© Warner Bros. Pictures

【ネタバレ解説】『ハリー・ポッターとアズカバンの囚人』逆転時計には矛盾がある?忍びの地図の謎を考察【あらすじ・キャスト】

2017年10月23日更新

大人気シリーズ『ハリー・ポッター』の第3作目、『ハリー・ポッターとアズカバンの囚人』にはお馴染みのハリーたち3人組はもちろん、物語の鍵を握る新キャラクターも初登場!新監督やダンブルドア校長の俳優変更やタイムターナーが生み出す矛盾や謎についても徹底解説します。

『ハリー・ポッターとアズカバンの囚人』のキャスト・吹き替え声優をご紹介!

大人気映画『ハリー・ポッター』シリーズの第3作目『ハリー・ポッターとアズカバンの囚人』は、2004年6月26日に劇場公開されました。前2作を監督したクリス・コロンバスに代わり、メキシコ人監督アルフォンソ・キュアロンが監督を務めました。 前2作よりも大人向けの演出が評価されており、『ハリー・ポッター』に新たな世界観を導いた作品です。 前作『ハリー・ポッターと秘密の部屋』から2年後の2004年に公開された『ハリー・ポッターとアズカバンの囚人』では、キャストの成長や一部キャストや監督の変更もありました。 ここで一度、あらすじとキャストをおさらいしてみましょう。

『ハリー・ポッターとアズカバンの囚人』あらすじ

ハリーたち3人組は、ホグワーツ魔法魔術学校の3年生になりました。宿敵ヴォルデモートの手下で、ハリーの両親を裏切り、死に追いやったとされるシリウス・ブラックがアズカバン監獄から脱走したとの噂が人々の間で流れます。 ハリーは、シリウス・ブラックが自分の命を狙っていることを知ります。ホグワーツには、アズカバンの看守・吸血鬼ディメンターがハリーたちを守るという名目で駐在しますが、逆にハリーの魂を吸い取ろうとしてしまうのです。 そんな中、闇の魔術に対する防衛術の担当教授として新しく就任したリーマス・ルーピンの下で自らを守る“守護霊の呪文”を身に付けたハリーですが、ディメンターを倒すことが出来ず、気を失ったところを父親らしき人影に救われます。 やがて、シリウス・ブラックが以前、父親の親友であったという衝撃の事実を知り、なぜ父を裏切ったのか、どうしてヴォルデモートの手下となったのか、謎を突き詰めていきます。

『ハリー・ポッターとアズカバンの囚人』が前2作と変化した点

ホグワーツ魔法学校校長、アルバス・ダンブルドア役がマイケル・ガンボンに

ハリー・ポッターシリーズ第1作目『ハリーポッターと賢者の石』、第2作目『ハリーポッターと秘密の部屋』のダンブルドア役を演じたリチャード・ハリスが2002年、72歳で亡くなりました。 近づく『ハリー・ポッターとアズカバンの囚人』の撮影のため、急遽ダンブルドアの代役を探すことになり、抜擢されたのがマイケル・ガンボンです。 以後、彼は『ハリー・ポッター』シリーズのダンブルドア役を演じ続けることになります。 アルバス・ダンブルドアの俳優に関わらず、シリーズを通して日本語吹替えを担当しているのは、アニメ『サザエさん』波平役の声優として知られている永井一郎。日本語吹替え版で鑑賞する方にとっては、俳優の変化の違和感も少なかったかもしれません。 第1・2作目を演じるリチャード・ハリスのダンブルドアは茶目っ気たっぷりの優しい校長先生という印象が強く、第3作目以降のマイケル・ガンボンの演じるダンブルドアは、エネルギッシュで厳しさもあり、頼りがいのあるキャラクターのイメージへと変化しています。 映画の『ハリー・ポッター』シリーズでは、コメディ要素も多かった第1・2作目から、第3作目以降シリアスなストーリーへと転換しているので、マイケル・ガンボンの演じるダンブルドアが上手くストーリーと融合したと言えるでしょう。

クリス・コロンバス監督の降板で、アルフォンソ・キュアロン新監督に

第1・2作目のクリス・コロンバス監督が降板し、第3作目の監督としてスティーヴン・スピルバーグやギレルモ・デル・トロの名が挙がる中、選ばれたのはアルフォンソ・キュアロン。 アルフォンソ監督の『リトル・プリンセス』、『天国の口、終わりの楽園』でのティーン・エイジャーに対する理解が評価され、『ハリー・ポッターとアズカバンの囚人』の監督として抜擢されました。 キュアロン監督は『ハリー・ポッターとアズカバンの囚人』での大成功を収め、人気監督となりますが『ハリー・ポッター』シリーズは本作限りで降板してしまいます。 今作はシリアスな展開へと進んでいく『ハリー・ポッター』シリーズの転換点とも言え、キュアロン監督の大人向けの演出が評価されました。しかしながら、第1・2作を観ていた人々にとっては少なからず衝撃を与えた作品とも言えます。

「アズカバンの囚人」の謎その1:忍びの地図は誰が作ったの?

『ハリー・ポッターとアズカバンの囚人』で注目したいのは、ハリーがフレッドとジョージから譲り受けた「忍びの地図」です。これは誰が今、ホグワーツの校内のどこにいるのか現在進行形で確認する事ができるアイテム。これさえ持っていれば、夜にベッドから抜け出しても先生に捕まらない……? さて、この「忍びの地図」に関する謎といえば“誰が作ったのか”という事でしょう。映画の劇中にも地図に記載があるように、“魔法いたずら仕掛人”と事象する四人の人物、ムーニー、ワームテール、パッドフット、プロングズがこれを作りました。 この四人の人物名はあだ名であり、ムーニーはルーマス・ルーピン、ワームテールはピーター・ペティグリュー、パッドフットはシリウス・ブラック、プロングズはハリーの父親であるジェームズ・ポッターの事なのです。 ピーター・ペティグリューに関しては、後にヴォルデモート等からワームテールと呼ばれているのでわかりやすいでしょう。この4人組はホグワーツ時代、同じグリフィンドール生として非常に仲が良かったです。しかし、今作で明かされるようにピーター・ペティグリューは彼らを裏切り、ヴォルデモートにジェームズの居場所を教えてしまいます。

謎その2:スキャバーズはいつからピーター・ペティグリューだったの?

ネズミ

ロンのペットとして、一作目から登場していたネズミのスキャバーズ。今作では、アズカバンに収監されていたシリウス・ブラックが無実であった事、ハリーの両親殺害に暗躍した真犯人がピーター・ペティグリューという人物であり、なんと彼がスキャバーズに化けていた事が発覚します。 そこで疑問なのが、ピーター・ペティグリューはいつからスキャバーズだったのかという事。実は彼はマグルを12人殺した後、動物もどきの能力を使ってロンのペット、スキャバーズになっていました。つまり、それが発覚するまでの12年間、彼はずっとネズミとしてロンやハリー達と一緒にいたのです!

【ネタバレ解説】「アズカバンの囚人」の逆転時計には矛盾があるのか

さて、『ハリー・ポッターとアズカバンの囚人』には時間を巻き戻す「タイムターナー」という逆転時計が登場します。これはハーマイオニーがダンブルドアから譲り受けたもので、本来は時間を“有効活用”して彼女が沢山授業をとるためのものでした。 しかし、映画後半ではこのタイムターナーを有効活用すれば1人だけでなく、複数の命を救う事ができるとダンブルドアに諭され、ハーマイオニーとハリーは足を怪我して歩けないロンを置いて、シリウスを救うためにバックビークが処刑される前の時間に遡るのです。 そのため、映画前半の出来事が全て伏線であった事がわかり、前後の関係性が少々難解であると言われています。

1.バックビークは処刑されていなかった!救ったのは未来のハリーとハーマイオニー

まず、最初にハリーとハーマイオニーはバックビークを死刑から救おうとします。この時、彼らはカボチャの影に隠れてハグリッドの小屋の中にいる過去の自分たちに、ダンブルドアや処刑人が小屋にやってきている事を知らせるために、石を投げました。つまり、ハグリッドの小屋で突然当てられた石というのは、未来のハーマイオニーが投げたものだったのです。 過去のハリー達が小屋から出て、その場を去って行くまで影から見守る未来のハリーとハーマイオニー。その後、バックビークを連れ出し救う事に成功します。

2.狼の遠吠えはハーマイオニーの鳴きマネ?

狼男に変身したルーピン先生。ハリーや、ロン、ハーマイオニー、そして彼らを庇うようにしてスネイプ先生が立ちはだかります。再びグリムに変身したシリウスは、狼男と激しい戦いになってボロボロに。そしてハリーにも牙を向こうとしたその時、突如遠くから聞こえる狼の遠吠えに誘われるようにして、狼男はその場を去ります。 実はこの鳴き声は、過去のハリーを助けようとした未来のハーマイオニーが出した狼の鳴きマネだったのです。これによって、狼男は未来のハリーとハーマイオニーの元に。しかし、彼らを襲おうとする狼男をバックビークが撃退するのでした。

3.シリウスとハリーをディメンターから救ったのは、未来のハリー

過去で、狼男との戦いに酷い傷を負ったシリウスは湖に向かいます。そこで彼とハリーは、シリウスを狙ったディメンターの大群に襲われます。しかし、湖の向こう側にいた何者かが守護霊召還の呪文「エクスペクト・パトローナム」を使ったことで、助かるのです。 未来から来たハリーは、それが誰かを突き止めようとしていましたが、一行に来ないため過去の自分を救うために「エクスペクト・パトローナム」を唱えます。今後家族となるであろうシリウスを守るという、強い力のおかげで、守護霊を呼び出し、ディメンターを一掃させました。 そう、あの牡鹿のパトローナムを召還したのは未来から来た、ハリー自身だったのです。

『ハリー・ポッターとアズカバンの囚人』のメイン&新キャストたち!

ハリー・ポッター役:ダニエル・ラドクリフ(日本語吹替え:小野賢章)

シリーズを通して主人公役を演じるダニエル・ラドクリフ。今作でも危険な目に遭いながらも、ヴォルデモートとの因縁の真実へと近づいていきます。 前2作の可愛らしさとは打って変わり、かっこよく成長したハリー・ポッターが観られます。大人っぽい表情も見どころです。 日本語吹替えの小野賢章は、なんと12歳から10年もの間ハリー・ポッター役を担当しています。ほかに、アニメ『黒子のバスケ』『銀魂』などの代表作で活躍しています。

ロン・ウィーズリー役:ルパート・グリント(日本語吹替え:常盤祐貴)

ハリーの親友であるロン役を演じるルパート・グリントも、すっかり背が伸びて大人っぽく成長しましたが、コミカルなキャラクターを演じ抜いているのは流石。今作では、ロンのペット「スキャバーズ」にショッキングな事件が起こってしまいます。 日本語吹替えの常盤祐貴も、全シリーズのロン役を担当しています。俳優としての活躍のほか、『スパイキッズ』など映画の日本語吹替えの声優としても活動しています。

ハーマイオニー・グレンジャー役:エマ・ワトソン(日本語吹替え:須藤祐実)

ハリーとロンの親友、ハーマイオニー役を演じるエマ・ワトソンも、前2作よりぐっと大人っぽく、且つ美しく成長しました。聡明な彼女は、エマ・ワトソンの成長も相まって、物語の中でさらに頼れる存在となっています。 ハーマイオニー役の須藤祐実は、なんど小学1年生の時から声優の仕事をしているベテランです。TVアニメなどでも声優をしていますが、映画の吹替えの担当をすることの多い声優として有名です。

シリウス・ブラック役:ゲイリー・オールドマン(日本語吹替え:辻親八)

今作初登場、不穏な噂が広がっているシリウス役を演じるのはゲイリー・オールドマン。『レオン』や『ハンニバル』などの数々の映画に出演している演技派の俳優です。 タイトルの『アズカバンの囚人』はシリウスのことを指しており、ハリーの出生に大きく関わっている人物です。 日本語吹替え担当の辻親八は、ゲイリー・オールドマンやコルム・ミーニイの担当をしています。聞き馴染みがあるという方も多いかもしれませんね。海外の映画やTVドラマなどの多数の作品で活躍する声優です。

リーマス・ルーピン:デイビッド・シューリス(日本語吹替え:郷田ほづみ)

今作初登場、ホグワーツ魔法魔術学校に就任し、ハリーに防衛魔法を教えます。デヴィッド・シューリスは、『ネイキッド 快感に満ちた苦痛』でカンヌ国際映画祭男優賞など多数受賞しています。 日本語吹替え担当の郷田ほづみは、多数のアニメ作品のほか、海外の映画作品の吹替え声優としても活躍しています。「怪物ランド」というお笑いトリオを組んだり、アニメの音響監督など幅広く活動する人物です。

転換期を迎えた『ハリー・ポッターとアズカバンの囚人』の評価&感想のご紹介

前2作との雰囲気の違いなどが評価されています。

southpumpkin 前2作の原作に忠実なファンタジー映画という路線を脱し、いきなり大人向けとなった本作。興行収入は全シリーズの中でも最低だったらしいですが、作品を長続きさせていく以上今後の大人向けという方向性を打ち出していく上でターニングポイントとなった作品とも言えます。ハリーたち魔法学校の人たちの服装が私服になったことでいきなり現実味を帯び、さらに手持ちカメラによる映像の多用により映像作品としての面白みを増しています。それも監督を見れば一目瞭然。『ゼロ・グラヴィティ』でおなじみとなったあるフォンソ・キュアロンなのです。ファンならおなじみディストピアを描いた傑作『トゥモロー・ワールド』以前の作品で『天国の口、終りの楽園。 』というおしゃくそ映画を撮った後にこの映画を任せる製作陣の度量に驚きます。『トゥモロー・ワールド』を観た後に本作を見ればいかにアルフォンソ・キュアロンが自分の持ち味をハリー・ポッターの世界に紛れ込ませたかがよくわかると思います。 ラストの物語的面白さも十分に評価できる佳作です。
kxmou 話的には前作2つよりかはアクション的要素は少なく、人間ドラマの要素が濃くなっていて面白かった。 映像きれいなんだよなー。
Yuko__Suga 残念ながら一番好きじゃない。様変わりしすぎてて残念。

様々な変化が賛否両論されている『ハリー・ポッターとアズカバンの囚人』

ストーリー上の転換点である『ハリー・ポッターとアズカバンの囚人』は、監督や役者の変化、主要人物たちの成長などで一気に様変わりした作品であり、高評価される反面、前2作を見続けてきた人々にとって衝撃を与えた作品でもあります。

『ハリー・ポッターとアズカバンの囚人』は何度観ても面白い、大人向けな作品!

ハリーポッター
© Warner Bros. Pictures

この記事で紹介したように、少々難解なストーリーとシリアスな雰囲気が大人向けの作品となっています。1作目や2作目のようなワクワク感が好きなファンにとっては、あまり人気のない今作ですが観れば観る程良さがわかるので、是非この機会に観返してみては?

続編『ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団』のあらすじ・ネタバレもチェック!