2019年6月28日更新

一番賢い奴は誰だ?映画に登場する知能犯を徹底格付け!【ベスト25】

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ダークナイト,ジョーカー
©WARNER BROS

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犯罪映画史上、最高の知能犯は誰だ?【ネタバレあり】

知能犯とは、暴力的手段ではなく、犯罪を知能的方法で実行する犯罪者のこと。どんな身分の人間でも、自分の頭脳一つで周りを出し抜いて翻弄することができます。 犯罪映画にはこんな知能犯がたくさん登場していますが、いったい誰が一番賢いのか、気になりませんか? 今回は知能犯たちを幅広いジャンルから取り上げて、ベスト25でランキングを付けてみました。警察やヒーローを自らの知力で翻弄し、その本懐を遂げた知能犯を上位に格付けしています。犯人に関するネタバレもあるのでご注意!

【25〜21位】サイコパスなシリアルキラー

25位:サイコパス度200%!『ノーカントリー』のアントン・シガー

1:9分けおかっぱ頭の不気味な殺し屋アントン・シガーは、コーエン兄弟監督作『ノーカントリー』に登場します。武器は家畜用のエアガン、コイントスで殺すか助けるかを決めるという、殺し屋としてもかなり変わった人物。 顔色も変えず平然と人を殺していくシガーは明らかにサイコパス。麻薬取引の大金を偶然手に入れた主人公モスを追い詰めていく様子は、知能犯というよりはまるでマシンのよう。 しかしその存在感は本作になくてはならないもの!シガーを強烈に演じたハビエル・バルデムは、2007年度の主な米国内映画賞で助演男優賞を総なめにしています。

24位:新世界の神になりたかった『デスノート』の夜神月

漫画『DEATH NOTE』の実写映画版『デスノート』で、主人公の夜神月を演じたのは藤原竜也。漫画版に負けず劣らず、恐ろしすぎるほど優秀でサイコパスな夜神を見せました。 文武両道で端正な容姿、真面目で正義感が強いというどこを切っても悪いところが見当たらない人物。しかし死神が落とした「デスノート」を拾ったことから、世にはびこる悪を自分で裁くことができるようになると豹変します。 インターポールから派遣された名探偵Lとの頭脳戦が見どころの本作。しかし「新世界の神」になろうと保身のためにさえノートの力を使い、自己過信によって徐々に綻びを見せ始めます。

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23位:極道に「先生」と呼ばれた『凶悪』の木村文雄

2005年に雑誌『新潮45』が報じた衝撃的な告発で明らかになった「上申書殺人事件」。これを映画化した作品が白石和彌監督の『凶悪』です。 死刑囚の元暴力団組員の上申書によって告発されたのは2件の殺人と1件の死体遺棄。死刑囚に「先生」と呼ばれた首謀者は不動産ブローカーで、告発をきっかけに逮捕に至りました。 『凶悪』で首謀者の木村を演じたのはリリー・フランキー。死刑囚の須藤を演じたピエール瀧とともに、まさに凶悪な印象を残しましたが、同年公開された『そして父になる』の父親役とのギャップには驚かされます。

22位:史上最悪の知能犯!『セブン』のジョン・ドゥ

デヴィッド・フィンチャー監督のサスペンス・ホラー『セブン』には、キリスト教の七つの大罪になぞらえて連続殺人を起こす犯人ジョン・ドゥが登場。ジョン・ドゥという名前は「名無しの権兵衛」という仮の名です。 連続猟奇殺人を追う刑事サマセットとミルズを嘲笑うかのように、次々と殺人を達成させていくジョン・ドゥですが、二つの大罪が残る中で突然自首してきます。 正体も動機も不明なまま、おそらく目的を達成したジョン・ドゥ。こんな形で終わるサスペンス作品はそれまでなかったため、かなりの衝撃を与えました。ジョン・ドゥはケヴィン・スペイシーが演じています。

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21位:真犯人はどこに?『殺人の追憶』

2003年の韓国映画、ポン・ジュノ監督の『殺人の追憶』は実際に起きた「華城連続殺人事件」をモチーフにしたフィクション。ソン・ガンホが犯人を追う地元の刑事パクを演じました。 1986年から1991年に華城郡で起きた10人の女性が強姦・殺害された事件で、韓国史上最初の連続殺人であり、2006年に公訴時効が成立した未解決事件でもあります。 雨の日に行われる殺人、事件前日にラジオでリクエストされる曲など、進展しない捜査の中にもヒントが現れます。しかし犯人と思しき青年を捕えたものの、惜しくも取り逃がしてしまいます。真犯人がいまだ野放しになっているというラストには驚愕!

【20〜16位】背筋も凍る!用意周到な完全犯罪

20位:こんな復讐あり?『オールド・ボーイ』のイ・ウジン

2003年にはパク・チャヌク監督による復讐劇『オールド・ボーイ』も公開されました。復讐に執念を燃やす知能犯イ・ウジンをユ・ジテ、復讐される男オ・デスをチェ・ミンシクが演じています。 ある日突然誘拐され、15年間も監禁された末、いきなり訳も分からないまま解放されたオ・デス。その理由を明らかにするため奔走しますが、最終的に驚愕の事実を知ることになります。 イ・ウジンの復讐の理由とその方法は、まったく納得できるものではないものの、それを入念に計画した執念には感服。本当に口は災いの元とは、よく言ったものです。

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19位:確信犯の天才プログラマー『機動警察パトレイバー』の帆場暎一

レイバーと呼ばれる産業ロボットが活躍する、押井守監督の近未来SF『機動警察パトレイバー』。 1989年に公開されたアニメ劇場版第1作『機動警察パトレイバー the Movie』は、このレイバーを製造する篠原重工の天才プログラマー・帆場暎一が投身自殺するシーンから始まります。 突然次々とレイバーたちが暴走し始め、東京は大混乱に陥りますが、実はすべて帆場が仕組んだこと。死んだ後に物語は動き出し、冒頭以降まったく登場しない帆場が犯人であるという異様な存在感がすごい!

18位:L.A.に君臨する欲望の権化『チャイナタウン』のノア・クロス

1974年のロマン・ポランスキー監督によるフィルム・ノワール『チャイナタウン』には、街を陰で操る有力者ノア・クロスが事件の黒幕として登場します。主人公の私立探偵ジェイクをジャック・ニコルソンが演じました。 ノア・クロスという冷酷でずる賢い権力者を演じたのは、『マルタの鷹』の監督としても有名なジョン・ヒューストン。フィルム・ノワールを得意とする監督がそのジャンルでバイプレイヤーとして悪役もこなすとは! ノア・クロスは実の娘すら自分の欲望のために使い、大金と水利権を欲するかなり強欲な人物。その悪役ぶりと悲劇的結末は、本作を名作に押し上げた要因かもしれません。

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17位:冷酷な魔性の女!『氷の微笑』のキャサリン・トラメル

ポール・バーホーベン監督のサスペンス・スリラー『氷の微笑』は、シャロン・ストーン演じる美しき魔性の女キャサリンという冷酷な知能犯を生み出しました。 アイスピックで殺害された元ロックスターの事件の捜査を始めた刑事ニックは、被害者の恋人で作家のキャサリンを尋問します。しかしキャサリンの妖艶すぎる魅力はニックをはじめ、周囲の人々を惑わしていきます。 キャサリンの何がそんなにすごいのか?それは結果的に逃げ延びて、キャサリンを主役にした続編まで製作されていること!ただし、続編『氷の微笑2』の評価はイマイチで、ゴールデンラズベリー賞最低主演女優賞も受賞してしまいました。

16位:新ダークヒーロー誕生!『不能犯』の宇相吹正

漫画『不能犯』の実写映画版では、松坂桃李が主役の宇相吹正を演じました。宇相吹は犯罪を意図して実行しているのに、その犯行を実証できないという「不能犯」で、人に暗示をかける不思議な能力を持っています。 街で連続して発生している変死事件を追う多田刑事は、ある現場で黒いスーツの男を目撃します。それはSNSで話題になっている「電話ボックスの男」で、ある電話ボックスに殺したい相手の名前を貼り付ければ、無料で依頼を受けてくれるという謎の人物。 人の心の闇に潜む嫉妬や欲望を見抜いて、ターゲットだけでなく依頼者にも破滅をもたらす宇相吹。愚かな人間を試すような行動は、人を呪って己を省みない者たちに対する嘲笑のようにも感じます。

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【15〜11位】心を惑わす騙しの天才たち

15位:世界滅亡を企てる世界大統領『20世紀少年』の「ともだち」

浦沢直樹の漫画『20世紀少年』には策謀を巡らせて世界大統領に上り詰め、殺人ウイルスを世界中にばら撒くことで世界滅亡を企てる「ともだち」という知能犯が登場します。堤幸彦監督によって全3部作で実写映画化され、主役のケンヂを唐沢寿明が演じました。 ケンヂとその友だちが幼い頃に空想した地球滅亡のストーリー「よげんの書」が、大人になった世紀末に謎の人物「ともだち」によって実行されていきます。 よげんの書を忠実に行うことを目的とした秘密組織を創設した「ともだち」。その実態は「ともだち」を神と崇める新興宗教のよう。敵対者や裏切り者を殺害することを「絶好」と呼ぶあたり、某宗教を思い出します。なぜ知能犯は究極的に神になりたがるのでしょう?

14位:人の闇を癒す殺人伝道師!『CURE』の間宮邦彦

黒沢清監督のサスペンス・スリラー映画『CURE』には、不思議な力で人を操り残忍な猟奇殺人を起こさせる「殺人伝道師」の間宮邦彦が現れます。間宮役は萩原聖人、主人公の高部賢一は役所広司が演じました。 連続猟奇殺人事件を追う高部刑事は、不思議なことに現場で逮捕された犯人たちがことごとく犯行理由を覚えていない事態に驚きます。なかなか進まない捜査の中、加害者たちが犯行の前に会っていた人物・間宮の存在が浮上します。 間宮は記憶障害があり言動が不安定ですが、まるでセラピーのように人の心の闇を探り出して癒していく不思議な力を持っています。しかし、障害となっている人物を殺すことで人生が癒されるというのも恐ろしい話です!

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13位:改悛を求める究極ゲーム!『ソウ』の「ジグソウ」

サイコホラー『ソウ』はシチュエーションに斬新な発想を取り入れ、その後シリーズ化した作品です。登場する知能犯は謎の猟奇殺人犯「ジグソウ」。のこぎり、ジグソウ(Jigsaw)、そして見る(see)の過去形と、原題「SAW」には3つの意味が込められています。 古いバスルームに監禁された2人の男ゴードンとアダム。正体不明の犯人「ジグソウ」が突然始めた「ゲーム」に巻き込まれ、中央に死体を挟んだままジグソウに与えられたヒントと物品のみで脱出を試みます。 ジグソウは巧みに心理を読み取り、トラップを幾重にも仕掛けますが、快楽殺人犯ではなくゲームでも必ず生き残る手段が残されているのが特徴です。それは、あくまでも殺害が目的ではなく、自省を求める行為だからなのです。

12位:二重人格?心神喪失?『真実の行方』のアーロン・スタンプラー

人を惑わした驚異の殺人犯といえば、『真実の行方』のアーロン・スタンプラーもなかなかの人物。二重人格で心神喪失となるアーロンを演じたエドワード・ノートンはアカデミー助演男優賞にもノミネートされました。 シカゴのカトリック教会で大司教殺人事件が起き、血まみれで現場を逃走した聖歌隊の青年アーロンが逮捕されます。ベイル弁護士が弁護を買って出ますが、普段大人しく犯行時の記憶喪失を主張しているアーロンが犯人とは思えず、詳しく調査を始めます。 実はアーロンは大司教にポルノビデオの撮影を強要されており、幼少時の虐待から二重人格者となっていたため追い詰められて攻撃的な性格の「ロイ」が出現したと「思わされます」。しかしそれがすべて演技だったとしたら?

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11位:本当の黒幕は誰?『ユージュアル・サスペクツ』の「カイザー・ソゼ」

完全に騙される!と評判の『ユージュアル・サスペクツ』ですが、いまだにほんとうの黒幕は誰なのか議論もあるくらいです。作中では伝説のギャング「カイザー・ソゼ」が事件の黒幕と話されています。ではそのカイザー・ソゼとは何者なのか? 本作はブライアン・シンガー監督によるサスペンス映画で、5人のユージュアル・サスペクツ(常連の容疑者)が登場します。カイザー・ソゼによってこの5人が集められ麻薬密輸船襲撃を命令されますが、船に麻薬はありませんでした。 カイザー・ソゼの目的は何だったのか、そしてカイザー・ソゼとは誰だったのかがこの事件のどんでん返しです。一度見ると最初からもう一度見たくなるほど、細かく伏線が張り巡らされています。

【10〜6位】あなたになら、騙されてもいい!

10位:美しすぎる結婚詐欺師『結婚』の古海健児

井上荒野の小説『結婚』を映画化した同名映画は、古海健児という結婚詐欺師が主人公。映画ではディーン・フジオカが演じています。古海は自身が結婚しているのに、次々と年齢も境遇も違う女性たちを騙して翻弄していきます。 本作の監督は、ディーン・フジオカが日本でブレイクするきっかけとなったドラマ『あさが来た』の演出を務めた西谷真一。ディーンの魅力をよく知っていて、この結婚詐欺師役をオファーしたようです。 確かに、こんな結婚詐欺師が実在したら騙されてしまうかも!と思わせる妖艶な雰囲気。心地よく騙すという点で結婚詐欺師と俳優という職業は似た部分があり、知能犯というよりもはや確信犯なのかもしれません。

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9位:痛快なコン・ゲーム!『スティング』のヘンリー・ゴンドーフ

遡って1970年代、当時色男として名が挙がったのはポール・ニューマンとロバート・レッドフォードです。この2人が詐欺師を演じて共演した『スティング』は信用詐欺=コン・ゲームをテーマにしています。 舞台は1930年代のシカゴ。詐欺の師匠をギャングに殺された若者ジョニー・フッカーが復讐のため、伝説の詐欺師ヘンリー・ゴンドーフに協力を依頼するところから物語は動き出します。ゴンドーフをニューマン、フッカーをレッドフォードが演じました。 落ちぶれていたゴンドーフはフッカーの復讐心に触発されて、共通の敵であるギャングのボス・ロネガンへの詐欺を計画。作中の詐欺の手法は実際の詐欺師の手練手管を集めた著書に基づいたものだそうで、大掛かりな偽の賭博場を作ってしまうあたりなど見事で痛快です。

8位:詐欺師を騙す詐欺師『クロサギ』の黒崎高志郎

漫画『クロサギ』は黒崎という詐欺師を騙す「クロサギ」が主人公。これを原作とした同名テレビドラマでは黒崎を山下智久が演じています。2008年にはドラマの続編として劇場版も公開されました。 そもそもクロサギとは何か?詐欺師と一口に言っても、3種類存在し、金目当てに騙すのが「シロサギ」、異性の心身を弄ぶのが「アカサギ」、そしてこの2種類の詐欺師たちを獲物にするのが「クロサギ」です。 黒崎は詐欺被害にあった父が一家心中を図り、一人生き残るという過酷な過去を持つ人物。詐欺師でありながら詐欺師を誰よりも憎んでいます。劇場版では、大規模な手形詐欺を行った伝説的なシロサギ・石垣に戦いを挑みます。

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7位:身分詐称のプロ?!『キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン』のフランク・W・アバグネイル・Jr

『キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン』とは、鬼ごっこのかけ声「鬼さんこちら」の意味。その通りに、主人公の詐欺師アバグネイルと彼を追うFBI捜査官ハンラティの追いかけっこが本作の概要です。まるでルパンと銭形警部ですが、なんとこれは実話! 制服を着るだけで人はコロッとその職業だと信じ込んでしまうものなのでしょうか?アバグネイルはいとも簡単に、パイロットや医師、弁護士などに扮して身分詐称し、世界各地で小切手偽造を行っていました。 本作はアバグネイルの自伝小説を元に製作されていますが、ハンラティ捜査官は実在の人物たちをモデルにした架空のキャラクターです。アバグネイルのすごさは、21歳で逮捕されて罪を償った後、詐欺師としての才能を活かして詐欺防止の金融コンサルタント会社まで設立して大成功していること!

6位:華麗な手口で魅せる!『オーシャンズ11』のダニー・オーシャン

スティーブン・ソダーバーグ監督と仲間たちといってもいいような、仲の良い映画関係者が作った小気味良いクライム・アクションの「オーシャンズ」シリーズ。ここには凄腕の詐欺師ダニー・オーシャンと10人のスペシャリストが集まっています。 出所後すぐに、服役中考えていたカジノの掛金強奪計画を右腕のラスティ・ライアンに持ちかけたダニー・オーシャン。二人は各地から各分野の犯罪スペシャリストを呼び寄せます。 カジノの金庫破りという大規模な犯行計画を、ハリウッド映画には珍しくいかに銃撃戦など銃を使わずにアクションを魅せるかという工夫をしていて好感が持てます。これこそ、暴力を使わない知恵での勝利!

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【5位】最凶の狂人!『ダークナイト』のジョーカー

クリストファー・ノーラン監督による『バットマン』シリーズのリブート3部作「ダークナイト ・トリロジー」は、それまでのバットマンよりダークでリアルなトーンを重視しています。 トリロジーの第2作目『ダークナイト 』はそのリアリティが評価されていますが、特に絶賛されたのはバットマンの宿敵ジョーカーを演じたヒース・レジャー。最凶の快楽犯罪者を狂気の演技で魅せましたが、本作が遺作となってしまいました。 執拗なまでにバットマンを敵視し殺害を企てるジョーカーは、何度も知略を仕掛けてバットマンを窮地に陥れます。『ダークナイト 』では自身は捕らえられますが、ヒーローとしてのバットマンを失墜させる罠も仕掛け、善悪の境界を脆くさせることに成功しています。

【4位】名探偵の宿敵!『シャーロック・ホームズ』のモリアーティ教授

ジャレッド・ハリスがシャーロック・ホームズの宿敵モリアーティ教授を演じた『シャーロック・ホームズ シャドウ ゲーム』。ハイソで知的なイギリス紳士らしい振る舞いと、その真逆のサイコパス的キャラクターのギャップが凄すぎます! もともと、原作者のコナン・ドイルが「ホームズ」シリーズを終わらせるために登場させたという、ホームズと互角の頭脳を持つ知能犯。『シャドウ ゲーム』はドイルが終わりのつもりで書いた『最後の事件』を元にしています。 モリアーティは数学の天才で元数学教授、その一方で裏で糸を引き謀略を巡らせる犯罪組織のボス。ホームズ曰く「犯罪のナポレオン」で、『シャドウ ゲーム』ではホームズを一度は捕らえて拷問まで行っています。しかしホームズは命を懸けてモリアーティと最後の対決に挑みます。

【番外編】人知を超えた賢いものたち

海の最恐ハンター!『ジョーズ』のホオジロザメ

スピルバーグ監督の名を全世界に広めたスリラー映画『ジョーズ』には、最恐のハンターが登場!それは、想像を超える超大型のホオジロザメ。 海開き直前に突然現れた殺人シャークは、夏が稼ぎ時のアミティ島の人々を混乱に陥れ、海水浴に訪れた観光客はパニックになります。 犠牲になった少年の母親が出した懸賞金目当てに山程の人々がサメ退治に出ますが、サメに無知な者ばかり。しかも違う種類の小ぶりなサメを捕獲していい気になっている島人たちを嘲笑うように、また犠牲者が出てしまいます。

高知能の異星人!?『プレデター』の異星人

アーノルド・シュワルツェネッガー主演のSFアクション『プレデター』に現れたのは、人が見たこともない異形で高知能の異星人!プレデターとはこの異星人の名前ではなく、動物学用語で捕食動物の意とのこと。 光学迷彩を用いて姿を見せず、プラズマキャノンで人間を躊躇うことなく殺していく不気味さ。しかしシュワルツェネッガー演じる主人公のダッチは、知力と勘で異星人の弱点を見抜き、辛くも最終決戦に勝利します。

恐竜界の知能犯!『ジュラシック・パーク』のラプトル

1993年の『ジュラシック・パーク』を第1作とするシリーズ中に登場する中型の肉食恐竜ヴェロキラプトル。第1作では主人公のグラント博士たちを狙う悪役で、かなり知能が高く厄介な存在として描かれています。 作中ではラプトルと呼ばれ、これ以降定着していきます。冒頭から事件を起こし、何度も人間の不意をついて翻弄しています。最終的にはティラノサウルスと戦い破れていますが、シリーズ中通して「最大の脅威」とされています。

人間を超えた人工知能『2001年宇宙の旅』のHAL 9000

スタンリー・キューブリック監督の古典的名作SF『2001年宇宙の旅』に登場する人工知能搭載のコンピュータ「HAL 9000」。劇中にはカメラ・アイの姿で現れています。 宇宙船ディスカバリー号に搭載されて木星探査へ出発し、船内の全制御や乗員とのコミュニケーション、さらには乗員には秘密の極秘任務もこなすという知性を備えています。しかし矛盾する任務に変調をきたし、最後には人間に対する反乱を起こしてしまいます。

【3位】謎の未解決事件に迫る!『ゾディアック』

デヴィッド・フィンチャー監督がノンフィクション小説『ゾディアック』を元に製作した同名サスペンス映画は、実際に起こった「ゾディアック事件」について描いています。 ゾディアック 事件とは1968〜74年にサンフランシスコで起きた連続殺人事件で、犯人が不明のままの未解決事件です。犯人が声明文で自称していたのが「ゾディアック」だったため、このように名付けられました。 本作はゾディアックを追った男たちを主人公にし、この事件の謎に迫っています。ゾディアックを名乗る犯人は、マスコミや警察に暗号化された犯行声明文を送り付けるような劇場型の犯罪者。その後も模倣犯が度々出現し、ゾディアックという言葉自体が劇場型犯罪の代名詞ともなりました。

【2位】世界を股にかける大泥棒!『ルパン三世』

ルパン三世といえばもう説明不要の、日本が生んだ世界的大泥棒!モンキー・パンチの漫画を原作としたテレビアニメは1971年から始まっており、2018年には第5シリーズとなる『ルパン三世 PART5』が放映されるほどの人気長寿作です。 これまでテレビアニメのほかにもアニメ劇場版が8作、実写映画化も2作、名探偵コナンとのクロスオーバー作品もあります。2014年実写版のルパン三世は小栗旬が演じました。 フランスの怪盗紳士アルセーヌ・ルパンを祖父に持つというルパン三世。お調子者ではあるけれど知能と技術は非常に高く、無益な殺生は決してしない祖父の怪盗の名に恥じない大泥棒です。しかし弱点は女に弱いところ。『ルパン三世』の中でもかなりの知能犯である峰不二子が最大の弱点かも?

【1位】聡明すぎる究極の知能犯!『ハンニバル』のレクター教授

架空の人物の中でもトマス・ハリスが生んだ猟奇殺人犯ハンニバル・レクターというキャラクターは、他の追随を許さないほど矛盾した邪悪さと高潔さを併せ持っています。なぜレクター教授は恐ろしいのに魅力的なのでしょうか。 人食いハンニバルの異名を持つレクターは、もともとは精神科医。映画ではアンソニー・ホプキンスが初めてレクターを演じた『羊たちの沈黙』があまりにも有名です。その後のハンニバルを追った『ハンニバル』、そして彼の青年期を描いた『ハンニバル・ライジング』も製作されました。 レクターはリトアニアの名門貴族の生まれで、英才教育を受けた記憶術の天才。しかし第二次大戦で戦災孤児となってからの過酷な体験が、後の人格形成に影響を及ぼしたようです。 『レッド・ドラゴン』では『羊たちの沈黙』より以前、精神科医として警察に助言をしていた頃が描かれています。レクターは人の心理を揺さぶり操る術を知っていて、FBI捜査官も太刀打ちできません。凶暴性と知性を併せ持つレクターには、やはり抗えない不思議な魅力があります。

究極の知能犯はサイコパスか?

ここまでランキングを見てみると、下位と上位にサイコパスなシリアルキラーが入っていることに気付きます。サイコパスという要素が必ずしも知能犯につながるわけではないのですが、多くの犯罪者が大胆不敵に行動できるサイコパスであることはある程度予測できます。 それは、サイコパスが人の感情は理解できるけれど共感はできないという性質を持っているからです。一々人に同情していたら、確かに犯罪に手を染めるのは無理ですよね。特に大規模で凶悪な犯罪なんて! レクターのように人の心を操ることができる知性の高いサイコパスが凶暴性も兼ね備えたら、最恐で最強の知能犯になってしまうことも納得です。しかし願わくば現実的には、ルパン三世のような怪盗に活躍してほしいところです。