【ぶっちゃけ】『屋根裏のラジャー』は面白い?「メアリ」のスタジオはジブリっぽさから抜け出せたのか
スタジオポノックの最新作『屋根裏のラジャー』が2023年12月15日に公開されます! 少女の空想上の友達「イマジナリ」の冒険を描く本作。前作『メアリと魔女の花』は賛否両論でしたが、今回の『屋根裏のラジャー』はいったいどんな作品になっているのでしょうか。 実際『屋根裏のラジャー』はどんな作品になっているのか、正直に紹介します!
実際、『屋根裏のラジャー』は面白いの?
少女の空想が生んだ「イマジナリ」のラジャー。人間に忘れられると消えてしまうという運命を背負った彼は、自分を生み出した少女・アマンダを救うため、恐ろしい敵に立ち向かいます。 本作の大きな見どころは、大人だからこそ楽しめる物語の奥深さにあります。一見するとヒーローもののような、子供も楽しめるストレートさもありつつ、「うそっこ」としてのラジャーが紡ぐ物語は、大人だからこそ胸を打たれるものになっています。 また、夢のある空想の世界やイマジナリたちの住む世界が躍動感たっぷりに描き出される美しい手描きアニメーションにも注目したいところ。さらに、魅力的なキャラクターたちの活躍も目が離せません。ラジャーをはじめとするイマジナリたちが、心に響く冒険をくり広げます。 子どもだけでなく大人にも刺さるストーリーは必見です。
そもそもスタジオポノックはなぜ「ジブリっぽい」と言われるのか
なにかとジブリと比較されることが多いスタジオポノック。しかしそこには、比較されて当然の理由があります。 スタジオポノックは、2015年に宮崎駿が引退を宣言し、ジブリの制作部が解散されたことをきっかけに誕生しました。ジブリに所属していた西村義明と『借りぐらしのアリエッティ』(2010年)や『思い出のマーニー』(2014年)などを手掛けた米林宏昌によって、「ジブリの伝統を受け継ぐ」という目的で設立されたのです。 絵柄が似ているのは、スタッフの8割がジブリ出身者だから。一方でストーリーはジブリとは違ってわかりやすいストーリーになっています。これは「アニメ映画は子どものためのもの」という西村の考えに基づいています。
ジブリと「メアリ」の正当進化に留まらない『屋根裏のラジャー』の魅力
ジブリ映画と似た雰囲気な一方でストレートな作品だったため、賛否両論だった『メアリと魔女の花』。前作を踏まえてスタジオポノックは、今回、独自のスタイルを確立したと言えるでしょう。 『屋根裏のラジャー』は、たしかに絵柄はジブリと似ていますが、「子どものための映画」であると同時に、大人にも訴えかけるストレートなメッセージを持っています。現代の子どもたちに寄り添い、等身大のキャラクターたちがどのように前に進んでいくかを描く物語は、子どもたちの心に響くことでしょう。 ジブリから受け継いだ美しい手描きアニメーションも見どころの本作。背景から人物まで、目を奪われること間違いなし! 『メアリと魔女の花』からさまざまな面で進化した『屋根裏のラジャー』は、子どもにも大人にもおすすめできる良作です!