「デスノート」の漫画・映画・ドラマ全作品を解説!基本ルールからトリビアまで【ネタバレ注意】
「デスノート」シリーズを徹底解説【ネタバレ注意】
「デスノート」シリーズは、人気少年漫画『DEATH NOTE』を元に、これまで映画・ドラマ・アニメなど様々なメディアで映像化されてきました。ハリウッド版まで製作された「デスノート」は、原作の連載が終了してから10年以上が経過した現在でもその人気は衰えません。 名前を書かれた者は必ず死に至るという“デスノート”を軸に、個性的な登場人物によってエキサイティングでミステリアスなストーリーが展開されました。 今回はそんな人気シリーズの映像化作品をすべて、一気に振り返るとともに、デスノートに関する基本ルールやトリビアなどを紹介していきます。
*本記事には「デスノート」に関する重大なネタバレが含まれます
原作は漫画『DEATH NOTE』
「デスノート」シリーズの原作となったのは、2003年12月から2006年5月まで週刊少年ジャンプに連載された漫画『DEATH NOTE』。大場つぐみが原案、小畑健が作画を担当しました。 死神・リュークによって、主人公・夜神月(やがみらいと)の目の前に落とされた“デスノート”。このノートが夜神月を、犯罪者に正義の鉄槌を下す殺人者=“キラ”へと導くことに。犯罪を暴くため捜査に加わった名探偵・L(エル)と夜神月との頭脳戦が繰り広げられ、読者を惹きつけていきます。 痩せ気味で猫背、物を人差し指と親指でつかみ、甘いものばかり食べる探偵・Lや、夜神月に異常な愛情を注ぐ第2のキラ・弥海砂など、他にはない独特なキャラクター設定も魅力です。
映画「デスノート」シリーズ【2006年〜2016年】
2006年には前後編で映画化され、2008年にスピンオフ、そして2016年には続編も公開された実写映画。ここでは映画「デスノート」シリーズについて、キャストや内容などの情報を紹介します。
映画『デスノート』【2006年6月公開】
全体的なストーリーは、原作の第一部をベースにして脚色したものとなっています。夜神月役を藤原竜也、L役を松山ケンイチが演じ、原作漫画の登場人物にそっくりだと話題になりました。 特に松山ケンイチにとっては広く名を知られるきっかけとなった作品で、藤原竜也にとっても代表作の1つとなりました。本作は興行成績28.5億円という大ヒット作に! 犯罪者のいない新世界を作るため、デスノートを使って次々と犯罪者を抹殺し、“キラ”と呼ばれて崇拝され始める夜神月。歪んだ正義を貫こうとする月と、名探偵・Lの高度な頭脳戦が繰り広げられていきます。
映画『デスノート the Last name』【2006年11月公開】
邦画史上初めての試みとして、前後編が同年に連続公開された本作。後編にあたる映画が『デスノート the Last name』です。原作の第二部をベースにし、結末を脚色したストーリー展開となっています。こちらは52.0億円と、前作を大きく上回る興行収入を達成しました。 夜神月は自分の恋人を死に至らしめることによって警察本部を信用させ、「キラ対策本部」に自ら潜入することに成功。そして、Lと夜神月の直接対決が始まります。 第2のキラ、第3のキラ、リューク以外の死神・レムやジェラスなども登場し、追い詰められていく月。最後はLが自分の名前をデスノートに書き、自らの死をもって夜神月がキラであることを証明するのです。 原作ではLが月との勝負に完敗し、目の前で死ぬという展開でしたが、映画版ではLが月を追い詰めるという場面が加えられています。
映画『デスノート Light up the NEW world』【2016年4月公開】
2006年に公開された『デスノート the Last name』の約10年後を描いたもので、正統な続編とされています。主演に東出昌大、池松壮亮、菅田将暉という人気若手俳優3人を迎え、より大きなスケールで製作されました。 これまでのシリーズ作の中では触れられなかった、「人間界で同時に存在していいデスノートは6冊まで」というデスノートのルールにフォーカス。現代の情報化社会に現れた“3人の天才たち”を中心に、デスノート争奪戦が行われます。 「デスノート」対策本部の特別捜査官・三島創を東出昌大、Lの後継者・新井正幸を池松壮亮、サイバーテロリスト・紫苑優輝を菅田将暉が演じています。また劇中には、過去作品に登場する弥海砂やリューク、そしてLや夜神月も続投する形で登場しました。
スピンオフ映画『L change the WorLd』【2008年公開】
映画『デスノート』『デスノート the Last name』から2年後に公開された『L change the WorLd』は、Lを主人公とするスピンオフ映画です。 映画『デスノート the Last name』で、キラとの戦いに自らの死をもって終止符を打ったL。自分の死を待つ間、1人で難事件解決に立ち向かう様子を描いています。 本作に加え、写真家の蜷川実花によるビジュアルキャラブックや小説版も発刊され、その3つのプロジェクトを複合してLという人物の謎が解き明かされていきました。
アニメ『DEATH NOTE』【2006年10月~2007年6月放送】
映画『デスノート the Last name』と同時期に放送された深夜アニメ。漫画『DEATH NOTE』から若干の変更点はありますが、ほぼ原作に忠実に描かれています。 しかし、夜神月の最期には違いが!原作では殺人犯として壮絶な死に方をしているのに対し、アニメ版では人間らしく穏やかな死に方をしているのが大きな相違点です。 また、アニメーションならではの手が加えられています。例えばデスノートのルールをその都度サブタイトルで表示したり、登場人物の心の声を映像で表現。デスノートに名前を書かれて死ぬ場面では、激しい動きを加えるなどの工夫がされています。 夜神月の声優は宮野真守、Lは山口勝平が担当。死神・リュークは、映画版でも同役を務めた中村獅童が演じています。第12話には死神・ジェラスが登場し、映画版のL役を務めた松山ケンイチが声を当てました。
ドラマ『デスノート』【2015年7月~9月放送】
原作漫画『DEATH NOTE』と骨組みは同じですが、ドラマ版のオリジナルストーリーとして製作されました。映画版にはないキャラクターも登場しています。 原作との大きな違いは、主要キャスト2人のキャラ設定。原作では夜神月は天才的な頭脳を持つ大学生でしたが、ドラマ版では平凡な大学生がデスノートと出会ったことで覚醒するという設定になっています。 Lは原作ではいわゆる「変人」的天才でしたが、ドラマ版ではそういった要素を少なくし、潔癖症でクールな天才として描かれていました。 夜神月を窪田正孝、Lを山崎賢人という人気若手俳優が演じたことで、当時大きな話題となりました。
Netflix映画『Death Note/デスノート』【2017年8月配信】
日本の怪獣映画やホラー映画がハリウッド版としてリメイクされることが増えていますが、「デスノート」シリーズも遂にNetflixオリジナル映画としてリメイクされました。 監督を務めたアダム・ウィンガードによれば、「デスノート」という物語を異国で受け入れられるものにするためには、リ・イマジネーション(再創造)する必要があったとのこと。 そのため、コンセプト以外のほとんどをオリジナルのストーリーとして描き、登場人物のキャラクターについても、天才というより平凡で身近なキャラクターに変更されています。 夜神月はライト・ターナーという名に変えられ、『ホーム・アゲイン』のナット・ウルフが主演を務めました。Lは『ショート・ターム』で知られるキース・スタンフィールドが演じ、リュークの声はウィレム・デフォーが担当しています。
意外と知らないデスノートの基本ルール
1.デスノートで4度名前を書き間違えたら書かれた人物は死なない
物語序盤で、夜神月は「渋井丸拓男」という名前の“読み”しかわからなかったため、何種類もノートに名前を書いています。 しかし、デスノートには「ある1人の人物の名前を4度書き間違えると、その人に対しての効力はなくなる」というルールが! 渋井丸拓男の場合は4回以上書いていますが、最初の名前があっていたため有効となり事故死しました。リュークのノートには記載されていないルールが存在するため、月もこの時点ではこのルールについては知らなかったようです。
2.デスノートをなくして490日以上たつと所有権を失う
盗まれたり紛失したりするなどで所有者の手元からノートが離れた場合は、離れてから490日後までに再び手にしないと所有権を失うことになります。 490日というと年にして約1.35年、月にして約16ヶ月。実際にこんなに長い期間手放すことはそうそうないので、死神が紛失した際などの万が一のルールかもしれませんね。
3.名前を同時に書かれると死なない
ところで、もし自分がデスノートで狙われていると分かったとしたら、あなたでしたらどうしますか?実写映画のように相手に書かれる前に、自分の名前と死因をデスノートに記入しておくことで最大23日間は生き延びることができます。 しかし、実はその他にも、生き延びる方法があるのです。 デスノートには「2冊以上のノートに同じ名前を書き、0.06秒以内に書き終えた場合は同時と見なされ、名前を書かれた人間は死なない。」というルールが存在します。よって相手が書き始めたことが分かったら、同じように別のノートに自分の名前を書き、書き終える時間を合わせれば死亡することはなくなります。 最大の問題は相手が書くタイミングを知ることと、2冊目のノートを所持していくこと、です。そう考えると、やはり諦めたほうがいいかもしれませんね……。
4.124歳以上の人には効果がない
デスノートには「人間界単位で124歳以上の人間、残りの寿命が12分以内の人間、また生後780日未満の人間はデスノートで殺せない。」というルールが存在します。 この124歳というのは現状、世界最長寿の年齢ですね。ギネス記録では122歳が最高齢ですが、非公式の記録では124歳まで生きていた人がいたようなので、そこから作者がルールに組み込んだのでしょう。 死神はデスノートで人間を殺害することでその人間の残りの寿命をもらっているので、無駄をなくすために作ったルールかもしれません。
5.デスノートの記憶を取り戻せるのは6度まで
デスノートは所有権がなくなるとそれまでのデスノートに関する記憶を失います。デスノートに触れる、もしくはまた所有権を手に入れればその記憶は戻ってきます。作中でも月がこのルールを利用していましたね。 この記憶に関するルールは他にも存在していて、「所有権を得ることでデスノートに関する記憶が戻ってくるのは最大で6回まで。7度目に、ノートを再び取得した場合は過去のデスノートに関する記憶をすべて失う。」というルールが存在しています。 月は一度だけでしたが、疑われたときに記憶をなくして逃げることは何度もできない、というわけですね。
6.人間界に存在していいデスノートは6冊まで
映画『デスノート Light up the NEW world』で注目されたのが、いわゆる「6冊ルール」。 それまで「人間の世界に存在するノートは6冊まで」というルールが存在はしていましたが、物語に組み込んではっきりと描かれるのは本作が初。 2006年公開映画の10年後を舞台に、“3人の天才”による6冊のデスノートの奪い合いが描かれています。
死神の目を手に入れると視力が3.6になる
デスノートの所持者は死神と契約することで、顔を見るだけでその人物の名前と寿命が分かる“死神の目”を手に入れることができます。この目を手に入れると元の視力に関係なく視力が3.6になるんだとか。 登場人物の中では、弥海砂、火口卿介、ジャック=ネイロン(本名:カル=スナイダー)、夜神総一郎の4人が死神の目を手に入れています。そういえば、スナイダーと総一郎は死神との取引後も眼鏡をかけていました!もしかしたら、伊達眼鏡?だったのかもしれませんね。
死神界にもルールがある
死神の中でも変り者のリュークを見ていると忘れがちですが、死神界にも厳然としたルールが存在します。 作中では「人間の寿命を延ばすためにノートを使ってはならない」などのルールが説明されていましたが、他にも「死神が人間界で何かしらのルールを違反する行為を犯した場合、死神界でその重さによって罰が下される」という罰則もあります。 罰は「特級」から「8級」まであり、「3級」以上は死罪となりうるとのこと。また「死神がデスノートを使わずに人間を殺すことは「特級」にあたる」というルールもあるようです。
生き返らせる消しゴム“デスイレイザー”があった?!
漫画『DEATH NOTE』の連載が始まる前、2003年36号の週刊少年ジャンプに掲載された読み切り版には、作中に“デスイレイザー”なる消しゴムが登場しています。 これは、ノートに名前を書かれた人物が死んだ後でも、デスイレイザーで名前を消せば生き返るというもの!遺体が焼かれていない状態なら、死後2日以上経っていても蘇生できるようです。
南空ナオミが殺された理由
南空ナオミ・詩織の二人を殺すトリックは、「他人の死をまきこむことができない」というデスノートを、夜神月は二人それぞれに理由を書き、「もっとも整合性が取れる形になる」というデスノートのルールを利用しました。 #デスノート
— 「デスノート LNW」公式 (@Deathnote_2016) October 28, 2016
登場人物の中でも優秀で、Lやメロにも高く評価されていた元FBI捜査官の南空ナオミ。原作漫画、アニメ、映画『デスノート』、『L change the WorLd』に登場したキャラクターです。 ナオミはFBI捜査官のレイ・ペンバーの婚約者で、レイがキラに殺されたことから、独自に捜査を行ってキラの正体を暴こうとしました。 しかし、ストーリー展開に違和感が出るほど優秀な人物に描きすぎたため、当初重要な役割を担う予定だったナオミをキラに殺させることになったそう。登場している全ての作品で、キラがデスノートに「南空ナオミ 自殺」と書いたことで、南空ナオミは自殺しています。 ナオミがさらに活躍する展開も興味深かったですね。
今後も新しい展開があるのか、気になる「デスノート」シリーズ
これまで、実写映画やドラマ、アニメ、ミュージカルなど様々な形で世に送り出されてきた「デスノート」シリーズ。Netflixでのリメイクの続編も含め、今後も新たな展開があるのか気になるところ! 今回は、「デスノート」シリーズを振り返りつつ、作品のトリビアに迫りました。どの作品を観ても楽しめるのが本シリーズの面白さ。すべてを鑑賞して、比べてみるのもいいかもしれません。