続編『ハリー・ポッターと呪いの子』は映画化される?原作のあらすじネタバレを解説

『ハリー・ポッターと呪いの子』はシリーズ原作者のJ.K.ローリングらが舞台の脚本として新たに執筆し、2016年には書籍化もされた物語です。さらに2022年7月には日本でも舞台の上演が開始されます。 大人気シリーズの最新作として全世界で注目されている本作について深掘りしていきます!
『ハリー・ポッターと呪いの子』あらすじ
「呪いの子」のあらすじ

複雑な関係の親子・ハリーとアルバス
「ホグワーツの戦い」が終わってから19年の月日が経ち、3人の子供を持つ父親になったハリー・ポッター。ハリー家の子供たちはホグワーツに通い、ハリーは魔法省で働いています。 ハリーは魔法省の激務に追われる中、2番目の子供アルバス・セブルス・ポッターとの関係に悩んでいました。新入生のアルバスは、兄であるジェームズ・シリウス・ポッターに「スリザリン寮に組み分けされる」とからかわれていたのです。 そしてアルバスに組分け帽子が告げたのは「スリザリン寮」。動揺を隠しきれないアルバスですが、そこでマルフォイの息子であるスコーピウス・マルフォイと出会います。 スリザリン生となったことに気後れしていたアルバスは、父親であるハリーに対して反発。世間からの期待を負担に感じて、自らの劣等感に苛まれていたのです。 さらに「マルフォイの息子ではなくヴォルデモートの息子なのではないか」と、世間から冷たい目線浴びていたスコーピウス。2人は次第に親友と呼べるほど仲良くなっていきます。
きっかけはセドリックの死
時が経ちハリーは、故・旧友セドリック・ディゴリーの父親であるエイモス・ディゴリーと会いました。 エイモスは破壊されたと思われていた過去を戻す「逆転時計」が現存し、ハリーが押収したと聞きつけたのです。ヴォルデモートに殺された息子を、過去に戻って救ってほしいとハリーに伝えました。 「過去は変えられない」とハリーは断りますが、偶然帰省していたアルバスがその話を聞き、「自分の父親・ハリーのせいでセドリックは殺されたのでは?」と、ますます父に対して反発心を深めてしまいます。 そこでアルバスとスコーピウスはホグワーツ特急から脱走し、エイモスに会い自分が過去へ行ってセドリックを救うと話を持ち掛けました。そしてエイモスの姪であるデルフィーニ・ディゴリーも、その話に乗ることになるのです。
逆転時計(タイム・ターナー)とは?

本作では「逆転時計(タイム・ターナー)」というアイテムが物語の鍵を握っています。逆転時計は砂時計の形をした魔法道具の1つで、過去へ戻ることができるアイテムです。1度回すごとに1時間前に戻り、最大5時間前までタイムスリップできます。 実は過去作『ハリー・ポッターとアズカバンの囚人』でも登場し、ハーマイオニーが全ての授業を履修するために特別に許可をもらって使用していました。 「呪いの子」では破壊されたはずの逆転時計が見つかります。このアイテムが引き金となって新たな事件が起こり、様々なパラレルワールドが発生することになるのです。 本作には5分間しか戻れない「試作品」と、時間の制約がない「本物」、2つの逆転時計が登場するので注目です!
「呪いの子」は映画化する?
『ハリー・ポッターと呪いの子』は発表当初から映画化を熱望する声が多く、実際これまでに何度も映画化の話が浮上しました。また書籍化もされたことでハリー・ポッターシリーズファンたちは今か今かと心待ちにしています。 旧キャストによる映画化の話が検討されている事実も明らかになりましたが、実現には至っていないのが現状です。 ただ、シリーズ映画1作目「賢者の石」の監督を務めたクリス・コロンバスが「映画化するならぜひ監督したい」と発言するなど、制作側の前向きな声も聞かれます。多くの人が待ち望んでいる「呪いの子」の映画化について、希望を捨てずに待ちたいですね。
ダニエル・ラドクリフはどのように考えているのか?
「ハリー・ポッター」シリーズでハリーを演じたダニエル・ラドクリフはこの件について、「38歳の大人になったハリー役を27歳の自分がやるには、まだ早い気がする。だけど、この先の為に、可能性は残しておくよ。」と語りました。 しかし「ハリー・ポッター」シリーズの前日譚である「ファンタスティック・ビースト」シリーズを見てか、ラドクリフは2020年になって、「呪いの子」も含めた「魔法ワールド」にカメオや本格的に復帰する可能性をほのめかし始めてもいます。 以前はハリーから少し距離を置きたいと語っていたラドクリフですが、映画化の可能性は残されているかもしれません。
J.K.ローリングは「映画化はしない」発言!
Sometimes, darkness comes from unexpected places #HarryPotter #CursedChild pic.twitter.com/TQb68Wtqiz
— J.K. Rowling (@jk_rowling) September 5, 2019
2017年「呪いの子」映画化に関して、「ワーナーブラザーズの関係者から聞いた話だと、3部作の映画にすることをローリングが計画している」という噂が広がりました。 これを聞きつけたローリングは2017年1月20日ツイッターで真っ向から否定。「元気がでるような理由をみなさんが探しているのは知っているわ。でも『ハリー・ポッターと呪いの子』が3部作の映画になるという噂は本当じゃないの。」と発言しました。 ですがワーナーブラザーズはこれを聞いても、ローリングをできる限り説得する意向を示します。 2020年の映画公開を目標にしているという噂があり、2019年にローリングが「時に闇は予期せぬところからやってくる(Sometimes, darkness comes from unexpected places)」と意味深なツイートをしたときには、「呪いの子」の映画化を承諾したのではないかとの憶測も飛び交いました。
ついに日本でも舞台「呪いの子」が開演!
2016年ロンドン上演で幕を切った舞台「呪いの子」は、その後ニューヨークやメルボルンなど様々な国で開幕されてきました。そしてついに2022年、日本の東京でも上演が実現します。 開局70周年を迎えたTBSテレビが記念企画の一環として発表し、ハリー・ポッター役は俳優の藤原竜也、石丸幹二、向井理の3名によるトリプルキャストです。 世界中で高く評価され、記録的なロングランとなる舞台「呪いの子」を日本のキャストたちがどのように演じ、演出されるかが楽しみです!
「呪いの子」に登場する主要キャラクター
アルバス・セブルス・ポッター
ハリーの次男であるアルバス・セブルス・ポッターが本作の主人公。映画『ハリー・ポッターと死の秘宝PART2』の最後にも少し登場しました。 内気な性格で「死の秘宝」に出てきた時も、「もしも、スリザリン寮だったら」と不安がる様子が印象でした。本作では多くの事件に巻き込まれていくのですが、のちに青年期のハリーを思い出させるような勇敢っぷりを披露しています。
スコーピウス・マルフォイ
マルフォイ家の長男であるスコーピウス・マルフォイ。スリザリン寮に入ってしまったアルバスの唯一の親友です。ヴォルデモートの息子と噂されているためか、周囲にあまり打ち解けるこができていません。 スコーピウスはドラコ・マルフォイとは違い勇敢で、舞台劇第2部ではキーパーソンとなります。また感情が豊かで頭もよく、優しい心の持ち主でもあるのです。
ローズ・グレンジャー
ロンとハーマイオニーの娘であるローズ・グレンジャー。本編には少ししか登場しないことですが、スコーピウスが密かに思いを寄せています。 外見はロン、性格はハーマイオニーと似ているようで、アルバスとスコーピウスが危ないことを目論む際に止めに入ることも。優しく機転が利く女の子です。
デルフィーニ・ディゴリー
「炎のゴブレット」において命を落としたセドリック・ディコリーの従妹、デルフィーニ・ディゴリー。 作中ではセドリックの父でデルフィーニのおじであるエイモスが、逆転時計を使ってセドリックの命を救えないかと提案します。ハリーの次男・アルバスがその話に乗り、エイモスの姪であるデルフィーニも参加することになるのです。
「呪いの子」の原作・小説

映画化する場合の原作となる『ハリー・ポッターと呪いの子』は、劇場で上演された舞台劇の脚本をそのまま書籍化したものです。J.K.ローリングとジョン・ティファニーの原案にもとづいて、ジャック・ソーンが脚本を執筆しました。 いまのところローリングによる小説化の予定はないようです。
『特別リハーサル版』『愛蔵版』とは何か、どっちがおすすめ?
『ハリー・ポッターと呪いの子』の書籍には、『特別リハーサル版』と『愛蔵版』の2種類があります。 『特別リハーサル版』はプレビュー公演の脚本とスタッフの紹介などが主な内容です。その後出版された『愛蔵版』は、改訂版の脚本に加えて、ポッター家の家系図やティファニーとソーンの対談、魔法界の歴史といった読み物まで収録されています。 ハリポタファンが購入するなら、内容の充実した『愛蔵版』がおすすめです!
英語版には英国版と米国版がある
「ハリー・ポッター」シリーズと同じように、『ハリー・ポッターと呪いの子』の英語版にも、英国版と米国版の2種類があります。 両方内容は同じですが、原本である英国版ではjumperとなっている部分が米国版ではsweaterとなっているなど、つづりや表現方法などがアメリカ式に変わっています。 また英国版のハードカバー版の装飾は表紙や背に浮き彫りがしてあり、米国版より見栄えのする装丁なのだとか。 舞台劇の台本のため難しい英語表現が使われていません。興味のある人は英語の勉強もかねて、1度読んでみるのもおすすめです!
舞台版「呪いの子」は世界中で大盛況
舞台化に至るまでの経緯、もともとはハリーの入学前の物語だった!?
2013年12月、『ハリー・ポッター』を原作にした舞台が1年ほど制作準備に入っていることが発表されました。その際J.K.ローリングは、ハリーが見捨てられた孤児だった、幼年期の孤独なストーリーを展開すると発表します。 2014年の春、J.K.ローリングは舞台化プロジェクトのために製作陣を選び始めました。ここで彼女は、「呪いの子」のストーリーが、「ハリー・ポッター」シリーズのプロローグにあたるものでなくなった、舞台は全く新しいストーリーで、これまでの内容の焼き直しのようなことはしないと発表します。 2015年6月26日、正式に『ハリー・ポッターと呪いの子』のタイトルがつき、ロンドンのパレスシアターで2016年の夏にワールド・プレミアが開催されると発表されました。舞台の公式ウェブサイトではチケットのプレオーダーと製作陣のプロフィール閲覧が可能になります。 9月24日には芝居が2部作の構成になること、10月23日には「死の秘宝」の19年後の世界が描かれていることと2016年7月上演されることが発表されました。
「呪いの子」舞台は各地でチケット即完売、批評家たちがこぞって最高評価
『ハリー・ポッターと呪いの子』の公演は世界各地で嵐を巻き起こしました。 ロンドンにおける世界初演の優先予約17万5,000席のチケットは、発売開始から8時間もたたないうちに完売。2018年の米国ブロードウェイ公演のチケットも、事前登録制でしたがすぐに完売しています。 期待が高まるなか、2016年7月30日にスタートした本公演は大反響の嵐。「インデペンデント」紙をはじめ主要紙の批評家は、軒並み5点満点中5点の最高評価を与えました。 とりわけスコーピウス・マルフォイに扮したアンソニー・ボイルの演技が高く評価されています。彼の演技を「ウォールストリート・ジャーナル」紙は「突出したパフォーマンス」と絶賛しました。
賛否を巻き起こしたハーマイオニーのキャスト
『ハリー・ポッターと呪いの子』は、「ハリー・ポッター」シリーズその後の物語として、2016年に2部構成舞台として上演されました。 舞台でハーマイオニーを演じたのは黒人のノーマ・ドゥメズウェニ。このキャスティングについて、エマ・ワトソンが演じたハーマイオニーがはまり役だったため、映画版のファンを中心に議論が巻き起こったのです。 しかし原作者J.K.ローリングはその批判の声に強く反発。「設定:茶色い目、くせっ毛、とっても賢い。白い肌なんて明示したことはないわ。私は黒人のハーマイオニーが好き」と公言しました。
かわいいトラブルも
公演は大好評でしたが、ハプニングがまったくなかったわけでもありません。 実は本作では第2部第3幕のふくろう小屋に本物のふくろうを使うことが予定されていました。ところがプレ公演初日にパニックしたふくろうが観客席に逃げ出すハプニングが発生。 当日劇場にいた俳優のジョシュ・グリセッティは「舞台裏でふくろうを捕まえようとしている!」とツイートしています。 この騒ぎで生きたふくろうを使うことは取りやめになり、翌日「ふくろうは作りものである」という掲示が劇場に張り出されました。この決定に対して、動物愛護団体も好意的な評価を与えています。 ちなみにこの本物のふくろうを世話するために、専門の獣医さんまで公演に参加していたそうです。
続編『ハリー・ポッターと呪いの子』映画化なるか?あらすじや最新情報を要チェック!
日本でも「呪いの子」の舞台上演が決まり、2023年には東京練馬区の遊園地「としまえん」の跡地にハリー・ポッターのテーマパークがオープン予定など、シリーズの人気は衰えることを知りません。 『ハリー・ポッターと呪いの子』の映画化を待望するファンの声も止むことはなく、ダニエル・ラドクリフやJ.K.ローリングが心を動かされることにも期待がかかりますね。 今後も「呪いの子」のあらすじや最新情報をチェックしつつ、嬉しいニュースを待ちましょう!