『千と千尋の神隠し』坊はなぜネズミに?声優・部屋から父親の謎まで解説!
まるまると太った巨体の赤ちゃん・坊。1度観たら忘れられないくらいインパクトのある強烈なキャラクターですが、『千と千尋の神隠し』の登場人物のなかでも人気が高く、可愛いともいわれます。 千尋とはじめて出会うシーンでは、どこにも行かないで自分と遊んでほしいと泣き叫ぶ姿が印象的でした。甘やかされて育ったせいでわがままな性格ですが、ときどき妙に素直になったり、健気な一面があったりと、なんだか憎めません。 丸いほっぺも、赤い腹掛けも、見慣れるととてもかわいらしく思えてきます。この記事では、そんな坊のプロフィールからセリフや父親、そしてネズミになった理由まで解説していきましょう。
【概要】『千と千尋の神隠し』坊のプロフィール

(画像左) 坊は湯婆婆の一人息子で、巨大な身体と見た目そのままの赤ん坊のような言動が特徴のキャラクター。甘えん坊でわがままな性格な上、体が大きいため怒って大暴れすると部屋を破壊してしまうほど! 湯婆婆は坊を溺愛しており、部屋から外に出そうとはしません。あまりにも過保護な環境で守られてきた結果、体だけが大きくなり、心は幼いまま成長が止まってしまったようです。そのため、年齢は不詳となっています。
【正体】坊は湯婆婆の子ども?

坊は湯婆婆の子どもですが、父親はわかっていません。 母親である湯婆婆に甘やかされて育ったせいで、凶暴な性格になってしまいました。嫌なことがあればすぐに泣き叫び、そうすれば湯婆婆がすべて解決してくれると思っています。 父親が不明なだけでなく、湯婆婆のことを「バーバ」と呼んでおり、年もかなり離れているようなので、坊と湯婆婆の関係には謎が多いといえるでしょう。坊は本当に湯婆婆の子どもなのか疑問に感じますが、公式は、「湯婆婆が溺愛する息子」であると発表しています。 ひょっとしたら湯婆婆は坊が自分を置いていかないよう、閉じ込めて外に出さないようにしていたのかもしれません。
【解説】坊が坊ねずみにされた理由は?

湯婆婆の支配的な愛情によってずっと閉じ込められて育ってきた坊は、わがままで凶暴な性格の子供に育っていました。契約印を盗んだハクを懲らしめるために追ってきた銭婆は、湯婆婆の行いを咎めて坊を小さなねずみの姿に変えてしまいます。 しかし小さなねずみに変身したことで、外の世界に触れるきっかけを持つことに。千尋と一緒に様々なことを経験し、大きく成長していく坊。人間は外の世界に触れなければ成長できない、ということを教えてくれる存在です。
なぜ「ねずみ」だったのか
坊のわがままは、その巨体を揺らして思い切り泣けば周囲が従うという、誰も逆らえない環境で増強されていました。それがねずみに変えられたことで、弱く小さな踏みつぶされかねない存在になってしまい、とても心細くなります。 それまでは湯婆婆が外に出さずに過保護に育ててきましたが、認知されにくいちっぽけな存在になって外の世界へ出たことが「守られる側の不安」を坊に実感させるきっかけとなったのです。
【部屋】坊の生き方や湯婆婆の意図がつまった空間
坊が居るのは湯婆婆の屋敷の最上階の部屋で、窓がないことで外の景色すら坊から奪っていることがわかります。窓があれば外の世界からの情報を取り入れられる可能性が高く、そこからの脱出も可能です。 おそらく、湯婆婆は「自分が裏でやっていることを知られては、坊に嫌われてしまう」と考え、自分の悪事を隠す目的もあって坊を部屋に閉じ込めていたのかもしれません。 坊の部屋の床はソファのようなクッション性がある柔らかいもので作られており、万が一巨体で転んでもケガの心配はなさそう。坊を大切に思うあまり、過保護になっているのは間違いなさそうです。
【セリフ】「泣いちゃうぞ」など坊の印象的な名言一覧
わがままで凶暴な坊ですが、時折とても可愛らしい一面を垣間見せます。可愛らしさがよく現れているセリフを紹介しましょう。
「坊とあそばないと泣いちゃうぞ」
千尋とはじめて出会うシーンで、千尋に遊んでほしいとお願いをする坊。相手に強要することでしか気持ちを伝えることができない不器用さが見えるセリフです。 この後、坊はさらに「坊が泣いたらすぐにばあばが来て、お前なんか殺しちゃうぞ」と千尋を脅す発言も。これを聞いた千尋はこの時は完全に怖がって警戒していました。
「おんもは体に悪いんだぞ」
ケガをしているハクを追って坊の部屋に入ってきた千尋に、「お前病気うつしにきたんだな」と言う坊。湯婆婆から外はばい菌がいっぱいいると口酸っぱく言われ続けてきたのでしょう。そして「おんもは体に悪いんだぞ」と言います。 「おんも」とは家の外のことを指す赤ちゃん言葉。こんな赤ちゃん言葉を使うあたりが、坊の幼さを強調しています。
「千を泣かしたらバーバ、嫌いになっちゃうからね」
銭婆のところから一緒に戻ってきた千尋と坊。ハクが千尋を人間の世界へ戻してほしいと頼みますが、湯婆婆は「契約がある」と譲りません。しかしその時、坊は「バーバのケチ。もうやめなよ」と言ってこのセリフを続けました。 外の世界に触れ、大きく成長した坊の様子がよくわかる言葉です。親離れを感じさせ、千尋への愛情も伺えます。
【家族】坊と湯婆婆の関係性は?父親不在が示すもの
坊を溺愛する湯婆婆は、外の世界には悪いものがたくさんあると言って坊の行動を制限し、部屋に閉じ込めて支配してきました。確かに愛情深くはありますが、子育てとしては誤った過保護なもの。 さらに父親の存在は一度も言及されておらず、坊の世界が湯婆婆一人によって完結してしまっているのも、坊の成長を妨げていました。父親の不在が、坊が「自立を促される場面」を一度も与えられなかった最大の原因だったのかもしれません。
【考察】坊の父親は誰?
坊の父親の情報は公式には発表されていないため、ジブリファンの間では様々な憶測があるようです。特に以下の3つの説が有力なものとなっています。
①外の世界の男性が父親説
母親である湯婆婆の姿は魔女ということもあり、普通の人間とはかなり違って頭部が大きくなっています。しかし坊の見た目はただ巨体であることを覗けば、割と普通の人間に近いもの。そのためか、坊の父親は外の世界から来た人間なのではないかという説があります。 しかし湯婆婆は外の世界も人間も嫌っており、外の世界から来た男性と恋愛関係に発展するとは到底考えられないため、この説はあまり信ぴょう性は高くないかも。
②釜爺が父親説

湯婆婆と年齢層が近いと思われ、昔から面識がある釜爺が父親なのでは?という説もあるようです。確かに釜爺は長年油屋で働いているようでもあり、湯婆婆とはかなり古い付き合いである様子。 しかし釜爺は湯婆婆を危険な人物として認識しており、どう考えても湯婆婆と釜爺が恋愛関係にあったとは思えず、その可能性はかなり低いのではないでしょうか。
③坊は魔法によってうまれた説
まったく父親の影が感じられないため、もしかすると坊は魔女である湯婆婆の魔法から生まれた子どもなのかも?という説も有力なようです。そもそもかなり高い年齢である湯婆婆に子どもがいるという点も不思議。 魔法で生まれた子どもであるならば、高齢なのに子どもがいることも、父親が居ないということにも説明がつきます。この説が一番納得感のある考察かもしれませんね。
【役割】小さな千尋との対比である大きな坊

物語の中での坊の役割は、成長していく千尋との対比として大きな意味を持っています。巨体でわがままな坊は湯婆婆による甘やかしの結果としての「未成熟」を表しており、湯婆婆の支配と過保護の象徴です。 一方で千尋はまだ幼いながら油屋で必死に働き、自立していく様が見て取れます。体が大きいだけで何も自分ではできない坊はその対比として登場しているのです。しかしその坊も、千尋と行動をともにすることで影響を受け、最後には自分の足で立つこともできるようになっていました。
【声優】『千と千尋の神隠し』坊役は8歳の神木隆之介

坊の声優を務めているのは、なんと当時8歳の神木隆之介です。近年では『サマーウォーズ』や『君の名は。』など日本を代表するアニメ映画で声をあてていることで知られていますが、彼のキャリアはこの頃からはじまっていました。 神木隆之介は『千と千尋の神隠し』以外にも、『ハウルの動く城』や『借りぐらしのアリエッティ』などのジブリ作品で声優を務めています。
『千と千尋の神隠し』坊はネズミになって湯婆婆から自立した
湯婆婆に過保護に育てられた坊でしたが、銭婆にねずみに変えられたがために自立するきっかけを得ました。最後は千尋の味方にもなり、物語の対比構造を担う重要な役割でもあります。坊に注目して、また作品を鑑賞してみてはいかがでしょうか?



