「ラピュタ」ドーラは最強ママ!おばさんの若い頃や夫・息子&名セリフを解説
少年パズーと少女シータが、空飛ぶ古代文明の城・ラピュタに秘められた飛行石をめぐる冒険を繰り広げるジブリ映画『天空の城ラピュタ』。本作で強い存在感を放ち人気を集めているのが、空中海賊「ドーラ一家」の女ボスであるドーラです。 この記事では、ドーラの登場シーンや性格、意外な若い頃についてや家族構成など、愛されキャラのドーラについて詳しく紹介していきます!
ドーラの基本情報
本名 | マ=ドーラ |
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年齢 | 50歳前後 |
家族 | 夫,シャルル(長男), ルイ(次男), アンリ(三男) |
仕事 | 空中海賊「ドーラ一家」頭領, 飛行船「タイガーモス号」船長 |
声優 | 初井言榮 |
本名は「マ=ドーラ」。年齢は劇中ではっきりと描かれていません。しかし「だてに女を50年やってるんじゃないよ」というセリフがあることから、50歳前後であることがわかります。
『天空の城ラピュタ』での登場シーン
冒頭、少女シータは政府の諜報員ムスカ大佐の特務機関に拉致され、飛行船に乗せられます。その飛行船にラピュタの秘宝である「飛行石」が乗っていると聞きつけて、飛行船を襲撃しにやってきたのが、ドーラ率いる空中海賊「ドーラ一家」でした。 飛行船から転落したシータは、少年パズーに出会います。ムスカ大佐やドーラ一家が狙う飛行石とは、シータが亡き母から受け継ぎ身につけている青い石のペンダントです。シータを守ることに決めたパズーは、1度はシータを軍に奪われてしまうものの、ドーラの協力を得て助け出すことに成功します。 初めはシータのペンダントを狙う悪役だったドーラですが、後半はパズーとシータを仲間に迎え入れ良き理解者となっていくのです。
立場
ドーラは、空中海賊「ドーラ一家」の女首領で、飛行船「タイガーモス号」の船長です。先代の父親から引き継いでドーラ一家を率いています。「タイガーモス号」とはドーラ一家の母船で、一族には息子たちや機関士、そして5人の子分がいます。
性格
ドーラは大胆かつ豪快で、金欲の強いおばさんですが、根は良い人。面倒見がよく、頼りになる存在です。また、ドーラが魅力的に見えるポイントとして、そのお茶目さは欠かすことが出来ません。 (本気の部分もあるかもしれませんが)シータが自分の若い頃にそっくりだと言ってみたり、ラピュタに乗り込んだ後、一度は捕まりながらもちゃっかり財宝を持ち出していたり、豪快さとお茶目さがちょうど良い具合にミックスされている魅力的な性格の持ち主です。
能力・強み
ドーラの強みは、パワフル&頭脳明晰なところです。おばさんながら高度な運転テクニックや、息子たちを追い抜くほどの駿足を持ち、さらに大砲や手榴弾も使いこなすパワフルさには驚かされます。 また、軍の暗号通信の解読や、そろばんを使った航路選定、そしてチェスを嗜むなど、知的な一面もありました。 パズーがシータを取り戻すためにドーラ一家に加えてほしいと言い出した際、彼を連れていくことを決めたのもドーラのすごいところ。ドーラの人を見る目と決断力がなければ、ラピュタにたどり着くことはできなかったでしょう。
ドーラ一家の構成【夫はどんな人?】
夫
ドーラの夫はすでに他界しています。亡き夫は天才科学者で、ドーラ一家の母船「タイガーモス号」や小型航空機の「フラップター」は彼の発明品です。かつてドーラは、出会った彼を誘拐同然で連れ去って空中海賊の仲間にし、夫婦になったのだといいます。
息子
長男シャルル
モジャモジャに口髭を蓄えた30歳。兄弟で最も体格がよく、腕力も強い大男です。好物はプディングという可愛い一面も。
次男ルイ
ちょび髭を生やした25歳。高圧的な面もあるものの、惚れっぽく、優しい性格でコミカルな部分もあります。好物はミンス・ミートパイ。
三男アンリ
兄弟で唯一髭がなく、頰にそばかすのある20歳。タイガーモス号の操縦士を務めています。シータに好物を聞かれた時には、「なんでも食う!」と答えていました。
船員
ハラ・モトロ(画像右)
ベテラン機関士でいつも機関室にもぐっている“モグラのじいさん”。乗組員たちからは「じっちゃん」と呼ばれ、ドーラからは「クソジジイ」と呼ばれることもあります。ドーラの父の代から一家にいる、最も古い部下です。
「カ」「キ」「ク」「ケ」「コ」
ドーラが素質を見込んで連れてきた子分たちは、それぞれカ、キ、ク、ケ、コという名前があることが小説版で書かれています。 金髪でポルトガル人の「カ」、右目に眼帯をしたエジプト人の「キ」、茶色い髭で中国人の「ク」、黒く横に伸びた髭を生やした日本人の「ケ」、そして、長いなまず髭を生やしたセネガル人の「コ」の5人です。
タイガーモス号
ドーラ一家の母船であるタイガーモス号は、ドーラの亡き夫が設計・開発したものです。全長は42m、最高速度は時速133km。タイガーモス(tiger moth)とは、蛾の一種「ヒトリガ」の英語名です。巨大な鳥や虫を思わせる見た目をしています。
ドーラの若い頃【美人すぎるとの噂】
自身の飛行船、タイガーモス号にパズーとシータを連れてきたドーラは、働かざる者食うべからず、と2人を働かせ始めます。シータの働きぶりを見ていたドーラが「私の若い頃にそっくり」とこぼしますが、息子たちからは「あの子が?」「ママみたいになるの!?」と疑問の声が。 しかしドーラがシータに着せる服を選んでいるシーンでは、壁にシータにそっくりの美しい女性の肖像画が。実はその美しい少女は18歳の頃のドーラで、2021年には映画公開35周年を記念して完全受注生産のフィギュアまで販売されています! またシータの行動を思い返してみると、ムスカの頭を酒瓶で殴りつけたり、パズーを守るために嘘をついて突き放したり、自分の決めたことを実行するために強く行動出来るタイプであることがよく分かります。年を重ねたらシータも、本当にドーラと同じような女性になるのかもしれませんね。
シータとの関係
「ドーラとシータは、初期設定では親子関係だった」という都市伝説もあります。この説を裏付けるものは見つかっていませんが、「この2人が親子関係なら、ドーラも王家の血を継ぐことになりややこしい」と言うことで、この設定は無くなったのだとか。 しかし、ドーラとシータは最終的に、血は繋がっていなくても親子のような関係性として描かれていることは確かでしょう。似ている部分があったからこそ、まるで親子のような絆が生まれたのかもしれません。
ドーラのモデル
宮崎駿監督が、自作の中で一番思い入れの深いキャラクターとして挙げるドーラ。そのモデルは、宮崎駿監督の母親なのです。 宮崎駿監督の母・美子さんは病気がちでしたが、監督曰く「兄弟男ばかり4人そろってもおふくろには太刀打ちできなかった」そうで、ドーラに通じるものがあったと語っています。 またノンフィクション作家・大泉実成の著書『宮崎駿の原点: 母と子の物語』では、監督の兄・新さんが母について「面倒見がよく派手で、しつけに厳しく、勝気な性格だった(要約)」と、まさにドーラのような方だったことを語っています。
名セリフ4選
①「40秒で支度しな!」
「シータを助けに行くために自分も一緒に連れて行って欲しい」と懇願するパズーに対して、ドーラが返した言葉です。ぶっきら棒な優しさがなんだかグッとくる、ドーラらしい一言。汎用性が高く、実生活でも使えそうです。 ちなみにこのセリフは、40秒で支度したわりに準備が良すぎるパズーのカバンとセットでよくネタにされます。
②「静かすぎる。こういう時は動かない方がいい」
ムスカたちから逃げて地下に身を隠している場面で、ドーラがパズーとシータに言うセリフです。それでもパズーは安全だと思って地上に出てしまい、ムスカたちに捕らえられてしまいました。ドーラの空中海賊としての経験値やスキルの高さがわかる名セリフです。
③「女は度胸だ。お前たち、援護しな」
シータを救うためにやってきた軍の要塞が、ロボット兵に破壊されているのを見たドーラのセリフ。そして、ドーラは突撃していくのです。自ら危険に飛び込む果敢さと決断力、そしてリーダーシップが現れたカッコいいシーンで、思わず惚れてしまいます。
④「かわいそうに、髪を切られる方がよっぽど辛いさ」
タイガーモス号が壊れたことを嘆くハラ・モトロに対して、ドーラが「めそめそするんじゃないよ、もっといい船を作りゃいいんだ」と言った後に続けたセリフです。彼女がこう言ったのは、ムスカに撃たれて髪が切れ、ショートカットになってしまったシータを見たからでした。 亡き夫の遺品よりも、彼女の切られた髪が大切だと言うドーラ。彼女の優しさが最も素直に現れているセリフで、胸が温かくなります。
ドーラのジブリ飯
金欲の強いドーラですが、食欲も旺盛。パズーの家に勝手に入ったドーラが食事をとるシーンは、さすが海賊という豪快さです。 中でもドーラが食いちぎる柔らかそうな丸ごとのハムは「ドーラハム」と呼ばれ親しまれています。美味しそうなご飯がたくさん登場するジブリ作品の中でも、パズーが食べる「目玉焼きトースト」や、『となりのトトロ』の「サツキのお弁当」などと並ぶほど有名な“ジブリ飯”なんです。 見ていると絶対に食べたくなるので、鑑賞前にジブリ飯テロ対策として作ってみるのもおすすめ。豚肩ロースのブロックをスパイスやニンニクにじっくり漬けて、タコ糸でしばったら、低温調理で火を通して完成です!
声優は初井言榮
ドーラの声優を務めたのは、女優で声優の初井言榮(はつい ことえ)。1950年代から女優として活躍し、ドラマ『ヤヌスの鏡』(1985年〜)など、数多くの作品に出演しています。 特にクセの強い姑役やお婆さん役で知名度を獲得。実年齢より上の役ばかり演じたことから、「新劇三大婆さん役女優」のひとりとして知られていました。 また声優としても映画『ティファニーで朝食を』の2E役(パトリシア・ニール)など多くの洋画・海外ドラマの吹き替えを担当。手塚治虫が原案・監督など手がけたアニメ『クレオパトラ』では、アポロドリアの声を担当しています。1990年に61歳で亡くなりました。
『魔女の宅急便』にもドーラが登場している?
実は『魔女の宅急便』にも「ドーラ」という名前のお婆さんが登場しています。キキが「ドーラさん」と呼ぶお婆さんは、キキの母・コキリが作る薬を貰いに来ていました。 このドーラさんと「ラピュタ」のドーラおばさんの関係性が気になるところですが、特に公式から明言はされていません。
ドーラおばさんは「ラピュタ」にかかせないみんなのママ!
ここまでドーラの魅力を劇中に登場した要素と絡めて紹介してきましたが、こうやって見てみると長くはない登場シーンで、ドーラを魅力的に見せる要素が散りばめられていることが分かります。 名言の「40秒で支度しな!」が目立つドーラですが、細かく描かれている他の魅力を探しながら『天空の城ラピュタ』を見てみる、というのも1つの楽しみ方ではないでしょうか。