2025年4月17日更新

『君たちはどう生きるか』夏子はなぜ塔に行ったの?双子説もまるっと考察

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君たちはどう生きるか、夏子

ジブリ映画『君たちはどう生きるか』に登場する夏子は、主人公・眞人の父と再婚する女性です。しかも眞人を生んだ母・ヒサコの妹だったのです。 夏子が突然「塔の世界」へ向かったことで、眞人の救出劇が始まります。しかし一番肝心の「夏子の動機」は、劇中で明かされていません。 本記事では夏子が「塔の世界」へ向かった理由や、姉・ヒサコとの双子説について徹底考察していきます。

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『君たちはどう生きるか』夏子が塔の世界の産屋に行った理由を考察

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夏子が塔の世界の産屋へ向かったのは、「眞人の存在が耐えられなかった」からだと考えられます。 亡き姉の夫と結婚することになった夏子。冒頭で少し違和感があるほど積極的に眞人に話しかけていたのは、連れ子である眞人を受け入れようという意志の表れに見えます。 一方で眞人の寝顔をじっと眺めるシーンでは、眞人を受け入れたくない「心の闇」が垣間見えました。特に眞人のまつ毛を強調し、姉であるヒサコを想起させるような描写や、その眞人を見つめる夏子のわずかに冷たい眼差しから、そうした感情が読み取れます。 しかし眞人は、それを拒絶するように「自傷行為」に走ってしまいました。夏子自身の葛藤と、眞人に明確な拒絶を見せられた夏子は、眞人から逃れるため塔の世界の産屋に向かったのではないでしょうか。

『君たちはどう生きるか』夏子は双子なの?

君たちはどう生きるか、ヒミ

夏子とヒサコはよく似ている、と劇中で表現されています。しかもどちらも声優は木村文乃。別のキャラクターでありながら声優が統一されているのは、双子であることを示唆しているのではないでしょうか。 双子だった場合、2人の境遇の差から夏子がヒサコを妬んでいたとも考えられるのです。東京で実業家の勝一と結婚し、1人息子・眞人と仲良く暮らしていた姉・ヒサコ。一方の妹・夏子は実家で未婚のままです。お屋敷も外観こそ立派ですが、生活は質素なものでした。 そして、姉の元夫と再婚するにあたり、姉によく似た眞人も妬ましい存在だったのかもしれません。双子説が正しければ「産屋に行った理由」で紹介した、夏子の心の闇にも説得力が生まれます。

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『君たちはどう生きるか』夏子の考察まとめ

君たちはどう生きるか、ポスター
(C)2023 Studio Ghibli

『君たちはどう生きるか』に登場する、眞人の新しい母・夏子を考察しました。 声優が、亡き姉・ヒサコと同じ木村文乃であることから双子説が有力とされています。当時は「家の存続」として、亡くなった姉妹の夫との再婚が普通にあったそう。ただ、本作を見ていると妹・夏子の中にはさまざまな嫉妬や葛藤があったと読み取れます。 夏子の表面には出ていない心情を読み解きながら、映画『君たちはどう生きるか』を鑑賞してみてはいかがでしょうか。