2019年8月1日更新

『天空の城ラピュタ』シータのその後は?本名や名言、声優まで総ざらい解説【ジブリ】

『天空の城ラピュタ』

1986年8月2日公開。宮崎駿監督のスタジオジブリ作品『天空の城ラピュタ』。数多くあるジブリ作品の中で根強い人気を誇るヒロイン・シータの名前の由来やムスカとの関係、そして彼女のその後や名言まで総ざらい迫っていきます。

『天空の城ラピュタ』シータは長年愛されているヒロイン!彼女にまつわる秘密を徹底解説

1986年に公開されたジブリ映画『天空の城ラピュタ』。スタジオジブリ初制作の長編アニメ映画にして、原作、脚本、監督を務めた宮崎駿の最高傑作と名高い名作です。 物語のヒロインは、突然、空から落ちてきた不思議な少女・シータ。シータと彼女を助けた少年・パズーが出会い、伝説上の空飛ぶ城「ラピュタ」の謎が解き明かされます。さらには、彼女の出生をめぐる驚くべき真実も明らかになりました。 この記事では、ジブリ屈指の人気ヒロインであるシータのプロフィールや名言、パズーとのその後などを徹底解説していきます。

シータの基本的なプロフィール

シータは赤いカチューシャと、長い黒髪を2本にまとめたおさげ髪がトレードマークの少女で、年齢は10代前半とされています。 首には亡き母から受け継いだ飛行石のネックレスを下げ、はるか北方の地「ゴンドアの谷」にひとりで住んでいました。しかし、ラピュタ探索を担う政府特務機関の飛行船に拉致され、空中海賊「ドーラ一家」の襲撃に乗じて逃げ出した際、パズーに匿われることに。ムスカ大佐の暴走を止めるため、パズーらを巻き込むことに悩みながらも、天空の城を目指すのでした。 おしとやかで心優しい一方、意外な行動力とタフさを発揮する場面もあり、そうした言動が敵だったドーラの心をも掴みました。ドーラには「自分の若い頃にそっくり」と言われ、本当の母親のように接してくれる彼女を、「おば様」と呼んで慕っています。 ドーラの船に乗り込んだ際には、山育ちならではの視力の良さや料理上手な一面も披露し、一家にとってアイドル的存在でした。

シータの本名は「ラピュタ帝国」王族の末裔であることを示している

シータの本名に隠された意味

シータの本名は作中で明かされており、リュシータ・トエル・ウル・ラピュタといいます。 ラピュタ語でトエルは「真の」ウルは「王」を現すもの。直訳すると、「ラピュタの真の王リュシータ」となり、シータが正統なる王位継承者であることが分かります。 このラピュタ帝国は太古に存在し、飛行石を結晶化できるほどの高い科学力で天空から地上を支配していました。しかし高い技術力をもってしても克服できない奇病が発生し、シータの祖先は、やむなく地上に降りてきたのです。 普段は厚い雲に覆われて地上からは確認できないようになっており、一族にしか受け継がれていない秘密の言葉でしか所在を判明できません。

ムスカとは遠い親戚

世界征服の野望の為、劇中シータを追い詰めた政府諜報機関所属のムスカ大佐にも、シータと同様に隠された別の名前が存在していました。 ムスカの本名は「ロムスカ・パロ・ウル・ラピュタ」といいます。「ウル」は王族を示し、「パロ」は従属・模倣を示すラピュタ言語です。王家の分家の血筋、または王族に使える神官や宰相の血筋を示しています。 シータの一族に飛行石が王族の証として伝承されていたのと同様に、ムスカの一族にもラピュタに関する文献や伝承が書き記された古文書が受け継がれていました。 ムスカ本人によると、シータの「トエル」家とムスカの「バロ」家は地上に降りたときに分かれた名です。血縁関係があるかは分かりませんが、かつてともにラピュタの王族として暮らしていた、親戚ということになります。

シータはなぜ「バルス」を唱えることができたのか

シータが唱えた呪文「バルス」の意味は

シータが唱えた呪文「バルス」の意味は、古代ラピュタ語で「閉じよ」です。 シータがムスカに監禁され、絶望した際に呟いた困った時のおまじない「リーテ・ラトバリタ・ウルズ・アリアロス・バル・ネトリール」(古代ラピュタ語で「我を助けよ、光よ甦れ」)と対をなす、滅びの呪文とされるものでした。 これはかつて、全地上を支配した古代ラピュタの王族が、強大すぎる力を戒めるために組み込んでいた自己崩壊呪文です。バルスが発動すると、ラピュタの中枢である巨大飛行石結晶体が排出され、結晶体は空のかなたへ飛んでいくよう設定されていました。 しかし結晶体は、数千年以上もの間育ち続けたラピュタの大樹の根に囲まれるようにして、城の上層部とともに空高く消えていったのでした。

シータはなぜ呪文を唱えることができたのか

シータが「バルス」を知っていた理由は彼女がラピュタ王族の末裔であり、トエル家に口伝だけで伝えられてきた呪文の一つだからです。 呪文は王家の血を引く者が飛行石に触れたり、身に着けたりした状態で唱えることで発動し、色々な事象を引き起こします。だからこそ、飛行石と一緒にシータの一族に受け継がれ、彼女も「おまじない」として口伝されたのでした。 祖母はバルスを教える際に、“幸福になるには悪い意味の言葉も必要”という戒めの意図がある、とも伝えていたようです。 シータはバルスの他に、物を探す呪文、病気を治す呪文も習ったと話していました。

パズーとのその後に様々な見解が

幻の別エンディングとは

『天空の城ラピュタ』がTV放送された際、一度だけ映画版と違う幻の別エンディングが流れた、との噂があるのを知っていますか? 「ゴンドアの谷でシータとパズーが握手する」シーンらしいのですが、後にジブリ関係者が公式に否定しており、都市伝説と化しました。一つの仮説として「劇中カットや関連資料集のイラストにスタッフロールを重ねたエンディング」が流れたことがあり、年月の経過などで歪曲して伝わったのではないか、と言われています。 小説版では詳しいその後が描かれ、シータとパズーはラピュタ崩壊後に半年ほど一緒に暮らし、シータが故郷に戻ってからは文通しているのだとか。パズーの手紙には、ドーラ一家が空賊を続けていること、羽ばたき機(オーニソプター)が完成間近であることなどが書かれていました。

ジブリのイラスト集に答えが?

ジブリ作品関連資料集1『ジブリThe Artシリーズ』には、本作のその後を考察する時に必ず取り上げられる、一枚イラストが収録されています。 そのイラストとは、オーニソプターに乗ったパズーが、故郷・ゴンドアの谷に住むシータの元を訪れているシーンを描いたもの。パズーは小説版の手紙で、完成したオーニソプターに乗って会いに行くと言っていたため、後日談と思えなくもないですね。 さらにこの時、パズーの手にはシータへのプレゼントであろう花束が!交際関係、あるいは結婚に発展しているとも取れるだけに、様々な考察が行われてきました。公式からはどの時間軸で、どういったシーンなのか明かされていないので、ファンの想像次第なのでしょう。

シータの名言・名シーンを紹介

あら!おばさまも女よ。それにあたし、山育ちで眼はいいの

飛行船「タイガーモス号」でムスカが乗る空中戦艦「ゴリアテ」を追う途中、ドーラが暴風にさらされる見張り台にいたシータを案じたのに対し、茶目っ気たっぷりに返した名言。 自分もドーラと同じ女で、同じように行動できる、戦えるという強い意志を感じる台詞です。ただ守られるだけではなく、今自分にできることをしようとする行動力と度胸、彼女の中に秘められた冒険への憧れなどが現れていました。 ドーラが自分自身を女扱いしていないことへの台詞とも取れ、「あなたも女だ」と返したシータの優しさに、ドーラは心癒されたのかもしれません。

これが玉座ですって?ここはお墓よ。あなたとあたしの

物語の終盤、ロボット兵を起動させてラピュタの強大な力に酔うムスカから飛行石を奪い、その争奪戦の末に玉座の間で言い放った名言。 シータは助けに来てくれたパズーに飛行石を捨てて逃げるように伝え、ムスカと、そしてラピュタと心中する覚悟を決めたのです。「国が滅びたのに、王だけ生きてるなんて滑けい」という台詞でムスカの悲願を全否定し、自身の王家の末裔としての答えを示しました。 王族としての風格と、大切な人のために行動できる芯の強さを感じますね。

今は、ラピュタがなぜ滅びたのかあたしよく分かる

ラピュタの再建を拒否した後、理想郷と呼ばれた天空の城が滅びた理由を、ゴンドアの谷の歌とともにムスカに語った際の台詞です。 ゴンドアの谷で農耕生活を営んだシータの一族は、超テクノロジーで繁栄したラピュタでは得られなかった、本当の幸せを感じたのかもしれません。大切なのは高度な文明・技術ではなく“人が自然とともに在る”ことだと気づけたシータの聡明さはもちろん、豊かな自然が今の心優しい彼女を育んだのだと、そう思える名言でした。

いいまじないに力を与えるには悪い言葉も知らなければいけないって。でも、決して使うなって

シータがパズーに恐怖心を打ち明け、幼い頃に教わったたくさんのおまじないの中の、“滅びのまじない”について触れた時の名言。 この後に「教わったとき、怖くて眠れなかった」と続くのですが、絶対に使ってはいけない言葉に恐怖する、ごく普通の少女の姿がありました。滅びの呪文に限らず、手にしたすごい力を使おうとするのではなく、強い力が必ずしも正しいわけではないと理解しているところも、シータの魅力と言えるのではないでしょうか。

バルス!

『天空の城ラピュタ』と言えばこの名言!クライマックスにて、ムスカに追い詰められたシータとパズーは飛行石を持ち、手を取り合って「バルス!」と唱えました。 戒めとして口伝されつつも、使うことを恐れた呪文を唱えたシータ。伝説と呼ばれた城であり、祖先の故郷でもある地を滅ぼすというのは、簡単な覚悟ではできないはずです。彼女のいざという時の度胸と、決意が感じられる台詞ではないでしょうか。 ムスカによってただの兵器となったラピュタを、悪い言葉「バルス」で滅ぼすという、必要悪の台詞でもあったのかもしれません。

シータの可愛い声を演じたのは声優・よこざわけい子

シータを演じたのは、よこざわけい子です。彼女は1952年9月2日生まれの声優。新潟県出身で事務所・ゆーりんプロの代表です。 よこざわは藤子不二雄作品に出演することが多いことで知られていましたが、2005年に『ドラえもん』の声優一新でドラミの役を退いてからは声優としてほとんど活動をしていません。 以降は自身の経営するよこざわけい子声優・ナレータースクールで講師となり、後進の指導に当たっています。 他の代表作として、『エスパー魔美』の佐倉魔美、『Theかぼちゃワイン』のエル(朝丘夏美)などがあげられます。

シータはかわいいだけじゃない!意外性と芯の強さを秘めたヒロイン

かわいらしく女子力も高いシータですが、思い切った行動や度胸で自ら現状を打開し、周囲を驚かせることもあるヒロインでした。 女はただ守られているだけではない、という芯の強さと誰にでも優しい性格が、今なおファンを魅了し続ける理由の一つなのでしょう。名言にも現れているように、生まれを自慢するでもおまじないの力に頼るのでもない、地に足をつけて生きる少女とごく普通の少年の物語だったからこそ、人びとの心に響くのかもしれません。 シータ自身のその後、パズーとの関係も考察しながら観ると名作がより楽しめるはずです!