『チェンソーマン』サムライソードは死亡した？金玉蹴り大会がエグい……

サムライソードは『チェンソーマン』に登場する本名不明のヤクザです。 非常に自己中心的で残虐な性格をしています。祖父がどれだけ偉大な人物だったかをデンジに語る際も、悪事で稼いだ金で何でも買ってくれたと平気で口にしたりと、底からねじ曲がった人物でした。誰もが敵だと判断できる秀逸なキャラ性は、読者に大きな衝撃を与えています！ 変身後は頭に軍帽と巨大な刀が出現し、両腕にも刀が生えています。また黒いロングコートを着ており、軍帽と相まって軍人を彷彿とさせる姿をしていました。この変身後の外見がカッコよく、サムライソードの人気の一因となっています！

その正体は1話で登場した、デンジに借金返済のためデビルハンターをさせていたヤクザの孫だったのです。 幼い頃から可愛がってくれた祖父の敵を討つためデンジを標的にします。 初登場からこんな残虐な性格をしながら「祖父想いのおじいちゃん子？」という、意外すぎる一面を見せつけてきました。 もっとも彼の祖父は悪魔と契約し、ゾンビとなってしまったため殺すしかなかったので、完全な逆恨みと言えますが。

ここからはサムライソードの活躍を追いかけながら、死亡までの流れを解説していきます。

一度はサムライソード達の作戦によって、壊滅状態に追い込まれた特異課。しかし岸辺との修行を終えたデンジと共に、新メンバーを加え復活した特異課は、ヤクザビルを取り囲み掃討作戦を決行します。 作戦開始直後からデンジは真っ先に因縁のサムライソードの元へ向かいます。出会い頭から話し合いの余地もなく、武器人間の姿へと変身する2人。 2人の激闘の舞台は電車の中へ。そこでデンジは逃げ遅れた乗客を庇い、腕を斬り落とされてしまいます。勝利を確信したサムライソードは絶体絶命のデンジを弄びます。 そして戦いの最後、両腕はなくても頭のチェンソーがあると向かっていくデンジ。頭のチェンソーを警戒するサムライソード。デンジは頭に注意を引き、足に出現させたチェンソーでサムライソードを一刀両断します。 こうしてサムライソードはデンジのブラフによって敗北し、拘束されたのでした。

サムライソードを拘束したデンジは、「最強の大会」の開催を宣言します。大会の内容はデンジとアキが交互にサムライソードの玉を蹴り、より大きな悲鳴をあげさせた方が勝ちというもの。 2人は楽しそうに玉を蹴り続けます。そして激痛に顔を歪ませながら、サムライソードは大きな悲鳴をあげ続けたのでした。

デンジに敗北し拘束されたサムライソードはその後登場せず、刑務所生活を送っていると思われていました。しかし第10巻86話でまさかの再登場を果たします。

10巻86話での再登場時、彼はレゼやクァンシと共にスーツに身を包み、チェンソーマンを倒すために組織されたマキマ直属の組織「公安対魔特異5課」に所属していました。 サムライソードはしっかりとマキマに記憶を改竄されており、何度も命を助けられたと崇拝している様子です。この人柄の変貌ぶりは、読者に大きな戸惑いを与えました。 変身して激闘を繰り広げるサムライソードですが、もはや完全に変身したチェンソーマンには歯が立たず、居合を簡単に避けられ倒されてしまいます。あっけない死亡……。

殉職した公安職員が眠る墓地で、マキマと公安対魔特異5課は再びチェンソーマンとの戦闘に突入します。 サムライソードは剣の武器人間と共に最初に向かって行きます。しかし歯が立たず彼はまたしてもチェンソーマンに殺されてしまいました。

サムライソードはデンジへ復讐するため、元デビルハンターの沢渡アカネに刀の悪魔の心臓を移植してもらっています。そのため左手首を刀を鞘から抜くように引き抜くと、人間でありながら悪魔に変身できるのです。

沢渡アカネは民間のデビルハンターをしていた人物です。突如巻き起こった特異課襲撃事件の主犯は、実はサムライソードではありません。作中では事件の主犯は協力者である沢渡であると語られています。 理由は明かされていませんが、彼女の目的はデンジの心臓です。沢渡とサムライソードの関係をみると、刀の悪魔の心臓を持っていた沢渡がデンジに恨みを持っていたヤクザに接触したと考えて間違いないでしょう。 サムライソードやその部下達は銃を所持していました。その銃も沢渡が2万円と引き換えに銃の悪魔と契約させ、流していた物です。お互いの目的は違うものの、2人は利害の一致で行動を共にした仲でした。

変身後のサムライソードは、主に両手の刀を武器に戦います。デンジ達を襲撃した際も、アキやチェンソーマン化したデンジと激闘を繰り広げました。デンジのチェンソーと刃を合わせるシーンは、見入ってしまう迫力があります……！ この刀は普通の刀よりも切れ味が鋭く、刀身よりも大きな物でも切断可能です。

悪魔の姿に変身していないサムライソードは銃を武器に戦います。初登場時にデンジと交戦になった際も、デンジや姫野を躊躇なく銃で撃ちました。 変身後は刀を前面に押し出したスタイルなのに、普段の武器が銃なのもまた渋くてカッコいいです……！

サムライソードの必殺技と言えるのが、姿勢を低く構えた姿勢から繰り出される居合斬りのような技です。 構えたと思った直後には斬られていると語られる強力な技で、右腕を左脇で構え低い姿勢でしゃがみ込み、次の瞬間には対象を両断しています。サムライソードはこの凄まじいスピードと威力を誇る技でアキを撃破しており、1戦目ではデンジでさえ一瞬で真っ二つにしてみせました。 再戦でもデンジの両腕を斬り落とす威力を発揮しており、最後まで彼を苦しめています。渋すぎる居合の構えに、敵とはわかっていても思わず興奮してしまった読者も多いでしょう！

悪魔に変身できる人間は、高い身体能力を持っています。もちろんサムライソードも例外ではなく、人間離れした身体能力でデンジと渡りあっていました。またデンジと同じく回復力も高く、さらに不死性も備えています。 確実に死んでしまう攻撃を受けても、デンジの紐のように左手首を引けば復活します。アキから捨て身の攻撃を受けた際も、沢渡アカネによって簡単に復活しました。

サムライソードの元ネタと言われているのは、映画『HELLBOY』に登場するクロエネンと言われています。 ナチスの軍服、レザーのロングコートと、腕に仕込んだソードという風貌が特徴です。サムライソードはナチでなく、戦時中の日本軍人を思わせる服装ですが、腕のソードも相まってその佇まいは非常に似ています。 またクロエネンは自身の体を改造をし続けた結果、広く知られる外見に落ち着きました。またサムライソードも「刀の悪魔」を心臓に移植し現在の武器人間になったため、「改造人間」という点も共通していると言えます。 このように『チェンソーマン』では、映画のパロディーが多く含まれます。ここから作者である藤本タツキの映画好きっぷりが詰まっていると感じられますよね。

サムライソードは姫野が死ぬ間接的な原因となった人物です。彼女とバディであったアキの悲しみは相当だったはず。彼は玉を蹴られたサムライソードが凄まじい叫び声をあげたとき、姫野に向け「オレ達からアンタへの鎮魂歌(レクイエム)だ」と言葉を送っています。 実はこのセリフにはモデルがあり、元ネタは『HUNTER×HUNTER』の第11巻97話に登場しました。幻影旅団の団長であるクロロが、死亡した仲間のウボォーギンに向け「オレ達からあなたへの鎮魂歌(レクイエム)です」と口にしているのです。

1度死亡した悪魔は、地獄に落ちてまた復活してと、輪廻転生を繰り返すこととなっています。 「支配の悪魔」であるマキマもデンジに倒された後、ナユタとして再び現世に転生しています。 また2022年12月現在の最新話では、かつてデンジが倒したはずの「永遠の悪魔」の復活が示唆されました。 これらのことから、サムライソードである「刀の悪魔」も再登場する可能性があります。 しかし悪魔は転生するたびに、以前の記憶を失います。そのため以前のようにデンジとの因縁があるわけではないので、復活するにしては微妙な立ち位置でしょう。

デンジ、パワー、アキ、姫野が昼食を食べている定食屋で、サムライソードは初登場します。店の悪口を言いながら近づいた彼は、突如デンジと姫野を銃撃します。そしてアキが使う狐の悪魔に喰われた後、刀の悪魔に変身した姿で狐の悪魔から脱出したのです。 アキと凄まじい戦闘を繰り広げる彼ですが、捨て身の戦闘で呪いの悪魔の能力を発動され死亡してしまいます。しかし沢渡が現れ武器人間である彼の左手を抜き復活させてしまいました。 油断していたと語り、アキを居合で瞬殺するサムライソード。結局彼は沢渡と協力し、アキも自らの全てを懸けて戦った姫野も撃退します。そして最後はチェンソーマンとなったデンジでさえも、居合で両断したのです。 結局デンジの回収には失敗したとはいえ、驚異的な強さをみせつけた初登場でした……！

サムライソードを演じるのは、濱野大輝です。 代表作は『機動戦士ガンダム　鉄血のオルフェンズ』のダンテ・モグロや、『遊戯王VRAINS』の鬼塚豪などです。 そのドスの効いた声を活かし、筋骨隆々な漢気あるキャラや、チンピラ風情を演じているイメージが強いです。 『チェンソーマン』でもその声を活かし、冷酷なヤクザとして、また序盤の強敵としての風格を見事に演じていました。デンジとチェンソーマンの激しい肉弾戦の演技は必見です。

サムライソードは作中でも屈指の外道です。しかし性格とは真逆のイカした外見や技で、悔しながら推しキャラとなった人も多いのではないでしょうか。 アニメ8話では濱野大輝の演技も相まってその外道さに磨きがかかり、よりサムライソードのことを好きになったという人も多く見られました。 アニメでの活躍も踏まえ、改めて原作を読み返すとより面白いでしょう！