『火垂るの墓』の海外の反応・感想・評価まとめ

2017年7月6日更新

『火垂るの墓』は、親を亡くした兄妹が戦火の中を二人で必死に生き抜こうともがく姿を描き、当時の悲惨な状況を悲劇的に表現した傑作アニメーション映画です。高畑勲監督により制作され、1988年に『となりのトトロ』と共に公開された、日本ではかなり有名なこの作品。今回は、目線を切り替えて、海外での反応・感想・評価をまとめています。

『火垂るの墓』に対する海外の反応は?

「4歳と14歳で、生きようと思った」

※タイトルは、糸井重里さんによる公開当時のキャッチコピー。 終戦間近の神戸を舞台とし、母を亡くした兄・清太と妹・節子に焦点を当てた戦争映画であり、かつての悲惨な現実を容赦なく描いているところが特徴です。スタジオジブリ制作・高畑勲監督による映画ということで、国内での知名度・評価共に非常に高い作品。日本では「涙が止まらない」「観るのも思い出すのも辛い」と、ある種のトラウマ映画として浸透している印象があります。 「ファンタジー作品を扱う」というイメージが一般的に持たれているスタジオジブリにとっては、毛色が違って非常に社会派であり、原作者・野坂昭如の自伝的な意味に加え、自国の戒めとも言えるこの映画。日本人と外国の方の受ける印象は果たして違ってくるのでしょうか。以下に、海外の反応、感想、評価をまとめてみました。

『火垂るの墓』感想:実写を含めた、世界有数の傑作反戦映画

「現実を手加減せずに描いているのが素晴らしい!」

「マイルドになりがちなアニメーションで描きながらも、戦争の恐ろしさを直視し、戦争によって荒廃した世界の絶望や死んでいく人々たちを、手加減なく表現しているのが素晴らしい。自分の経験の中では間違いなく、アニメーション映画の枠を超えて、もっとも迫力のある反戦映画の一つと言えるだろうね。」

出典: blip.tv

「これほどに悲しい映画は他にない」

「今までに制作された映画の中で最大級に悲しい物語であると共に、もっとも優秀な反戦映画の一つとも言える映画だと思う。戦争と本来関係のない、何の罪もない無垢な子供たちを主人公とした、心をかき乱すようなストーリー。これは、英雄談でも美談でも無いんだ。精神をすり減らされながら観ていたよ。涙のちょちょぎれるこの大傑作を観るそこの君、大量のティッシュを脇に準備しておくことをオススメするよ。この作品が『となりのトトロ』と併映されていたなんて、信じられないね……。」

出典: s.webry.info

「美しい映像がより悲惨さを際立たせる」

「映画の中には自然の美しさや子供の喜びを表現する、魔法のような瞬間が幾度も登場するのに、それがより一層この映画の悲劇と痛ましさを際立たせる。」

「蛍が強いシンボルとなっている」

「子供達を魅了し、どこにでもついていく儚い蛍が、“脆さ”や“短さ”そして“人生の美しさ”に対する強力で詩的なシンボルとなっている。」

『火垂るの墓』感想:高畑勲は天才的だ!

「高畑勲は“戦争の地獄”を非常に上手く描いた」

「“戦争の地獄”というものは頻繁に描かれるテーマとなってきたが、高畑勲の作品はこれを新たな警告的スローガンを掲げながら、楽しめつつも痛ましさを含んだアングルで描いている。」

「強い反戦メッセージを訴える作品だ」

「高畑勲によるパワフルな反戦映画とは、それに子供が美しく描かれていることによって、我々がより一層悲惨さについて考えるという事に終始しているものだ。」

『火垂るの墓』感想:最も憂鬱な作品のひとつである

「めちゃくちゃ鬱になる」

「とても感動するけど、めちゃくちゃ鬱になる映画だ。」

「最も動揺させられる作品のひとつ」

「映画史上、最も動揺させられるアニメーション反戦映画のひとつだ……。」

海外でも非常に高い評価を得ている作品だった

海外サイトでの評判は、賛が8割に否が2割という印象を受けました。大手映画批評サイトimdbでは10点満点中で8.5点(2015年8月11日現在)、Rotten Tomatoesでは満足度97%を獲得(2015年8月11日現在)していることからも、海外でもかなり好意的に受け止められている映画であると言うことが出来ると思います。 しかし、中には紹介したように否定的な意見もあります。戦争映画というセンシティブな問題に触れている映画だからこそ、単純な物語の面白さ以上の点に着目して、沢山の観方が出来るのかもしれませんね。