安室透と赤井秀一はどっちが強い？2人の関係性や和解の可能性を解説【名探偵コナン】

『名探偵コナン』で絶大な人気を誇るキャラ安室透と赤井秀一。2人はキャラ単体でも人気ですが、安室と赤井の複雑すぎる因縁は、多くの読者の心を鷲掴みにしています。 本記事では2人の因縁に焦点を当て、出会いから確執が生まれた事件、お互いに正体に気づくまでを順を追って解説していきます！ ※この記事は『名探偵コナン』の重要なネタバレを含みます。 ※ciatr以外の外部サイトでこの記事を開くと、画像や表などが表示されないことがあります。

安室透(あむろとおる)はトリプルフェイスの異名で知られる人物。表向きの安室は、喫茶店「ポアロ」でアルバイトをしている私立探偵。 彼の2つ目の顔は黒の組織のバーボン。そして3つ目の顔が、公安警察の降谷零(ふるやれい)です。ciatrでは3つの顔それぞれについて解説しているのであわせてチェックしてみてください。

赤井秀一(あかいしゅういち)はFBI捜査官です。彼はほかに黒の組織のライ(諸星大)、沖矢昴(おきやすばる)の顔を持っています。 赤井が表向き死亡して以降は、主に沖矢の姿で登場。コナンをはじめ限られた人物のみが、その正体を知っています。その経緯など詳細は下記記事にまとめてあります！

ただならぬ因縁がある安室透と赤井秀一。現在は安室が「殺したいほど憎い男」と赤井を一方的に敵視する関係になっています。ではなぜこのような因縁が生まれたのでしょうか？ まずは2人の関係が形成された経緯を、黒の組織での出会いから時系列順で説明していきます。

単行本58巻(アニメ版497話～501話)で赤井のコードネームなどが明かされます。父の失踪の真相を追ってFBI捜査官となった赤井は、諸星大の偽名を使って黒の組織に接触。組織内への潜入に成功し、ライというコードネームを手に入れます。そしてその同時期、組織には降谷が扮したバーボンもいました。 当時はバーボンとライ、さらに公安から潜入中だったスコッチ(正体は諸伏景光)の3人で行動することが多かったようです。この頃からバーボンとライはライバル関係にあり、洞察力の高さゆえお互いの素性を疑いあう仲でした。

単行本90巻(アニメ版866話～867話)で衝撃の事実が明かされます。スコッチとして潜入していた諸伏は安室の昔からの親友でした。ある日、潜入捜査官だと組織にバレたスコッチはライ(赤井)にビルの屋上に追い詰められ自殺を図ります。 ここでライは自身の正体を明かして、彼の自殺を止めようとしました。しかし、階下からの足音を聞いたスコッチは、足音の正体がバーボンだと知らず自分の胸を撃ち抜き死亡。 ライはスコッチを止めきれなかった後悔もあり、「裏切りには、制裁をもって答える…だったよな？」とさも自分がスコッチを殺したかのような発言をします。以降、赤井は安室にとって「殺したいほど憎い男」になったのです。

2人の確執を生む要因となったスコッチ＝諸伏景光(もろふしひろみつ)とは、降谷零の小学校時代からの幼馴染であり親友です。お互いに名前で呼び合う仲で、2人は警察学校、公安警察、潜入先まで同じという、まさにニコイチな関係でした。 スコッチの詳細は下記記事にて読むことができます。

②と同じエピソード内で、安室は赤井(ライ)がスコッチを殺していないと察していたことが判明します。彼はスコッチの死亡現場を見て、その真相に勘付いていたのです。ならばどうして彼は恨みを持ち続けていたのでしょうか。 安室と赤井は不仲ではありながらも、互いの実力を認め合っています。安室には赤井ほどの有能な人物ならスコッチが死なずに済む選択をできたのではないかという思いがあり、それが今も恨みとして残っているのです。

深い因縁を持つ2人は対立を続けており、現時点では和解にいたっていません。しかし単行本95巻(アニメ版952話～954話)において、安室と赤井が話し合うシーンが描かれています。 どうやら彼らはここで、黒の組織にどう立ち向かっていくか協議を進め協力関係を築いた様子。安室と赤井は和解までにはいたっていないものの、一時的に同盟を結んでいるようなのです。今後は2人の共闘シーンにも期待できそうですね。

2016年に公開された映画『名探偵コナン 純黒の悪夢(ナイトメア)』。本作は安室と赤井がメインキャラとして活躍しており、黒の組織・公安警察・FBIが絡む大スケールの物語が描かれています。 様々な活躍シーンがある2人ですが、観覧車の頂上で見せたバトルは超激アツ！ジークンドーとボクシングによる対決は手に汗握る展開を見せており、彼らのファンならずとも引き込まれてしまうはず。安室と赤井の魅力を知るうえで、絶対に外せない名場面となっています。

2023年に公開された映画『名探偵コナン 黒鉄の魚影(くろがねのサブマリン)』。こちらは灰原をメインキャラクターに据え、様々な組織が入り乱れる大事件を描いています。ここに安室と赤井が登場するのですが、その関係性に少し変化が見て取れるのです。 作中で赤井は米軍からの武器を使用し、敵の潜水艦を止めようと画策します。ここで安室は彼に対し「組織随一のスナイパー、海自が来る前に済ませろよライ」と発言。それに赤井は「もちろんそのつもりだよバーボン」と返したのです。 2人がコードネームで呼び合うシーンは非常にレア。ここからは互いを信頼しているような雰囲気が伺えます。安室と赤井は協力体制を取ったことで、その関係性が次第に改善しているのかもしれません。

安室は赤井秀一＝沖矢昴であることに気づいています。表向きに死んだとされた赤井の生存、そして沖矢と同一人物であることに、安室はどうやって気づいたのでしょうか。紆余曲折あった過程を順を追って見ていきます。

単行本56巻～59巻(アニメ版491話～504話)にかけて、赤井の死亡偽装がおこなわれます。 組織にスパイがバレて追われる身となっていた赤井は、ジンにはめられ射殺。愛車ごと爆破され、現場に残った証拠から、赤井の死体は本人だと断定されました。しかし赤井の実力を知る安室は彼の死を疑っており、以降独自で調査を続けることになります。 一方、コナンたちの協力によって死を偽装工作してもらった赤井は、以降沖矢昴の姿で登場。マスクを被って顔を変え、ハイネックの下に仕込んだ変声機で声を変え、まるで別人のように振る舞っています。

単行本65巻(アニメ版563話～564話)及び67巻(アニメ版578話～581話)において、赤井の死を疑う安室がある行動に出ます。安室は顔に火傷を負った火傷赤井の姿に変装すると、赤井のFBIの同僚であるキャメルやジョディ、赤井秀一の妹である世良真純(せらますみ)の前に姿を現しました。 彼は赤井に近しい人の反応から、死の真相を知ろうと思ったのです。しかしいずれの反応も、赤井の死を確信させるものでした。 この頃、コナンの周りに目をつけた安室は、私立探偵・安室透としてコナンに接近し始めます。

単行本78巻(アニメ版702話～704話)で描かれた「漆黒の特急」シリーズにおいて、安室はベルモットに火傷赤井の姿に変装してもらい、赤井の関係者と接触させました。ここでの反応もやはり赤井の死を確信させるものでしたが、安室は煙の中で一瞬だけ赤井らしき人物を目にすることになります。 このとき沖矢として乗車していた赤井は、自分たちの意図を察して欲しいという思いから、あえて変装を解いて行動しました。煙越しで不鮮明ではあるものの赤井を確認できたことで、安室は再度調査することにします。

単行本84巻～85巻(アニメ版779話～783話)で描かれた「緋色」シリーズでは、安室がFBIなどから掴んだ情報をもとに、赤井の偽装工作の真相を推理。沖矢昴＝赤井秀一という確信を持って、沖矢が住む工藤邸に向かいます。 しかしそこで沖矢と対峙するも、そこに赤井本人からの電話がかかってきたのです。電話口で赤井は、安室の正体が公安警察の降谷零であることを言い当てます。安室は赤井の生存は確信しましたが、赤井＝沖矢説は一旦保留に。 ちなみに安室が対峙した沖矢は新一の父・優作が変装した姿でした。

安室は沖矢と何度か対面したことで、その疑念が次第に確信へと変わっていきます。そしてついに単行本95巻(アニメ版952話～954話)に描かれたエピソードで赤井が本来の姿で安室の前に登場！ 銃口を向け合いながら、安室は赤井に「沖矢昴の正体を見破られた時点で貴様の負けだ」と発言。お互いに「赤井秀一」「バーボン」と呼び合う、これ以上ない胸熱な展開となりました。 一触即発な空気になった2人ですが、突如現れた工藤夫妻によって「工藤家のお茶会」が開催され小休止。そこで2人のあいだに何らかの協定が結ばれたようです。

それぞれが複数の顔を持ち、様々なスキルに長けている安室と赤井。常人離れした能力を持つ彼らは作中でもトップクラスに有能な人物なのですが、果たしてどちらの方が強いのでしょうか？ ここからはコナンファンなら誰もが思い浮かべたことのあるこの疑問を、強さ・知識力・推理力、3つの指標から徹底考察！深い因縁を持つ安室と赤井はどちらが優秀なのか、是非予想しながら読んでみてください。

まず戦闘力の高さを見ていくと、赤井はジークンドーによる肉弾戦のほか、狙撃による遠距離戦でも絶対的な強さを発揮できます。一方、安室はボクシングによる近接戦に加えて、高いドライビングテクニックによる高度なカーチェイスを披露することが可能。 それぞれに違った強みがありますが、「戦闘」という観点で言えば赤井の方がやや優勢かと思われます。実際2人は劇場版「純黒の悪夢(ナイトメア)」で拳を交えているのですが、この場面で赤井は重い銃器を持ちながら身軽な安室と互角の戦いを展開。 ここからはハンデを負いながら戦っていた赤井の方が強かったことが推測できます。ただ安室自身も決して弱いわけではありません。条件が変われば、その勝敗は簡単にひっくり返ってしまうでしょう。

次に知識力の高さで見ていくと、赤井は作中でサバイバルやヘリコプターなど、軍事関連の知識に長けているシーンが散見されます。加えて海外在住経験もあるため、海外に関する知識も抜群。 一方、安室は爆弾やピッキングなどに関する警察特有の知識のほか、化学反応などの理系知識にも長けています。そのうえスポーツなどの趣味分野にも詳しい描写があり、その知識範囲は広大。それを考慮すると知識力では安室の方に軍配が上がりそうです。

最後に見ていくのはミステリー作品で最も重要と言える推理力です。 安室は表向きの職業を探偵としているため、推理力の高さは折り紙付き。潜入先の黒の組織でも、その洞察力や情報収集力の高さが評価されています。ただ安室は作中で、赤井が沖矢昴に変装していたと察したとき赤井サイドの罠にはめられその真相に到達することができませんでした。 このことからわかる通り、赤井は常に冷静さを保ちながら、持ち前の推理力で一手先をしっかりと予測。そのうえで相手を出し抜き、優位な状況を作り上げています。それを考慮すると総合的な推理力では赤井の方がやや優秀と言えそうです。

強さ・知識力・推理力、それぞれの結果を見ると赤井の方がやや強いという結論が導き出せます。また性格面で見ても、安室は感情の起伏が大きくなっており、冷静さを失いやすいという欠点が存在。その一方で赤井は常に落ち着いているため、安室は出し抜かれる機会が多くなっています。 ちなみに彼らの力関係について作者の青山剛昌は、安室を「なんでもできる存在」と評価しながら、「赤井相手だと冷静になれないので勝てない」と示唆していました。つまりその実力は作者公認で赤井の方が上ということになります。

安室と赤井には担当声優にまで深い因縁があります。なんと安室を担当する古谷徹はあの名作『機動戦士ガンダム』の主人公アムロ・レイの声優をしており、赤井を担当する池田秀一はアムロのライバルであるシャア・アズナブルの声優をしていたのです。 アムロとシャアと言えば「ガンダム」シリーズどころか、アニメ界におけるライバル関係の代名詞とも言える存在。安室と赤井の声を担当するにはぴったりの2人となっており、そのキャスティングへの強いこだわりを感じられます。 ちなみに安室の名前はアムロ・レイが由来となっており、赤井はシャアの異名「赤い彗星」と池田秀一の名前が由来。古谷と池田はアムロとシャアの影を背負い、『名探偵コナン』で再び熾烈な戦いを繰り広げているのです。

知れば知るほど沼が待ち受けている安室透と赤井秀一の関係性について、時系列で概要を紹介しました。2人の間に流れる言葉にならない空気感は、ぜひ漫画やアニメ、そして劇場版で肌で感じてみてください！ここにしかない栄養が摂取できますよ。