2025年7月31日更新

ポニョの父フジモトってどんなキャラ?誕生秘話や人間をやめた理由など徹底解説

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崖の上のポニョ

赤い長髪に濃いメイクという「ポニョ」の中でも異色な見た目の持ち主のフジモト。このちょっと不思議なキャラクターはどう生まれたのでしょうか。 この記事では、見た目のみならずその存在自体も不思議な彼について、誕生秘話や人間を辞めた理由などを徹底解説していきます。これであなたもフジモト通! ※この記事は『崖の上のポニョ』の重要なネタバレを含みます。 ※ciatr以外の外部サイトでこの記事を開くと、画像や表などが表示されないことがあります。

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『崖の上のポニョ』フジモトの正体は?

年齢 不明(100歳以上)
見た目 長駆に赤い髪でいつもストライプのジャケットを着ている
家族構成 妻はグランマンマーレ、ポニョたち娘を男手一つで育てている

フジモトはポニョの父親で元人間です。ポニョたち娘が人間界に興味を示すことに反対するのは、人間の身勝手さをよく知っているからでした。 グランマンマーレと出会って恋に落ちた彼は、海の眷属兼魔法使いとなります。結界を張ったり、水の魔物を操ったりすることが可能。とはいえもとは人間なので、海中では泡のようなマスクで頭部を覆っています。もちろん陸上でも生活することができる人物。 普段は海底に自らつくった珊瑚の塔で生活しています。そこで魔法をつかって「生命の水」を作り、井戸に貯めていました。その目的は陸上生物が栄える以前の海の時代の再来を目指していたからです。

フジモトというキャラクターの起源は楽劇「ワルキューレ」

『崖の上のポニョ』フジモト

実は、宮崎監督が本作の構想中、頻繁に聞いていたのがワーグナーの楽劇「ワルキューレ」であったことが、公式ホームページにて明かされています。ポニョの名前もそこからきており、さらにはポニョの父・フジモトのキャラクター設定もそこからきているのだと言います。 「ワルキューレ」に登場する、ブリュンヒルデたちの父・ヴォータンは魔法を使え、さらには世界の終わりを避けるために奔走するという人物。同じくフジモトも、ポニョが引き起こした事件を解決するために奔走していました。ここに2人の共通点を見出すことができますね。

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フジモトは海底二万マイル・ノーチラス号のクルーだった?

『崖の上のポニョ』

フジモトは人間だったころ、潜水艦ノーチラス号のクルーだったという設定がパンフレットで明かされています。ノーチラス号は「海底二万マイル」のアトラクションでおなじみの海洋冒険SF小説に登場する潜水艦です。 ネモ船長は戦争を憎んでおり地上を嫌っていた世捨て人でした。フジモトはそんなネモ船長の考えの影響も受けているのかも。クルーとしていて働いていたフジモトは、グランマンマーレに出会い人間を辞めたのでした。

原作『海底二万里』にアジア出身のクルーはいない?

フジモトは船内唯一の東洋人乗組員だったそうです。ただ原作小説『海底二万里』にはそれらしきキャラクターは登場していません。なのでこれはあくまで監督がフジモトという人物を描き出す際に独自に加えたエッセンスなのでしょう。 原作は1870年に発表されました。フジモトの年齢は明かされていませんが、この過去があることで普通の人間を辞めて生き続けていることや、もともと海が好きだったことが受け取れます。

フジモトはなぜ人間をやめたのか

『崖の上のポニョ』フジモト

フジモトはもともとは人間でした。では、彼はなぜ人間をやめて海中で暮らすようになったのでしょうか。 彼は人間だったときには、潜水艦ノーチラス号で唯一の東洋人として職務を全うしていました。しかし長い潜水艦での生活で、人間の破壊性に嫌気がさすようになっていきます。そんなとき、彼が出会ったのが母なる海であるグランマンマーレでした。 フジモトは彼女に恋をし、“忌まわしい(作中でのフジモトの台詞より)”人間界を捨てることにしたのです。

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フジモトの妻・グランマンマーレには夫が何人もいる?

『崖の上のポニョ』

フジモトと妻であるグランマンマーレの関係は良好のようです。ただ、彼女が偉大な存在であることや、フジモトに惚れた弱みがあることから、彼は妻には頭が上がらない様子。 また、グランマンマーレは海全体を司る女神ですから、フジモトが独り占めすることはできません。しかも宮崎駿監督によれば、彼女にはフジモト以外にも複数の夫がいるのだとか。 それでも彼は愛する妻のために1人で娘たちを育て、ポニョが引き起こした混乱をなんとかおさめようとするのです。

フジモトの妻・グランマンマーレの夫は数千人……?

グランマンマーレのモデル チョウチンアンコウ

作中では言及されませんがグランマンマーレの正体は公式設定によるとチョウチンアンコウです。 チョウチンアンコウはメスが40cm近くまで成長するのに対し、オスはわずか4cm程度とかなり大きさの差があります。深海で奇跡的にメスに出会えたオスは、メスに噛みつき寄生し、やがて一体化するのです。 最終的にメスの身体の一部となり、オスは精巣を提供する器官となります。メスの中には複数のオスと一体化している個体もあるそう。 チョウチンアンコウの繁殖方法を考えると、フジモトもグランマンマーレの身体に取り込まれる可能性があります。またすでに多くの夫たちがグランマンマーレの一部になっているのかもしれません。

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除草剤を撒いていた?リサからは不審者と思われていた

地上にやってきたとき、ボンベのようなものを背負い自分の周囲に液体を撒いていたフジモト。リサはこれを見て彼が所かまわず除草剤を撒いていると勘違いし、不審者だと思っていました。 しかし、実際にフジモトが撒いていたのは海洋深層水です。彼は以前は人間だったため陸上でも問題なく動くことができますが、現在暮らしているのは海の中。その環境の違いから、陸上では肌の乾燥を防ぐために深海のきれいな水である海洋深層水が欠かせません。 そんな事情を知らなければ、おかしな人だと思われても無理はないかもしれませんね。

『崖の上のポニョ』でフジモトから見る男性像とは?

崖の上のポニョ

制作過程を追ったドキュメンタリーによると、初期のイメージボードの時点ですでにフジモトのイメージが固まっていたことが窺えます。ひょろっとしていて水色のストライプのジャケットを着た人物として描かれていました。 また同番組内で監督はフジモトを「女性に苦しめられる永遠の男性像」とも。グランマンマーレの何千人もいる夫のうちの1人であり「男の永遠の辛さを表すキャラクター」がフジモトなのです。騒動に奔走されるというのも、この辛さを表現しているのでしょう。

フジモトのかわいすぎるセリフ集

フジモトが最後に宗介に「ポニョをよろしく頼む」と伝えるシーンは作中屈指の名シーン。また一見奇抜な人物ですが、とても娘思いというのもフジモトの魅力。「いつまでも幼く無垢であればいいものを」というセリフには、多くの親が共感するでしょう。 グランマンマーレに会える喜びを「あの人に会えるかと思うと胸が苦しくなってきた!」とまるで乙女のように素直に表現するのも彼のかわいいところ。こういったところが彼を愛すべきキャラにしています。

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娘・ポニョとの関わり方【実は娘想い!?】

フジモトは、ポニョが「人間になりたい!」と言ったのに対し猛反対。一方でポニョはフジモトのことを「悪い魔法使い」呼ばわりしたり、顔に水をかけたり……など、一見父娘関係は良くないように見える2人。 しかし、フジモトは男手一つで娘たちを懸命に育てていますし、最終的には青いストライプジャケットをポニョの服と同じ色の赤いストライプに変え、歩み寄りを見せている模様。ポニョが人間になることに対し必死に反対したのも、忌まわしい人間界へ娘を放つのを避けたかったからではないのでしょうか。

フジモトの声優は所ジョージ

所ジョージ

フジモトを担当している声優は所ジョージ。「トイ・ストーリー」のバズ・ライトイヤーで有名なので、気づく人も多くいるのではないでしょうか。 本作で所はフジモトの奇想天外なキャラクターとしての一面と、冷静な状態の声を使い分け、バズとはまた違った声色を披露しています。フジモトの台詞は作中で非常に重要な内容も含まれているので、聞き逃さないよう注意です!

フジモトは愛すべきキャラ?

フジモトについてできるだけ多くの情報を紹介しましたが、彼のイメージがちょっと変わった人もいるのではないでしょうか?主人公であるポニョや宗介につい目がいってしまいますが、フジモトも魅力あふれるキャラクターなのです。