映画『魔女の宅急便』の歌&サントラ一覧!「海の見える街」からユーミン「やさしさに包まれたなら」まで紹介
1989年に公開されたスタジオジブリの『魔女の宅急便』は、魔女となった少女キキの成長を描いた作品。時代を超えて愛されている本作の魅力のひとつに、楽曲の素晴らしさが挙げられます。 そこでこの記事では、『魔女の宅急便』の楽曲を紹介!主題歌とサウンドトラックの中から厳選した楽曲をお届けしましょう。
映画『魔女の宅急便』主題歌&サントラ一覧

| 『やさしさに包まれたなら』 | エンドロール。トンボはプロベラ自転車、キキはほうきで空を飛ぶシーン |
|---|---|
| 『ルージュの伝言』 | 旅立ち直後、空を飛びながら流したラジオから流れて、スタッフロールに移行する |
| 『晴れた日に…』 | ①映画冒頭、キキが魔女の修行に行くとお母さんに伝えるシーン ②キキとトンボが飛行船を見ているシーン |
| 『旅立ち』 | ①出発直前、お父さんとキキがお別れをするシーン ②おソノさんに看病してもらうシーン |
| 『海の見える街』 | 列車から飛び立ち、海の見える街(劇中では「海に浮かぶ街」)へと飛び立つシーン |
| 『空とぶ宅急便』 | おソノさんと初めて出会って、乳母車の女性に赤ちゃんのおしゃぶりを渡すシーン |
| 『パン屋の手伝い』 | ①パン屋の手伝いから、部屋の掃除、家を出るまでのシーン ②老婦人のお手伝いをするシーン |
| 『仕事はじめ』 | ジジに似た人形を届ける仕事を受けたき木が、初めてのお届けに向かうシーン |
| 『身代わりジジ』 | 黒猫の人形を受け取った少年・テッドが見ていたTVアニメのBGM |
| 『ジェフ』 | ①飼い犬・ジェフと人形になりきるジジが出会うシーン ②ジジの正体に気づいたジェフが外にキキを連れ出すシーン |
| 『大忙しのキキ』 | 大きな荷物を抱えて配達に向かうキキ〜ニシンとカボチャのパイを作る老人の家の前までのシーン |
| 『パーティーに間に合わない』 | 老婦人の家の時計が10分遅れていると知り、急いで配達に向かうシーン |
| 『オソノさんのたのみ事…』 | キキがおソノさんの依頼で「コボリさん」の荷物を届けるシーン |
| 『プロペラ自転車』 | キキを後ろに乗せてトンボがプロベラ自転車を運転するシーン |
| 『とべない!』 | 劇中では未使用 |
| 『傷心のキキ』 | 飛べなくなったキキが飛行船を眺める〜トンボがキキに電話をかけるシーン |
| 『ウルスラの小屋へ』 | ウルスラとキキが「ウルスラの小屋」へ向かうシーン |
| 『神秘なる絵』 | ①ウルスラの描いた絵を見るシーン ②ウルスラと夜に語り合うシーン |
| 『おじさんのデッキブラシ』 | 劇中では未使用 |
| 『デッキブラシでランデブー』 | キキがトンボを助け出して、地上に降り立つシーン |
映画『魔女の宅急便』主題歌
『やさしさに包まれたなら』松任谷由実
1974年にリリースされた、松任谷由実(当時は荒井由実名義)が作詞・作曲をし、松任谷正隆が編曲を務めた楽曲。元々は不二家ソフトエクレアのCMだったため、シングルとアルバムでアレンジが異なっています。 きっかけとなったのは、『魔女の宅急便』のプロデューサーである鈴木敏夫でした。主題歌を決める際に、直前に行われていた松任谷のコンサートに参加した鈴木が松任谷の起用を提案したのです。 本来は書き下ろしの楽曲を予定していましたが、スケジュールの都合から既存の『やさしさに包まれたなら』と『ルージュの伝言』が主題歌となりました。
『ルージュの伝言』松任谷由実
1975年にリリースされた楽曲で、松任谷由実が作詞・作曲、松任谷正隆が編曲を務めました。 『やさしさに包まれたなら』と同様に、元々は松任谷のシングルとして発売されていたものでした。後に『魔女の宅急便』オープニングテーマとして使われ、ジブリソングとして定着しています。 ちなみに歌詞には「あのひと」が繰り返し登場しますが、この「あのひと」には矢沢永吉がイメージされていたそうです。1976年に発売された音楽雑誌『FOR LIFE』の「DEAR MR. YAZAWA from yuming」という企画で、松任谷が矢沢をモデルにしたと明かしています。
映画『魔女の宅急便』サントラ一覧
『晴れた日に…』

サウンドトラックは、ジブリ作品ではお馴染みの久石譲が作曲しています。 『晴れた日に…』はキキがグーチョキパン店で働き始めた際に流れていた楽曲。穏やかな曲調で、明るい日の光をイメージさせるような1曲です。
『旅立ち』

『旅立ち』はキキが故郷を旅立つシーンを彩った曲です。前半は明るく元気な印象を受けますが、後半はやや静かに変化していきます。 キキはこの時、魔女になるわくわく感と住み慣れた家を離れる不安感の両方を抱いているため、その気持ちを見事に表しました。
『海の見える街』

『海の見える街』はその名の通り、キキが住むこととなる海に囲まれたコリコの街をイメージした楽曲。 開放感のある街にふさわしく広がりを感じさせ、初めてコリコに降り立ったキキの希望に満ちた感情も表現しています。
『空とぶ宅急便』

キキがおしゃぶりを届ける「初めての仕事」のシーンで使用されました。 優しく穏やかな曲調が「コリコの街」の平和な日常にマッチ。また、健気に空を飛ぶキキの姿と重なる楽曲です。
『パン屋の手伝い』

グーチョキパン店での日常や、老婦人の家でパイを焼く手伝いをするシーンで流れました。 タンゴのリズムが印象的で、キキが新しい居場所を見つけ、周囲の人々と馴染んでいくワクワク感や楽しげな空気感を巧みに演出しています。
『仕事はじめ』

キキが空飛ぶ宅急便を始めてから最初の仕事の際に、『仕事はじめ』が使われました。 魔女として初めての依頼に向かう、キキの弾むような喜びが曲に反映されています。
『身代わりジジ』

劇中では、お届け先の少年・ケットが観ているテレビ番組の劇中曲として使用されるという、非常にユニークな演出がなされました。 ノスタルジックな雰囲気があり、コミカルでどこか懐かしい質感が耳に残ります。
『ジェフ』

『ジェフ』はジジが人形の身代わりとして預けられていた時に、その家の犬に助けてもらったシーンで流れました。 コミカルでありながらも独特の間を持ったシーンを、じっくりと盛り上げるような楽曲でした。
『大忙しのキキ』

仕事が詰まっていたキキが慌てて配達に向かう際、『大忙しのキキ』が流れます。 急いでいるキキの様子を、軽快な音楽で盛り上げました。
『パーティーに間に合わない』

トンボが待つパーティーへ急ぐキキ。 『パーティーに間に合わない』はそんなキキの焦燥感や緊張感を抱いている状況を楽曲で表現しています。
『オソノさんのたのみ事…』

風邪が治ったキキがおソノさんの依頼を受け、「コポリさん」の家へ向かう穏やかなシーンで使用されました。 「かあさんのホウキ」の旋律をベースにした、叙情的でしっとりとした一曲。雨の中の配達から風邪を引いてしまったキキ。そんな忙しない日々から一転、キキの心が落ち着いた姿と重なる楽曲です。
『プロペラ自転車』

トンボのプロペラ自転車で坂を駆け下る躍動的なシーンを彩る楽曲。 猛スピードの疾走、対向車を避けた際の一瞬の浮遊、そして草むらへの落下という目まぐるしい展開に合わせ、曲調が3段階に変化しています。
『とべない!』

魔法が弱まり、飛べなくなったキキの焦燥感を煽るサスペンス調の楽曲です。 実際の劇中ではあえて「無音」にする演出が選ばれましたが、当時のキキが抱えていた不安の大きさを象徴するような緊迫感のある曲調となっています。
『傷心のキキ』

魔力を失ったキキが、トンボからの電話を切り一人部屋で塞ぎ込むシーンで使用されました。 孤独に寄り添うような切ないメロディは、慣れない街で独り立ちしようともがいていたものの、その夢が崩れようとしているキキの哀しみとリンクしています。
『ウルスラの小屋へ』

ウルスラとの再会をきっかけに、バスやヒッチハイクを使って「ウルスラの小屋」へ再訪する際に流れました。 オカリナの音色から始まるこの楽曲は、ウルスラの住む静かな田舎街の空気感とマッチしています。
『神秘なる絵』

キキは物語の中で、偶然森のアトリエで絵を描いているウルスラという女性と出会います。 そこでキキが彼女の絵を見せてもらう際に、『神秘なる絵』が使われました。落ち着いた雰囲気でありながらも懐かしさを覚えるような、奥行きのある1曲です。
『おじさんのデッキブラシ』

終盤、飛行船から落ちそうになるトンボを助けるため、キキがおじさんにデッキブラシを借りるシーンを想定した一曲。実際には環境音のみとなりました。 フルオーケストラで緊迫感を煽る曲調が印象的。使用されていれば、より手に汗握るシーンになっていたかもしれませんね。
『デッキブラシでランデブー』

トンボ救出に成功し、紙吹雪舞う中、2人が地上に降り立つクライマックスを飾る楽曲です。 危機を脱した安堵感と、自らの魔法を信じる力を取り戻したキキの成長を祝うような、力強くも爽快なサウンドが観客の感動を最高潮に引き上げます。
映画『魔女の宅急便』ヴォーカルアルバム
久石譲氏の全面プロデュースにより制作された『魔女の宅急便 ヴォーカルアルバム』は、劇中のBGMに歌詞を乗せて歌い上げた、ファン必聴の企画アルバムです。 『天空の城ラピュタ』(1986)や『となりのトトロ』(1988)の主題歌を歌う井上あずみがヴォーカルを担当。透き通るような歌声で届ける「めぐる季節」や「何かをさがして」をはじめ、映画の世界観を歌で表現した全9曲を収録しています。 それぞれの楽曲に言葉が宿ることで、キキの健気さや物語の奥行きがより鮮明に描き出された名盤として高く評価されています。
なぜ『魔女の宅急便』の音楽は色褪せないのか?

ヨーロッパの空気感を再現するアコーディオンとマンドリン
本作が描く「架空の北欧」の舞台設定を際立たせているのが特徴的な音色です。 フルオーケストラのみならず、アコーディオンやマンドリン、リコーダーといった楽器を多用。情緒ある響きが、ヨーロッパの石畳や潮風の香る街並みを鮮やかに再現しており、作品特有の優しい空気感を見事に構築しています。
「キキの心の揺れ」に寄り添う旋律

『魔女の宅急便』の音楽が色褪せない理由は、思春期の少女が抱く「万能感」と「挫折」という普遍的なテーマに旋律が寄り添っている部分も大きいでしょう。 一歩踏み出して挑戦する際の高揚感を軽快なリズムで、魔力を失うという大きな挫折、壁にぶつかったときには切ない調べ。 成長に伴う心の葛藤を、音楽で繊細に代弁しています。この「心の機微」を丁寧にすくい取ったメロディが、世代を超えて聴く人の心に深い共感を呼び続けているのです。
久石譲のサントラとユーミンの主題歌の奇跡的な融合

久石譲の劇伴と、ユーミンこと荒井由実の「1970年代のニューミュージック」による主題歌が、1つの作品として奇跡的な融合を果たしています。 選曲を務めた高畑勲は過去のインタビューで「(本作が)ふつうの女の子の日常的な描写や気持ちが中心になっているんですね。ですから音楽が担当する部分も、世界の異質さとか戦闘の激しさとかを担当するわけではない」と語ったうえで、 久石譲の音楽もユーミンの音楽も狙いにピッタリだったと振り返っています。
映画『魔女の宅急便』ユーミンの曲や「海の見える街」など有名曲がたくさん

『魔女の宅急便』の主題歌は元々作品のために書き下ろされたものではありませんでしたが、今では作品にこれ以上ないほどマッチした楽曲として愛されています。 また久石が作曲した楽曲も、聴くとその場面が思い浮かぶものばかり。優れた楽曲に彩られているからこそ、『魔女の宅急便』は誰もの心に残るような作品になったと言えるでしょう。







