2025年4月23日更新

「瞳の中の暗殺者」ラストシーンまであらすじネタバレ!最高傑作と呼ばれる理由も徹底考察【名探偵コナン】

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名探偵コナン 映画
©1997-2017 青山剛昌/名探偵コナン製作委員会

最高傑作と呼び声高い映画『名探偵コナン 瞳の中の暗殺者』。劇場版4本目と初期作品ながら、今なお根強い人気を誇る本作を、ネタバレありで徹底解説! 犯人の動機や、ファンから人気の高いラストシーン、タイトル回収、名言についてもじっくり紹介していきます。「瞳の中の暗殺者」が最高傑作だといわれる理由を見ていきましょう! ※この記事は「瞳の中の暗殺者」の重要なネタバレを含みます。

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映画 『名探偵コナン 瞳の中の暗殺者』のあらすじ【ネタバレなし】

公開年 2000年(4作目)
監督 こだま兼嗣
脚本 古内一成
興行収入 25億円

劇場版4作目となる「瞳の中の暗殺者」は、毛利蘭にとっては新一の思い出の地、コナンにとっては苦い思い出があるトロピカルランドが舞台。さらに警察関係者が事件に関わるという重いテーマが見どころとなっています。 警察官が射殺される事件が立て続けに発生。そんななか、コナンや毛利小五郎、蘭たちが参加したパーティーで、またも警察官を狙った発砲事件が起きてしまいます。 運悪く発砲現場に居合わせた蘭は、そのショックから記憶喪失に……。小五郎が警察関係者を追求すると、警察の上層部が関与しているらしいことが判明します。 記憶を取り戻すためトロピカルランドへ向かう蘭。犯人もまた、目撃者の蘭を消そうとトロピカルランドに向かうのでした。

吹き出し アイコン

個人的BEST3に入ります!ひどいっていう人はコ哀派なのかな…。とくにセリフの回収が好きで、小五郎のプロポーズとコナンの告白、最初と最後のNeed not to knowが好き。本当に見終わった瞬間が気持ちいい!

『名探偵コナン 瞳の中の暗殺者』のネタバレ

蘭がまさかの記憶喪失!連続殺人犯に命を狙われる

コナン 100万ドルの五稜星 毛利蘭
(C)2024 青山剛昌/名探偵コナン製作委員会

コナンと少年探偵団は奈良沢治(ならさわおさむ)警部補が射殺される現場を目撃します。同日、今度は芝陽一郎(しばよういちろう)巡査部長が射殺されました。2人とも警察手帳を指し示して死亡します。 警察内がピリつくなか、白鳥任三郎の妹の結婚を祝う会が開催されることに。小五郎の元上司である小田切敏郎(おだぎりとしろう)警視長やその息子のミュージシャン・小田切敏也(おだぎりとしや)、心療科医師・風間京介(かざまきょうすけ)も参加していました。 蘭と佐藤美和子刑事がお手洗いに行くと停電が発生。その際に佐藤刑事が撃たれ、ショックから蘭は記憶喪失となります。現場を封鎖したものの、誰からも硝煙反応は出ませんでした。

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犯人は誰?1年前の変死事件がカギ

1年前に起きた医師・仁野保(じんのたもつ)変死事件を担当したのが、殺害された奈良沢と芝、負傷した佐藤でした。さらに同事件捜査中に友成警部が持病で急死しており、その息子・友成真(ともなりまこと)が警察を恨んでいることがわかります。現在彼は行方不明。 もう1人の容疑者は小田切警視長の息子・敏也です。敏也は仁野の不正をネタに彼を恐喝していました。誠も敏也も、コナンが推理する仁野殺害の犯人像=左利きと一致しています。さらにコナンは傘を使って硝煙反応を消す方法に思い至り、捜査は振り出しに。 コナンが病院で聞き込みをすると、仁野は手術ミスで他の医師の腕を切っていたことも明らかに。コナンはここで犯人にピンときます。

犯人の動機は未来を絶たれたことへの恨み!真犯人が判明

一方で、蘭は記憶の手がかりを求めて小五郎や少年探偵団とともにトロピカルランドへ向かいます。コナンは無茶なことをしでかすため、置いていかれました。 遊園地内では真が逮捕され一同ホッとしますが、真犯人は違います。それを知るコナンは遊園地に急行。阿笠博士や少年探偵団とも連携して蘭を守りますが、真犯人の魔の手が迫ります。 蘭と合流したコナンはアトラクションを利用しながら逃げ、ついに真犯人と対峙。その犯人とは、蘭の担当医師でもあった心療内科医の風戸でした。 仁野の手術ミスへの恨み、硝煙反応のトリック、ダイイングメッセージが“心”=心療内科を指していたことをコナンは見事言い当ててみせます。

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ラストシーンは新一と蘭の思い出の噴水がカギに

名探偵コナン 工藤新一 毛利蘭
©︎GA/S・Y・T ©︎CYBIRD

一見すると追い詰められているように見えるコナンと蘭でしたが、コナンは蘭とのデートで見た噴水が上がるタイミングを待っていました。 噴水で姿が隠れた隙に、コナンがキック力増強シューズでジュース缶を食らわせると、風戸は噴水の向こうからナイフを突き出してきます。その光景がトリガーとなって、蘭はすべてを思い出しました。 蘭はとっさに風戸を制圧。そこに風戸が犯人だと見抜いた小田切警視長が配備した警察や小五郎たちも駆けつけ、風戸は無事に逮捕されました。ライブのために遊園地にきていた敏也も、仁野恐喝の容疑で捕まります。 さらに銃撃を受けていた佐藤刑事が意識を取り戻した一報が入り、事件は一見落着となりました。

【解説】「瞳の中の暗殺者」はひどい?最高傑作と呼ばれる理由は……

初期作品群のなかでは圧倒的な人気を誇る本作は、完成度の高い脚本が高く評価されています。 原点ともいえるトロピカルランドで始まりトロピカルランドで終わる美しさ。そこに絡む新一と蘭の恋、家族愛、友情、警察関係者の活躍、アクション、ミステリー・サスペンス……。要素盛りだくさんながらもバランス良く楽しめて、序盤の伏線の回収も見事です。 近年作品のド派手さに慣れてしまうとやや地味に感じるかもしれませんね。また、灰原哀派のファンにとっては、哀ちゃんの活躍が少なくて物足りないかも。 ただ、本作は渋い名言も多く、「おめぇのことが好きだからだよ。この地球上の誰よりも」というコナンの告白も拝めるので、やはり最高傑作の1つといえる作品でしょう。

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【考察】「瞳の中の暗殺者」のタイトル回収と犯人の謎とは?

①タイトル「瞳の中の暗殺者」の意味は?タイトル回収がすごい!

「瞳の中の暗殺者」はタイトルとしてはシンプルでわかりやすく、唯一の目撃者となった蘭の瞳にだけ暗殺者の姿が映っている、という意味になります。蘭の瞳に映る光景が大きなカギとなっているわけですね。 犯人と対峙するクライマックスで、この要素が大きく活かされます。蘭は噴水から犯人が腕を出す光景を見て、佐藤刑事襲撃時の記憶を鮮明に思い出しました。周りの人との交流がきっかけではなく、蘭が見たものが記憶復活のトリガーとなっているのです。 このように、本作はクライマックスでも蘭の瞳の中に暗殺者の姿が映る構成となっています。タイトルで蘭が犯人と対峙することが示唆されており、見事なタイトル回収となっているわけです。

②犯人は噴水でなぜ発砲をやめたのか?その心理を考察

犯人・風戸はサイレンサー付きの拳銃で白昼堂々と銃殺したり、蘭を線路に突き落とそうとしたり、人を殺すことにちゅうちょが見られません。そんな彼が噴水で怯むのはやや不自然かもしれません。 このとき風戸はいわば“勝ち確”状態でした。相手は子どもと逃げ回るばかりの女子高生。実際はコナンに誘導されているのですが、風戸としては追い詰めたという心理でしょうし、もうコナンには打つ手がないと思っていたはずです。 優勢という精神的余裕と、近距離で外したくないというプライドの高さが、噴水が終わるのを待ってから撃つという判断につながったのではないでしょうか。コナンはきっと風戸のその性格も見抜いたうえで、この作戦を立てたと考えられます。

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【名言】Need not to know。僕はただの小学生だよ!

コナン

作中2度登場する「Need not to know」=知る必要がない、というセリフ。物語序盤、コナンと小五郎は白鳥にこのセリフを言われ、これ以上の詮索をしないよう釘を刺されます。 事件解決後、小田切警視長が警察より先に犯人にたどり着いたコナンに「君はいったい……」と、その正体を聞こうとしました。ここでコナンは「Need not to know, 僕はただの小学生だよ」と一言。 このコナンもかっこいいですし、それを受けて深追いせず微笑んでからコナンに敬礼する小田切警視長も熱い!敬礼のあとエンディングに入る流れは余韻も最高で、作中でのコナンの告白とこのセリフは本作屈指の名言です。

トロピカルランドのモデルは富士急ハイランド?

トロピカルランドは志摩スペイン村がモデルとなっています。 映画製作にあたり美術監督や背景スタッフは志摩スペイン村を2泊3日で徹底的にロケハンしたそう。冒頭のジェットコースターなどは同遊園地のアトラクションをそのまま参考にして描かれたとのこと。本作をきっかけにトロピカルランドが完成することになります。 富士急ハイランドはエンディングの実写映像として登場。こちらは本編のモデルとはなっていないことが明かされています。

「瞳の中の暗殺者」は神脚本が楽しめる名作!

「コナン」劇場版4作目「瞳の中の暗殺者」についてネタバレありでその内容や魅力を紹介しました。蘭と新一の恋愛要素を楽しみたい人、しっかりミステリー・サスペンスを楽しみたい人におすすめの本作。ぜひチェックしてみてください!