2023年7月3日更新

『君たちはどう生きるか』の批判理由は?なぜ気持ち悪いと言われているのか ジブリ映画の評価はどうなる?

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2023年7月14日公開のジブリ映画『君たちはどう生きるか』。タイトルの元ネタは吉野源三郎の小説『君たちはどう生きるか』(1937年)で、2017年にコミカライズ版『漫画 君たちはどう生きるか』が出版されると大ヒットしました。 しかし口コミでは「気持ち悪い」「内容が苦手」などのネガティブな意見も見られます。本記事では、『君たちはどう生きるか』が気持ち悪いと言われる理由について考察&解説していきます。

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『君たちはどう生きるか』が気持ち悪いと言われている理由

ファンの声を詳しく見てみると、気持ち悪いと言われているのはジブリ映画ではなく、小説・漫画版の『君たちはどう生きるか』のようです。具体的には3つのネガティブな声が見受けられました。

①漫画発売時の売り出し方が気持ち悪い

2017年に漫画『君たちはどう生きるか』が発売された際、メディアで異様に取り上げられました。また否定的な意見がほとんどなく「人生を変える一冊!」などと絶賛されて売り出されたため、違和感を覚えて「気持ち悪い」と感じた人が多かったようです。 原作小説はシニア世代にとって有名な作品であったため、80年越しのコミカライズがメディアで取り上げられるのも不思議ではないのですが、それを知らない世代にとっては違和感があったのでしょう。 この感覚は、新人タレントがテレビに出まくって猛プッシュされていると「気持ち悪い」と感じることがあるのと似ていますね。

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②時代のギャップによって説教くさく感じる

原作小説は、日中戦争が始まったとされる1937年に出版されたものです。そのため、内容に時代のギャップを感じるという声がありました。漫画版は小説をそのまま漫画化したのではなく、現代の読者が読みやすいようアレンジされてはいるものの、時代設定などは小説のままです。 しかも原作小説は児童書であるため、読書感想文の課題図書となることも多く、特に子供たちにとっては時代のギャップを感じざるを得ないでしょう。 本作は子供向けの啓発本的要素があり、大人が読むと説教くさく感じるという声もありました。

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③表紙のコペルくんに違和感がある

漫画版の表紙には、主人公のコペルくんが強い眼差しで見つめてくる印象的なイラストが使われています。このコペルくんの表情は、タイトルと相まって説教くさく感じる方も多いです。さらに、小説版の読者から「コペルくんはこのような表情はしないと思う」という声もありました。 実際に、漫画の中にもこの表情のコペルくんは登場しません。漫画を担当した羽賀翔一は、「タイトルが強い言葉なので、それと釣り合うように悩んだ」と話しています。 しかし読む前には押し付けがましくも感じられたタイトルと表紙の印象が、読了後にガラッと変わったという声も多いです。

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『君たちはどう生きるか』は本当に気持ち悪いのか?

さまざまな意見・感想がある、小説・漫画版『君たちはどう生きるか』。批判や否定的な意見もある一方で、内容に対して「心に響いた」「若い人にぜひ読んでほしい素晴らしい本」と絶賛している人も多くいます。 本作は「1人の人間が生きる上で考えるべき問題」「集団の中で同調圧力に負けず個を保つこと」などについて提示しています。時代背景は違えど、まだまだ同調圧力の強い現代の日本社会での生き方について考えさせられる内容なのです。 また「学ぶことの大切さに気付かされた」「自分の感情を見つめ直して進むヒントとなった」という声も多く、中でも多く見られるのは「自分の子供・孫に読ませたいと感じた」という声。悩んでいる人の背中を押すような本だと感じた人が多いようです。

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ジブリ映画『君たちはどう生きるか』の評価はどうなる?

吉野源三郎による小説はジブリ映画の原作ではない!

2023年7月公開のジブリ映画『君たちはどう生きるか』は、宮崎駿が脚本を担当するオリジナルストーリーの冒険活劇ファンタジーです。吉野源三郎の小説はあくまでもインスパイア元・タイトルのモデルとなった作品で、厳密には「原作」というわけではありません。 つまり小説・漫画版の評価や感想は、ジブリ映画『君たちはどう生きるか』の評価の参考にはならないでしょう。

ジブリ映画『君たちはどう生きるか』の内容や評価は?

ジブリ映画『君たちはどう生きるか』のあらすじや内容は、公開前である2023年7月時点で明かされていません。一説では、ジョン・コナリーによるファンタジー小説『失われたものたちの本』を元ネタに、宮崎駿の自伝的な内容を含め、日本を舞台に戦争を描くものとなるのではないかと噂されています。 戦争を扱う作品では戦争の悲惨さや愚かさを一貫して描き、生きることの大切さがメッセージとして込められている宮崎駿作品。 「生きろ。」の『もののけ姫』(1997年)、「生きねば。」の『風立ちぬ』(2013年)、そして「どう生きるか」……。宮崎駿の代表作に並んで高く評価される作品になるのではないでしょうか。

『君たちはどう生きるか』の批判理由を鵜吞みにせず自分の目で確かめよう

売り出し方やイラストが苦手で「気持ち悪い」と感じた方もいれば、内容が苦手・説教くさいと感じ「気持ち悪い」という否定的な感想になった方もいる本作。 しかし、大ヒットし多くの人に絶賛されているのも事実です。否定的な意見に流されず、まずは読んでみて自分自身がどう感じるかを大切にしてみましょう。

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