2017年7月6日更新

『千と千尋の神隠し』に出てくる大根の神様はおしら様?

『千と千尋の神隠し』にはいろいろな外見の神様が登場しますが、みんなどこか愛らしい面をもっています。おしら様はまさにその典型といったところでしょう。千尋に優しく接してくれたこの神様に隠されたドラマを紐解いていきましょう。

キモカワイイ?『千と千尋の神隠し』おしら様をクローズアップ!

不思議な世界で両親を豚に変えられた千尋は、魔女の湯婆婆が経営する湯屋「油屋」の従業員として働くことに。そんな油屋には、外見から中身まで実に個性的な神様たちが続々と訪れます。

その中でも、ひときわ目を引く変わった神様がいます。頭に赤いお椀のようなものを被り、真っ白くどっしりとした体と、しっかりと締めたふんどしが印象的な神様で、大根の神様ともいわれています。

じつは農耕や馬の神様!

『千と千尋の神隠し』おしら様

この大根の神様、名前はおしら様と呼ばれている神様です。劇中では大根の神様として登場していますが、実際は養蚕、農業、馬の守り神として有名です。農業の神様なので、ベストなモチーフなのかもしれません。

その本来のお姿は、東北地方で信仰されている家の神様です。東北地方以外にも、茨城県や静岡県などに、おしら様を祀った神社が存在しています。

子供好きな神様とその誕生秘話

おしらさま

子供好きな神様とも言われるおしら様。劇中でも千尋が湯婆婆に会いに行くための付き添いをしてくれたこともあります。そんなおしら様の誕生エピソードは意外にも物悲しい雰囲気の漂うものでした。その昔、農家の娘があろうことか一頭の雄馬に恋に落ちます。怒った父親は馬を殺害しますが、馬と共に娘の魂も昇天。かくして、娘の魂はおしら様となったのです。

人の生活に寄り添う優しい神様

おしら様の出番は決して多くはありませんが、その存在感で観る者に強い印象を与えました。千尋は両親ともども元の世界に戻りましたが、おしら様は今日も油屋を訪れているのかもしれませんね。

ちなみに、本来のおしら様は桑の木で作られた人形で、男性や女性、馬などが彫られています。戦国時代にはすでに人々の信仰の対象となっていたというおしら様。地方によって名前や外見は異なりますが、人の生活に寄り添った優しい神様であることに変わりはないようです。