『君の名は。』ティアマト彗星は人口天体だった?モデルは?彗星の謎を徹底解説!
『天気の子』との関連はある?
新海誠監督が『君の名は。』の次に制作した『天気の子』(2019年)も自然災害をテーマに扱っていますが、彗星が再び登場することはありませんでした。ただし、『君の名は。』の主人公である瀧と三葉が『天気の子』にも再登場しています。
『君の名は。』で鍵を握る架空の彗星「ティアマト彗星」とは?実在するの?
本作に登場するティアマト彗星は、実在する彗星ではありません。あくまで作品内での架空の彗星であり、3つの設定があります。
ティアマト彗星の設定
- 1200年周期で太陽を周回している
- 地球と月の間を通過し、地球に接近している
- 過去に彗星の欠片が地球に落下して大きな事故を引き起こした
物語での大まかな設定はこの程度でしょう。そして、物語に直接的に関係してくる設定は3つ目の設定です。実際のところ、ティアマト彗星自体がどのような彗星かというところまでは物語には関与しません。しかし、物語の鍵を握るものだけに、気になる人も多いのではないでしょうか。
ティアマト彗星の落下シーンはどこ?落下後はどうなった?
劇中でティアマト彗星が落下するのは物語の終盤です。口噛み酒を飲み、彗星が落下する日に三葉の体に戻れた瀧は、糸守町の人々を救うために奔走します。 誰も三葉の話を信じない中、親友のテッシーとサヤちんだけはその言葉を信じ、一緒にある無謀な計画を立てます。それは変電所を爆破して停電させ、放送局をジャックして緊急放送をかけ、町民を避難させるというもの。 ところが、この計画の要である町長である三葉の父・俊樹の説得に失敗。瀧は三葉本人の言葉なら信じるかもしれないと、三葉に会うため御神体がある山へ向かいます。一方、瀧の姿で目を覚ました三葉は外輪山に登り、彗星が落下した跡の糸守町を見て、すべてを悟っていました。 その時2人は時空を超えた違う世界線にいましたが、お互いの存在を感じ、「片割れ時」と呼ばれる黄昏時の中で初めて直接会うことができました。瀧は三葉に想いを託し、自分の体に戻った三葉は再び父の説得に急ぎます。 その道中で転び、すでに瀧の名前も思い出せなくなっていた三葉。手を開くと瀧が描いた「すきだ」の文字が見え、再び勇気を振り絞るのでした。その後、彗星は糸守町に落下します。
落下後はどうなった?
彗星が落下した後、糸守町は大きな被害を受けたものの、町民は避難して奇跡的に死者はほとんど出なかったことが語られます。町長は町民を避難させ、人的被害は最小限に抑えられたのでした。
落下した日付について
ティアマト彗星の破片が糸守町に落下したのは、2013年10月4日のこと。ファンの間では、毎年この日になるとSNSで「ティアマト彗星が地球に最接近した日」として話題に上っていました。ファンにとっては本作を思い起こす大切な日なのですね!
ティアマト彗星のモデルは?話題のヘールボップ彗星について
架空の彗星ではありますが、現実でのモデルは存在したのでしょうか? 残念ながらティアマト彗星のモデルとなったような彗星はありませんでした。ただ、ティアマトという名には意味があります。 ティアマトとはメソポタミア神話に登場する蛇の身体をしている女神のことであり、全ての神々を生み出した存在とされています。戦いに敗れたティアマトの身体が2つに引き裂かれて天と地が創られたといわれているのです。 作中で彗星が2つに分裂していることから、神話のティアマトの意味を持っていることがうかがえます。
ヘール・ボップ彗星について
ティアマト彗星は架空の彗星ですが、一部では1997年に地球に最接近したヘール・ボップ彗星がモデルではないかと予想されたことも。実際に明言されてはいませんが、美しく長い尾を持ち、勢いのある姿が似ているとされています。
落下の仕方がおかしい!?ティアマト彗星の軌道の違和感
設定はしっかりと練られていましたが、ティアマト彗星にはひとつだけ大きなミスがありました。それは彗星の「軌道」です。 本来、彗星は太陽を周るもの。しかし、作中の彗星の接近を紹介するニュースでは太陽を周らない軌道を描いているのです。この軌道に違和感を覚えた人が多くおり、twitter上で話題となりました。 物理的にありえないことから、劇場版での軌道のミスはDVD・ブルーレイで修正されて正しい軌道を描いたものとなりました。
隕石落下は実話?
物語の舞台である糸守町、そのモデルとなったのが岐阜県飛騨市が最有力といわれています。また、隕石落下によって出来たクレーター湖の糸守湖のモデルは諏訪湖といわれています。 では、諏訪湖は実際に隕石の落下によって出来た湖なのでしょうか? 残念ながら、日本にはクレーター湖は存在しません。諏訪湖は火山活動で出来た火口湖と呼ばれるものです。 しかし、世界規模でみればクレーター湖は存在します。カナダにある「ピングアル湖」は隕石衝突で出来たクレーター湖で、糸守湖、諏訪湖と同じく丸い形をしていることから、もしかしたらピングアル湖が糸守湖のモデルなのではとの噂もあります。
ティアマト彗星は人工天体だった?
人工天体とは、人の手によって打ち上げられた物体で、地球以外の惑星を周回したり、惑星間を飛行したり基本的には人工衛星、宇宙船、宇宙探査機を指す呼び名です。本作に登場したティアマト彗星が実はこの人工天体なのです。 本作に登場するテッシーこと勅使河原克彦が持っていた雑誌・ムーの表紙にとてつもない小さい字で「ティアマト彗星は人工天体だった」と書かれています。わずかな時間しか映らないので、DVDやブルーレイを持っている人は一時停止で確認してみてください。 さて、ここまで『君の名は。』に登場するティアマト彗星を紹介しました!興味を持った方はぜひ『君の名は。』を視聴、もしくは再視聴してみてはいかがでしょうか?