあるモノであったり興味のあるモノを対象とすることが一般的です。 ヒソカは「伸縮自在の愛(バンジーガム)」にゴムとガムの性質を付与しており、またキルアはオーラを電気に変化させています。 ヒソカ、キルア以外の主な使い手・技としては、マチの「念糸(ねんし)」、フェイタンの「太陽に灼かれて(ライジングサン)」、ゼノの「龍頭戯画(ドラゴンヘッド)」、「牙突(ドラゴンランス)」、「龍星群(ドラゴンダイブ)」などがあります。 オーラをどんな形質に変化させるかによって、技に個性がでるのが特徴です。
【具現化系】物質化したものに能力を付与することでパワーアップ
具現化系はオーラを物質化する能力。しかし実際にオーラを具現化するためにはその物質に対しての強いイメージをすることが必要であり、習熟するには比較的大変な系統と言えそうです。 鎖を具現化させるクラピカは、修行で能力を会得するにおいて鎖を「何千枚と写生」、「音を立ててみる」、「においをかぐ」、「触感をたしかめる」など四六時中鎖と接し、鎖の幻覚を見るほどになってようやく具現化を果たしています。 また具現化系は、実際に使うまでそのものを隠しておいたり持ち運びが不要などの長所があります。ノヴの念空間を作る能力「4次元マンション(ハイドアンドシーク)」や、手で触れた物質のコピーを念で作り出すコルトピの「神の左手悪魔の右手(ギャラリーフェイク)」など、戦略的に重要な役割を果たしている能力もありました。 実際に存在するもの(鎖など)を具現化しますが、物理攻撃よりも、具現化したものに特殊能力を付与することで本領発揮する系統です。
【放出系】オーラを体外へ放ち攻撃
放出系は自身からオーラが離れてもそれを維持できる能力で、基本的な使い方は念弾のようにオーラを相手にぶつけてダメージを与えるものです。しかしオーラを放出することにより、その分自身の体をまとうオーラが減ってしまうという弱点もあります。 具現化系や操作系の能力と併用することで、オーラを放出することで相手に念能力をかけたり、念で創成した兵隊を操ったりすることも可能です。 主な使い手・技としては、ナックルの「天上不知唯我独損(ハコワレ)」、フランクリンの「俺の両手は機関銃(ダブルマシンガン)」、ポックルの「七色弓箭(レインボウ)」などがあります。
【操作系】条件さえ満たせば勝ち確定!
操作系はオーラでなにかを操作するというもので、さまざまな形で使われています。武器や道具を念能力で操作する、他人を操作する、命令の強制、自分の生みだしたオーラを操作する(念獣など)が挙げられます。 特に他人を操作するというのは強力であり、能力や戦い方次第ではそれだけで相手を無力化することも可能です。また操作系は放出系と相性がよいために、遠隔操作などに向いているといえます。 主な使い手・技としては、ゴレイヌの“ゴリラ型の分身を作り出す能力”、イカルゴの「死体と遊ぶな子供達(リビングデッドドールズ)」、シュートの「浮遊する3つの手」、シャウアプフの「麟粉乃愛泉(スピリチュアルメッセージ)」、シャルナークの「携帯する他人の運命(ブラックボイス)」などがあります。 シャルナークやイルミのように他人を操る能力は、針を刺すなどの条件さえ満たしてしまえば、為す術がなくなってしまいます。
【特質系】具現化系から派生することが多い?
特質系の能力は、他に類を見ない独特のもので希少価値の高い能力です。特殊な環境や血統などの要素によって発現します。 また唯一後天的に身につけることのできる系統で、相性のいい操作系と具現化系の能力者がその可能性が高いとされています。その特殊性のため、強力な能力から戦闘にはほぼ使えないようなものまで種類はさまざまです。 代表的な特質系能力としては、他人の能力を盗み使用できるという極めて強力な技である、クロロの「盗賊の極意(スキルハンター)」があります。 クラピカはさらに特殊で、本来は具現化系ながらも「緋の目」を発動したときのみ特質系となります。クラピカが使う、全系統能力を100%使うことができる「絶対時間(エンペラータイム)」は特質系の能力です。 またネオンの能力「天使の自動筆記(ラブリーゴーストライター)」は未来予知という、直接の戦闘では使い道がないものの極めて有用な変わった能力となっています。
まだ念能力が明かされていないキャラにも注目!【HUNTER×HUNTER】
今回は念能力について紹介してきました。このように広がりがあり、かつ魅力的な特殊能力「念能力」を使い知略も用いながらキャラクターたちが戦うさまが『HUNTER×HUNTER(ハンターハンター)』の絶大な人気を生むひとつの要因となっているのではないでしょうか。 「ハンターハンター」では登場するキャラクターほとんどが念能力を用いていますが、ゴンの父親であるジンを筆頭に、パリストン、ノブナガ、ビヨンド=ネテロなど、まだその能力の詳細が明らかにされていない主要なキャラクターたちも実は多数存在します。 これらのキャラクターたちがどんな念能力を持っているのか、まだまだこれからの展開も楽しみです!