『BLEACH』藍染惣右介(あいぜんそうすけ)の名言が沁みる……彼の目的と最後を解説
『BLEACH(ブリーチ)』の名言製造機でありキーパーソンでもある護廷十三隊五番隊隊長・藍染惣右介。優しい笑顔の下に隠した彼の本当の目的とは?本記事では藍染惣右介にスポットを当てて、彼の過去や正体、強さ、そして屈指の名言たちを解説していきます。 ※本記事では『BLEACH』の重要なネタバレを含みます。
『BLEACH』藍染惣右介のプロフィール
藍染惣右介(あいぜんそうすけ)は元護廷十三隊・五番隊隊長。柔らかな物腰と笑みが印象的な人物で、ほかの隊長格からも慕われている人格者といった雰囲気をまとっています。 特徴として、髪型は初期は前髪を下ろしていましたが、尸魂界(ソウル・ソサエティ)を去る時から、オールバックにイメージチェンジ。 また黒縁メガネをかけていて、頭のよさそうな面持ちです。ちなみにこの眼鏡姿も初期までで尸魂界から去る際に眼鏡も外していました。
誕生日 | 5月29日 |
---|---|
身長/体重 | 74kg/身長186cm |
作中屈指の名言製造機!
巻頭のオサレポエム以外にも、本編で数多くの名言が登場する本作。なかでも藍染惣右介は屈指の名言製造機として有名です。「あまり強い言葉を遣うなよ 弱く見えるぞ」や「憧れは理解から最も遠い感情だよ」など、作品を代表する名言の数々を残しています。 とくに彼が本性を表して以降は、口にする言葉がすべて名言になる勢いです。彼の珠玉の名言は本記事の後半で詳しく紹介!ぜひとも抑えておきたい藍染語録を楽しんでください。
【正体】藍染の裏切りの内容を解説
藍染は五番隊隊長として活躍していました。副官の雛森桃を親の様に接していたり、阿散井恋次(あばらいれんじ)にルキア処刑に対する疑問を投げかけていたりと、優しく知性溢れる理想の上司として死神全体から非常に慕われています。 また特技は書道で、その腕前は名人級。藍染の教える書道の授業では毎度満員となっていて、席がなく廊下で授業を受ける生徒もいるほど大人気でした。
裏に隠された恐ろしい本性
表向きでは死神たちから絶大な信頼と人気を得ている藍染惣右介ですが、実は冷酷な性格を持った恐ろしい人物だったのです。 部下を自分の目的の果たす駒としてしか見ていない為、藍染の中で不必要と判断した部下にはいとも簡単に手にかけるほどの非情さをもっています。 恐らく、一番の藍染の被害者は五番隊副隊長の雛森桃に違いありません。作中で雛森は藍染を深く敬愛しており、そこを藍染に利用され、裏切られてしまいます。雛森桃はショックでしばらく立ち直ることが出来ずにいました。
ルキアと一護との出会いも藍染が仕組んだ出来事だった
藍染惣右介はルキアの中の崩玉を我が物とする為の計画を立てていました。その1つはルキアを人間界に送り込むことです。また、生まれた頃から観察対象として見ていた黒崎一護とルキアを出逢わせて、一護に死神の力を与えるように仕向けています。 これも別の計画の1つの様で、ルキアと一護の出逢いは偶然ではなく藍染により用意された必然の出逢いと言えるでしょう。
【目的】“頂点に立つ”ために崩玉を奪うべく画策
「尸魂界編」で発生した、ルキアの処刑騒動。尸魂界の司法機関・中央四十六室からの命令に従ってルキアの処刑が進められていましたが、これは全て藍染によって仕組まれていました。 彼の狙いは、ルキアの魂魄の中に隠された「崩玉(ほうぎょく)」というアイテムにあったのです。崩玉は浦原喜助によって開発され、決して壊れることなく「死神と虚の境界を操る力」を持つと語られました。 しかし、その真の能力が別にあると気付いた藍染はルキアと一護の出会いすら仕組んで「周囲にあるものの心を取り込み具現化する」能力であることを確認しました。 そして自らの「頂点に立つ」という目的のために極刑でルキアの魂魄を蒸発させ、崩玉を奪おうと企てたのです。
【名言】藍染のカリスマ的な名セリフ解説
「……あまり強い言葉を遣うなよ 弱く見えるぞ」
ルキアの処刑騒動の中で自らを慕う副隊長・雛森桃(ひなもりもも)すらも裏切り、陰謀の駒とした藍染。市丸ギンを通して彼女に偽の情報を伝え、日番谷冬獅郎(ひつがやとうしろう)を藍染殺しの犯人に仕立て上げました。 雛森は混乱しながらも、日番谷を討とうと襲い掛かります。日番谷はあっさりと雛森を制しますが、大切な存在を傷つけられて激昂。怒りをあらわにする彼に、藍染は「あまり強い言葉を遣うなよ 弱く見えるぞ」と言い放つのです。 いつもの穏やかな笑みではなく、威圧的な笑みを浮かべながら……。
「憧れは理解から最も遠い感情だよ」
こちらも、ルキアの処刑騒動で日番谷と藍染が対峙した際の名言です。雛森が藍染をいかに慕って努力したかを知っていたからこそ、裏切れた理由が分からず日番谷は雛森の過去を話します。 雛森の憧れを知らないはずはないと……。藍染は「知っているさ」と認め、「憧れを抱く人物ほど御し易い」とも語った後にこの名言が登場しました。 強く憧れたほど、憧れたままの人物像を信じきってしまう……それは理解から程遠いのだと。
「私が天に立つ」
このセリフも上記に続き20巻で登場しました。崩玉を手に入れて離反する際、浮竹十四郎(うきたけじゅうしろう)の叱責に対し放ったセリフです。 ネットではこのフレーズが特に有名ですが「最初から誰も天に立ってなどいない君も僕も神すらも。だがその耐え難い天の座の空白も終わる。これからは 私が天に立つ」と、このセリフに至る流れもかっこいい! トレードマークだったメガネを握りつぶし、髪をかきあげ、まさに悪役に変貌する瞬間。セリフだけでなく表情や仕草も悪のカリスマとして最高に決まっているシーンです。
「目に見える裏切りなど知れている 本当に恐ろしいのは目に見えぬ裏切りですよ」
37巻で明らかになった藍染と当時その上官だった平子真子(ひらこしんじ)とのやりとりで登場したセリフです。藍染は「目に見える裏切りなど知れている 本当に恐ろしいのは目に見えぬ裏切りですよ」と平子の裏切りついて切り込みます。 このとき実際に「目に見えぬ裏切り」を実行したのは、この発言をした藍染本人なわけです。自分の恐ろしさを理解したうえで有言実行する男・藍染惣右介、やはりただものではありません。 切れ者の平子の思惑をさらに逆手に取って、自分が1枚上手だという現実を突きつける姿には、副隊長以上の風格が漂っています。
「一体いつから――鏡花水月を遣っていないと錯覚していた?」
「破面編」の終盤、現世での戦闘中に発された名言。十刃(エスパーダ)との戦いを終え、隊長格とヴァイザードは協力して藍染を討たんとします。共に切り掛かった日番谷の斬魄刀が藍染の胸を貫き、倒したと確信した一同……。途端、一護は「みんな一体何をしてんだよッ!?」と叫び始めるのでした。 実は隊長格達が切り掛かった瞬間、藍染の斬魄刀・鏡花水月の能力“完全催眠”による錯覚は既に始まっていました。端から見ていた一護は、鏡花水月の催眠にかかっていない唯一の死神。彼が見ていたのは、日番谷が雛森の胸を刃で貫いていた光景でした。 それからもれなく全員が催眠を解かれ、貫かれた雛森の姿を目の当たりにします。平子はいち早く鏡花水月の能力によるものだと気付き、問います。一体いつから鏡花水月を遣っていたのかと。 藍染は答えます。「ならばこちらも訊こう。」「一体いつから――鏡花水月を遣っていないと錯覚していた?」と。
「だから人はその歩みに特別な名前をつけるのだ 「勇気」と」
最終話、死の存在しない世界を作ろうとしたユーハバッハが倒されます。藍染は「人はただ生きるだけでも歩み続けるが それは恐怖を退けて歩み続けることとはまるで違う」と言ったうえで「だから人はその歩みに特別な名前をつけるのだ 「勇気」と」と語りました。 死=恐怖があるからこそ、人は勇気を持てるという非常に深い言葉です。崩玉を取り込んで不死に近い状態となっている藍染は、いわば死の恐怖から解放された側の存在。そんな彼が、ユーハバッハを倒し世界を守る勇気を持っていた一護たちの勝利を肯定しているのは胸熱です。
【最後】千年血戦篇での藍染の結末をネタバレ解説
護廷十三隊と決戦
「破面編」では、崩玉の力で生み出した破面(アランカル)達を率いて一護達が住まう空座町(からくらちょう)へと侵攻します。「頂点に立つ」という野望をもつ藍染が、なぜ現世の中でも空座町を狙うのか……?それには、空座町の特性と“至高の存在”が関わっています。 至高の存在とは「霊王(れいおう)」のことで、世界を支える礎であり尸魂界とはまた別の世界にいます。その世界に行くためには王鍵(おうけん)が必要であり、10万の魂魄と半径1霊里の重霊地(じゅうれいち)があれば作ることができます。 重霊地とは、霊的なものが集まりやすい特別な土地のことで、これこそが空座町だったのです。空座町の住民を含む魂で王鍵を作って霊王のもとへ向かい、殺すことで自分が神になろうとしていました。
一護との決戦!倒すことはできたのか
現世で総隊長をも倒した藍染は、一瞬の隙に虚化した一護の月牙天衝を受けてしまいます。しかし、取り込んだ崩玉の力で瞬時に回復。浦原喜助らの援護もむなしく、崩玉の力で姿を変えつつ圧倒的な力を発揮して彼らを倒し、本物の空座町がある尸魂界へ。 そんな彼に対抗するため、一護は「最後の月牙天衝」を習得します。それは死神の力と引き換えに使える最後の技で、習得後の一護は霊圧を失い容姿も大きく変化。藍染は成長した一護に圧倒され、死神も虚も超越した攻撃を防がれたうえに「最後の月牙天衝」に倒れます。 そこで感じた「一護には勝てない」という思いを崩玉に読み取られ、斬魄刀と死神の力を失い……浦原が打ち込んでいた封印術「九十六京火架封滅」により封じられてしまいます。 死なない藍染に下された判決は監獄の最下層「無間」への1万8800年の投獄。しかし四十六室を挑発してしまい、刑期を2万年に延ばされたうえ目と口を塞がれることとなりました。
千年血戦編では死神側へ加担
最終章「千年血戦篇」で、物語はユーハバッハ率いる滅却師(クインシー)の軍団「星十字騎士団(シュテルンリッター)」との戦いへ。ユーハバッハはあらゆる世界を1つにすることで、魂の移動、すなわち“死”を取り除き、それによる恐怖をなくそうと画策しています。 そんなユーハバッハは「全知全能」というとてつもない能力を持っていましたが、その彼が要注意人物として警戒する5人の「特記戦力」に藍染も含まれていました。藍染の特記事項は霊圧。ユーハバッハにありえない高さの霊圧を見込まれ、勧誘を受けましたが断っています。 決戦の終盤、瀞霊廷にやってきたユーハバッハに一護・恋次とともに対峙します。鬼道などで援護しますが、未来も自在に見通し、思いのままにするユーハバッハに太刀打ちできません。 一護は不意打ちを受け止められ、腹に手が貫通――というのは錯覚。実際に攻撃されていたのでは一護ではなく藍染でした!これによって一護が攻撃するチャンスを作ることに成功するのです。 最終話では監獄に戻った藍染が、ユーハバッハの最期を回想。「自分を倒したせいで、永遠に死の恐怖が存在し続ける」という一護を責めるようなユーハバッハの台詞に対して、彼は「恐怖があるからこそ希望があり、生きるなかでの歩みが勇気だ」とつぶやきました。
【関係】平子真子も計画のために利用されていた
101年前、当時の隊長の平子真子は藍染の計画に利用され、虚(ホロウ)化の実験台にされてしまいます。 技術開発局の浦原喜助の手により虚化を留めるだけで、一命は取り留めたものの、四十六室の決定で虚としての処刑が決まってしまった平子たちは、現世に逃げ隠れる事になってしまいます。 その時、同じく実験台にされた死神の仲間と共に“仮面の軍勢”(ヴァイザード)を結成し、藍染への復讐を誓うのでした。そして、藍染惣右介との激闘の末、ヴァイザードの処刑を逃れた罪は取り消しになり、山本総隊長とも和解。 最終的にヴァイザードは目的達成のため事実上の解散状態のようです。また、平子とローズ、そして拳西と白は護廷十三隊に復帰し、残りのメンバーは現世に残ることを選びました。
【能力】斬魄刀と強さを解説!鬼道の実力がすごい
強力な催眠能力!鏡花水月
藍染の斬魄刀は「鏡花水月(きょうかすいげつ)」といい、能力解放によって刀の形が変わることはありません。しかし、解放の瞬間を一度でも見た相手の五感などを支配し誤認させる“完全催眠”という能力を持っています。 解放の瞬間を見せてしまえば何人でも対象になるため、ドラマCD「騒乱前夜」では「能力を説明する」という名目で副隊長を集めて一斉に催眠をかけてしまいました。
卍解は描かれず……
卍解の詳細は作中で未使用のため、その能力や名前は不明。本編で回収されなかった大きな謎の1つとして、いまだ多くのファンの関心を集めています。 ラスボスであるユーハバッハに対しても始解しか使っていないので、藍染は卍解を習得していない説、作者が完全催眠以上に強い卍解を思いつけなかった説などがささやかれることに。 ただ使い手はあの藍染です。「一体いつから――卍解していないと錯覚していた?」と、読者が気づいていないだけで実は卍解していたのかもしれません。
鬼道の達人!高難度でも難なく使う
藍染は鬼道の腕前も非常に優れています。鬼道は1~99番まであり、番号が大きいほど高度で強力な技になります。通常は必要な詠唱を省略する「詠唱破棄」という技術もありますが、扱いが上手くなければ威力が下がるというデメリットもあります。 藍染は副隊長だった時に鬼道のプロ・鬼道衆のトップである鉄裁(てっさい)が放った破道を「詠唱破棄の断空」で防ぎきり、驚かれるシーンがありましたね。 また、90番台の鬼道ですらも詠唱破棄で使いこなします。作中で複数回登場する「縛道の九十・黒棺」に至っては詠唱破棄して1/3以下の威力になっていても狛村を戦闘不能にするほどの威力を出しました。
【声優】アニメで演じるのは速水奨
藍染惣右介役を演じるのは速水奨(はやみしょう)。1958年8月2日うまれで所属事務所はRush Styie代表。 過去には事務所を転々としていたようですが、2013年に現在の事務所を立ち上げました。主な出演作品は、『BLEACH』藍染惣右介役はもちろん、『戦国BASARA』一夜=ヴァンダレイ役などです。 声質は穏やかな声ですが悪役などを演じることが多いそうです。夢は“いつか主人公を演じること”とのこと。
『BLEACH』藍染惣右介が名言製造機すぎる
『BLEACH(ブリーチ)』真のラスボスともいわれる名言メーカー・藍染惣右介について紹介しました。作中でもとくにギャップの大きな人物で、読み進めるにつれて藍染惣右介の持つカリスマ性に魅了されていく読者が連載当時も続出したほど。 セリフすべてが名言か!?と思うほどオサレで心くすぐるシーンが多いので、ぜひ彼に注目して全巻読破してみてください!