2022年10月29日更新

『天気の子』夏美はこじらせお嬢?なぜ愛人の振りをしたのか美女の心理と就職先を解説

『天気の子』
(C)2019「天気の子」製作委員会

『天気の子』(2019年)公開前から「セクシーすぎる」と話題だった須賀夏美。就職活動に悩む大学生で、主人公・帆高に影響を与えたキャラクターの1人です。 今回は彼女のプロフィールから、須賀圭介との関係や就職先までまるっと紹介します。 ※この記事には、映画『天気の子』と原作小説のネタバレを含みます。

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『天気の子』須賀夏美のプロフィール

年齢 21~22歳
職業 大学生4年生 編集プロダクション「K&Aプランニング」のアシスタント
性格 明るく好奇心と探究心が旺盛
愛車 ホンダ「スーパーカブ」(ピンク色)

須賀夏美は須賀圭介の会社でアルバイトをする女子大生。主人公・森嶋帆高が面接に来た際、留守だった社長の代わりに出迎えています。 見た目は左目の泣きぼくろが特徴的で、男子の理想を集めたような美女。人好きで行動力があり、会う人みんな彼女が好きになってしまいます。一緒に働く帆高を何かと茶化しますが、最後はお姉さんとして彼の背中を押しました。

夏美の声優は?

本田翼
GLOBAL WORK 本田翼特別インタビュー

夏美の声優を務めたのはモデル・女優の本田翼。彼女がアニメに声を当てるのは、映画「鷹の爪7」(2014年)以来5年ぶりでした。新海誠監督からは「普通に喋っている声」を求められ、すっぴん&裸足の状態で収録に臨んだそう!

代々議員の家柄!?スーパーお嬢様な夏美

夏美の苗字は須賀。須賀家は代々続く議員の家柄だと、原作小説では明かされています。 その中でも特に夏美の父親は、地元の進学校を主席で卒業し東大へ進学、海外留学を経て財務官僚になった生粋のエリートでした。夏美はそんな父親と不仲で、一族にもあまり馴染めなかったようです。

「狂った世界」に染まりたくない?

『天気の子』
(C)2019「天気の子」製作委員会

夏美は社会の上流階級にいる父親を通じて、幼い頃から「大人」の汚い部分を観てきたのかもしれません。その結果、父親たちと同じような大人になることを嫌悪するような、いわゆる“こじらせた”性格に育ったのかも。 しかし同類になるのは嫌だと思っていても、結局は夏美にも就職活動をする時期がやってきます。就職活動とは、自分を否定してくるような嫌いな大人たちに雇用してもらうため頭を下げることです。 大人になりたくないけど「ならなくちゃ」という焦りはある、多感な就活生が夏美でした。

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夏美はなぜ須賀と付き合っている振りをした?

夏美が愛人の振りをした理由

  • 帆高が純粋そうでからかいたくなった
  • 須賀のことが好きだから(?)

嫌いな大人に囲まれた夏美にとって、須賀家の中で唯一そりがあったのが圭介。本当は彼の姪ですが、交際をほのめかすほど夏美は圭介に懐いていました。 なぜ夏美は帆高に須賀との関係をあやしく匂わせたのか、意味深な発言の意図を考察します。

①帆高が純粋そうでからかいたくなった

『天気の子』
©2019「天気の子」製作委員会

1つ目の理由はシンプルに、帆高をからかって面白がったというもの。 帆高は離島育ちで世間を知らない、お年頃の純情な男子高校生。夏美と正反対の生き物で、これほどいじりがいのある相手はいないでしょう。 愛人だと思われたと知って驚いているので、ほんの少しからかってみただけかもしれません。

②須賀のことが好きだから

2つ目の理由は圭介に対して、少なからず好感を持っていたから。 愛人だと思われても不快に感じないということは、それだけ圭介を魅力的な男性と認識している可能性も高いです。 加えて夏美には、妻を喪い娘を奪われた圭介に寄り添い、叱責して支えたという自負もあるでしょう。ある意味、姪と叔父の関係を超えた絆が彼女の誇りなのかもしれません。 年齢はかなり離れていますが、女子大生と言えば年上の男性に憧れる時期で、圭介に恋愛感情に似たものを抱いてもおかしくはありません。 叶わないとは知りながらも、「そうなればいい」という自分の願望を乗せて、匂わせ発言をしたとも考えられますね。

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3年後は「K&Aプランニング」に就職していた!

須賀の見立てでは、夏美が本気ならすぐ結果(内定)が出るとのこと。しかし就職活動を始めたタイミング自体が遅く、決して順調ではありませんでした。 ラストは3年後に舞台が移りますが、新海監督はインタビューで「エピローグで夏美のヘルメットが置いてある場所が就職先」との旨を語っています。 よくよく見ると、彼女のヘルメットは須賀が経営する「K&Aプランニング」の新オフィスに置いてあります。夏美は圭介と一緒に働くことを選んだようです!

“大人になりたくない”夏美が作品に与えた影響

モラトリアムな夏美

物語の主人公たちが「早く大人になりたい」と願う一方で、夏美は「大人になりたくない」と口にしていました。 そりが合わなかったとしても、裕福な家柄に生まれ不自由なく育った夏美。いざ就職活動に臨む時、1人では何もできないと痛感したはずです。 「まだ早い。まだ準備が出来てない」という台詞に、社会に出ることや幼い時から見ていた「つまらない大人」になることへの恐怖や悲しみが現れています。 だからといって先行き不安な須賀の会社で正社員になると決めるにも勇気が必要で、モラトリアムをこじらせた状態でした。

「早く大人になりたい」帆高と陽菜

『天気の子』
(C)2019「天気の子」製作委員会

しかし夏美は、早く大人になることを望んでいた帆高と陽菜と出会うことで、ある意味勇気付けられます。 彼らの育った環境は夏美とは対照的で、貧しく、暴力的で、養う存在をすでに背負い込んでいました。 そんな必死さや切実さを羨ましく感じる夏美。現代の日本においては、帆高たち自身よりも、そんな帆高たちを見て勇気をもらう夏美の方に共感できた人が多いかもしれません。

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日本の大学生の本音

大人になれば得られる自由に憧れるけれど、それ以上に恐れも感じる。これが多くの若者の本音ではないでしょうか。まして日本の就職活動は、一度の「活動」で自分で人生をすべて決めてしまうようなものだと考えられているので、なおさら慎重にならざるを得ません。 帆高に出会った時、“新しいなにかがふいに始まったような昂り”を実感した夏美。彼女が帆高や陽菜にもらった勇気は、画面を通じて観客にもたらされます。同時に、型にはまった「つまらない大人」にならない選択肢を示しているのです。 夏美は不安定そうな圭介の会社で、彼以上に「おもしろい大人」になっていきました。それがモラトリアムな夏美の一番ワクワクする選択だったのでしょう。 将来のことが不安になって、何かを決断することを恐れている若者に寄り添うためにも、『天気の子』には夏美が必要だったのではないでしょうか。

『天気の子』夏美は日本の若者が一番共感度できるキャラだった

帆高たちの「誰かを守りたい」という思いは普遍的なもの。しかし、夏美の「私のモラトリアムはここまでだ」という台詞が響いた若者は多いでしょう。大人になった親世代にも、彼女が抱いた不安や葛藤は共感できるものだったはずです。 圭介との関係性や帆高たちへの接し方を見ても、愛さずにはいられないキャラクターですね。