2019年3月15日更新

『平成狸合戦ぽんぽこ』キャラクター&声優キャスト一覧【ベテラン俳優&落語家集結】

平成狸合戦ぽんぽこ
© Studio Ghibli/Buena Vista Home Video

1994年公開のジブリ映画『平成狸合戦ぽんぽこ』。狸たちが住処を守るため「化け学」をもって人間に立ち向かう様はキュートかつシリアスで、多くの人々に感動を与えました。今回は『平成狸合戦ぽんぽこ』のキャラクターと声優キャストを紹介します。

ジブリが送る狸ファンタジー『平成狸合戦ぽんぽこ』の声優一覧

『平成狸合戦ぽんぽこ』は1994年、スタジオジブリによって制作された劇場アニメ映画です。高畑勲(原作・脚本・監督)と宮崎駿(企画)がタッグを組み生まれた本作は、住処を守ろうと奮闘する狸たちを描いたハートフルな人情劇で、公開から20年以上が経つ今でも根強い人気を誇っています。 多摩ニュータウン建設のために住処を失うことになった狸たちは、ふるさとを守るため人間に立ち向かう決心をします。見どころは何と言っても狸たちの使う“化け学”。狸たちが見せる奇怪変化は可愛らしくもどこか恐ろしさ漂うものばかりです。 そんな狸たちの声優を担当したのは、ベテラン俳優・タレントや有名落語家たち。これまでも落語家がジブリ声優として起用されることはありましたが、本作は特に多くの落語家が出演しています。演技・喋りのプロたちが声優として狸たちに声を吹き込み、作品の魅力を引き上げました。 この記事では、登場したキャラクターとともに声優を紹介します。

語り/三代目古今亭志ん朝

映画の語りを担当したのは三代目古今亭志ん朝。五代目古今亭志ん生の次男で、十代目金原亭馬生を兄に持つ落語家です。実力、名声ともに高く、七代目立川談志、五代目三遊亭円楽、五代目春風亭柳朝と並んで落語界の四天王と呼ばれました。 江戸落語の代表者である三代目古今亭志ん朝の語りが、『平成狸合戦ぽんぽこ』の世界観を引き立てています。

正吉/野々村真

物語の主人公・正吉は、冷静で人間的な思考を持つ若狸。群れの中でも優等生で、他の狸たちをまとめるリーダー正吉の声を演じるのは、俳優でタレントの野々村真です。

情報番組、クイズ番組、ドラマなど、各方面で多彩なキャラを見せる野々村ですが、声優としてのキャリアは『平成狸合戦ぽんぽこ』だけ。世間の持つ“おバカキャラ”というイメージを封じて、野々村真が挑んだ正吉はそれだけでも一見の価値アリです。

おキヨ/石田ゆり子

おキヨ(画像右)は正吉と恋仲にあり、正吉とともに“双子の星作戦”を決行したメスの狸。弱さを見せない気丈なおキヨの声は、女優の石田ゆり子が担当しました。

石田ゆり子は『黄泉がえり』『悼む人』など数多くの映画・ドラマに出演する名女優です。演技力はもちろん、美貌と可愛らしさでも絶大な支持を得ています。『平成狸合戦ぽんぽこ』を皮切りに、その後『もののけ姫』『コクリコ坂から』のジブリ2作にも声優として起用されました。

権太/泉谷しげる

武闘派で手荒い手段を好む鷹ヶ森の権太(画像左から2番目)を演じるのは、シンガーソングライターで俳優の泉谷しげる。血が荒く強行手段を辞さない権太の性格に、泉谷しげるの勝気な声色がとてもマッチしています。

1971年のデビュー以来、歌手としての活動にとどまらず、映画・ドラマなどでユニークなキャラクターを発揮してきました。その強烈な個性は声の出演でも健在のようです。

鶴亀和尚/五代目柳家小さん

菩提餅山万福寺に住み着く長老狸・鶴亀和尚(画像右から3番目)。思慮深い大長老を、五代目柳家小さんが演じます。

五代目柳家小さんは1915年生まれの落語家で、1995年には落語家初の重要無形文化財(人間国宝)に認定されました。また落語家としての活動のみならず、映画やドラマにも多く出演。2002年に他界しましたが、五代目柳家小さんの小粋な喋りは、鶴亀和尚に宿り残り続けます。

おろく婆/清川虹子

母ちゃん役として山の狸たちの面倒を見る一方、化け学の先生として講習や実技練習を行うおろく婆(画像下)。最後まで狸たちを見守ったおろく婆の声を、喜劇女優・清川虹子が担当しました。

清川虹子は1912年、千葉県松戸市に生まれた喜劇女優です。1956年の放送後、日本の国民的アニメとなった『サザエさん』では磯野フネを演じました。

ぽん吉/九代目林家正蔵

正吉の幼なじみで親友のぽん吉(画像右から2番目)は、化けることのできない並みの狸。化けはできないけれど純真無垢で優しい性格のぽん吉を、林家こぶ平(九代目林家正蔵)が演じました。ぽん吉の見た目や性格が九代目林家正蔵自身と良くシンクロしていて、違和感なく物語に入り込むことはができます。

こぶ平時代、タレントとしてテレビに出演することが多かった彼ですが、九代目林家正蔵を襲名してからは落語家としての仕事に専念しています。

青左衛門/三木のり平

鈴ヶ森の長老・青左衛門(画像左から2番目)は、もともと権太とライバル関係にあり、鷹ヶ森の狸たちを敵対していました。しかし人間のニュータウン開発を知ってからは他の狸と協力し危機を救います。終盤では、人間に化けて不動産屋として成功を収めた様子が描かれています。

三木のり平は1924年生まれの俳優・演出家・コメディアンです。森繁久弥が主演を務めた喜劇映画「社長」シリーズや「駅前」シリーズを代表作とし、『犬神家の一族』や、大河ドラマ『翔ぶが如く』などにも出演しました。

玉三郎/神谷明

イケメンな狸・玉三郎(画像右から2番目)は、四国の狸に助けを求めるため使者として送られます。その後、四国の六代目金長の娘・小春の夫となり金長の跡目を継ぎました。

玉三郎の声優を務めたのは、神谷明。1970年から声優として第一線で活躍しており、これまで『北斗の拳』のケンシロウや『シティーハンター』の冴羽獠、『名探偵コナン』の初代・毛利小五郎など有名キャラクターの声を演じてきました。

六代目金長/三代目桂米朝

六代目金長(画像右)は徳島県小松島市にある金長神社の主で、金長大明神としてまつられている狸。玉三郎に連れられ多摩にやってきて妖怪大作戦を計画します。のちに玉三郎の嫁となる小春の父親です。

六代目金長の声を演じたのは落語家・三代目桂米朝。第二次世界大戦後、下火となっていた落語の継承・復興に貢献し1996年には人間国宝に認定されています。さらに2009年には落語界から初となる文化勲章を受賞しました。2015年にこの世を去っています。

太三朗禿狸/五代目桂文枝

太三朗禿狸(たさぶろうたぬき/画像中央)は屋島に住む狸で、六代目金長、隠神刑部と共に多摩にやってきます。年齢は999歳。妖怪大作戦後は変化できない狸たちの踊り念仏の教祖となります。

太三朗禿狸を演じたのは、昭和の「上方落語の四天王」と呼ばれた五代目桂文枝です。本作で共演した三代目桂米朝も、同じく四天王と呼ばれた人物でした。出身地である大阪では大阪文化祭賞や大阪市民賞を受賞しています。声優として出演したのは本作のみでした。

隠神刑部/芦屋雁之助

隠神刑部(いぬがみぎょうぶ/画像左)は愛媛県松山市の狸。化け狸808匹、通称・八百八狸(はっぴゃくやだぬき)を統率しており、江戸時代には悪玉の味方をして一族を没落させています。妖怪大作戦で尽力した結果、命を落としてしまいました。

隠神刑部の声優を担当したのは、1931年生まれの俳優・歌手である芦屋雁之助(あしやがんのすけ)。幼いころから芸事に興味があり、若いころは漫才師の弟子として舞台に立っていました。画家の山下清をモデルにした『裸の大将放浪記』で清を演じ、これが彼の代表作となりました。

ジブリ映画『平成狸合戦ぽんぽこ』には異色な声優陣が息を吹き込んでいた!

話題の俳優が声優として起用されることが多いジブリ作品ですが、『平成狸合戦ぽんぽこ』には落語家やベテラン俳優が集結し、豪華で異色な声優陣となりました。 高畑勲が監督を務めた本作を、是非この機会に見返してみてはいかがでしょうか?