ヴォルデモート卿はどのように最恐の魔法使いになったのか?名前の秘密から生涯まで【ハリー・ポッター】
タップできる目次
- ヴォルデモート卿の人物像・目的
- ヴォルデモート卿の正体と名前を言ってはいけない理由
- ヴォルデモート卿にはなぜ鼻がないのか?
- ヴォルデモートはなぜハリー・ポッターを狙う?
- 【生涯①】ヴォルデモート卿の出生の秘密とは?
- 【生涯②】学生時代にも闇の片鱗が見え隠れ
- 【生涯③】分霊箱に執着し殺人を重ねる
- 【生涯④】ヴォルデモート卿として恐れられる
- 【生涯⑤】「ハリー・ポッター」での悪名高い活躍
- 【生涯⑥】ヴォルデモート卿の最期・死因は?
- ヴォルデモート卿の性格と能力
- ヴォルデモート卿の強さの秘密は分霊箱
- ヴォルデモート卿の交友関係
- ヴォルデモート卿には子供がいた!
- モデルはヒトラーだった?
- 演じているキャストは総勢6人!
- ヴォルデモート卿は「ハリー・ポッター」随一の闇を持つキャラ
ヴォルデモート卿の人物像・目的
名前 | ヴォルデモート卿 |
---|---|
別名 | 名前を言ってはいけないあの人 , 闇の帝王 , トム・マールヴォロ・リドル |
家系 | サラザール・スリザリンの子孫 , 半純血 |
外見 | 青白い肌 , 髪の毛や眉毛などがない , 鼻がない |
杖 | イチイの木に不死鳥の羽根の芯 |
闇の魔法使いであるヴォルデモート卿。徹底的な「純血主義」であり、半純血の者やマグル出身の者を全て排除しようと企んでいました。 彼は赤ん坊時代のハリー・ポッターの命を狙いますが、母親であるリリー・ポッターの魔法によって自らの呪文が跳ね返り、肉体と魔力を失ってしまいます。しかし、分霊箱に自身の魂を保存していたことから、死から免れることに。 こうして、自身の完全復活と純血主義に基づく世界の構築を目論むようになります。
ヴォルデモート卿の正体と名前を言ってはいけない理由
魔法使いたちの多くは、ヴォルデモートを名前で呼ぶことを避け「名前を呼んではいけないあの人」や「例のあの人」などと呼んでいました。これは名前を出すことすら恐ろしいと思われていたためです。彼の配下であるデスイーターたちも、ヴォルデモートのことは「我が君」や「闇の帝王」、「ご主人様」と呼んでいます。 一方、「ヴォルデモートを恐れるべきではない」と考えているダンブルドアは、彼を名前で呼んでいます。しかしその後ヴォルデモートの勢力が強まると、彼の名前を呼ぶと保護呪文が破られて居場所が知られてしまい、デスイーターがやってくるようになりました。一般の魔法使いは、身を守るためにやはり彼の名前を呼ぶのは避けていたようです。
ヴォルデモート卿とトム・リドルの関係は?
実はヴォルデモート卿は本名ではなく、「トム・マールヴォロ・リドル」が彼の真の名前でした。しかし彼は、自分の父親がマグルだったことを知り、この名前を嫌悪するようになります。 そこで本当の名前である「Tom Marvolo Riddle」を入れ替えて「I am Lord Voldemort(私はヴォルデモート卿だ)」と名乗り始めたそう。 ちなみに、ヴォルデモートの語源はフランス語の「Vol de mort(死の飛翔、死の窃盗の意味)」であり、名前からも不吉な雰囲気を漂わせています。
ヴォルデモート卿にはなぜ鼻がないのか?
父親譲りの整った顔立ちを持ち、ホグワーツ在籍時にはその美貌で教授たちを操っていたヴォルデモート卿。しかし年齢を重ねるにつれ、見た目は醜く変貌していきます。 第1作目『ハリー・ポッターと賢者の石』のクィリナス・クィレル先生に憑依していた頃、すでに顔が変形し始めていました。その後、第4作目『ハリー・ポッターと炎のゴブレット』では完全に鼻が消失し、青年期とは似ても似つかぬ顔つきになります。 その理由は、映画シリーズでは一切語られていません。しかし原作では、分霊箱が彼の顔に影響を与えたと明記されています。 分霊箱を作成すればするほど己の生命を持続させることを可能にしますが、その代償として「人間性」を奪っていくのです。その結果として、彼の容貌は醜く変化していったということでしょう。
ヴォルデモートはなぜハリー・ポッターを狙う?
ハリーを狙った「予言」の秘密
ハリーが生まれるよりも前、ヴォルデモートが魔法界を混乱に陥れ、不死鳥の騎士団との戦いをくり広げていたころ、シビル・トレローニーが1つの予言をしました。 それは、「7月の終わりに、帝王を倒す男の子が、帝王に3度抗った両親のもとに生まれる」というもの。ヴォルデモートは自身を倒すという予言から、ハリーを狙い続けているのです。 実は、この条件に当てはまっていた子どもが2人いました。1人が、7月31日生まれのハリー・ポッター。そしてもう1人が7月30日生まれのネビル・ロングボトム。 ハリーが「選ばれし者」になったのは、ヴォルデモート自身が自分を倒すのはハリーだと当たりをつけて襲いに行ったからで、ヴォルデモートは自ら自分を倒す男の子を選んだことになります。
ヴォルデモートはなぜハリーを殺せなかった?
では、ヴォルデモートはなぜ赤子だったハリーを殺すことができなかったのでしょうか。ヴォルデモートが赤ん坊のハリーを殺しに行った際、彼の母リリーが身を挺して息子を守りました。このときの彼女の「愛の護り」によって、ヴォルデモートがハリーに放った「死の呪い」が跳ね返り、ヴォルデモートは肉体を失ってしまいます。 その後も、リリーの愛はハリーを護り続けていました。愛は魔法界で最も強力な魔法で、唯一「死の呪い」に対抗することができます。愛と魔法の関係は神秘的な領域で、魔法省神秘部には愛を研究する部屋も存在するほど。 愛を知らずに育ったヴォルデモートは、その力を理解することができず、「力こそが愛に勝る」と愛の魔法を常々軽視していました。「死の秘宝」でも、ドラコを心配したナルシッサ・マルフォイがヴォルデモートに噓をついたことで、ハリーが生きながらえるなど、「愛の力」が重要な意味を持っていますね。
【生涯①】ヴォルデモート卿の出生の秘密とは?
出生の秘密
トム・マールヴォロ・リドルの母メローピー・ゴーントは純血の魔女で、サラザール・スリザリンの直系の子孫でした。父や兄から虐待を受け、家を飛び出したメローピーは、やがて裕福なマグルのトム・リドルに熱烈な恋をし、愛の妙薬で彼をだまして結婚。彼との間に子どもを授かりますが、だまされたと気づいた夫は彼女のもとを去ります。 愛する夫に逃げられたメローピーは廃人同然に。ロンドンのウール孤児院で出産した彼女は、生まれた息子をトム・マールヴォロ・リドルと名付け、まもなく息を引き取りました。その後、トムは自身の出自を知らないままマグルとして孤児院で育ちます。
孤独な幼少期
母の死の直前、彼女の夫と父にちなんでトム・マールヴォロ・リドルと名付けられた彼は、そのまま孤児院で育ちます。 彼は早くから自分の魔力に気づいていましたが、マグルの孤児院の職員たちは彼の母親について何も知らず、魔法に関する知識もありませんでした。トムは孤児院の気に入らない子どもに魔法で仕返しすることもありました。周囲は彼を恐れ、トムは孤独な幼少期を送ります。
【生涯②】学生時代にも闇の片鱗が見え隠れ
優秀なスリザリン生としての仮面
トムが11歳のとき、ウール孤児院にアルバス・ダンブルドアが現れ、彼は魔法使いの子どもとしてホグワーツに通うことになりました。 彼はスリザリン寮に組分けされます。ホグワーツ在学中は優れた頭脳と才能の持ち主として知られ、ダンブルドアに「ホグワーツ始まって以来の秀才」と評されるほどでした。5年生のときには監督生に、7年生のときには主席に選ばれています。
秘密の部屋事件で暗躍
トム・リドルは5年生になると、まもなくホグワーツ内の秘密の部屋を発見し、その中にいたバジリスクを手なづけます。そして、トムは1943年にバジリスクを仕向け多くのマグル生まれの生徒を襲撃。 一連の事件により、理事会は学校を閉鎖することを決定します。しかし孤児院に戻りたくないトムは、秘密の部屋を閉じて誰かを犯人に仕立て上げれば、学校はつづくと考えました。そこでルビウス・ハグリッドとアクロマンチュラのアラゴグに濡れ衣を着せることに。 ハグリッドは退学処分になってしまいますが、真犯人の存在を疑ったダンブルドアの進言で、彼は森番としてホグワーツに残ることになりました。
【生涯③】分霊箱に執着し殺人を重ねる
マグルの父方一族を殺害
1943年の夏、トム・リドルは母方の家系を調べるため彼女の故郷を訪れます。そこで伯父のモーフィンに会ったトムは、「マグルの父親にそっくりだ」と言われて激昂。彼はモーフィンを気絶させて杖を奪い、リドルの屋敷へ向かい、その杖で死の呪いをかけ、父親と祖父、祖母を殺害しました。 その後トムはモーフィンの記憶を改ざんし、彼がリドル家の人々を殺害したと信じ込ませます。彼は家宝の指輪をモーフィンから奪って身につけていました。 また彼はホグワーツ卒業直前、レイブンクロー寮のゴースト、ヘレナ・レイブンクローをそそのかして、レイブンクローの髪飾りの在り処を聞き出します。そしてアルバニアの人里離れた森で、髪飾りを回収しました。
スリザリンのロケットとハッフルパフのカップを得る
ホグワーツ卒業後、トム・リドルはヘプジバ・スミスという年老いた魔女と親しくなります。蒐集家だった彼女は、スリザリンのロケットとハッフルパフのカップを所有していました。トムはその2つを奪うため彼女を殺し、屋敷しもべのホキーにその罪を着せて、跡形もなく姿を消します。 そして彼は、ヘプジバと無名のマグルの放浪者の殺害を利用して、2つを分霊箱にしました。
【生涯④】ヴォルデモート卿として恐れられる
ホグワーツを再訪
1956年ごろの冬、トム・リドルはホグワーツで「闇の魔術に対する防衛術」の教授になるため、当時すでに校長となっていたダンブルドアのもとを訪ねます。しかし彼の本当の目的を見抜いたダンブルドアは、申し出を却下しました。 そこで彼は“自分の命のある限り、「闇の魔術対する防衛術」の教授が1年以上の任期を務めることはない”という呪いをかけます。 またこのとき、彼は自分の分霊箱にしたレイブンクローの髪飾りを「必要の部屋」に隠しました。
第一次魔法戦争
1970年、ヴォルデモートとその部下であるデスイーターたちは第一次魔法戦争を起こします。彼らは「マグル生まれ」や「半純血」の魔法使いの粛清に乗り出しました。その過程で、彼らの主義に反対する魔法使いたちも、多数命を落とします。 1979年ごろ、シビル・トレローニーによって「ヴォルデモートを倒す者が7月の終わりに生まれる」という予言がされると、それがポッター家の赤ん坊であることを突き止めます。ヴォルデモートは一家を皆殺しにしようとしますが、赤ん坊のハリーだけは殺すことができず、呪文が自身に跳ね返り弱体化してしまいました。
【生涯⑤】「ハリー・ポッター」での悪名高い活躍
ハリーがホグワーツに入学してから、ヴォルデモートは毎年のように彼に罠を仕掛け、復活の機会をうかがっていました。1年目には賢者の石で肉体の復活を狙いますが失敗。2年目には分霊箱である日記の力でジニー・ウィズリーを操り、秘密の部屋を開けさせバジリスクを解放します。多数の生徒が石化させられましたが、ハリーによって日記は破壊されてしまいました。 そしてついに4年目、バーテミウス・クラウチ・ジュニアの協力で「ハリーの血」で肉体を取り戻します。1996年には死喰い人たちとともに、ハリーと彼を守る不死鳥の騎士団との間で「神秘部の戦い」をくり広げますが、ハリー殺害に失敗。 1998年までに魔法省を掌握するなど勢力を拡大し、同年5月に「ホグワーツの戦い」にて死亡しました。
【生涯⑥】ヴォルデモート卿の最期・死因は?
なぜハリーは死ななかったのか?
1995年、ヴォルデモートは肉体を復活させるために「ハリーの血」を使いました。ハリーの血には彼の母リリーが使った防御呪文が残っており、ヴォルデモートもそれを取り込んでしまったのです。このことでハリーは、ヴォルデモートの肉体が生きている限り死ななくなりました。 その後ヴォルデモートは分霊箱の1つであるハリーに死の呪いを使いますが、先ほど説明したとおりハリーが死ぬことはなく、彼に残っていたヴォルデモートの魂だけが破壊されたのです。
ハリーが駅で見たヴォルデモートはなぜ赤ちゃんの姿だった?
ハリーは自分の中のヴォルデモートの分霊箱が破壊された際、真っ白な駅のような場所に出ます。そこは生と死の間の世界でした。 その場所でハリーが見つけた赤ん坊は、ヴォルデモートの壊れた分霊箱です。ハリーは赤ん坊だったころにアクシデントでヴォルデモートの分霊箱となってしまったため、分霊箱も赤ん坊の姿をしていたのではないでしょうか。
ヴォルデモート卿の杖が運命を握っていた!死因を解説
ハリーとヴォルデモートの最終決戦までに、ニワトコの杖の所有者は次々に変わっていきました。ダンブルドアを殺したスネイプがニワトコの杖の所有者だと考えたヴォルデモートは彼を殺しますが、実際にその時の杖の所有者はダンブルドアの武装解除したドラコ・マルフォイでした。 そしてその後ハリーがドラコの武装解除し、ニワトコの杖の忠誠心はハリーに移ります。 ヴォルデモートは最後の決闘で、ハリーが真の所有者となっていることを知らないまま、ニワトコの杖を使って死の呪文をかけてしまいます。その結果、ハリーにかけた魔法がそのまま跳ね返り、最期を迎えるのです。 ヴォルデモート卿がニワトコの杖を所有できていたら、あるいは所有者が誰なのか見抜いていたら……勝敗は大きく変わっていたでしょう。
ヴォルデモート卿の性格と能力
サイコパスに近い?冷酷非道な性格
ヴォルデモート卿が恐れられる最も大きな理由としては、彼の残酷さでしょう。過激な優性思想を持ち合わせており、基本的に純血でない者を虫けらのように扱うのです。幼い頃から、自分より劣るものは皆、属従すべきという考え方を持っていたためだと思われます。 さらに、最もタブー視されている「死の呪い」をいとも容易く乱発できるのも彼の特徴。冷静さを欠くと、感情のままに自身の部下を殺害するといった、サイコパスのような行動も目立ちます。 部下に強い忠誠心を求めるヴォルデモートは、自分に絶対の服従を誓うルシウス・マルフォイが気に入っている様子。またダンブルドアへのスパイとして暗躍しているスネイプもお気に入りの1人です。実際にはスネイプは二重スパイでしたが、これを見抜けないほど信頼を寄せていたようです。
背景にはコンプレックスと歪んだ自己愛が
強烈な純血主義者であるヴォルデモートですが、前述したとおり彼自身は半純血です。マグルの父を憎むあまり純血思想に染まっていった彼は、自らが半純血であることにコンプレックスに持つようになりました。 それを補うために、彼は自分のことを特別な存在だと思い込むようになります。自分が純血でないことと、純血主義を両立させるためには、「自分はほかの魔法使いとは違う、特別な存在だ」と考える必要があったのです。 こうした強いコンプレックスと歪んだナルシシズムを背景に、ヴォルデモートは純血の魔法使いによる魔法界支配を目指し、半純血やマグル生まれの魔法使いや魔女を根絶やしにしようとしていたのです。
強大な魔力
ヴォルデモート卿の恐ろしさは、膨大な魔力にもあります。例えば、「アバダ・ケダブラ」という死の呪い。これを無制限で乱発できるのも、実は彼の魔力が無尽蔵だからこそ為せる技なのです。 ホグワーツの戦いでは、何百人が攻撃しても破れなかった防御魔法をたったの一撃で消滅させるほどの実力を発揮。さらには、「ニワトコの杖」を使用していたダンブルドアと互角に戦った経歴もあります。 また、“ホグワーツ始まって以来、最高の秀才”と言われるほどの頭脳を持っており、頭脳戦でも突出した才能をみせていました。他者の記憶の改ざんを行うことで、学生時代には完全犯罪を成し遂げたことも。 史上最強の魔法使いの1人とされている彼は、ダンブルドアにも「いかなる巧妙な魔法を用いても、ヴォルデモートには必ず破られる」と言わしめるほどです。
ヴォルデモート卿の強さの秘密は分霊箱
そもそも分霊箱とは?
ヴォルデモート卿は自身の魂を7つに分裂させ、生物や道具といったあらゆる物に隠していました。それが「分霊箱」です。彼は分霊箱に魂を保存することで、不死能力を得ていたのです。 つまり、「分霊箱」こそがヴォルデモート卿の命そのもの。彼を倒すためには「分霊箱」が大きな鍵となるというわけです。 ちなみに、「分霊箱」を作るためには生贄を捧げる必要性があり、分裂させるたびに彼は殺人を犯していました。この方法は魔法界でもっとも悪しき行為とされており、「分霊箱」の存在を知る者が少ない上、そのことについて語ること自体が禁じられていたようです。
ヴォルデモート卿の分霊箱は7つ
ヴォルデモートは死を免れるために、6つの分霊箱を作りました。これと自身の体にある魂をあわせて、魂を7つに分けたと考えていたのです。 ヴォルデモートが作った分霊箱は「トム・リドルの日記」、「マールヴォロ・ゴーントの指輪」、「サラザール・スリザリンのロケット」、「ロウェナ・レイブンクローの髪飾り」、「ヘルガ・ハッフルパフのカップ」そして「ナギニ」です。 しかし彼は、赤ん坊のハリーを殺そうとした際にリリーの防御呪文で攻撃をはね返されてしまい、ハリーはヴォルデモートの意図しない、7つ目の分霊箱になりました。そのため、ヴォルデモートの魂は8つに分けられています。
ヴォルデモート卿の交友関係
ナギニ
ヴォルデモート卿が飼っていた蛇、ナギニ。 シリーズ内では、蛇語を用いてコミュニケーションをとるシーンが幾度となく描かれました。また、ダンブルドアが作中で「ヴォルデモートが何かを好きになることがあるとすれば、それはナギニである」と語っており、非常に結びつきの強い関係性があるようです。 そんなナギニは、バーサ・ジョーキンズを殺したことを機にヴォルデモート卿の分霊箱となります。しかし、『ハリー・ポッターと死の秘宝 PART2』でネビル・ロングボトムに切られ、分霊箱として破壊されてしまうのでした。 彼らの関係性の背景について、『ファンタスティック・ビーストと黒い魔法使いの誕生』ではナギニが元人間だったことが示されています。ただし2人がどうやって出会ったのか、どんな関係を築いていたかなどの詳細は未だ明かされていません。
ハリー・ポッター
宿敵であるヴォルデモートとハリーですが、実は2人とも「死の秘宝」の最初の所有者であるペベレル兄弟の子孫です。魔法使いの世界は狭いので、ほとんどすべての家系が、なにかしらのかたちでつながっているのです。 ハリーとヴォルデモートには後に不思議なつながりが生まれましたが、遠い親戚だったというのも彼らの共通点の1つです。
不死鳥の羽で作られた杖の罠
ヴォルデモート卿が使用していた杖は、イチイの木と不死鳥の尾羽根で作られたものでした。イチイの木は死と再生のシンボルだそうで、キャラクター性にマッチした素材だと言えます。そして、この杖が要因の1つとなって彼の勝負の行方が左右されていくのです。 それは『ハリー・ポッターと炎のゴブレット』でのこと。復活を果たしたヴォルデモート卿は15年の時を経てハリー・ポッターと対峙し、死の呪文を放ちます。 しかし、15年前同様に死の呪文は失敗に終わってしまいました。なぜならハリーとヴォルデモートの杖は、同じ不死鳥の尾羽を使った「兄弟杖」だったから。「兄弟杖」同士が呪文を唱えると通じ合いを起こし、うまく作動しなくなるのです。 このことから、死の呪文がハリーにうまく作用できませんでした。 そして、『ハリー・ポッターと死の秘宝 PART1』でもヴォルデモート卿はハリーに襲いかかりますが、同様の理由で殺害に失敗するという展開になります。
アルバス・ダンブルドア
アルバス・ダンブルドアは、人間界にいたトム・リドルを魔法界に連れて来た張本人です。しかし彼は初めてトムに会ったときから、その危険性を見抜いていました。後にダンブルドアが語ったところによると、彼は“本人のためではなく、ほかの者のために”トム・リドルから目を離すまいと決めたとのこと。 ヴォルデモートもアルバス・ダンブルドアには一目置いており、第一次魔法戦争のときには、彼が校長を務めるホグワーツは数少ない安全な場所の1つとして知られていました。
ヴォルデモート卿には子供がいた!
実は、ヴォルデモート卿はベラトリックス・レストレンジとの間にデルフィーニという娘をもうけていました。 レストレンジは夫よりヴォルデモート卿を深く愛していましたが、肝心のヴォルデモート卿は愛という感情への理解がありません。娘のデルフィーニは、“相思相愛の結果生まれた子供”というわけではないようです。 ちなみに、デルフィーニは『ハリー・ポッターと呪いの子』でベラトリックスの夫、ロドルファス・レストレンジの元でひっそりと育つ様子が描かれています。そして最終的には、父の復活を目論んで人を殺すという罪を犯し、アズカバンに投獄されるという結末を迎えました。
モデルはヒトラーだった?
ヴォルデモート卿は実は、ナチス・ドイツを率いた独裁者アドルフ・ヒトラーがモデルなのではないか、という噂が浮上しています。なぜなら、ヴォルデモート卿とアドルフ・ヒトラーにはいくつかの共通点が見られるのです。 例えば、人間である父親をひどく軽蔑していたヴォルデモート卿に、DV行為や将来像の相違から父親に対する強い嫌悪感を抱いていたアドルフ・ヒトラーの姿が重なります。2人とも、父親に対する強いコンプレックスを持っていたのです。 また、過激な差別主義をもち合わせているところが共通している上、両者ともに差別促進のプロパガンダを行っています。 魔法省を完全に支配したヴォルデモート卿は、“マグル(非魔法族)生まれや半純血が純血社会を脅かす”と書かれたパンフレットを配布。ヒトラーの場合も、ロマ人やゲイの人々をターゲットにしながら、メインはユダヤ人を中傷する目的でプロパガンダを掲げてきました。 ここから、彼らの家族関係や思想が共通していることがわかります。しかし、ヴォルデモート卿のモデルに関する公式の発表はなく、真実は未だ闇のままです。
演じているキャストは総勢6人!
ヴォルデモート卿を演じたのは1人ではなく、6人ものキャストたちでした。 それもそのはず、ヴォルデモート卿は、孤児院で過ごした幼少期から復活した時までスクリーンに登場しています。各時代に合ったキャスティングをするためには、ヴォルデモート卿役が計6人になってもおかしくはありません。 『ハリー・ポッターと謎のプリンス』での11歳のリドル回想シーンをヒーロー・ファインズ・ティフィン、同作で16歳・18歳の回想シーンをそれぞれフランク・ディレイン、マイケル・ベレントが担当。 『ハリー・ポッターと秘密の部屋』での17歳のリドル回想シーンは、クリスチャン・コールソンが演じています。そして、復活後のヴォルデモート卿は2人の俳優が担当しました。 第1作目でクィリナス・クィレル先生の後頭部に憑依していた頃を演じたのは、リチャード・ブレマー。そして『ハリー・ポッターと炎のゴブレット』で、完全復活したヴォルデモート卿をレイフ・ファインズ**が演じています。 このように、多くのキャストによって演じられたヴォルデモート卿ですが、一貫して闇深いオーラを漂わせており、彼の人物像がブレることはありませんでした。
ヴォルデモート卿は「ハリー・ポッター」随一の闇を持つキャラ
今回、ヴォルデモート卿の誕生秘話や彼にまつわるトリビアなど、様々な角度からキャラクター解説をしました。彼について知れば知るほど、その底知れぬ闇の深さを感じたのではないかと思います。 この記事を読み終えたあなたは、もう2度とその名前を口にしてはいけません。何と言っても、“名前を言ってはいけないあの人”ですから……。