2022年1月7日更新

『千と千尋の神隠し』リンの正体は人間ではなく白狐?年齢や名セリフも紹介

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千と千尋の神隠し

リンは釜爺のボイラー室で千尋と初めて出会い、油屋の仕事を教えてくれる先輩。彼女は千尋と同じ人間か、あるいは……と、正体について様々な考察が行われています。 この記事では、映画『千と千尋の神隠し』(2001年)に登場するリンの謎多き正体に迫ってみました!

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リンの基本情報

千と千尋の神隠し
年齢14歳くらい
職業油屋の湯女
声優玉井夕海

リンの容姿は面長で目が細く、色白のスレンダー美女。14才という年齢を疑うほどの大人っぽさを除いて、人間の千尋と大きな違いはありません。 一人称は「俺」あるいは「アタイ」で、口調は荒っぽく男勝りな性格をしています。気が短いのがたまに傷ですが、相手が誰でも差別することはありません。油屋では客としてやって来る神様の接客ではなく、主に浴場などの清掃を担当します。 先輩の湯女を「お姉さま」と呼んで尊重し、男衆からも気軽に声をかけられているシーンがあることから、年齢や性別を問わず慕われているようです。懐に入れた者には人情に厚く、世話係を任された千尋に時に厳しく、時に優しく仕事を教える姉御肌な一面を発揮しました。

リンの声優を務めたのは?

リンに声をあてたのは、声優・女優・歌手として活動する玉井夕海です。音楽パフォーマンス集団「Psalm」に所属しており、2021年現在もアーティストとして精力的に活躍しています。

リンの正体とは?噂される4つの説を考察

リンの正体は、「人間」「白狐」「イタチ/テン」「ナメクジ」という4つの説があります。公式は人間だと紹介していますが、ファンのあいだでは白狐とする説が有力なようです。その理由は公式のラフデザインに、「リン(白狐)」と添えられているため。宮崎監督による初期案ということで支持されています。 それではこの4つの説をそれぞれ詳しく考察していきましょう。

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①正体は人間?

劇場パンフレットのリンの項は、「湯屋での千尋の先輩。14才くらいの少女。不平、不満は多いが根本的な疑問は持たない人間。つっけんどんだが、やさしい面もある。」と記載があります。 さらに宮崎監督へのインタビューによって、リンは過去にボツ案となった『煙突描きのリン』の主人公をモデルにしたキャラクターだと判明しました。20歳のリンと60歳の男性の恋物語で、「千と千尋」を連想する銭湯も登場予定だったようです。 同作はセンシティブな内容だったためか、鈴木敏夫プロデューサーの説得で製作中止に……。企画を「千と千尋」に流用する辺りに、宮崎監督のリンへの思いが伺えます。 設定上は「人間がいない世界」でも、思い入れのあるリンを大幅に改変するとは考えづらく、人間説の根拠として挙げられています。監督は『もののけ姫』(1997年)の乙事主とモロの関係など、製作段階で設定を共有しないこともあり、裏設定として構想に入れたのかもしれません。

人間説への疑問

『千と千尋の神隠し』

公式が「人間」と紹介しているため、一見、人間説が正しいように思われます。しかしリンが人間だとすれば、違和感を覚える点がいくつか存在するのです! リンは釜爺の頼みを聞く代わりにイモリの黒焼きをもらい、嬉しそうに食べていました。イモリは食用にできますが、好物にする人は少ないでしょう。そもそも、千尋との初対面で彼女が「(同族を相手に)人間がいんじゃん!」と反応したのも、「以前に油屋で同じような大騒動が~」という話題が1度も出なかったのも不自然です。 また人間には特有の匂いがあり、千尋は人間臭いと言われ従業員から嫌がられていました。 ハク曰く「3日ほど異世界の食べ物を食べれば消える」そうですが、リンが上手く油屋に潜入できたとしても、匂いを隠し通せたとは考えられません。

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②正体は白狐?

リンの正体が人間ではない場合、次にファンの間で有力視されているのは白狐説です。 理由は公式のイメージボードや美術ボードなどを収録した書籍『The art of Spirited away―千と千尋の神隠し』のラフデザインに、「リン(白狐)」と添えられているため。宮崎監督による初期案ということで、濃厚な説だと思われます。 最終的に初期案をどの程度反映したかは不明ですが、先述のようにイモリを好んで食べていたことも、彼女が狐ならば違和感はありません。 また狐といえば、狸や犬、猫などと同じく人間に化けた逸話が残る妖怪。傾国の美女こと悪狐「玉藻前」の伝説が特に有名ですが、白狐となると話が変わります!白狐は稲荷大明神の使いであり、同一視して語られることもある善狐です。 狐火を灯して人間を道案内し、正しい道へ誘ったという話も数多く語られる白狐。異世界に迷い込んだ千尋を教え、導いたリンと重なるのではないでしょうか?

③正体はイタチ/テン?

作画監督の安藤雅司は、上記の書籍内で「リンは、イタチかテンが変ったキャラクターにしようという話が最初の頃にありまして~」と語っています。 目や口が輪郭からはみ出るほど大きかった見た目は、のちに宮崎監督の指示で面長に変更されたそうで、白狐に統一しようとした気配も。一方で、安藤は「最終的には普通のちょっと背の高い女の子になりましたね。」とも明かしていて、人間説の根拠になり得るかもしれません。 イタチ/テン説は初期案に含まれていたものの、製作過程で廃棄されていると考えられます。

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④正体はナメクジ?

油屋の従業員の男衆は大半がカエル、女衆は大半がナメクジをモデルに描かれているため、リンもナメクジでは?との説もあるようですしかし(ごく一部を除き)女衆は身長が低くふくよかで、麻呂眉にのっぺりした顔立ちと、リンとは似ても似つかない容姿をしています。千尋に対する態度や、明確に油屋を辞めたがっている点などリンには異質な点が多く、他の女衆とは一線を画した存在と言えるでしょう。 女衆はナメクジ=リンも同じというだけでは、説としての信憑性に欠けるかもしれません。

ジブリ屈指の名脇役!リンのセリフ&見どころシーンを紹介

名セリフ2選

え?お前トロいから心配してたんだ。油断するなよ分かんないことはオレに聞け、なっ。

『千と千尋の神隠し』序盤で、リンの魅力がギュッと詰まっているのがこのセリフです。 リンは釜爺の頼みで嫌々、千尋を湯婆婆のもとへ連れていき、彼女の教育係を任されます。湯婆婆の前では不満そうにしつつも、後輩ができたことを喜ぶツンデレっぷりが堪りません。未知の暮らしが始まった千尋にとって、リンの存在は心強かったはずです。

カオナシ!千に何かしたら許さないからな!

千と千尋の神隠し

終盤で千尋が釜爺から電車の切符をもらい、ハクの代わりに銭婆のところへ謝罪に向かう時、桶のような小船を漕いで彼女を見送りました。 リンは千尋の後を追いかけるカオナシを帰り際に目撃し、後輩を想って彼に釘を刺します。しかし千尋がどんなに心配でも、リンは一緒に行こうとはしませんでした。自己主張できるほど異世界で成長した千尋のことを信じ、帰りを待つと決めたからでしょうか。

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見どころシーン2選

千とリンの初仕事!河の神を2人でもてなす

千と千尋の神隠し

千尋に根気強く仕事を教えるだけでも感動ですが、河の神を救うシーンは特に印象的です。あまりの激臭に皆が遠巻きにするなか、2人でオクサレさまのために奮闘! リンは釜爺にありったけの薬湯を出すよう頼むなど、主に裏方としてサポートしました。千尋がモタつくのを見かねて、手際よく棘にロープを巻きつける姿も魅力的です。まさに頼りがいのある先輩で、的確な指示を出す姿に惚れ惚れしました。

くすねたあんまんを食べる

千と千尋の神隠し リン

河の神を見送った後、リンがくすねてきたでかいあんまんを2人で食べるシーンも外せません。他の従業員も湯婆婆との契約に縛られているのだと、改めて気付かされました。 千尋といつになく静かに語り合い、「こんなところ(湯屋)やめてやる。いつか海の向こうの街に行くんだ」と、自分の夢について明かしたリン。正体や背景が分からないからこそ、BGMも相まって哀愁を感じるエモーショナルなシーンだと思います!

「千と千尋」リンの正体は諸説あり……謎は深まるばかり

千と千尋の神隠し

今回は『千と千尋の神隠し』のリンについて、正体に関する4つの説を考察してみました。 千尋にとって精神的支柱であり、姉のように厳しくも優しく見守ってくれたリン。彼女は人間か、白狐説が有力だと思われますが、どの説も確証が持てませんでした。観客が謎を自由に考察できるのも、「千と千尋」やジブリ映画が愛される理由かもしれません。