2022年3月28日更新

映画『余命10年』のあらすじをネタバレありで解説!切なすぎる恋の行方は

余命10年
©2022 映画「余命 10 年」製作委員会

ベストセラー恋愛小説『余命10年』が、小松菜奈&坂口健太郎のW主演で映画化!不治の病を抱える主人公と、ある青年の切ない恋模様が美しい映像と音楽でつづられます。 この記事では、映画『余命10年』のあらすじや見どころ、ネタバレ考察、キャスト、そして原作の情報などを紹介していきます。

この記事には、映画『余命10年』の結末までのネタバレが含まれているので、読みすすめる際は注意してください。

映画『余命10年』のあらすじを紹介

あるとき数万人に1人が発症するという不治の病で、余命10年であることを知った20歳の茉莉(まつり)。残り少ない人生のなかで生きることに執着しないため、彼女は恋だけはしないと決めていました。 そんななか、彼女は同窓会でかつての同級生・和人と再会します。これをきっかけに2人は急接近。茉莉はもう会ってはいけないと思いながらも、自らの病気を隠して、どこにでもいる男女のように和人と楽しい時間を重ねていきます。 思い出が増えるたびに、少なくなっていく残された時間。2人は最後にどんな道を選ぶのでしょうか。

原作は自身も病と闘った小坂流加の小説『余命10年』

原作の概要

小坂流加による同名小説を原作とした『余命10年』。「切なすぎる恋愛小説」としてSNSで反響が広がりつづけ、2017年の発売以来60万部を突破しているベストセラーです。 本作は原作者の出身地である静岡県で、第6回静岡書店大賞の「映像化したい文庫部門」の大賞を受賞するなど、映像化が待ち望まれていました。

原作者はどんな病気だったの?

原作者の小坂は、主人公の茉莉と同様に不治の病を抱えていました。そして本作の文庫版発行直前に病状が悪化し、原発性肺高血圧症で逝去。ファンや書店員から悲しみの声が相次いだことでも話題になりました。

最初で最後の小説『余命10年』は実話?

原作者の小坂流加は、本作の主人公と同じ難病・原発性肺高血圧症を抱えていました。『余命10年』はフィクションですが、その心理描写はただの想像ではなく作者が実際に経験したこと、感じたことにもとづいていると考えられます。 小坂が主人公の茉莉にどの程度自己投影したのか、今となっては知るすべはありません。しかしそうしたリアリティが読者の心を打ったのは間違いないでしょう。

心に響く物語のあらすじをラストまで紹介

茉莉の病気

2011年、桜の季節

茉莉は病院で、闘病仲間の礼子と言葉を交わします。ビデオカメラで撮影された映像を観ながら、「小学校の入学式に間に合ったの」の言う礼子。茉莉にビデオカメラを託し「最後まで生きてね」と言った彼女は、まもなく亡くなりました。 彼女の葬儀で茉莉の目に映ったのは、肩を震わせて泣く礼子の夫の姿でした。葬儀の帰り、茉莉は礼子から譲り受けたビデオカメラで桜の木を撮影します。

2013年、茉莉が退院する

その2年後、茉莉は無事に退院します。これからの楽しい生活をビデオにおさめることにした彼女は、2年ぶりに家族とともに家に帰ってきました。 茉莉は主治医の平田先生から「余命10年」と告げられていました。しかし同時に、彼は「医療も日々進歩しているので、定期的に通院しながら一緒にがんばりましょう」と励ましの言葉もかけてくれます。 定期的に通院しなければいけませんが、これまでの入院生活に比べれば自由のきく生活を精一杯生きようと、茉莉は決心していました。

茉莉と友人

茉莉の退院祝いに、学生時代の友人たちが集まります。友人のうちの1人、美弥の彼氏の店でこれまでのこと、これからのことを話し、盛り上がる4人。茉莉の病気が完全に治ったと思っている友人たちは、「元気になってよかったね!」「これから楽しいことたくさんあるよ!」と声をかけてきます。彼女は苦笑いを浮かべて頷くしかありませんでした。 解散する時間になり父の迎えを待っていたとき、茉莉は沙苗から「小説書かないの?」ときかれます。彼女は高校時代に小説のコンクールで賞をとったりしていたのです。茉莉の書く文章が好きだという沙苗に、茉莉は「むかしの話だよ」と笑うのでした。

茉莉と和人の再会

同窓会

そんなあるとき、茉莉のもとに中学校の同窓会の案内が届きます。当時住んでいた静岡県三島市で開かれる同窓会。参加を決めた彼女は、父に現地まで車で送ってもらうことに。 会場に入ろうか迷っていると、茉莉は「入らないんですか?」と1人の青年から声をかけられます。つづいて「高林さんですよね?」と言われるものの、茉莉には相手が誰なのかわかりませんでした。そうこうしているうちに店から出てきた女性が彼女に「茉莉だよね!?」と声をかけ、店内に案内されます。

茉莉:タイムカプセルの内容

それぞれの近況報告や思い出話などで盛り上がる同窓会。茉莉は「普通の生活」を送る同級生たちの話に複雑な思いを抱いていました。 宴もたけなわというとき、中学卒業時に書いたタイムカプセルが返却されます。茉莉が自分のタイムカプセルを開けると、そこには「元気ですか? 恋人はいますか? 小説は書いていますか? 元気に生きていくてださい。」と書かれていました。

茉莉と和人の境遇

東京での茉莉と和人

同窓会で、現在東京に住んでいるのは茉莉と和人、そしてタケルの3人だけということがわかり、タケルは「今度3人で飲もう」と言います。 東京に戻った茉莉はスーツを着て仕事の面接に行くものの、やはり病気のことが原因で就職はうまくいきません。そんななかタケルから連絡があり、彼女は病院へ向かいます。和人が自室の窓から飛び降り、自殺を図ったのでした。 和人の親から頼まれて病院へやってきたタケルは、彼の両親が来ないことに不信感を持ちながら、和人に飛び降りたわけをたずねます。すると彼は自分が会社をクビになり現在無職であること、同窓会で「普通の生活」を送る友人たちを見て「これっていつまでつづくんだろうと思ったら、ふわーっと」と言いました。 それを聞いて茉莉は「真部くんのことよく知らないけど、それってずるい」と言い席を外します。

和人:タイムカプセルの内容

和人が同窓会で渡されたタイムカプセルには、「父さんの会社でバリバリ働いていますか? 元気で生きていてください。」と書かれていました。 父親が経営する会社を継がないことを決め、両親とも仲違いして東京で暮らしていた彼には、つらい内容だったのでしょう。

和人の退院と3人の会話

和人の退院祝いで彼と茉莉、タケルの3人は、タケルの行きつけの焼き鳥屋「げん」に行くことに。 すると和人がタケルに席を外してもらい、茉莉と2人で話したいと言います。和人は入院中、茉莉が母とともに病院にいるところを目撃していました。彼は茉莉の母が病気のため、あのとき彼女が怒ったのだと勘違いし謝罪してきたのです。茉莉は笑って許し、その後タケルも交えて楽しい時間を過ごしました。 その帰り、茉莉は桜並木の下でカメラを構えます。和人を映しながら「これからどうするんですか?」ときく彼女に、彼は「とりあえずバイトして家賃を払います」と答えます。 茉莉が「わたしもがんばるので、もう死にたいなんて思わないでください」と言ったとき、突風が吹き桜の花びらが舞いました。そして2人は顔を見合わせて笑うのでした。

4人でのデート

その後、和人は「げん」でアルバイトをはじめ、茉莉は沙苗の紹介でコラムを書く仕事をするようになります。 あるとき茉莉が沙苗をタケルに紹介すると、2人はすぐに意気投合し付き合うようになりました。そして彼らは4人でよく遊ぶようになり、春には花見、夏の海や花火大会、冬にはクリスマスパーティーなど、それぞれの季節のイベントを楽しみます。そんななか、和人は何度も茉莉と距離を縮めようとしていましたが、彼女になんとなくかわされていました。 ある日、鍋パーティの後タケルと沙苗が帰り2人きりになったとき、和人は茉莉に「ぶっちゃけ俺のことどう思ってる?」とききます。茉莉は「わからない」とだけ答え、気まずいまま帰っていきました。

2016年、結婚式での体調不良など

2016年、茉莉の姉・桔梗が結婚します。大好きな姉のしあわせな姿を見てよろこぶ茉莉でしたが、披露宴の最中に体調が悪くなり、トイレに駆け込みました。 するとそこに親戚のおばさんたちがやってきて、個室に茉莉がいるとも知らず話しはじめます。「桔梗ちゃんは落ち着いたけど茉莉ちゃんはかわいそうよね。あと3、4年くらいらしいわよ」。 一方の桔梗は茉莉に肺移植手術を提案します。しかし茉莉は「私は生きることを諦めたんじゃない。治療法がないって分かってるんだからもう戦えない」「放っておいてよ」と冷たく言い放ってしまいました。

茉莉と和人の恋

やけ食いする茉莉

あるとき再び学生時代の友人たちと集まった茉莉は、美弥が前回紹介された彼氏と結婚すると報告を受けました。祝福ムードのなか、彼女は美弥の夫から友人を紹介したいと言われます。その相手は心臓に障害があり、お互いに気持ちをわかり合えるのでは、とのことでした。 そのときは笑顔で応じた茉莉でしたが、帰りに別の店でやけ食いします。体に悪いピザやポテトを大量に食べ、酒を飲み、トイレで泣きながら吐きました。

和人の告白

その帰り、バイト先のTシャツ姿のままの和人が茉莉の最寄り駅で彼女を探していました。彼は「茉莉ちゃんが好きだ。俺が茉莉ちゃんの事守るから一緒にいてください」と告白し、ようやく2人は付き合うことになります。 2017年の年越しはタケルと沙苗を交えた4人で過ごしたり、一緒に買い物に行ったり、夏には花火をしたりと、普通のカップルのようにしあわせな時間を過ごしていく2人。 そんななか、茉莉は自分の経験をもとに小説を書くことを決意します。

余命10年を和人に打ち明ける

冬になり、茉莉と和人は1泊でスノーボードをしに行くことにしました。楽しく遊んでいた2人でしたが、和人が転んだ拍子に彼のポケットから白い小さな箱が落ちます。茉莉にも見られてしまったため、彼は箱を開け、指輪を見せながら彼女にプロポーズしました。しかし茉莉は「かっこ悪かったからダメー!」と冗談めかして断ります。 2人はその夜結ばれましたが、翌日茉莉は和人が起きる前に宿泊していたコテージを出ました。それに気づいた和人は慌てて彼女は追いかけます。引き止める彼に茉莉は自分の病気のことを告白します。20歳のときに余命10年と診断された自分は、もう数年しか生きられない。「これ以上カズくんといると、私死ぬのが怖くなっちゃう」。 和人は治療すれば治るのではと食い下がりますが、茉莉はもうできることは全てしたことを伝え「彼女にしてくれてありがとう。カズくんは生きていってね」と言います。茉莉に抱きつき「嫌だ嫌だ嫌だ……!」と泣きじゃくる和人。しかし最後には「わかった」と言って彼女を放しました。 帰宅した茉莉は母の肩にもたれかかりながら「もっと生きたいよ。死にたくないよ。親孝行もしてないよ」と涙を流します。

茉莉と和人、別れまで

2019年、入院先での茉莉

病状が悪化するなか小説を書き上げた茉莉は、それを沙苗に託します。 2019年、入院中の茉莉はやせ細り、常に酸素マスクをつけていなければならず、心電図などの機械に体をつなげられ、髪も短く切っていました。彼女はそれでも沙苗と小説の校閲をつづけており、姉の桔梗に小説のなかでは彼女に子どもがいることにした、と言います。 桔梗は「なんで知ってるの?」と驚いた様子。子どもが生まれるのは来年の夏ごろと言われ、茉莉は「最後まで私の命を諦めないでくれてありがとう。お姉ちゃんがお姉ちゃんでよかった」と感謝を伝えました。それを聞いて、桔梗は涙ぐみます。

和人のその後と動画を消す茉莉

一方の和人は「げん」で新入りのアルバイトの指導をしながら、独立して自分の店を持つ準備を進めていました。今では師匠となった店主のげんに、店の名前は「まつり」にすると報告します。 病室にいる茉莉は、友人たちや和人との思い出がつまったビデオカメラを見ていました。そして涙を流しながら、次々にそのデータを消していきます。しかし、いちばん最初に夜桜の下で和人にカメラを向けたときの映像は消すことができずにいました。 そのまま横になった彼女は、和人としあわせな家庭を築く夢を見ます。心電図の警告音が鳴り、駆けつけた医師たちの処置で茉莉はなんとか息を吹き返しました。

「余命10年」の原稿を読む和人

和人の店の開店祝いにタケルとともに駆けつけた沙苗は、彼に「お祝いのプレゼント」と言って大きな袋をわたします。「閉店後に開けてね」と言った彼女の言葉どおり、店を閉めた和人がそれを開けると、中に入っていたのは、茉莉が書き上げた小説『余命10年』の原稿でした。 泣きながらそれを読み終わった和人は、自転車を飛ばして茉莉が入院している病院に向かいます。彼が到着すると、意識のない茉莉のそばに家族が付き添っていました。

2人の最期の時

家族は席を外し、茉莉と和人は2人きりになります。 意識のない茉莉に向かって、和人は自分の店をオープンしたこと、店の名前が「まつり」であることを伝えました。すると茉莉が目を覚まして彼の名前を呼び、笑顔を見せます。和人は「茉莉ちゃん、よくがんばったね……。がんばった……」と涙を流しながらも、何度も笑顔で伝えました。 茉莉の葬儀の日、彼女のビデオカメラを受け継いだ和人は、あの日一緒に歩いた桜並木でカメラを構えていました。笑顔で歩く2人の様子を想像していたとき、あのときと同じように突風が吹き、桜の花びらが舞い散ります。その先に和人はなにかを見たのでした。

作者の人生を映したかのような原作とは異なるストーリーに

余命10年 藤井道人
©2022映画「余命10年」製作委員会

映画『余命10年』でメガホンをとったのは、『新聞記者』(2019年)や『宇宙でいちばんあかるい屋根』(2020年)など、社会派作品から心温まる映画まで幅広いジャンルで活躍している藤井道人。彼によれば、映画版は原作とは違う“フィクション×ノンフィクション”のストーリーになっているそうです。 映画化にあたって原作を読んだ藤井は、原作者がすでに亡くなっているという背景もあり、製作に不安があったとか。しかし小坂の家族に会う機会を得て、覚悟が芽生えたと語っています。 家族から生前の小坂について話を聞いたという彼は、彼女の実際のエピソードが物語の半分以上に影響していることを明かしました

改変が観客に非常に好評

原作と映画版では、登場人物たちの設定が違っていたり、映画オリジナルのシーンがあったりと、大きく違っています。 原作がある映画の場合、そうした改変が快く受け入れられることは難しいものですが、本作の場合は、その改変部分が非常に好評です。

和人と茉莉の設定の違い

余命10年
©2022映画「余命10年」製作委員会

原作と映画とではさまざまな違いがありますが、ここでは茉莉と和人の設定に注目してみましょう。 茉莉は、原作では漫画を描いたりコスプレをしたりしていましたが、映画版では小説を書いています。高校生のころに小説の賞を受賞しており、これは原作者自身が子どもの頃から小説を書くことが好きだったことをもとにしているようです。 また、和人は原作では茶道の家元の長男。しかし映画版では、彼の父親は会社経営者になっています。どちらも周囲からのプレッシャーを感じていましたが、最終的に彼が決めた道は原作と映画で変わっています。

友人たちとの青春も描く

余命10年
©2022映画「余命10年」製作委員会

原作小説では、茉莉と和人の恋愛が中心になっていました。しかし映画では、2人を取り巻く友人たちとの日々も描かれています。 2人の中学の同級生タケルは、茉莉の紹介で彼女の大学時代からの友人である沙苗と出会い、付き合い始めました。彼ら4人はさまざまな季節の行事を楽しみ、思い出を作っていきます。 小説では描かれていませんが、こうした青春も作者が経験してみたかったことなのかもしれません。

闘病の描写がより厚く

原作は文庫版出版にともない、闘病シーンが大量に加筆されました。「難病もの」を手掛けることに不安があったという監督の藤井道人ですが、特にそうしたシーンに心を打たれ、映画化を決めたようです。 また小説では、茉莉と和人の関係に焦点が置かれていますが、映画では茉莉の家族との関係も見どころ。まもなく死を迎える娘・妹を持つ家族が、努めて明るく振る舞ったり、最新の医療を受けさせようとしたりと、家族の反応が特に俳優たちの演技により、くっきりと描き出されています。

2人が最後に出会う時

原作と映画で最も大きく違うのは、茉莉と和人が最後に顔を合わせるのが茉莉の生前か死後か、というところです。 原作では和人に別れを告げてから亡くなるまでの3年間、茉莉は1度も彼に会うことはありませんでした。しして彼女の葬儀で和人はようやく彼女と再会することになります。しかし映画では、和人は昏睡状態とはいえまだ生きている茉莉に会うことができ、自分が自分の人生を歩みだしたことを報告しました。 原作のシビアな展開も作者の覚悟を感じさせますが、映画でこのように改変されたのは、監督が2人を最後に会わせてあげたい、しあわせな気持ちになってほしいと願ったからではないでしょうか。

映画『余命10年』の口コミ・評価を紹介

総合評価
3.5

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30代女性

生きることと死ぬこと、それぞれの“当たり前さ”と“特別さ”について考えさせられる作品です。キャストたちの演技にも引き込まれます。茉莉と和人、家族、友人たち。それぞれの関係や心情が丁寧に描かれていて、そういった状況に直面したことがない人でもリアルさを感じられるでしょう。しかし、映画が終わった後にあまり余韻が残らなかった点が少し残念でした。

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20代男性

生きることの尊さを感じさせてくれました!毎日ぼーっと生きるんじゃなく、ちゃんと目標を持とうと思いました。季節の移ろいがとても美しく描かれていて、映像を見るだけでも心が洗われる作品です!

映像と音楽が美しい!映画のみどころを紹介

主題歌はRADWIMPSの「うるうびと」

映画『余命10年』の主題歌は、RADWIMPSによる「うるうびと」。楽曲を手掛けた野田洋次郎は、脚本を読んでこの曲を作曲。映画よりも先に完成したデモを聴きながら、キャストたちは撮影に臨んだそうです。 最終的に完成版のレコーディングにあたっては、映画を100回近く観て調整をしていったと語る野田。和人の気持ちを代弁するような、切実な想いが込められた歌詞に心を揺さぶられます。物語に寄り添う切ない歌詞と優しいメロディ、透明感のある歌声に涙が溢れること間違いなしです

RADWIMPSによる主題歌以外の劇中曲にも注目!

RADWIMPSは、今回主題歌だけでなく29曲もの劇伴も書き下ろしています。 初めて実写映画で劇伴を担当するという新たな挑戦に挑んだ彼ら。シーンごとにそれぞれの登場人物にどんな音で寄り添うのか、背中を押すのか、苦悩することもあったと語りました。 映画では、数多く書き下ろされた劇伴のなかから厳選された楽曲が効果的に使われています。鑑賞の際には、ぜひ主題歌だけでなくそれぞれのシーンにマッチする音楽にも耳を傾けてみてください

1年もかけて撮影している!季節が移り変わる様子に期待

本作は四季折々の美しい映像も見どころの1つです。移り変わる時間、そして刻一刻と変わっていく登場人物たちの人生を表現するために、1年かけて撮影されました日本映画の撮影期間は平均で1ヶ月から3ヶ月なので、これは異例のこと。10年で10回めぐる季節の空気感をとらえたいという、藤井監督のこだわりが感じられますね。 それぞれの季節の楽しい思い出が、茉莉に残された時間の短さを切なく彩ります。桜の散る季節から、夏の海辺での楽しい時間や花火大会、銀杏が色づく秋から雪の降り積もった景色まで、作り物でない美しさが魅力的。茉莉と和人が重ねた時間を感じさせます。 きっと誰もがこんな光景を見たことがある、茉莉が自分には手が届かないと思っていた“普通の”日々の眩しさを感じさせました。

ビデオカメラを通した茉莉の見ていた景色

余命10年
©2022 映画「余命 10 年」製作委員会

映画版では、さらに映像ならではの手法が用いられました。それは茉莉がいつも手にしていたビデオカメラ。それを使って、彼女の視点から移り変わる季節の楽しい瞬間が切り取られています。 友人たちや和人の顔のアップ、手ブレがリアルさを感じさせ、まさに私たちが恋人や友人、家族と楽しく過ごしているときのような映像です。そこから茉莉が確かに“生きていた”と感じられるのではないでしょうか。 茉莉の死後、和人はそのビデオカメラを受け継ぎました。彼はまた新しく、大切な日々を撮影していくのでしょう。

小松菜奈×坂口健太郎W主演!キャスト情報を紹介

高林茉莉役/小松菜奈

本作の主人公で、数万人に1人の不治の病に侵された高林茉莉(たかばやし まつり)を演じるのは、演技派として数多くの作品で活躍する小松菜奈です。 1996年生まれ、東京都出身の彼女は2014年の『乾き。』で日本アカデミー賞新人俳優賞を受賞。以降『バクマン。』(2015年)や『ディストラクション・ベイビーズ』、『溺れるナイフ』(ともに2016年)などの作品に出演し、注目を集めてきました。 2017年に日本公開されたマーティン・スコセッシ監督による『沈黙−サイレンス − 』でハリウッドデビューし、その後も数多くの作品に出演しています。

真部和人役/坂口健太郎

もう1人の主人公・真部和人(まなべ かずと)は茉莉と恋に落ち、彼女を変えていく元同級生坂口健太郎が演じます。 モデル活動を経て2014年に俳優デビューした彼は、『64-ロクヨン-前編/後編』(2016年)で日本アカデミー賞新人俳優賞を受賞。その後『君と100回目の恋』(2017年)や『今夜、ロマンス劇場で』(2017年)などの映画で主演を務めるほか、ドラマにも多数出演しています。 2021年には朝ドラ『おかえりモネ』への出演でも話題になりました。

富田タケル役/山田裕貴

茉莉と和人の中学の同級生・富田タケルを演じるのは山田裕貴。 1990年生まれ、愛知県出身の彼は「HiGH&LOW」シリーズや『東京リベンジャーズ』(2021年)など、数多くの映画への出演で知られています。

藤崎沙苗役/奈緒

茉莉の親友・藤崎沙苗(ふじさき さなえ)を演じるのは、『半分、青い』(2018年)などへの出演で奈緒です。 2019年のドラマ『あなたの番です』でストーカー役を演じ、その怪演が話題を呼びました。以降、『事故物件 恐い間取り』や『みをつくし料理帖』(ともに2020年)に出演。2021年には映画7作品に出演する大活躍を見せています。

三浦アキラ役/井口理(King Gnu)

茉莉の友人・美弥の彼氏である三浦アキラ。 アキラを演じるのはKing Gnuでボーカルとキーボードを担当する井口理です。近年は俳優としても活動しており、映画『劇場』や『佐々木・イン・マイ・マインド』、ドラマ『MIU404』(すべて2020年)などに出演しています。

桔梗役/黒木華

(画像右) 茉莉の姉・桔梗(ききょう)は黒木華が演じます。 黒木は2014年の『小さいおうち』でベルリン国際映画祭銀熊賞、2020年の『浅田家!』で日本アカデミー賞最優秀助演女優賞を受賞した実力派。ドラマ『重版出来!』(2016年)や『凪のお暇』(2019年)などへの出演でも知られています。

平田先生役/田中哲司

茉莉の主治医である平田は、原作には登場しない映画オリジナルキャラクターです。 そんな平田を演じるのは田中哲司。彼はバイプレイヤーとして舞台、映画、ドラマで幅広く活躍しています。2019年の映画『新聞記者』につづいて、藤井道人監督作品への出演となります。

梶原役/リリー・フランキー

和人のバイト先の店主・梶原も原作には登場しない映画オリジナルキャラクター。演じるのはリリー・フランキーです。 2013年には『そして父になる』で日本アカデミー賞最優秀助演男優賞を受賞。主演作『万引き家族』(2018年)は、カンヌ国際映画祭でパルムドールを獲得しました。

百合子役/原日出子

(画像左) 茉莉の母・百合子を演じるのは、ベテラン女優として知られる原日出子。 1981年の朝ドラ『本日も晴天なり』でヒロインを務め注目を集めた彼女は、その後も映画、ドラマ、バラエティ番組と、安定して活躍をつづけています。2019年には、映画『鈴木家の嘘』で第33回高崎映画祭最優秀主演女優賞を受賞しました。

明久役/松重豊

(画像中央) 茉莉の父・明久は、「孤独のグルメ」シリーズなどで知られる松重豊が演じます。 バイプレイヤーとして舞台、映画、ドラマと数多くの作品で活躍する彼は、近年では映画『ヒキタさん!ご懐妊ですよ』(2019年)や『老後の資金がありません!』(2021年)などの作品に出演しています。

映画『余命10年』は生きることの尊さを感じさせてくれる

待望の映画化となった『余命10年』。小松菜奈と坂口健太郎のW主演でも注目を集める本作は、恋愛だけでなく、家族愛や友情など、さまざまな愛が描かれた誰の胸にも響く作品となっています。 生きることの尊さ、死に向き合う覚悟を感じさせる本作は、ただの「泣ける難病もの」にとどまらない深さがあり、観客自身に自分の人生を生きる意味を考えさせてくれるでしょう。 映画オリジナルのストーリーだけでなく、映像や音楽にもこだわった映画『余命10年』をぜひ観てみてください!