2025年8月5日更新

ポニョが怖い!半魚人の姿がトラウマに?津波を予言していた説も解説!

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崖の上のポニョ

宮崎駿監督作品の中でもとくに「怖い」と言われているのが『崖の上のポニョ』です。本記事では、半魚人の姿やハムが好きな理由、津波の描写など、怖いと言われるポイントについてよく言われている説や考察を紹介していきます。 ※この記事は『崖の上のポニョ』の重要なネタバレを含みます。 ※ciatr以外の外部サイトでこの記事を開くと、画像や表などが表示されないことがあります。

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半魚人のポニョの姿が怖すぎる

『崖の上のポニョ』ポニョ

ポニョには魚の姿と女の子の姿のほかに、半魚人の姿があります。この姿はもとの魚の姿から魔法で人間になっている途中の姿なのですが、他の2つの姿はかわいいけどこの姿はちょっと……と言われることもしばしば。 この半魚人の姿というのは、目が飛び出ていて爬虫類風。手は鳥のような3本指となっています。もともと監督はポニョを金魚ではなくカエルで構想していました。半魚人の姿にはそのカエルのエッセンスが出ていたのかもしれません。 子供向けの作品とはいえ、この半魚人の姿は少し怖すぎる気がします。

『崖の上のポニョ』は東日本大震災の津波を予言していた?

崖の上のポニョ

「ポニョ」の公開は2008年。制作期間を考えるともっと前から作中の津波のシーンは予定されていたということです。これを予言と言ってしまうと、過去に地震や津波、洪水を扱った作品すべてが予言ということになってしまいます。なので予言とはいえないでしょう。 また本作では津波によって町は壊滅的な被害は受けていません。この点からも現実とは切り離して考えたほうがよいと考えます。 ただ、監督の作品はつねに現代社会へのメッセージ性がこめられており、本作でも衛星の墜落や大災害を通して生と死といったメッセージを受け取ることができます。

『崖の上のポニョ』が怖い理由

大きさを変えるグランマンマーレ

『崖の上のポニョ』

ポニョの母のグランマンマーレは登場シーンによって大きさを変えます。海の中で1キロは超えるであろうかというサイズで泳いでいたり、人間大の姿になったり。神であることを考えれば大きさも自由自在でしょう。 なかでも夫であるフジモトを説得する際、急にフジモトと同じサイズ感になる、そのしたたかさに怖さを感じます。夫が自分にベタ惚れなのを利用しているのです。彼の手を取るグランマンマーレは服を着ていないようにも見え、色仕掛けしているのかも。 美しさで相手をおびき寄せて利用するその姿は、なんとも恐ろしいです。

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ポニョがハムを好きな理由

『崖の上のポニョ』

ポニョは最初に宗介がくれたハムを気に入り、その後もリクエストするくらい好きになりました。海に戻ってもハムのことを忘れられずにいる様子も描かれます。 ハムは自然の中には存在しない加工食品です。ポニョが人間界側の食べ物を口にして、しかもそれを気に入っている。『千と千尋の神隠し』でいえば千尋の両親がわかりやすい例ですが、その世界の食べ物を食べるとその世界の住人となるのです。 ポニョが異様にハムを好んでいるのも、宗介と同じ世界へと執着と捉えることができそう。ポニョの無邪気な好意とはいえやや怖いものがあります。

津波の後、どうなった?

崖の上のポニョ

津波後は死後の世界が描写されているとする説も多く見かけます。もちろんそう受け取ることも自由ですが、各所のインタビューなどに目を通すと、監督はもっとハッピーエンドを意識している印象です。 水が引いた後、宗介とポニョが暮らす町がめちゃくちゃだと可哀想だから、お母さんが魔法をかけたと語っているインタビューもありました。監督としては破壊の津波ではなく、浄化の津波として描いたようです。 一方で2011年を知る我々からすると、やはり津波は恐ろしいもの。何事もない町の風景に、死後の風景が連想されてしまうのは仕方ないのかもしれません。

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『崖の上のポニョ』曖昧な境界で怖さと考察が捗る名作

『崖の上のポニョ』の怖さについて考察とともに紹介しました。本作はとくに説明が少ない作品。大人は理屈がわからないものに恐怖を感じるところがあるので、本作に対しても説明できない怖さを感じてしまうのでしょう。 たしかに怖さもありますが、一度子どものように頭を空っぽにして楽しんでみると、本来の「ポニョ」の面白さが見えてくるのかもしれません。