2025年4月28日更新

映画『紅の豚』の飛行機の名前やモデルを紹介!「飛行機の墓場」についても徹底解説

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紅の豚、ポルコ、飛行艇

ジブリ映画『紅の豚』(1992)といえば、見た目も動きもかっこいい「飛行艇」の存在は欠かせません。飛行機やメカ好きの宮崎駿監督ならではの、こだわりが随所に詰まっています。 そこで今回は『紅の豚』に登場するポルコ・ロッソとカーチスの愛機や、名シーン「飛行艇の墓場」について概要やモデル、元ネタなど詳しく解説していきます。 ※『紅の豚』(1992)の重要なネタバレを含みます。

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『紅の豚』の飛行艇のモデルは?実在する?

紅の豚、飛行艇

『紅の豚』(1992)に登場する飛行艇には2つの大きな特徴があります。飛行状態から「水面発着」ができること、そしてそのまま「水上に浮かべる」ことです。 劇中に登場する機体のモデルについては、スタジオジブリのスタッフに取材を重ねた映像研究家・叶精二が、著書『宮崎駿全書』にて「第一次世界大戦や第二次世界大戦中に短い間、ごくわずかの軍で使用された『幻の戦闘機』である」と記しています。

ポルコの愛機「サボイアS.21」

紅の豚

『紅の豚』の主人公である「ポルコ・ロッソ」の愛機こそ、真紅の機体がトレードマークの「サボイアS.21」です。尾翼にはイタリア国旗を模した、三色の装飾が誇らしげに描かれています。 サボイア社が作った「試作機」を、ローンで購入したポルコ。エンスト多発や離着陸に難があるなど、じゃじゃ馬な機体を卓越した操縦技術で補っていました。しかし、カーチスに追われた際に大破。 ミラノの飛行艇職人・ピッコロのおやじに、乗り換えを勧められるもこの機体にこだわり「改良機」へと改良してもらいます。最高速度330km/hのエンジン「フォルゴーレ」を搭載し、さらに操縦席も2席に追加されました。 原作となる『飛行艇時代』には「材質はオーク材」「1920年代のイタリア艇は凹面の船底で有名」など、宮崎駿監督が設定を細かく記しています。

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カーチスの愛機「カーチスR3C-0」

紅の豚、飛行艇

上記写真の奥に見えるのがカーチスの愛機「カーチスR3C-0」です。ポルコの鮮やかな赤とは対照的な濃い青色で塗装されており、二人のライバル関係を際立たせています。また、第二次世界大戦中のアメリカ軍機を彷彿とさせるその色は、カーチスがアメリカ人パイロットであることを表しているのです。 原作『飛行艇時代』によれば、最高速度はサボイアS.21を凌駕するため、劇中での空中戦ではカーチスがスピードで優位に立ちますが、小回りの利く旋回性能においてはサボイアに軍配が上がります。上昇力は両機ほぼ同等です。 カーチスは愛機を「名声と金を運んでくる幸運のガラガラ蛇さ」と豪語しており、尾翼にはガラガラヘビが描かれています。またフィオとの結婚を賭けたクライマックスの戦いでは、ハートが射抜かれた特別なペイントが追加されました。

飛行機の墓場とは?元ネタは存在する?

紅の豚、飛行機の墓場

「飛行機の墓場」が登場するのは、ポルコがフィオに過去を語るシーンです。ポルコの人間時代、マルコ・パゴットは雲海を抜けた先で敵も味方も関係なく、無数の飛行艇が飛んでいる「墓場」を見たのです。 『宮崎駿全書』によると、元ネタは元飛行機乗りの小説家、ロアルド・ダールの短編『彼らは年をとらない』であると言及されています。 映画と同じように主人公・フィンは雲海の先で「飛行機の墓場」を見ました。しかし生き残ったポルコとは違い、墓場を見たフィンは死に取り憑かれたように戦死してしまいます。

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『紅の豚』の魅力的な飛行艇にはモデルや元ネタが存在した!

紅の豚、ポルコ、飛行機

ジブリ映画『紅の豚』(1992)に登場する飛行艇の概要や元ネタ、モデルを紹介しました。宮崎駿監督の実家は、かつて飛行機部品の会社でした。そのため宮崎駿自身も飛行機には強い思い入れがあり、本作の飛行艇も細部までこだわり抜いたのです。 飛行艇の精巧な作りや動きに注目して『紅の豚』を視聴してみてはいかがでしょうか。