2021年12月17日更新

映画『紅の豚』に登場する美女ジーナの魅力を徹底解説!ポルコとの結末は?

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紅の豚
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『紅の豚』は1992年に公開された、スタジオジブリ制作・宮崎駿監督による映画です。イタリアを舞台とした飛行機乗りたちの物語で、空賊狩りを行う賞金稼ぎの主人公のポルコと、空賊たちや飛行機に関わる人たちの姿を描いています。 主人公のポルコを筆頭に、アメリカ人の飛行機乗りカーチスやエンジニアの少女フィオ、そしてヒロインでありポルコの幼なじみジーナがメインキャラクターです。 この記事ではそのなかでも、妖艶な魅力を放つジーナについて解説していきましょう!

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ジーナはどんな人物?

紅の豚

ジーナは主人公であるポルコの幼馴染で、ホテル・アドリアーノの経営者であり、歌手でもあります。聡明な美しい女性である彼女は、飛行機乗りにとってのマドンナ的存在で「飛行機乗りはみんなジーナに恋をする」とまで言われています。 ポルコがまだ豚の顔になる前、ともに飛空艇クラブを結成しており、昔も今もポルコには特別な思いを抱いています。しかしいろいろな思いが交錯しているのか、素直に打ち明けてはいない様子。 過去に3度飛行機乗りと結婚していますが、すべて死別という悲しい過去を持っています。

ジーナの賭けとは?ポルコとは結ばれた?

紅の豚

ジーナはポルコと敵対するパイロットであるカーチスに、ある印象的な言葉を伝えています。 「私、いま賭けをしてるから―私がこの庭にいる時その人が訪ねてきたら今度こそ愛そうって賭けしてるの。でも、そのバカ夜のお店にしか来ないわ。日差しの中へはちっとも出てこない」 ポルコはジーナの思いを知ってか知らずか具体的な行動には出ていないのですが、カーチスから「ジーナはお前を待っている」と告げられ真っ赤になります。 作中では結末がどうなったのか明かされませんでしたが、フィオの後日談が語られる時、ホテル・アドリアーノにポルコの飛空艇と思しきものが停まっています。 フィオの後日談の中の「ジーナさんはますますきれいになっていくし、古い馴染みも通ってくる」という台詞から、ポルコはその後ジーナのもとを訪れたと推察されており、ファンの間ではジーナは賭けに勝ったという見方が有力です。

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ジーナの名言

「マルコ、今にローストポークになっちゃうから……私イヤよ、そんなお葬式。」

ポルコのことを、本名のマルコで呼ぶジーナ。彼女は自分を伝言板のように扱うポルコに対して、苛立ち混じりにこの言葉を言い放ちます。 豚になってしまったポルコを皮肉る台詞のなかに、心配している思いが伺える深い台詞です。

「ここではあなたのお国より人生がもうちょっと複雑なの。恋だったらいつでもできるけど。」

ジーナがカーチスからプロポーズされた時、ジーナははっきりと断ります。そしてポルコと賭けをしていることを告げ、カーチスに「賭けの相手はポルコなのか」と問われ、返した台詞です。 恋ならいつでもできる、の言葉にポルコへの思いや切なさが垣間見えます。

「あなたもう1人女の子を不幸にする気なの?」

カーチスと決闘で、殴られて起き上がってこないポルコに対して、ジーナが仁王立ちの姿で言い放つ一言です。 この「もう1人」=2人目というのはフィオのことを示しているのですが、1人目はジーナのことと考えるのが自然でしょう。私のことをいつまで放っておく気なの?という思いが込められているのかもしれません。

声優はシンガーソングライターの加藤登紀子が担当!

ジーナの声を担当したのは、声優ではなくシンガーソングライターの加藤登紀子です。エンディングの『時には昔の話を』と、ジーナが劇中に歌った『さくらんぼの実る頃』も彼女が歌っています。 加藤登紀子は1943年12月27日生まれで満州国ハルビン市に生まれ、京都で育ちました。1965年に大学の在学中にシャンソンコンクールで優勝し、1966年 「誰も誰も知らない」でデビューして以来、歌手活動を続けています。 『さくらんぼの実る頃』を歌った彼女は、仮録音を宮崎駿に聴かせたところ「これ以上のものはない」と即採用されたのだそうです。

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ジーナの劇中歌『さくらんぼの実る頃』

紅の豚

物語の前半でジーナがレストランで歌うシーンがあります。この歌はフランスのシャンソン『さくらんぼの実る頃』という曲で、さくらんぼの実る時期の短さを、儚い失恋に例えた歌になっています。 この曲は1866年にパリで発表され、当時の労働者たちが作った革命的政府の、新政府による弾圧や虐殺などの背景をもとにしています。革命政府の寿命は、さくらんぼの実った季節のようにあまりにも短く、市民たちは哀悼の意を込めて歌い継いだといいます。 その悲しさは戦争によって夫を亡くしたジーナの悲しさを表しているのかもしれません。

『紅の豚』のモデルとなった場所

イタリアのアドリアーノを舞台とした本作品ですが、実際にモデルとなっている場所があります。それは、クロアチアにあるドゥブロヴニク旧市街でヨーロッパの真珠と言われる街です。 街はアドリア海に面しており、鮮やかなオレンジ色の屋根と白い壁で統一した建物が立ち並ぶ美しい風景は、映画の場面を切り取ったよう。また、実際にモデルになったかは定かではありませんが、イタリアに「ホテル・アドリアーノ」という同名のホテルが存在しています。