2022年4月18日更新

『魔女の宅急便』モデルとなった舞台”海の見える街”ってどこ?

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魔女の宅急便

『魔女の宅急便』は角野栄子の児童文学が原作で、1989年に公開された長編アニメ映画です。数あるジブリ作品の中でも人気が高く、現在でも多くのファンに愛されています。 一人前の魔女になるために旅に出た13歳の少女キキが、新たな場所で出会った人々を通じて成長していく心温まる感動ストーリー。この映画の見どころの一つは、キキが引っ越した海の見える街「コリコ」の街並みの美しさです。 そんな美しい街、コリコには実在する街のモデルがあることを知っていますか?この記事ではスタジオジブリが公式に発表している、『魔女の宅急便』ロケ地となった街を紹介していきます。

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『魔女の宅急便』に登場する街は実在する?

『魔女の宅急便』ロケハンの大半はスウェーデンで行われた

映画やテレビを制作する際、脚本を元にさらに詳細なイメージを求め、映画監督が舞台となる場所のロケ地を探すことをロケーション・ハンティング(ロケハン)と呼びます。映画『魔女の宅急便』では、そのロケハンの大半が北ヨーロッパに位置する、スウェーデンで行われました。 スウェーデンの他にも監督の宮崎駿が個人的に旅行した、クロアチアの「アドリア海の真珠」の異名を持つドブロヴニク、ポルトガルのリスボン、イタリアのナポリ。さらに、フランスのパリ、アメリカのサンフランシスコやエストニアなど、歴史あるヨーロッパ諸国やアメリカの風景もところどころ作品に取り入れられています。 色々な国の素晴らしい景色の組み合わせで『魔女の宅急便』の世界観は作られてきたんですね。

キキとジジが引っ越して来た“海の見える街”コリコのモデルは?

魔女の宅急便

故郷を離れた13歳のキキと相棒のジジが初めて訪れたのは海の見える街、コリコでした。 コリコはキキが住んでいた場所と比べると大都会でした。街についたばかりの頃、右も左も分からないキキは箒で飛んでいるところを車とぶつかりそうになり、警察に叱られる等アクシデントも起こります。それでも優しい人々との出会いを重ね、宅配便をしながら一人前の魔女になるべく成長していくキキ。 キキにとっての第2の故郷であり、映画の大半はコリコを舞台に物語が進行していきます。そんな重要な街、コリコのロケ地はスウェーデンのストックホルムとヴィスビューという街だと、スタジオジブリが公式に発表しています。

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“海の見える街”の舞台①ストックホルム

スウェーデンの首都であるストックホルムはまるで水の上に浮いているような美しい情景から「水の都」、「北欧のヴェネツィア」と呼ばれています。北欧最大の都市で観光地としても人気があります。 コリコのモデルとなった場所はストックホルムの旧市街、ガムラ・スタンです。 中世の雰囲気を感じさせる街並みはカラフルでとてもオシャレ。トンボが初めてキキに声をかけた路地や街のシンボルであり、劇中でも重要な役割を持つ時計塔も見つけることができます。 さらに、キキが初めてコリコにやって来た時危うく車とぶつかりそうになり、警察官に注意された橋もあるんですよ。

“海の見える街”の舞台②ヴィスビュー

コリコのもう一つのモデルになっているヴィスビューは、バルト海に浮かぶゴットランド島にあるスウェーデンの都市です。ストックホルムから飛行機で45分ほど離れている海に囲まれた美しい場所です。 ユネスコの世界遺産にも登録されている歴史ある都市で、細い石畳の通りフィスカーグレンには沢山のバラが咲いていることから「バラの都」とも呼ばれています。 キキが箒で空を飛ぶシーンではオレンジ色の屋根と海が印象的ですが、ヴィスビューも海の近くにあり実際にオレンジ色の屋根と白い建物が並んでいます。石畳の通りはまさに映画の中から抜け出てきたようです。

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クロアチア(ドブロブニク)

クロアチアのドブロブニクも、コリコの街のモデルになったと言われています。スタジオジブリからはっきりと明言されたわけではありませんが、たしかにオレンジ色の屋根が並ぶ海辺の街は、コリコにそっくり。 アドリア海に面した小さな港町であるドブロブニクは、「アドリア海の真珠」とも言われる美しさ。中世には貿易で都市国家として繁栄し、高さ25mの城壁で長年にわたって美しい景観も守ってきました。 1979年には、その歴史的価値が認められ、世界文化遺産にも登録されています。

ポルトガル(ポルト)

ポルトは首都リスボンに次ぐポルトガル第2の都市で、国の北西部にある沿岸都市です。 ポートワインの産地としても有名なポルトは、やはりほかのモデルとなったと言われる都市と同じく、オレンジ色の屋根が並ぶかわいらしい街並みと青い海のコントラストが美しい街。 教会や大聖堂も多く、歴史地区として世界遺産に登録されています。

『魔女の宅急便』のパン屋にも、モデルが存在する?

劇中でキキは、生まれて始めての大都会に困惑していましたが、キキに優しく声をかけてくれたパン屋「グーチョキパン店」の夫婦のおかげで、2階で居候することになります。なんと、このパン屋にも実在するパン屋のモデルが存在しています!

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ヴィスビューのパン屋さん

魔女の宅急便

コリコの住宅街のモデルとなっているヴィスビューには、キキが働く「グーチョキパン店」のモデルとなったパン屋もあります。 「魔女宅」の聖地として多くの日本人観光客が訪れるようになったこのお店は、建物の形から煙突の数、漆喰の外壁に黒い木組み、窓の数までそっくり。店内も背面に陳列棚があり、正面のカウンターで接客するというレイアウトが一致しています。 どちらも木製ですが、モデルとなった店のカウンターには下のガラス張りの戸棚はなく、カウンターの上に商品を並べるスタイルです。

オーストラリアのタスマニア島にある「ロス・ヴィレッジ・ベーカリー」

魔女の宅急便

また、オーストラリアのタスマニア島にある「ロス・ヴィレッジ・ベーカリー」もモデルの1つになったと言われています。外観はそれほど似ていないのですが、かまどでパンを焼いていることから、こちらもモデルになったと考えられています。 パン屋があるロスという名の町は、電車やバスなどの公共機関がないくらいの小さな町で、そのパン屋もこじんまりとした可愛らしいお店です。店内には『魔女の宅急便』にちなんだグッズが飾られています。 お店には「ロス・ベーカリー・イン」という宿泊施設も併設していて、キキが住んでいた部屋のモデルとなった場所に泊まることができます!

静岡県浜松市「ぐーちょきぱん」

静岡県浜松市にあるその名も「ぐーちょきぱん」というパン屋さんは、逆にキキが働いていたパン屋をモデルに、1998年に創業したお店です。 浜名湖にほど近い場所にあるこのお店は、外観も内装も映画の世界をモチーフにしたかわいらしさが人気。ジジやキキの置物も目を引きます。 2階はイートインスペースになっており、そこでパンをいただくことができるのもうれしいポイント。こちらはさらに遊び心いっぱいで、ジブリ映画の音楽がオルゴール調で流れているなどのこだわりようです。 地元の特産品を使ったデニッシュパンや惣菜パンが、毎日50種類ほどそろっているとか。1斤売りの食パンは大人気で予約必須です。

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実写のロケ地は日本!小豆島で撮影

2014年に公開された実写映画『魔女の宅急便』のロケ地は、香川県の小豆島がロケ地となっています。 実写版ではキキは故郷を旅立ち、白い風車のある島に降り立ちます。このシーンのロケ地は「道の駅小豆島オリーブ公園」。小高い丘から瀬戸内海を一望できる人気のフォトスポットです。 またキキが働くグーチョキパン屋はこのオリーブ公園の中に、映画のセットとして作られました。東証は撮影終了後に取り壊す予定でしたが、公園の雰囲気にマッチしているということで制作会社から引き取られ、今でも園内にあります。 現在は「ハーブショップ コリコ」として営業中なので、気になる人は訪れてみてはいかがでしょう。

『魔女の宅急便』の舞台となった国や聖地を巡ってみては?

『魔女の宅急便』
©Buena Vista Home Ent./Photofest

さすがに箒で空を飛ぶのは無理ですが、スウェーデンのスットクホルムやヴィスビューに旅行に行って『魔女の宅急便』のキキになった気分を味わってみませんか? キキが歩いた、中世ヨーロッパの雰囲気が残る街並みと海を同時に楽しめるのは、“魔女宅”ファンには忘れられない思い出になること間違いなしです。 スウェーデンはちょっと遠いと思う方は、オーストラリアにあるグーチョキパン店のモデルになったパン屋に行くのがオススメ!美味しい焼きたてパンを食べながら、併設されているキキも住んでいた宿泊施設に泊まれば、魔法のような素敵な出来事が起こるかもしれませんよ。