2022年9月16日更新

【トトロ】ネコバスの正体や行き先から浮かび上がる都市伝説を徹底検証!「す」ってどこ?

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となりのトトロ

『となりのトトロ』のちょっと不思議な人気キャラクター、ネコバス。メイとサツキがふわっふわの椅子に座り、森の中を駆け抜けるシーンが印象的です。子どもの頃には、「自分も乗ってみたい!」とワクワクした人も多いのではないでしょうか。 そんなネコバスの正体や都市伝説について、“ネタバレありで”徹底検証していきます!

ネコバスの正体は?

ネコバスの正体は「化け猫」。宮崎駿監督のインタビューや関連書籍によると駕籠(カゴ)に化けた時代もあり、バスを面白いと思って以来、現在の姿になったとのこと。記事では、そんなお茶目なネコバスがあの世行きのバスであるという都市伝説も解説します。

まるで本物?ネコバスに乗れる場所がある

ジブリファンの聖地「三鷹の森ジブリ美術館」は、小さいネコバスに乗れることで有名です。行き先表示も「めい」で本物にそっくりですが、対象年齢は小学生以下。大人が乗れる実物大のネコバスも、ジブリ美術館や伊豆テディベアミュージアムなどの特別企画展で展示されています。

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ネコバスの正体・プロフィール

名前 ネコバス
正体 化け猫
性別 オス
足の本数 12本

トトロのように表情豊かで、サツキメイにも懐っこく接していたネコバス。化け猫がバスに化けており、木や送電線の上も12本の足を器用に使って走り抜けます。限られた人にしか見えないため、ネコバスが傍を通っても通常は強風しか感じられません。 初期構想から存在する重要キャラクターであり、迷子のメイとサツキを繋げる役割を果たします。 宮崎駿監督がネコバスの着想を得たのは、自身が「バスを面白い」と感じたから。なんともシンプルで、いかにも宮崎監督らしいエピソードから誕生しました。

ネコバスの行き先一覧

行き先一覧

  1. 塚森
  2. 長沢
  3. 三ツ塚
  4. 墓道
  5. 大社
  6. 牛沼
  7. めい
  8. 七国山病院

【都市伝説】ネコバスはあの世行きのバス?

となりのトトロ

『となりのトトロ』には、様々な都市伝説が存在していますが、その中には「ネコバスがあの世に繋がっている」という説があります。理由として挙げられているのは、サツキが行方不明になったメイの元へ行きたいと頼んだ後、行き先表示が「墓道」になるため。 もともとメイには死亡説があり、死んだ妹に会いたいと願ったサツキもまた、ネコバスがあの世へ連れて行ったのでは?と考察されているようです。 その他にも、「トトロは死んだ人にしか見えない(死神説)」や「物語は全てお父さんの妄想だった」など、怖い都市伝説が多数存在します。スタジオジブリはこれらの噂を否定しているものの、それならばどうして、死を匂わせるような行き先にしたのでしょうか。 墓道はあまりに直球すぎますし、あの世に繋がっていると想像しても仕方ありません。

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行き先の元ネタを解説

塚森

となりのトトロ

「塚森」はサツキとメイが初めてネコバスに会った時の行き先。トトロの巣の楠が育つ森で、埼玉県所沢市の「白旗塚」がモデルとされる場所です。 「塚」は土や石を高く盛り上げた場所を意味し、墓である古墳や墳丘墓も含まれています。 白旗塚を含む一帯は、新田義貞と鎌倉幕府軍による「小手指原の戦い」(1933年)が行われたことで知られ、心霊スポットにもなっているとか……。

長沢

行き先を変更する時に表示される「長沢」。 『となりのトトロ』の舞台となった埼玉県所沢市近隣の飯能市をはじめ、全国各地に存在している地名のため元ネタは不明です。直接的な関係はなさそうですが、沢も川の一種であることや塚森のモデルから考えると、墓(死)=「三途の川」と結びつけてしまいます。

三ツ塚

行き先を変更する時に表示される「三ツ塚」。 こちらも全国どこにでも存在する地名で、所沢市に近いところでは東京地練馬区の三ツ塚緑地があります。三ツ塚緑地は本作と関係がなさそうですが、長野県上伊那郡に「三つ塚古墳」という古墳が存在するため、墓に関係する行き先かもしれません。

墓道

行き先を変更する時に表示される「墓道」ですが、実在の地名には確認できませんでした。由来は地名ではなく、古墳の入口から内部の墓へと続く道「墓道」だと思われます。 墓へと続く道にたどり着くのだとして、さらにその先にいったい誰の墓があるのでしょうか。

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大社

行き先を変更する時に表示される「大社」。大社は由緒正しい格式高い神社のことで、一般には島根県出雲市大社町の出雲大社を意味します。 縁結びで有名な神社ですが、祭神・大国主にはあの世とこの世の境界「黄泉比良坂」に関する根の国(死者の国)訪問の神話が存在し、不気味な要素もある行き先です。

牛沼

行き先を変更する時に表示される「牛沼」。現在の埼玉県所沢市牛沼がモデルとされ、サツキとメイの自宅がある松郷にも隣接しています。 元々の地名は「入間郡牛沼村」で、長栄寺の閻魔堂付近にある沼が牛の形だったことに由来。閻魔は仏教やヒンドゥー教における冥界の王であり、 死者の生前の罪を裁く神です。それと同時に、日本の仏教では地蔵菩薩の化身として解釈され同一視されています。

めい

となりのトトロ

サツキの願いで迷子になったメイのもとへ向かう時の行き先。額の表示は「めい」になっていますが、実際に彼女がいた場所は「六地蔵」でした。 京都府宇治市に同じ地名があるものの、地蔵が6体いることから六地蔵だと推測されます。 地蔵菩薩は子どもの守り神で、親より先に亡くなった罪を償うべく、あの世とこの世の境界にある「賽の河原」で苦行を行う子どもを救済する説話も……。まだ幼いメイが危なくないようにと、お地蔵様が見守っていてくれたのでしょうか。

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七国山病院

となりのトトロ

「七国山病院」はサツキとメイのお母さんが入院する病院。モデルとなった場所は、東京都東村山市にある「新山手病院」、「白十字病院」とされています。 本作の時代設定である昭和30年代に、結核患者の療養所があった八国山緑地。お母さんの病名を察すると同時に、反転した「院」の字が気になってしまいます。ネコバスの間違いだとするには意味深ですし、何か意味が込められているのかもしれません。

「す」は文字どおりネコバスの巣のことで、いわばバスとしての終点。ラストでサツキとメイを無事に送り届けた後、行き先表示が「す」に変わっています。ネコバスは手を振る姉妹に見送られて、満足そうな表情で自分の巣に戻っていくのでした。 本作のエンディングでは、巣に戻っているネコバスの姿が確認できるそうです。

ネコバスの子ども「こねこバス」が存在する

『となりのトトロ』本編には登場しませんが、ネコバスの子ども「こねこバス」も存在します。 2002年に制作された続編『めいとこねこバス』には小さくて可愛らしい、こねこバスが登場しました。

『となりのトトロ』続編、『めいとこねこバス』あらすじ

物語の主人公は、メイ。風の強いある日、彼女をつむじ風が追いかけてきました。不思議に思った彼女はつむじ風を捕まえすが、その正体はなんとこねこバスでした。 早速その晩、メイを乗せたこねこバスは鎮守の森まで空中散歩します。道中、トトロらを乗せた大小様々なネコバスが登場し、森の中でもススワタリを始めとした多くのケモノに出会うのです。 見所はなんといっても、あらゆる形をしたネコバスたち!列車の形をしたものや、長寿のネコバアちゃんなどの新キャラにネコバスファンは垂涎必須です。 短編映画のため上映時間は約14分ほどですが、原作・脚本・監督は宮崎駿が、音楽も『となりのトトロ』同様に久石譲が担当しています。メイがケモノたちとの出会いを通じて得る貴重な体験が、『めいとこねこバス』で描かれているのです。 本作は東京都三鷹市にある「ジブリ美術館」内のミニシアターで鑑賞できます。

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『となりのトトロ』ネコバスの都市伝説を知ればもっと面白くなる

となりのトトロ

実は一族のようなものが存在して、『となりのトトロ』に登場したネコバスはそのうちの1匹であり、その子どものようなこねこバスもいることはあまり知られていないのではないでしょうか? この裏話をふまえたうえで本作を観返してみれば、より一層ネコバスの魅力に気づくことができるかも。