2017年3月21日更新 17,536view

『猫の恩返し』の都市伝説って?『耳をすませば』との関連性【バロンとムタ】

2002年公開、ごく普通の女子高生・吉岡ハルが迷い込んだ、「猫の国」での冒険を描いた映画『猫の恩返し』。ジブリの大ヒット作、『耳をすませば』との繋がりが噂された話題作について、物語がもっと面白くなる裏設定をご紹介します。

『猫の恩返し』がもっと面白くなる都市伝説を大紹介!

2002年公開、スタジオジブリ制作・森田宏幸監督による映画『猫の恩返し』。主人公の吉岡ハル役に池脇千鶴、袴田吉彦・山田孝之・濱田マリなどといった、個性派俳優らが声優を担当しました。

平凡な日々を過ごす女子高生・吉岡ハルは、車に轢かれかけてた「猫の国」の王子、ルーンを助けた恩返しとして「猫の国」に招待されることに!王子の妃候補にされるものの、猫の男爵・バロンらの力を借りつつ、元の世界への帰還を果たします。そんな冒険を通して少しだけ大人へと成長していくハルの姿を描きました。

映画公開後、凝った設定が多いジブリ作品の中でも、特に変わった仕掛けがあると話題になりました。ジブリファンには堪らない裏設定、『猫の恩返し』に関するトリビアをご紹介します。

スタジオジブリの名作『耳をすませば』との繋がり

『耳をすませば』

公開時に一番注目されたのは、「猫の事務所」の所長”バロン”やデブ猫の”ムタ”など、どこか見覚えのあるキャラクターの存在と設定でした。

実はこの”バロン”こそ、映画『耳をすませば』に登場した猫男爵の人形のバロンその人。つまり、『耳をすませば』で小説家を志していた主人公、月島雫が書いた物語という裏設定があるのです。「続編を作らない」方針を採るジブリ史上、初のスピンオフ映画として制作されました。

バロンの描写がより詳細になった上、前作との繋がりを探す楽しみがあるのも魅力の1つです!雫が作品を書いた時期などについて諸説ありますが、夢を叶えていたと分かるのは嬉しいですね。

宮崎駿監督はバロンとムタが難事件を解決する探偵物を企画

『猫の恩返し』

全ての発端は、とある企業から「テーマパークのキャラクターを作って欲しい」と依頼され、”猫のモチーフで”との要望があったことから始まりました。

既存のキャラを提案したところ、担当者が『耳をすませば』の”ムタ”を気に入り、「20分くらいのショートフィルムを作る」ということに。相談された宮崎駿監督は、バロンが主人公の”探偵もの”として、「名探偵バロンとムタのコンビが難事件を解決するミステリー冒険活劇」を構想し始めます。

そして、『耳をすませば』の原作者・柊あおいが執筆を依頼され、原作『バロン―猫の男爵』が完成。宮崎監督は様々な事情から企画を若手に託し、森田宏幸監督の手で長編映画化されました。

森田宏幸監督が最もこだわったキャラクターは吉岡ハル

『猫の恩返し』

主人公の吉岡ハルは、森田宏幸監督が強いこだわりを持って作り上げたキャラクターで、現代の女の子を投映したような性格に設定されています。

その場の空気とノリだけで重大な決断を下してしまい、後から大事件になって慌てるものの、何となくピンチを乗り越えていくごく普通の女子高生。キュートでどこか親近感のあるハルは、日常の流れに身を任せているようで、しなやかに現代を生きる女の子と重なって見えます。

さらに監督は、「成長するのは難しいし、できなくて当たり前。安易な成長ならしないほうが良い」との持論から、ハルが”あまり成長しない”ようにしたそう。この辺りも現代的で、「自分の時間を大切に生きる」ための小さな一歩を踏み出す姿が、視聴者の共感を得やすいのかもしれません。

バロンは神秘的な大人の紳士から若々しい王子様に

『耳をすませば』

バロンは爵位の「男爵」という意味で、正式な名前はフンベルト・フォン・ジッキンゲン男爵。『耳をすませば』では猫男爵の人形でしたが、事件を解決に導く「猫の事務所」の所長という設定です。

『耳をすませば』と紳士的な部分は変わらないものの、月島雫が憧れていた大人で神秘的なバロンに比べ、若々しくよりアクティブに。声優も露口茂から袴田吉彦に変更されており、森田宏幸監督は「今までの渋いバロンではなく、若々しいイメージにしたかった」と語りました。

さらに、性格は冷静かつ女性に優しい王子様タイプで、ムタいわく”キザ”とのこと。元の世界に繋がる塔の頂上への階段を駆け上る際、ハルを軽々と抱き抱えて進んで行くシーンが印象的です。

バロンの恋人で猫の貴婦人ルイーゼも再登場?

『耳をすませば』バロン

バロンは元々、『耳をすませば』の西司朗が留学先のドイツから日本へ持ち帰った人形ですが、一度は店から購入を断られたという経緯がありました。

司朗の彼女と同じ名前の猫の貴婦人、ルイーゼという人形が修理中だったことから、恋人の2体を引き離すことはできないと言われたのです。それを聞いた彼女が、「連れの人形が修理から戻ったら自分が引き取る」と申し出たため、司朗はバロンだけを連れ1人で帰国しました。

しかし、第二次世界大戦で双方のルイーゼが行方不明となり、恋人たちの再会は不可能に・・・・・・。「猫の事務所」に飾られた肖像画のモデルは、バロンの恋人ルイーゼだと言われています。

ふてぶてしくも世話好きなデブ猫”ムタ”の名前の由来

バロンの仲間である”ムタ”は、『耳をすませば』で初登場した太った猫の名前の1つ。原田夕子の自宅近くに住む女の子が名付け親で、近所の子供たちにもその名で呼ばれていました。

ハルを猫の事務所へ導いた『猫の恩返し』では、かつて猫の国で悪事を働いた伝説の犯罪者の一面を持ち、本名はルナルド・ムーンと言います。この”ムーン”という名は、『耳をすませば』の天沢聖司が独自に付けたもので、雫は2つの名前を自分の作品とリンクして登場させたのでしょう。

『猫の恩返し』に月島雫たちが登場予定だった!?【都市伝説】

『耳をすませば』

何とエンドロールには、成長した月島雫と天沢聖司らしき人物が登場し、試写会で拍手している映像が入る予定だった、という都市伝説も存在します。

本作は『耳をすませば』の上映から7年後に公開されたため、当時15歳だった雫が22歳になり、作家デビューして発表した『猫の恩返し』が映画化。それを原作者の雫と聖司が『耳をすませば』の世界で見ている、劇中劇のような形で描かれていたと明かされ、物語は終わりを迎えるというものです。

さらに、吉岡ハルの母親のモデルは大人になった雫自身と言う説もあります。どこまでが真実か不明ですが、こうして想像を膨らませるのも楽しみ方の1つかもしれませんね。

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