煉獄杏寿郎の死亡は必要だった?煉獄さんの過去や強さともに該当シーンを解説【鬼滅の刃】
テレビアニメ3期に当たる「刀鍛冶の里編」も放送も放送中でまだまだ熱が冷めない『鬼滅の刃』。 今回は「刀鍛冶の里編」で活躍する甘露寺蜜璃の師匠である、煉獄杏寿郎の死亡シーンや強さ、活躍エピソード、人物関係を紹介しながら、その魅力に迫っていきます! ※この記事では『鬼滅の刃』に関する重要なネタバレが含まれます。アニメで追っている人や、本編を読み始めたばかりの人は、注意してください。
『鬼滅の刃』煉獄杏寿郎(煉獄さん)のプロフィール
人食い鬼を滅するという使命を背負った剣士たちの組織「鬼殺隊」。彼らの中でも、最上位の階級に到達した剣士を「柱」と呼びます。それぞれが扱う呼吸法から名をとって、「水柱」「音柱」などの呼び名があり、煉獄杏寿郎もその1人です。 初登場は、炭治郎と禰豆子について話し合う柱会議の場面でした。
煉獄杏寿郎の性格は?少し天然な部分も
禰豆子の処遇を相談する柱合会議で1度は「炭治郎もろとも首を切るべき」と進言したものの、炭治郎の意気込みを聞くと内心で「良い心がけだ」と微笑みつつ認める広い心と素直さを持っています。 また柱として家を離れる前には、剣の才能が無いことを引け目に感じる弟の背中を押すような、温かい言葉をかける優しさもみられます。 このように基本的には柱にふさわしい頼りがいのある青年です。しかし任務で乗車した電車の中では、炭治郎に何を言われてもひたすら「うまい!うまい!」と言い続けるなど、朗らかゆえなのか、すこし天然な部分があります。
煉獄杏寿郎の死亡シーンは何巻・何話?
死亡巻数・話数 | 原作8巻・66話 |
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煉獄杏寿郎の死亡が描かれたのは原作8巻66話でした。 魘夢との戦いで負傷した炭治郎を介抱する煉獄。そこへ突如上弦の参・猗窩座(あかざ)が現れます。負傷した炭治郎たちをかばいながら煉獄は1人で猗窩座と闘い始めました。 “至高の域に達している”と煉獄に鬼になることを進める猗窩座。しかし煉獄は人間の尊さと愛おしさを語り、即座に断ります。激しさを増していく戦闘。有利なのは、鬼で負傷しても再生できる猗窩座の方でした。
走馬灯のような回想を見る煉獄は“弱き人を助けるため”という母の言葉を思い出します。ここで自分がやられてしまうと皆殺されてしまう、と重傷を負いながらも猗窩座を追い詰めました。 しかし陽が昇り始めたことを恐れた猗窩座は自分の腕を切り落とし逃走。上弦の参をあと一歩のところまで追いつめた杏煉獄でしたが、この時もはや自分の命は短いと悟りました。 そして炭治郎たちに柱となれと言葉を残し、煉獄は死亡。勇敢な煉獄の生き様は炭治郎たちの心に強く残り、彼らの成長に大きく貢献しました。
煉獄さんの死が必要だったのはなぜ?
柱の1人であり重要なキャラクターであるにも関わらず、あまりにも早い幕引きだった煉獄。彼の最期のシーンに衝撃を受け、涙した人は多いのではないでしょうか。 ここでは何故作中の早い段階で煉獄の死が必要だったのか、その理由について3つの観点から詳しく説明していきます!理由を知れば、彼の死にも納得できるはずです。
①上弦の鬼の強さを示す
これまでに下弦の鬼であれば柱のメンバーや炭治郎でも倒せていましたが、上弦の鬼は「113年間倒せていない」という設定。その設定を守るためには、「上弦の鬼は強い」というイメージを読者に与えなければなりません。 上弦の鬼の強さを示すためにも、柱であり実力のある剣士である煉獄は死亡しなければならなかったのでしょう。実際に彼の死をもって、主人公である炭治郎はこれまで以上に大きく成長していくことになります。
②作品テーマ「継承」を代表する存在
『鬼滅の刃』の作品テーマは、「想いが受け継がれること」すなわち「継承」だと考えられています。煉獄は猗窩座に敗北したことにより、その「継承」を代表する存在となったのではないでしょうか。 これまで炭治郎は「鬼となった妹を元に戻す」という目的のためだけに動いていましたが、煉獄の死をきっかけに「誰かの想いを受け継いで」動くようになっていきます。その象徴的なシーンが、炭治郎が煉獄の日輪刀の鍔を受け継いで戦いに挑むところです。
③背中を押す存在としての役割
煉獄は炭治郎をはじめとする登場人物たちの背中を押す存在としての役割を果たすため、死亡したと言っても過言ではありません。彼の存在は柱をはじめとする鬼殺隊の中でもかなり大きかったこともあり、度々さまざまな人間の回想シーンに登場しています。 特に炭治郎にとって彼は、行き詰まった時に「心を燃やせ」と鼓舞してくれる大切な存在。彼の存在があったからこそ、そして死の悲しみを乗り越えたからこそ炭治郎は成長したと言えるでしょう。
煉獄さんの無限列車編での活躍を紹介
2020年に公開された『劇場版「鬼滅の刃」 無限列車編』の大きなポイントの1つが、下弦の壱・魘夢との戦いです。 炎柱の煉獄杏寿郎(れんごくきょうじゅろう)は、“鬼が出る”と噂の列車に乗車していました。そこに竈門炭治郎や嘴平伊之助、我妻善逸も乗り合わせます。 炭治郎が煉獄に日の呼吸について色々と質問をする中、突然鬼が現れます。これを煉獄は瞬殺。しかしこの時、実は全員夢の中にいたのでした。 魘夢は人間に都合のいい夢を見させる鬼で、列車に乗車している人間を夢の中に引きずり込んでいたの歩でした。 魘夢は人間の子供たちを利用し、煉獄や炭治郎たちの精神の核を破壊しようとします。 しかしそこはさすが炎柱。煉獄は眠りながらも危機を感じ取り、自分の精神の核を壊そうとする人間の動きを止めたのです。 さらに禰豆子の頑張りもあり、目を覚ました炭治郎たちにより魘夢は倒されました。魘夢の敗因は眠りながらも身体が動いたことと煉獄杏寿郎の存在です。彼は目を覚ました後、8両ある車両の後ろ5両を守りました。
「炎の呼吸」の使い手・煉獄さんの能力と強さ
柱の中で3位以内に入る実力
公式ファンブックによると煉獄の強さは「鍛え上げた肉体と精神力は柱の中でも上位を誇る」とのこと。また単純な腕力という点では11巻のおまけにあった腕相撲ランキングの結果、煉獄は3位となっていました。このランキングでぶっちぎり1位となった悲鳴嶼行冥は伊之助いわく「鬼殺隊最強」の男。 これらのデータや猗窩座との戦いぶり、長い歴史を持つ炎の呼吸の使い手であることから、煉獄は悲鳴嶼に次ぐ2位か3位に入る実力者だと考えられています。
「炎の呼吸」とは
壱ノ型 | 不知火 |
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弍の型 | 昇り炎天 |
参の型 | 気炎万象 |
肆の型 | 盛炎のうねり |
伍の型 | 炎虎 |
玖の型 | 煉獄 |
炎の呼吸は数ある呼吸法の中でも、「五代流派」と呼ばれる基本の呼吸法の1つです。また「五代流派」の中でも水の呼吸と共に、最も古い呼吸法の1つとされています。 その証拠に煉獄は「炎と水の剣士はどの時代でも必ず柱に入っていた」と語っていました。 水の呼吸が相手に合わせて、変幻自在に足捌きを変える「受け」に優れた呼吸なら、炎の呼吸は強力な斬撃を放つことに特化した「攻め」の呼吸と言えるでしょう。
猗窩座と互角に勝負するほどの実力
全集中の呼吸を極めた者の一部は、飛躍的に身体能力が向上する痣が発現します。柱ほどの実力者でも、上弦の鬼クラスと渡り合うにはこの痣発現が大きなカギとなりました。 ところが上弦の参・猗窩座と対峙した煉獄は、痣の出現なく己の強さのみで猗窩座と互角の強さを見せます。しかもあと1歩というところまで猗窩座を追い詰めました。彼自身が剣士としていかに完成された強さを持っていたかが伺えます。
機転がきくという強さ
彼の強さが最も顕著に描かれたのが、上弦の鬼に次ぐ強さを誇る下弦の壱・魘夢(えんむ)と戦った時。魘夢は、「人を眠らせ、夢を支配する」血鬼術で不意打ちを食らわせ続けます。 そんな状況の中でも煉獄は、炭治郎に的確な指示をして鬼を倒せる状況を作りました。また、横転した電車の衝撃をやわらげられるほどの威力で型を使うことができ、そのおかげで乗客を全員守りきったことからも、力だけではなく機転の良さもうかがい知れます。
煉獄さんと炭治郎の泣ける関係
柱合会議の後に炭治郎と煉獄は、任務先で再開することになります。炭治郎がヒノカミ神楽について問うも、何も知らないと返す煉獄。戸惑う炭治郎を尻目に、「俺の継子になるといい」と、その面倒見の良さを見せます。 しかしその後突如出現した猗窩座との戦いの末、煉獄は命を落とすことになります。そんな今際の際に煉獄は「命をかけ人を守るものは誰がなんと言おうと鬼殺隊の一員」と、鬼である禰豆子を認めます。 そして「自身の弱さや、不甲斐なさに打ちのめされても前を向かなければならない」 と、自身の死すら乗り越えることを、炭治郎たちに諭したのです。そこには後輩のために命をかけ、次の世代に繋ごうとする、優しく、強い男の生き様がありました。 そうして煉獄が遺した考えと意志は、彼の形見である炎を象った鍔と共に炭治郎が受け継いでいきます。
炭治郎の背中を押す手として登場!回想シーンに注目
惜しまれつつも序盤で舞台をおりた煉獄ですが、物語終盤で炭治郎が鬼化した際に少し登場します。炭治郎は鬼化したとき、心の中で禰豆子の声を聞いていました。 人間として現実に戻るために引き上げようとする禰豆子の手。しかし鬼の細胞も強く中々炭治郎を引き上げられません。すると禰豆子の手とは反対側から、炭治郎の背中を押す手が数名現れます。 その手はこれまで散っていった仲間たちの手で、煉獄の手だと明らかにわかるものもありました。
継子は甘露寺蜜璃
炭治郎たちと出会った時点で煉獄には継子はいませんでしたが、恋柱・甘露寺蜜璃(かんろじみつり)がかつての継子であったことが分かっています。 日輪刀の色は所有者がどの系統の呼吸に適性があるかを示しますが、蜜璃の日輪刀は炎に対応する赤色系のピンクに染まっています。彼女が使う「恋の呼吸」が炎の呼吸の派生であることも継子の関係を知ると納得できます。 煉獄は面倒見がとても良いようで、通常は継子を才能で選ぶところですが電車で会った炭治郎と話をするうちに才能のあるなしに関わらず「鍛えるから継子にならないか」とあっさり勧誘していました。 積極的に継子を迎えて多くの人を指導しようとしていた彼の稽古は、実際には蜜璃以外は耐えられずリタイアしてしまったほどハードなものだったようです。
煉獄杏寿郎の家族!父・母・弟との関係性は?
父:槇寿郎(しんじゅろう)
『鬼滅の刃』の作中では煉獄の父と母、弟も登場しました。彼の父・槇寿郎(しんじゅろう)も炎の呼吸の使い手で、かつて柱を務めた実力者です。 煉獄とその弟・千寿郎が幼い頃は、父が自ら炎の呼吸の指導をしていました。しかし、妻・瑠火(るか)の死と自身の挫折が重なったために、熱心な人物から一転し、剣を捨て酒浸りで横暴な人物に変わってしまいました。 挫折の詳しい描写はありませんでしたが、日の呼吸に対して「全ての呼吸が“日の呼吸”の劣化」と強い劣等感を持っています。
母:瑠火
煉獄の母・瑠火は病気で2人が幼い間に亡くなってしまっていますが、彼女は、煉獄の性格の根幹となる「強い者の役目」についての教えを彼に残しました。
弟:千寿郎
弟の千寿郎はやや気弱かつ控えめな性格で、日輪刀の色が変わらない自身の剣の才能が劣っていることを恥じていました。しかし兄の死と、兄の意志を継ぐ炭治郎の姿をきっかけに、他の道を探すことを決心しています。 その後再び戦いの場に戻る炭治郎に、煉獄の形見である炎を模した鍔を「お守り」として託します。
「煉獄杏寿郎 外伝」で過去が描かれている
煉獄が炎柱になるまでの軌跡を描く『鬼滅の刃 煉獄杏寿郎 外伝』。当時から明朗快活で正義感が強く、燃える炎のような意志を心に灯していた彼は、妻を亡くして炎柱としてのやる気も失せてしまった父・槇寿郎の代わりに柱合会議へ参加します。 そこで炎柱になることを宣言した煉獄には、お館様から十二鬼月討伐任務が言い渡されることに。当時鬼殺隊になったばかりの弟子・甘露寺蜜璃を伴って帝都を見回っていると、彼の前に下弦の弐・佩狼(はいろう)が現れます。 槇寿郎への復讐心で襲いかかってくる佩狼との戦闘がスタート。煉獄の真っ直ぐな姿に剣士だった頃の誇りを思い出した佩狼は、最期に煉獄と正々堂々の一騎打ちをして散っていきました。こうして煉獄は炎柱に就任します。
現代編では煉獄桃寿郎として転生
【みんなを応援!「キメツ学園」ヘッダー第3弾!!】
— 鬼滅の刃公式 (@kimetsu_off) April 23, 2019
3週連続特別企画!『中高一貫!!キメツ学園物語』
ヘッダープレゼントもいよいよフィナーレ!
第3週目の大トリを飾るは、キメツ学園の先生たち(with愈史郎)!
個性溢れるキメツ学園のみんなと共に、ぜひ新生活をお送りください…!! pic.twitter.com/r41nLvFj9B
最終話は現代編で、炭治郎や他の鬼殺隊員たちのその後や転生と思われる姿が描かれています。炭治郎の生まれ変わりだと思われる少年・炭彦の周りには、鬼殺隊員に似た人たちが集まっていました。 煉獄は一目で煉獄とわかる見た目で、炭彦の1番の友達・桃寿郎として登場しています(この人物は煉獄の子孫だと考察されています)。桃寿郎は人間離れした身体能力で、炭彦とともに朝の街を駆け抜けていきました。2人は無限列車の時のように息の合ったコンビのような関係です。
煉獄さんの名言・名シーンを振り返る
「よもやよもやだ」
「無限列車編」で魘夢(えんむ)の血鬼術によって眠らされていた煉獄。彼が目覚めた際に放った「よもやよもやだ!柱として不甲斐なし!穴があったら入りたい!!」は有名。 「まさかこんなことが」といった意味の言葉ですが、危機感を感じさせるどころかどこか自信に満ちた表情をしているのが実に彼らしいシーンです。
「老いることも死ぬことも人間という儚い生き物の美しさだ」
「無限列車編」終盤、死に追い込まれた煉獄は猗窩座(あかざ)に鬼として生き延びる道を提示されます。それを断った際のセリフがこちら。彼はさらに「老いるからこそ死ぬからこそ、たまらなく愛おしく尊いのだ」と続けます。 人を守りたいと想い続け、それを行動に移し続けた煉獄にとって、最期まで人を守る人でありたいという強い想いが溢れている名言です。
「心を燃やせ」
煉獄が最期の教えとして炭治郎たちに遺した、あまりに有名なひと言です。一連の激励の中で、煉獄は「胸を張って生きろ」「歯を食いしばって前を向け」とも伝えました。 彼の言葉は炭治郎の心の中で燃え続け、炭治郎の折れそうになる心を何度も支えることになります。映画のコピーとしても有名なフレーズですが、ぜひ前後の流れと共に噛み締めてもらいたい言葉です。
アニメで煉獄杏寿郎を演じる声優は日野聡
煉獄杏寿郎(れんごくきょうじゅろう)を担当した声優は日野聡(ひのさとし)。 アニメだけではなく、吹き替えやナレーションといった分野でも活躍する人気声優です。元々は舞台俳優を目指したそうですが、『ER救急救命室』の吹き替えに参加した事をきっかけに声優としての活動を始めました。 アニメキャラクターの声優としてのデビュー作は『一騎当千』のメインキャラクター・周瑜公瑾(しゅうゆこうきん)でした。 その後も『灼眼のシャナ』坂井悠二、『ゼロの使い魔』平賀才人、『NARUTO』サイ、など数々のメインキャラクターの声を担当しています。高校生くらいの青年や低めの声の少年に合う声が特徴です。
「無限列車編」を観て煉獄杏寿郎の勇姿を振り返ろう!
紹介した煉獄杏寿郎は、アニメ『鬼滅の刃』では柱会議や、任務前に向かう前にしのぶと会話するシーンで登場しましたね。 その後、彼が真に活躍する舞台こそ、しのぶとの会話の後に向かった任務で乗る電車。この電車での物語は劇場版「無限列車編」として、2020年10月に公開されました。 炎のように激しく、情熱的な煉獄杏寿郎(れんごくきょうじゅろう)の活躍を原作漫画や素晴らしい作画による演出や動き、声が加わった劇場版をぜひチェックしてみてください。