2024年5月7日更新

錆兎(さびと)と冨岡義勇の衝撃の過去とは?友の死が与えた影響や2人の関係性を解説【鬼滅の刃】

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『鬼滅の刃』錆兎(さびと)とは?

鬼滅の刃 錆兎
©︎我妻呼世晴/集英社
立場 元水柱・鱗滝左近次の弟子
呼吸 水の呼吸
年齢 13歳
髪色 宍色(ししいろ:黄みがかった赤色)
身長 不明
声優 梶裕貴

原作第4話で登場する、宍色の髪と口元から頬にかけてできた大きな傷が特徴的な少年・錆兎(さびと)。 彼は最終選別直前の試練、挫けそうになっていた炭治郎の前に突然姿を現し、一緒に行動している少女・真菰とともに彼の修行を手助けします。なおこの時、人並外れた嗅覚を持つはずの炭治郎はなぜかふたりから匂いを嗅ぎとることが出来ませんでした。 正義感が強く、男気溢れるキャラクターなようで作中では「男なら」と何度も口にしています。 錆兎と真菰はどちらも孤児で血のつながりはないものの、鱗滝(うろこだき)に拾われ一緒に育ったという過去を持ちます。なお、ふたりが普段つけている厄除のお面は、鱗滝が彼らのために作ってくれたものです。

鱗滝の弟子の中で一番強かった?

鬼滅の刃 鱗滝左近時

錆兎は13歳という若さですでに「水の呼吸」を修得しており、鱗滝の弟子の中でも別格の実力を誇ります。その強さは、彼の動きを見た炭治郎の「無駄な動きが少しもない」、かつて彼と戦った手鬼の「一番強かった」という評価からも明らかです。 錆兎をよく知る水柱・冨岡義勇もしばしば、彼のことを自分より格上のように語っているので、順調にいけば柱として活躍していた可能性もかなり高いでしょう。

錆兎と冨岡義勇は鱗滝門下の同期として出会う

冨岡義勇

錆兎と義勇は少年時代に鱗滝門下の同期として出会い、ともに日々鍛錬に励んでいました。彼らはどちらも大切な家族を鬼に皆殺しにされ、天涯孤独となった身。同い年という共通点もあり、あっという間に仲良くなりました。 作中では一緒におにぎりを食べたり屈託なく笑い合ったりする姿が描かれ、気心の知れた関係を築いていたのがわかります。錆兎が義勇を叱咤激励する場面もあるため、うわべだけではない強い絆で結ばれていたのでしょう。

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錆兎と義勇の運命を分けた最終選抜

錆兎は手鬼と戦い死亡

鬼滅の刃
(C)吾峠呼世晴/集英社・アニプレックス・ufotable

錆兎は義勇とともに岩の試練を乗り越えて最終選別にまで到達しました。そこで他の者を助けながら数多くの鬼を倒す活躍を見せるも、手鬼(ておに)という奇怪な姿の鬼に目をつけられてしまいます。 手鬼はとある理由から鱗滝を心底憎んでおり、選別に訪れた彼の弟子達を執拗に狙っていました。錆兎は懸命に戦いましたが、手鬼の固い頸を斬り損ねたうえに刀が折れてしまい、そのまま頭を握りつぶされ命を落とします。

義勇は錆兎に助けられ最終試験を突破

一方の義勇は試験の序盤で鬼に怪我を負わされ、そのせいで意識が朦朧としていました。錆兎はそんな彼を助けたうえで別の少年に預け、すぐにどこかへ行ってしまいます。というのも錆兎は他の者を助けるため、たったひとりで鬼を倒し続けていたからです。 怪我で朦朧としていた義勇は戦える状態にありませんでしたが、七日間生き延びることはできたため、選別に受かりました。つまり彼が合格することができたのは、錆兎が助けてくれたおかげだったというわけです。

錆兎はなぜ手鬼に勝てなかった?【考察】

非常に優秀な剣士だった錆兎が手鬼に負けたのは、彼と対峙する前に多くの敵と戦っていたのが大きいでしょう。その疲労が積み重なったうえ、刀も折れ孤立無援状態……となれば、どんな強い者でも生き残ることは厳しいです。 そういう意味では、錆兎は彼のやさしさゆえに命を落としてしまったともいえるかもしれませんね。

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錆兎の死と「自分は相応しくない」という想い

義勇は自分をはじめ多くの者を助けた錆兎が亡くなったにも、“助けられただけ”の自分が柱を名乗ることに負い目を感じています。彼の中には、自分より錆兎のほうがずっと柱にふさわしかったはずだという想いがあるのでしょう。 だからこそ義勇は自分が他の柱と肩を並べられる存在ではないと考えており、鬼殺隊にも自分の居場所はないとまで発言しています。義勇は大切な親友が命を落とし、自分が生き残ったことにずっと罪悪感を抱いてきたのです。

義勇の誤解を招く発言はこのせい

冨岡義勇

自分自身を柱として認めていない義勇の振る舞いは、ときに周りに「自覚が足りない」という印象を与えるほどのものです。おまけに義勇は言葉が足りないところがあるので、他のメンバーに誤解されてばかりいます。 その代表格が「俺はお前たちとは違う」発言。義勇としては「俺はお前たちに並べる存在ではない」というつもりで言った言葉なのですが、実弥には「俺たちを見下してんのかァ?」と激怒されてしまっていました。

柱稽古を拒む義勇に蘇る錆兎の言葉

「義勇さんは錆兎から託されたものを繋いでいかないんですか?」

親友である錆兎の死に絶望し、自分が死ぬべきだったという罪悪感の中で生きてきた義勇。そんな彼が再び前を向くきっかけを与えたのは、炭治郎の「義勇さんは錆兎から託されたものを繋いでいかないんですか?」という言葉でした。 炭治郎は義勇から彼の過去を聞かされ、どんな言葉をかければいいかわからなくなってしまいます。しかし「どうしても一つだけ聞きたいこと」として放ったこの問いは、義勇に錆兎がかつて言っていたことを思い出させました。

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「お前も繋ぐんだ 義勇」

かつて義勇は最愛の姉を鬼のせいで亡くし、そのときも「自分が死ねば良かった」と考えていました。そんな彼を叱りつけ、「姉が命をかけて繋いでくれた命を 託された未来を お前も繋ぐんだ 義勇」と言ってくれたのが錆兎だったのです。 義勇は悲しみのあまり過去の記憶を封じ込めており、この錆兎とのやりとりもすっかり忘れてしまっていました。しかし**炭治郎のおかげで錆兎が自分にかけてくれた言葉をちゃんと思い出します。 その後、義勇は姉と錆兎に「未熟でごめん…」と心の中で謝った後、柱としての自覚を持ち直すことになるのでした。

義勇と錆兎の関係と炭治郎と煉獄の関係

鬼滅の刃 煉獄杏寿郎
(C) 吾峠呼世晴/集英社・アニプレックス・ufotable

義勇の錆兎に対する想いは、少しだけ炭治郎の煉獄に対する想いに似ています。というのも炭治郎もまた、自分より強く素晴らしい戦士だった煉獄ではなく、「代わりに俺が死んだら良かったんじゃないか」と考えたことがあったからです。 そんな炭治郎も伊之助の叱咤激励を受けたことで、「託された想いを繋いでいこう」と思い直すに至っています。同じような葛藤を経験した炭治郎だからこそ、義勇が立ち直るきっかけを与えられたのかもしれませんね。

最終試験で義勇が手鬼に狙われなかった理由は?

すでに紹介した通り、手鬼は鱗滝に強い恨みを抱いており、彼の弟子を皆殺しにすることにこだわっていました。その際目印になったのは、鱗滝が弟子たちのために彫って贈った「厄除の面」です。 義勇も最終試験で当然お面をつけていたのですが、最初の鬼に襲われたとき場面でお面が割れて落ちている描写がありました。これを踏まえると、おそらく義勇は手鬼にお面をつけている姿を目撃されておらず、そのおかげで狙われずに済んだのでしょう。

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義勇の羽織りは大切な2人の形見

義勇が着ている羽織の左半分が錆兎と同じ柄になっているのは、それが彼の形見だからとファンブックにて判明しています。ちなみに右半分は義勇の姉・蔦子が着ていた羽織。義勇にとって大切な人の羽織を半分ずつつなぎ合わせた、この世にひとつしかないものなのです。 義勇は常にこの「半々羽織」を身に着けており、大切なふたりをずっと忘れたくないという彼の強い想いがうかがえます。ひとりで戦っているときでも、彼のそばにはいつも錆兎とお姉さんがいてくれたのですね。

現代では転生した錆兎と真菰が義勇の子孫と生きる

最終話で描かれた現代では、転生した錆兎と真菰が義勇の子孫・義一と一緒にいる姿が描かれました。3人は小学生で、同じスイミングスクールに通っているとのことです。 彼らは一緒にガシャポンをやったのか、「何が出た?」「同じやつ出ちゃった」などと子どもらしいやり取りをしていました。義一と錆兎(の生まれ変わり)が真菰(の生まれ変わり)に自分が出したキャラを「あげる」と言っているのも微笑ましいです。

真菰(まこも)とは?

鬼滅の刃 真菰
©︎我妻呼世晴/集英社

真菰は錆兎と同じく鱗滝の弟子で、錆兎とともに気絶した炭治郎のもとに姿を現しました。おっとりとしたかわいらしい少女で、「私たち鱗滝さんが大好きなんだ」というのが口癖です。錆兎が炭治郎に実践的な指導をする一方で、真菰は理論的な面で的確なアドバイスをしていました。 彼女もまた最終選別で手鬼に襲われ、手足を引きちぎるなどの暴行を受けたうえで殺害されています。ちなみに錆兎とは試験を受けたタイミングが別だったようですが、どちらが先だったのかは不明です。

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錆兎の稽古はスパルタ?真菰とともに炭治郎を指導

鬼滅の刃
(C)吾峠呼世晴/集英社・アニプレックス・ufotable

錆兎は鱗滝から与えられた「岩を斬る」という試練が達成出来ず悩やんでいる炭治郎に厳しい指導を行います。 作中での「腕が・足がちぎれそうな程」「肺が・心臓が破れそうな程刀を振った」という炭治郎の言葉から、まさに地獄の訓練だったに違いないでしょう。少々スパルタらしい錆兎ですが、それでも炭治郎が勝てるまでずっと真菰と共に稽古をつけてくれました。 彼らとの修行が始まって半年後、炭治郎はようやく彼に刃の先を届けることに成功します。炭治郎の刀で面を斬られた錆兎は、安心したような笑顔を浮かべていました。しかし直後、錆兎と真菰の姿は忽然と消え、気付くと炭治郎の刀は岩を切っていたのでした。 その後炭治郎が最終選別を受けている頃、錆兎と真菰が彼のことを心配する姿も描かれています。このとき、「勝てるかな?」という真菰に「わからない」と返しつつ、錆兎は炭治郎の強さを信じているようでした。

エピソードにはモチーフがあった?

炭治郎が修行を積んで岩を斬るというエピソードには、モチーフがあると言われています。それが、実在した剣豪・柳生石舟斎が天狗と戦って岩を一刀両断した、という逸話です。ちなみにこの岩は奈良県に今もあり、本作のファンが多く訪れています。

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『鬼滅の刃』錆兎の背中を押してくれる名言を紹介

メインキャラではなく登場回数も少ないものの、錆兎は作中で印象深い言葉をいくつも残しています。いずれも彼の生きざまがよくあらわれた、思わず心打たれるものばかりです。以下ではそんな彼の名言を3つ紹介していきます。

「お前は俺に怪我をさせると思っているわけだ 心の底から安心しろ 俺はお前より強い!!」

修行をつけるとき、炭治郎が錆兎は木刀、自分は真剣を持っている(=ハンデがありすぎる)ことを心配する発言をした際、高笑いとともに飛び出したセリフ。自分の実力や積み重ねてきた努力に対する自信がこれでもかと伝わってきます。

「どんな苦しみにも黙って耐えろ お前が男なら 男に生まれたなら」

修行中くじけそうになっている炭治郎に対し、突如現れた錆兎はこの言葉を言い放ちます。なかなか乱暴でキツい言い方ではありますが、男気あふれる錆兎だからこそ許される名言ですね。

アニメ版『鬼滅の刃』で錆兎を演じる声優は梶裕貴(かじゆうき)

梶裕貴
©S.Y,S/TKG 2022

アニメ「鬼滅の刃」で錆兎を演じたのは梶裕貴(かじゆうき)。少し高めの軽いトーンが特徴的ですが、アニメでは少し低めの迫力ある声で男らしい錆兎を見事演じてくれました。 2013年・2014年に続けて「アニメグランプリ声優部門」にてグランプリに輝き、同年に「声優アワード主演男優賞受賞」を連続受賞。声優としてだけでなく最近では俳優やタレントとしてドラマやバラエティ番組などにも数多く出演しています。 代表作は「進撃の巨人」エレン・イェーガー役をはじめ、「マギ」のアリババ・サルージャ役や「七つの大罪」メリオダス役など。様々な人気アニメの主要キャラを演じた知名度もあってか、錆兎の声優が発表された当時は「ここで梶裕貴をもってくるか……!」と豪華すぎる『鬼滅の刃』のキャスト配置に驚かざるを得ない読者で溢れかえりました。

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キメツ学園では剣道部に所属している学生

鬼滅キャラたちが現代の学園で大騒ぎする公式スピンオフ『中高一貫!! キメツ学園物語』。本作で錆兎は剣道部の部員として登場します。真菰とも仲良しのようで、本編で悲しい最期を迎えたことを思うとしんみりしてしまいます……。

『鬼滅の刃』錆兎の意志を受け継いだ炭治郎と義勇

炭治郎が挫けそうになった時、その身をもって彼を導いてくれた錆兎。その正体が実は故人であったと判明し、衝撃を受けた方も多いのではないでしょうか? 錆兎は過去の最終選別で既に死亡していますが、当時義勇を含めた鬼殺隊候補生の中で群を抜いて強かったことから、もし彼が生きていれば現水柱である義勇よりも強い剣士になっていたのではないかと言われています。2人が肩を並べて鬼殺隊を支える剣士となる未来が見られないのが非常に残念でなりませんね……。