小説を原作としたおすすめ映画25選!受賞歴のある人気ヒット作から2021年公開予定の最新作まで
タップできる目次
- 小説原作のおすすめ映画25本を紹介!読んでから観る?観てから読む?
- 【最新】2021年上半期に公開される小説原作のおすすめ映画を紹介!
- 【絶対に観たい】小説原作の人気映画19選!サスペンスから恋愛まで
- サスペンス
- 塩田武士原作『罪の声』(2020年)
- 志駕晃原作『スマホを落としただけなのに』(2018年)
- 伊坂幸太郎原作『グラスホッパー』(2015年)
- 東野圭吾原作『プラチナデータ』(2013年)
- 坂幸太郎原作『ゴールデンスランバー』(2010年)
- 湊かなえ原作『告白』(2010年)
- 東野圭吾原作『容疑者Xの献身』(2008年)
- ラブストーリー
- 住野よる原作『君の膵臓をたべたい』(2017年)
- 七月隆文原作『ぼくは明日、昨日のきみとデートする』(2016年)
- 有川浩原作『植物図鑑 運命の恋、ひろいました』(2016年)
- 越谷オサム原作『陽だまりの彼女』(2013年)
- 片山恭一原作『世界の中心で、愛をさけぶ』(2004年)
- ヒューマンドラマ
- 山内マリコ原作『ここは退屈迎えにきて』(2018年)
- 百田尚樹原作『永遠の0』(2013年)
- 有川浩原作『図書館戦争』(2013年)
- 朝井リョウ原作『桐島、部活やめるってよ』(2012年)
- 角田光代原作『八日目の蝉』(2011年)
- 筒井康隆原作『時をかける少女』(2006年)
- 小川洋子原作『博士の愛した数式』(2006年)
- 人気ベストセラー小説の映画化はやっぱり面白い!1作品を2度楽しもう
小説原作のおすすめ映画25本を紹介!読んでから観る?観てから読む?
「あの話題の小説が映画化!」そんなニュースが楽しみな人もいれば、実写化には期待できないという人もいるかもしれません。しかし小説を読みながら頭の中で描いた空想の世界が、映画になることで実際の映像として楽しめるというのは、ワクワクしませんか? またその反対で、映画で描かれた世界がどんな言葉の表現から生まれたものなのか、原作を読んで確かめるのも面白いもの。小説が原作の映画には、さまざまな楽しみ方があるのです。 この記事では、小説好きから本を読むのが苦手な人にまで、自信を持っておすすめできる「小説が原作の映画」25選を紹介します!2021年上半期に公開予定の最新映画も紹介するので、面白い新作を探している人もぜひチェックしてみてくださいね。
【最新】2021年上半期に公開される小説原作のおすすめ映画を紹介!
コロナ禍で映画館から離れ気味という人も多いですよね。しかし2021年も注目の新作邦画はたくさんあります。2020年公開予定だったものの延期になってしまった作品も続々公開予定です。 そこでまずは、2021年上半期に公開される小説を原作とした映画をピックアップして紹介していきます。ぜひ、原作小説も映画もあわせてチェックしてみてください!
行成薫原作『名も無き世界のエンドロール』(2021年1月29日公開)
2021年1月29日に公開された映画『名も無き世界のエンドロール』は、行成薫のデビュー作にして第25回小説すばる新人賞を受賞した同タイトル小説が原作です。 幼なじみのキダとマコトの2人は、10年もの歳月をかけて裏と表の世界でそれぞれのしあがり、ある女性に「プロポーズ大作戦」を決行しようとしていました。そこには、日本中を巻き込む壮大な“企み”が秘められていて……。 キダを岩田剛典、マコトを新田真剣佑が熱演。映画『キサラギ』(2007年)で日本アカデミー賞・優秀監督賞などを受賞した佐藤祐市が監督を手がけました。映画のその後を描くドラマ『Re:名も無き世界のエンドロール 〜Half a year later〜』もdTVで配信中です。
島本理生原作『ファーストラヴ』(2021年2月11日公開)
島本理生の小説『ファーストラヴ』は、159回直木三十五賞を受賞したミステリー。2020年2月には真木よう子主演でテレビドラマ化もされていますが、2021年2月11日に北川景子主演の映画版が公開されます。 臨床心理士の真壁のもとに、容姿端麗な女子大生が父親を殺害した事件を取材・執筆してほしいという依頼が入ります。逮捕された女子大生は「動機はそちらで見つけてください」と言い放ち、世間を騒がせていました。真壁は彼女の本心と、事件の真相に迫ります。 監督は「SPEC」シリーズや『十二人の死にたい子どもたち』(2019年)などで知られる堤幸彦。逮捕される女子大生・聖山を芳根京子、彼女を担当する国選弁護士・庵野を中村倫也が演じます。
山内マリコ原作『あのこは貴族』(2021年2月26日公開)
山内マリコの同タイトル小説を原作とした映画『あのこは貴族』は、2021年2月26日公開予定。東京の「上流階級」を舞台に、まったく異なる生き方をする2人のアラサー女性が葛藤を抱えつつも成長していく物語です。 東京生まれの箱入り娘・華子は、焦って始めた婚活でイケメン弁護士・幸一郎と婚約。 一方で地方生まれ上京組・美紀は、必死に勉強して入学した慶應大学を経済的理由により中退していました。彼女はIT企業に勤めながら、腐れ縁の幸一郎とダラダラした関係を続けていて……。 映画版で2人の女性を演じるのは、門脇麦と水原希子。『グッド・ストライプス』(2015年)の岨手由貴子が監督を務めています。
吉田修一原作『太陽は動かない』(2021年3月5日公開)
小説『パーク・ライフ』で第127回芥川龍之介賞を受賞し、『悪人』や『怒り』などの作品でも知られる人気小説家・吉田修一のスパイアクション“鷹野一彦”シリーズ3部作。 そのうちの『太陽は動かない』と『森は知っている』の2編を原作とした映画『太陽は動かない』が、2021年3月5日に公開予定です。 主演は藤原竜也×竹内涼真の初タッグ。監督を「海猿」シリーズなどの羽住英一郎が務めています。当初は2020年5月に公開予定でしたが、新型コロナウイルス感染拡大の影響で延期となっていました。 産業スパイ組織「AN通信」の日本人エージェント鷹野と、相棒の田岡。2人は心臓に小型爆弾を埋め込まれ、24時間ごとに死が迫る極限状態のなかで「新時代エネルギー」の極秘情報をめぐる戦いに身を投じます。“映像化不可能”とも言われた壮絶なアクションシーンが最大の見どころ!
塩田武士原作『騙し絵の牙』(2021年3月26日公開)
2021年3月26日公開予定の大泉洋主演による映画『騙し絵の牙』は、2018年の本屋大賞にノミネートされた塩田武士の同タイトルミステリ小説が原作です。本作も2020年6月に公開予定だったものの、延期になっていました。 雑誌「トリニティ」の編集長・速水は、廃刊のピンチに立たされていました。彼が抜群のコミュニケーション能力を活かして困難に立ち向かう姿を描く、どんでん返しだらけのエンターテインメントです! 本作は、作者の塩田武士が大泉洋を主人公として想定してあて書きしたもので、実際に出版社と大泉洋に取材して書き上げられました。監督は『桐島、部活やめるってよ』(2012年)の吉田大八です。
村上春樹原作『ドライブ・マイ・カー』(2021年夏公開)
『ドライブ・マイ・カー』は、世界中にファンを持つ小説家・村上春樹が2013年に発表した短編小説集『女のいない男たち』に収録された一編。 妻と幸せに暮らしていた舞台俳優の家福(かふく)。しかし妻はある秘密を抱えたまま、他界してしまいます。2年後、専属ドライバーになったみさきの運転する車の助手席に座っていた彼は、彼女と過ごすうちに目を背けていた“あること”に気づかされていくことに……。 映画版は、西島秀俊主演で2021年夏公開予定。監督・脚本は『寝ても覚めても』(2018年)の濱口竜介が務め、三浦透子、岡田将生、霧島れいかなどが出演します。
【絶対に観たい】小説原作の人気映画19選!サスペンスから恋愛まで
続いては2020年までに公開された邦画の中から、小説原作の人気映画18本をピックアップしていきます。ここでは、ジャンルを「サスペンス」「ラブストーリー」「ヒューマンドラマ」に分けて紹介。 誰もが知っているベストセラー小説の映画化作品から、昨年公開された話題作まで、どれもハズレなしのラインナップです。「これは観なきゃ!」という作品がきっと見つかるはず!
サスペンス
まずはサスペンス小説をもとにした映画を、7作品紹介していきましょう。先の読めないハラハラドキドキの展開が待っていますよ。
塩田武士原作『罪の声』(2020年)
2020年10月に公開された映画『罪の声』は、2016年に発表され第7回山田風太郎賞を受賞した塩田武士の同タイトル小説が原作です。1984年から85年にかけて実際に起きた事件をモチーフとしています。 既に時効となっている未解決事件を追うことになり、取材を重ねる新聞記者の阿久津。一方、京都でテーラーを営む曽根は、ある日父の遺品の中から古いカセットテープを見つけます。再生すると、それは当時の事件で脅迫に使われた音声であり、幼い頃の曽根自身の声でした。 真実を追う阿久津と、知らないうちに事件に関わっていたことを知る曽根が出会い、衝撃の真相が明らかになっていきます。 記者の阿久津を小栗旬、曽根を星野源が熱演。監督を映画『いま、会いにゆきます』(2004年)の土井裕泰が務めました。第44回日本アカデミー賞で11部門優秀賞を受賞するなど、高く評価されています。
志駕晃原作『スマホを落としただけなのに』(2018年)
2018年に公開されたサスペンス映画『スマホを落としただけなのに』の原作は、2017年に宝島社文庫『このミステリーがすごい!』大賞シリーズとして刊行された志駕晃の同タイトル小説。各社から映画化のオファーが殺到した話題作です。 映画『リング』(1998年)などで知られるジャパニーズホラーの巨匠・中田秀夫が監督を、北川景子が主演を務めたほか、千葉雄大、成田凌、田中圭らが出演しました。 誰もが認める美人の麻美。ある日、恋人の富田がタクシーでスマホを落としてしまい、麻美が電話をかけることに。スマホを拾ったという男が電話に出たため、返してもらうべく約束をして、スマホは無事に戻ってきました。しかし、その日から麻美の周りで不可解な出来事が起こり始めるのです。 スマホを落としただけでまさかの惨事へと巻き込まれていくという、“誰にでも起こりうる恐怖”がリアルに描かれています。映画観客動員ランキングで初登場第2位を飾り、公開から3週間で累計動員107万人を記録するヒットとなりました。
伊坂幸太郎原作『グラスホッパー』(2015年)
2015年に公開された映画『グラスホッパー』は、監督・瀧本智行と主演・生田斗真が『脳男』(2013年)に続いて2度目のタッグを組んだサスペンス。原作は第132回直木三十五賞候補作となった、伊坂幸太郎のベストセラーともいわれる同タイトル小説です。 妻を轢き逃げして殺した寺原に復讐するために中学校教師を辞めた鈴木は、寺原の父親が経営する裏社会の会社「フロイライン」に入社します。 東京・渋谷を舞台に、場違いな裏社会で真実を追う鈴木と、裏社会で生きる自殺専門の殺し屋・鯨、そして若き殺し屋・蝉らの人生が交錯していく、緊張感たっぷりの復讐劇です。 主演の生田斗真はもちろんのこと、共演した浅野忠信と山田涼介(Hey!Say!JUMP)の演技が話題に。映画は観客動員ランキングで初登場第2位、公開後2日間で動員14万7275人を記録し、大ヒットとなりました。
東野圭吾原作『プラチナデータ』(2013年)
2013年に公開された映画『プラチナデータ』は、大人気作家・東野圭吾の同タイトル小説を原作とした本格サスペンス。映画「るろうに剣心」シリーズや『ミュージアム』(2016年)で監督を手がけた大友啓史がメガホンを取り、二宮和也が主演を務めました。 舞台は、政府が水面下で収集した国民のDNAデータ「プラチナデータ」をもとにした捜査によって、犯罪検挙率が格段に上がった近未来。 天才科学者の神楽は、DNA捜査の専門家として警察庁の「特殊解析研究所」に所属していました。しかしある日、殺人現場から神楽のDNAデータが検出されてしまいます。 公開から2日間で動員30万5,743人、映画観客動員ランキング初登場2位を記録。香港、台湾、シンガポールでも公開されるヒット作となりました。
坂幸太郎原作『ゴールデンスランバー』(2010年)
2010年公開の映画『ゴールデンスランバー』の原作は、伊坂幸太郎の同タイトル小説。2008年本屋大賞や第21回山本周五郎賞を受賞し、2009年の『このミステリーがすごい!』1位に選ばれた大人気小説です。 主人公の青柳は、数年前に暴漢に襲われていたアイドル・凛香をたまたま助けたことでちょっとした有名人になっていました。首相が仙台市で凱旋パレードを行う日、青柳は数年ぶりに会う大学時代の友人・森田から「お前、オズワルドにされるぞ」と忠告を受けます。 その直後、首相はドローンの爆発により暗殺され、なぜか警官に追われる青柳。しかもニュースでは、青柳が首相暗殺犯として顔写真付きで報道されていました。首相暗殺の濡れ衣を着せられた男のスリリングな逃亡劇を描いた、エンターテインメント大作です。 原作では事件から20年後の視点が早く明かされるのに対し、映画は事件当時の2日間に焦点を絞っています。映画はヒットを記録し、2018年には韓国でもリメイクされました。
湊かなえ原作『告白』(2010年)
主演は松たか子、監督は『渇き。』(2014年)や『来る』(2018年)の中島哲也によって、2010年に公開された映画『告白』。原作は作家・湊かなえのデビュー作で、2008年度「週刊文春ミステリーベスト10」第1位や2009年度本屋大賞を受賞した同タイトル小説です。 とある中学校の1年B組の教室で、担任の森口が静かに語り出します。その告白内容に、クラスの生徒は騒然。 森口が語ったのは、自身がシングルマザーだったが娘は亡くなったこと。事故死と判断されたが、本当はこのクラスの生徒に殺されたこと。犯人は2人いて、名前は伏せるがAとBであること。 そして、HIV感染が判明したために結婚しなかった娘の父親の血液を、2人の給食に混ぜたため、感染しているかもしれないということでした。事件の真相と、生徒たちのその後に迫る傑作サスペンス。 第34回日本アカデミー賞では4冠を達成し、興行的にも成功した名作です。
東野圭吾原作『容疑者Xの献身』(2008年)
映画『容疑者Xの献身』は、2007年から放送されたテレビドラマ「ガリレオ」シリーズの劇場版第1弾。 ドラマ・映画ともに東野圭吾の「探偵ガリレオ」シリーズを原作としており、映画『容疑者Xの献身』は、ガリレオシリーズ第3弾で直木三十五賞受賞作を受賞した同タイトル小説が原作です。 新人女性刑事・内海は、ある殺人事件の捜査に乗り出します。事件の相談を受けたガリレオこと物理学者・湯川は、被害者の元妻の隣人・石神が、大学時代の友人で天才的頭脳を持つ数学者であることに気づきました。湯川は石神が事件に関係しているのではないかと推理しますが……。 ドラマと同じキャスト・スタッフにより映画化された本作。監督を『アマルフィ 女神の報酬』(2009年)の西谷弘、主演を福山雅治が務めました。映画版は原作をベースにしつつ、ところどころ独自要素を織り込んだものになっています。
ラブストーリー
続いては、心ときめく恋愛映画を5本紹介。小説では伝わりきらなかった絶妙な間や表情を映像化することで、より一層感情移入できるようになっています。
住野よる原作『君の膵臓をたべたい』(2017年)
住野よるの同タイトル小説を原作とした映画『君の膵臓をたべたい』。作者・住野よるは、小説投稿サイト「小説家になろう」に投稿したこの小説が話題となり、小説家デビューを果たしています。 主人公の「僕」は、病院で「共病文庫」というタイトルの本を拾います。それはクラスメイトの山内桜良が綴っていた闘病日記で、中には彼女が膵臓の病気で余命がもう長くないと記されていました。 監督を務めたのは、映画『となりの怪物くん』(2018年)などを手がけた月川翔。キャストは浜辺美波と北村匠海(DISH//) のW主演となりました。原作にはない設定として12年後の世界が現在として描かれており、大人になった現在の「僕」を小栗旬が演じています。 本作は第41回日本アカデミー賞を受賞するなど、高く評価されました。涙なしでは見ることのできない、儚いラブストーリーです。
七月隆文原作『ぼくは明日、昨日のきみとデートする』(2016年)
映画『ぼくは明日、昨日のきみとデートする』の原作は、150万部を超えるヒットとなり第3回京都本大賞を受賞した七月隆文の同タイトル小説。 映画『ソラニン』(2010年)や『アオハライド』(2014年)など、青春映画を多く手がける三木孝浩が監督を務め、主人公を福士蒼汰、ヒロインを小松菜奈が演じました。 通学電車の中で出会った愛美に一目惚れした、美大生の南山高寿。勇気を出して声をかけ、会う約束を取り付けようとすると、愛美は突然泣き出してしまいます。 翌日、授業で出向いた動物園で偶然愛美と再会し、2人は交際をスタートします。やがて彼女の秘密と涙の理由が明かされていくことに……。 一見幸せに見える恋物語かと思いきや、切なすぎる運命が待ち受けている青春ラブロマンスです。
有川浩原作『植物図鑑 運命の恋、ひろいました』(2016年)
2016年に岩田剛典・高畑充希のW主演で公開された映画『植物図鑑 運命の恋、ひろいました』。本作は「図書館戦争」シリーズや『空飛ぶ広報室』などの著者としても知られる有川浩の小説『植物図鑑』を原作としています。 ごく普通のOL・さやかは、ある日マンションの前で行き倒れていた青年を発見し、一晩寝床と食事を提供することに。しかしさやかは料理上手な彼を帰すのが惜しくなり、しばらく住まわせることにします。 「イツキ」という名前以外語ろうとしない彼でしたが、問い詰めるといなくなってしまうと感じたさやかは何も聞けないまま、次第にイツキに惹かれていくのです。 思わず胸キュンしてしまう、とびきり甘い純愛ラブストーリー!第40回日本アカデミー賞にて、新人俳優賞(高畑充希・岩田剛典)と話題賞俳優部門(岩田剛典)を受賞しました。
越谷オサム原作『陽だまりの彼女』(2013年)
「女子が男子に読んでほしい恋愛小説No.1」というキャッチコピーが話題を呼び、2013年9月には累計発行部数100万部を突破した越谷オサムの『陽だまりの彼女』。本作も松本潤×上野樹里コンビで映画化されています。 恋愛青春映画の名手ともいわれ、映画『ぼくは明日、昨日のきみとデートする』も手がけた三木孝浩監督と、『ハチミツとクローバー』(2006年)や『ノルウェイの森』(2010年)などの話題作をプロデュースしてきた小川真司がタッグを組みました。 新人営業マンの浩介が仕事先で再開したのは、中学時代にバカでチビでいじめられっ子だった真緒。浩介は、見違えるほど美しくしっかりした女性になっていた真緒と恋に落ちますが、彼女には不思議な秘密があり……。 ときめいて切なくて、心があったかくなる、ファンタジックなラブストーリーです。映画版では、原作に登場しないオリジナルキャラクターや、原作では描かれない真緒側の視点などが追加されています。
片山恭一原作『世界の中心で、愛をさけぶ』(2004年)
2004年に公開されて大ヒットを記録し、「セカチュー」ブームを巻き起こした『世界の中心で、愛をさけぶ』。本作は累計350万部を突破している片山恭一の小説を原作としています。 『GO』(2001年)や『ピンクとグレー』(2016年)、『窮鼠はチーズの夢を見る』(2020年)など話題作を数多く手がける行定勲が監督を務め、大沢たかおと柴咲コウのW主演で映画化されました。長澤まさみ・森山未來の出世作としても知られています。 突如姿を消した婚約者・律子を探して、自身の故郷へ向かう朔太郎。そこで過ごした高校時代、朔太郎は同級生のアキという恋人がいました。しかし出会って3年目にアキは白血病にかかり、日を追うごとに衰弱していきます。 律子を探しながら、アキとの思い出が蘇っていく朔太郎。そこにはある真実が隠されていました。 大人になってからの朔太郎の視点から物語が描かれるのは、原作にはない映画ならではの演出。山田孝之と綾瀬はるか主演のテレビドラマ版も話題になりました。
ヒューマンドラマ
最後に、どこか共感できる人間のドラマを描いた映画を7本紹介しましょう。ひとくちにヒューマンドラマといっても、描かれる題材は学園ものから戦争ものまでさまざまです。
山内マリコ原作『ここは退屈迎えにきて』(2018年)
山内マリコが2012年に発表した同タイトル小説集を原作としている映画『ここは退屈迎えにきて』。山内にとっての処女作でもあるこの小説集には、第7回R-18文学賞・読者賞を受賞した短編『十六歳はセックスの齢』も含まれています。 10年東京で過ごしてなんとなく地元に帰ってきた27歳の「私」は、高校時代に憧れていた椎名くんに会いにいくことにします。一方で地元に残ってフリーターをしている「あたし」は、元カレの椎名のことが忘れられずに苦しんでいました。 青春と“青春のその後”のもどかしさをリアルに描いた、エモーショナルなドラマ。『ストロボ・エッジ』(2015年)などの廣木隆一監督がメガホンを取り、「私」を橋本愛、「あたし」を門脇麦、そして椎名を成田凌がそれぞれ瑞々しく演じています。
百田尚樹原作『永遠の0』(2013年)
山崎貴監督、岡田准一主演で2013年に公開された映画『永遠の0』。原作は百田尚樹の作家デビュー作であり、2016年時点の記録で累計発行部数540万部を突破している前代未聞のベストセラー小説です。 司法試験に落ち続け、だらだらと過ごす青年・佐伯健太郎。彼はある日、祖父・賢一郎と血のつながりがなく、太平洋戦争で特攻により戦死した宮部久蔵という人物が本当の祖父であることを知ります。 姉と共に久蔵について調べると、彼が生きることに強く執着する人物だったことが判明。祖父はなぜ特攻隊に志願したのかーー。そこには驚きの事実がありました。 映画は8週連続で興行成績第1位、当時の歴代邦画実写映画成績で6位にランクインする大ヒットを記録。第38回日本アカデミー賞最優秀作品賞ほか、8部門を受賞しました。
有川浩原作『図書館戦争』(2013年)
2013年に公開された映画『図書館戦争』は、有川浩の小説「図書館戦争」シリーズを原作とする実写シリーズの第1作。2015年にはテレビドラマと映画第2作が、いずれも監督・佐藤信介、主演は岡田准一&榮倉奈々で公開されています。 舞台は、昭和から“正化”という時代に移り、厳しいメディアの取り締まり法「メディア良化法」が施行されている架空の日本。武力行使も辞さない強引な検閲が正当化されるなか、読書の自由を守るため設立された図書館の自衛組織「図書隊」メンバーの奮闘を描きます。 防衛省・陸上自衛隊・航空自衛隊の協力を得て撮影された本作。公開初日のアンケートで98.2%の観客満足度を得たことでも注目を浴びました。
朝井リョウ原作『桐島、部活やめるってよ』(2012年)
神木隆之介主演により2012年に公開された映画『桐島、部活やめるってよ』は、朝井リョウが大学在学中の20歳の時に発表し、第22回小説すばる新人賞を受賞したデビュー小説を原作とした作品。 いつも通りの金曜日の放課後。それぞれの日常を過ごしていた生徒たちの間に、男子バレーボール部のキャプテンである桐島が部活を辞めたという噂が広まります。それをきっかけに校内の人間関係に少しずつ波紋が広がっていき……。 「スクールカースト」という言葉がまだ日本に浸透していない当時に、校内に形成された見えないヒエラルキーの存在をあぶり出した、残酷でリアルな青春劇です。 オムニバス形式だった原作を、時間軸を再構築して映画化。第36回日本アカデミー賞では最優秀作品賞を含む3部門で最優秀賞を受賞するなど、日本の映画賞を総なめにしました。
角田光代原作『八日目の蝉』(2011年)
2011年に公開された映画『八日目の蝉』は、第2回中央公論文芸賞を受賞した角田光代の同タイトル小説を原作とした「母性」がテーマのヒューマンサスペンス。『ふしぎな岬の物語』(2014年)の成島出が監督を務め、主人公を井上真央が演じました。 不倫相手の妻の赤ん坊を誘拐した野々宮希和子に、愛情込めて育てられた恵理菜。実の両親のもとに戻るも心を閉ざしたまま21歳になった恵理菜は、自分が妊娠していることを知ります。希和子と同じく、相手の男には家庭があり……。 赤ん坊を誘拐する女を永作博美が演じたほか、森口瑤子、田中哲司らが出演しています。映画は大ヒットを記録し、第35回日本アカデミー賞で10冠に輝きました。
筒井康隆原作『時をかける少女』(2006年)
2006年に公開されたSFアニメ映画『時をかける少女』は、1965年から学習研究社の学年誌『中学三年コース』などに掲載されていた、筒井康隆によるSF小説を原作とした作品です。 原作は、時を自在に超える能力を身につけた中学3年生の芳山和子が主人公のストーリー。しかしアニメ映画では原作から約20年後を舞台に、和子の姪・紺野真琴を主人公としたSF青春ラブロマンスとなっています。 理科準備室で不審な人影を目撃した真琴は、転倒して不思議な体験をします。その帰り道、自転車のブレーキが故障して踏切へ突っ込みそうになり、死を覚悟した真琴でしたが、気がつくと少し前の時間に戻っていて……。 監督を務めたのは、『サマーウォーズ』(2009年)の細田守。本作は国内外で高く評価され、映画・アニメ賞など23冠を受賞しています。
小川洋子原作『博士の愛した数式』(2006年)
映画『博士の愛した数式』は、新潮文庫版が史上最速の発売2ヶ月で100万部を突破した、小川洋子の同タイトル小説を原作とした作品。日本映画の巨匠・黒澤明監督の助手を28年間にわたって務めた小泉堯史が、監督を務めました。 博士の背広の袖には、「ぼくの記憶は80分しかもたない」と書かれたメモが留められています。事故により80分しか記憶のもたない数学博士のもとへ派遣された、若いシングルマザーの家政婦。“√(ルート)”と呼ばれた10歳の息子とともに、数字を愛する博士と心を通わせていきます。 家政婦の「私」の視点で描かれた原作に対し、映画では中学校の数学教師になったルートが、あるクラスの授業で思い出を語るというかたちで描かれました。家政婦の「私」を深津絵里、博士を寺尾聰、大人のルートを吉岡秀隆が演じています。
人気ベストセラー小説の映画化はやっぱり面白い!1作品を2度楽しもう
大賞受賞作やベストセラー小説はストーリーやキャラクターが魅力的で、映画化されてもやっぱり面白いもの。映画賞を多数受賞した作品や異例の大ヒットを記録している作品も多いようですね。 また映画化に際してストーリーにアレンジを加えたり、ラストを大きく変えたりすることも多いので、原作と映画の違いを探してみるのも面白いのではないでしょうか。 キャストが演技によってキャラクターの魅力をどう表現しているのか楽しめるのも、原作がある映画ならではのポイントです。 この記事で紹介した25作品は、自信を持っておすすめできる名作映画ばかり!次に観る映画に迷っている人は、ぜひ気になったものを見つけてみてください。もちろん、原作小説を先に読むのもありです!