2025年7月29日更新

『崖の上のポニョ』リサは死亡した?最後のセリフや宗介から呼び捨てされる理由までネタバレ解説

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崖の上のポニョ

宗介の母親・リサは、そのパワフルすぎる行動力や不思議な親子関係など、これまでのジブリ作品にはいなかったタイプの母親キャラです。 この記事では「なぜ宗介から呼び捨てされているのか?」「リサの死亡説は本当?」など、リサに関する疑問について徹底的に解説・考察していきます! ※この記事は『崖の上のポニョ』(2008)のネタバレを含みます。

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『崖の上のポニョ』リサはなぜ宗介から呼び捨てされているの?

崖の上のポニョ

インタビュー本「ジブリの森とポニョの海―宮崎駿と『崖の上のポニョ』」にて、リサが宗介に呼び捨てされている理由の一端が語られています。 鈴木敏夫プロデューサーは「(リサが呼び捨てさせているのは)一個人として自立すべきだという象徴」と回答。続けて「今後の日本の家族のあり方かもしれない」とも答えていました。 リサは子育ての中で、「家」や「役割」といった伝統的な家族観よりも、個人のつながりを重視しているようです。

『崖の上のポニョ』リサの最後のセリフ・グランマンマーレとの会話とは

崖の上のポニョ

リサはグランマンマーレと取引をした?

物語終盤、リサとグランマンマーレが話し合っているシーンが約20秒間登場します。この意味深な長い尺を使った会話ですが、内容は一切分かりません。ポニョと宗介のこれからを平和的に話し合っている、と考えるのが一般的です。 しかし、映画評論家・岡田斗司夫氏の考えは「夫・耕一は生きて返す代わりに、宗介を差し出しなさい」と取引をしているのでは、と考察しています。 その背景には「女は強くて怖くて美しい」という、宮崎駿の主張が隠れているというのです。また、この考察は、次に解説する「女性」的なリサの描き方にも繋がっていきます。

リサは母親ではなく一人の「女性」として描かれている?

リサは、母性よりも1人の「女性」的な面を強調したキャラクターです。 表情豊かで思ったことをすぐに言ってしまう、やってしまう少女のような性格。耕一が船の仕事から帰ってこないと分かったシーンでは、分かりやすくふてくされていました。前述した子供にあえて呼び捨てさせているのも、母より女性な面を強調しているとも捉えられます。 そうしたリサも踏まえて「リサがグランマンマーレから耕一の命を引き合いに出され、宗介の未来をも差し出した」と考察されているのです。

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リサの最後のセリフ「あなたもね!グランマンマーレ!」とは?

『崖の上のポニョ』

グランマンマーレは去っていく際に「リサ、ありがとう」と伝え、対するリサも「あなたもね!グランマンマーレ!」と返して、2人は別れます。 その直前には、グランマンマーレが「結婚の誓い」とも捉えられる質問を宗介にしており、宗介もポニョへの愛を誓っていました。そして、ラストはキスでフィナーレ、結婚式の流れとよく似ています。 その後にあった2人の会話は、結婚式後に親同士が、お互いを祝い合う瞬間のようにも見えてきます。

『崖の上のポニョ』リサの死亡説について徹底考察!

崖の上のポニョ
リサ死亡説の理由
  1. ひまわり園に向かう前の「絶対戻って来る、宗介大好き」というフラグ台詞
  2. 車内まで水が入った痕跡のあるリサの廃車
  3. 一緒に避難した車椅子のおばあちゃんたちが海の底で走り回っている
  4. おばあちゃんの「あの世もいいわねぇ、ひざもいたくないし」という台詞
  5. 大津波の被害とは対照的な、明るい街の雰囲気
  6. 船が波で集められた「船の墓場」
  7. 大正時代の親子やデボン紀の生き物が混在する世界
  8. 「リサさん、辛いでしょうね」というおばあちゃんの台詞
  9. ポニョの本名「ブリュンヒルデ」は、北欧神話で「戦死者を選ぶ女性」

リサ死亡説は、『崖の上のポニョ』の有名な都市伝説です。 ポニョが宗介のもとに戻る際に大津波を起こしてしまいます。リサは波が少し鎮まってきたことを確認して、1人仕事場である「ひまわりの家」へと出発しました。しかし翌日も戻ってこず、宗介とポニョは救出に向かいます。 上記の理由もあって、この時「既にリサは死亡していたのでは」と考察されています。

リサが死んでいないという説もある

『崖の上のポニョ』

一方で「リサ達は現世とあの世の間にいるため、死んでいない」という説もあります。クラゲの中が生死の境目、という考察です。ちなみにクラゲは「自己再生」や「命の循環」などの象徴としても知られています。 宗介もクラゲの中に入ってきて、最後はみんなで海から陸に上がっていきました。救助隊の人もおばあちゃたちに「ご無事でしたか」という台詞もあったため、全員無事に生きていたとも捉えられます。

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『崖の上のポニョ』でおばあちゃんが「リサさん辛いでしょうね」と言った意味は?

『崖の上のポニョ』

2つの説に分けておばあちゃんの台詞「リサさん辛いでしょうね」の意味を考察していきましょう。 1つ目「リサ死亡説」であれば、この台詞はそのまま「息子との別れが近づいており、辛いでしょうね」という意味ではないでしょうか。 そして2つ目「死亡していない説」の場合「わずか5歳の宗介に運命が託されている」状況に対しての同情だったと考えられます。 この台詞だけを考察すると、死亡説の方がより自然な言い回しに見えますよね。

『崖の上のポニョ』リサの母親像

『崖の上のポニョ』を視聴した方の一部では「宗介がネグレクト(育児放棄)されている」「リサが母親としてクズすぎる」という意見もあるようです。 確かに、幼稚園まで宗介を1人で向かわせる様子や、災害時に息子を置いて仕事場を見に行く姿勢などは、一般的な感覚からすると放任に映り、「ネグレクト」「クズ」といった批判に繋がってしまっているのかもしれません。 リサの荒すぎる運転や気分屋な性格などは改善の余地がありますが、物語を通して一貫しているのは、リサが宗介を子供としてではなく、対等な関係で接しているという点です。

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『崖の上のポニョ』リサについて考察・解説をしました!

『崖の上のポニョ』に登場する宗介の母親リサについて考察・解説していきました!台詞や不可思議な描写から、死亡説まで出ているリサ。本作を視聴済みの方はどう感じたでしょうか。 リサの言動や行動に注目して、『崖の上のポニョ』(2008)をぜひ復習してみてください。