【推しの子】星野アイは死亡せず生きてる！？夫(真犯人)の正体を解説

推しアイドルの子どもに生まれ変わった主人公が歩む、波乱に満ちた第2の人生を描いた青年漫画「推しの子」。そんな「推しの子」における主人公の「推し」兼「母」として登場するのが星野アイです。 圧倒的なカリスマ性を持つ天性のアイドルですが、道半ばで殺されていまう星野アイ。この記事では、彼女がなぜ殺されたのか、復活説、過去について考察・解説していきます！ ※本記事には「推しの子」の重要なネタバレを含みます。

星野アイはアイドルグループ「B小町」のセンターとして絶大な人気を誇っていたアイドルです。チャームポイントは両目に入っている星のマーク。歌やダンスは平凡ながら、整った顔立ちとアイドルとしてのカリスマ性で周囲を魅了していました。 なお本編初登場時は16歳。その後は活動休止や極秘出産といった出来事を経て、20歳という若さで命を落としています。

アイは単行本1巻の9話で自宅に押し掛けてきたストーカーに刺され命を落としています。犯人が直後に自殺したことで事件は幕を閉じたように思われますが、アクアは以下のような理由から、子どもの情報を提供し、リョースケを裏で操っていた真犯人がいると確信します。

アクアはこの真犯人の条件を絞り、アイの夫(双子の父親)が真犯人だと考えます。実際、アイが双子の父親に新居の住所を電話するシーンも描かれていました。 この双子の父親は、カミキヒカルで確定と見ていいでしょう。11巻のカミキの人物紹介欄には「アイを妊娠させた人物」「真犯人と目される」と明記されていました。さらにカミキがある種の快楽殺人者であることも判明しています。

カミキヒカルは「劇団ララライ」のOBで、芸能事務所「神木プロダクション」の代表取締役です。そんな彼はアイが妊娠した当時、まだ15歳の中学生でした。 もし双子の父親がほんとうにカミキなのだとすると、バレれば各方面が大変なことになるレベルのスキャンダルです。だからこそ彼は、アイを殺してもみ消すことを考えたのかもしれません。 その一方で原作109話では、カミキは自分が“価値がある”と思った人間の命を奪うことに喜びを感じているような描写も。アイに関しても、彼がただ楽しむためだけに殺されてしまった可能性もあります。 実行犯・リョースケに関してはこちら

結論から言うと、アイは死亡しています。アクアの目の前で亡くなっているので、死亡したのは間違いありません。 「推しの子」の世界には、「転生」が存在します。それもあり物語が進むにつれて復活説が囁かれているだけで、残念ながらアイが復活を果たした描写もないです……。

上記したように、「推しの子」の世界では「転生して復活」はあり得る話です。現にアクアやルビーは転生者で、幼児の頃からアイへの愛を饒舌に語りまくっていました。 しかしアイが転生し復活する可能性は、低いと言えるでしょう。アクアとルビーは、アイの存在があるからこそ転生できました。アイが大好きだった2人が、偶然アイの子供として転生したとは思えません。 しかしアイにそこまで好きだった人物がいるかと考えると、疑問が残ります。転生する条件も不明ですし、アイの復活は難しいのではないでしょうか。

「映画篇」に入った11巻で、カミキが15歳のときに16歳のアイを妊娠させたことが明言されます。ついにアイの夫(交際相手)が確定です。そして「夫」は、「黒幕」でもあります。新章ではアクアがカミキに復讐すべく、ついに動き始めました！ 気になるアイとカミキヒカルの出会いについてはこちら

アイが誰の子を身ごもったのか、長らく本編では不明となっていました。小出しにされていた伏線は「劇団ララライ」で出会った俳優の1人だということや、当時中学生ぐらいの年齢だったということなど。 なかなか該当人物が出てこないなか、97話でこれらの項目全てに当てはまる**「カミキヒカル」という人物が登場。カミキ＝父親説が濃厚になるなか、ミスリードではないかという考察も出てきて、読者の間でもおおいに盛り上がりました。 カミキの父親確定前に出ていた伏線は以下のものです。

真犯人を探すアクアは、DNA検査で「劇団ララライ」の看板役者・姫川大輝の父親と自分の父親が同一人物だということを突き止めます。その人物は、上原清十郎という名の売れない役者でした。 上原の妻であり姫川の母親でもあるのは、朝ドラのヒロインを演じたこともある女優・姫川愛梨。しかし彼は愛梨以外にも、才能のある女性に手を出しまくっていました。何かの機会があってアイに目をつけた可能性もあるわけで、だからこそアクアは彼を犯人だと確信します。

ただし結論から言うと、上原清十郎はアクアたちの父親でも犯人でもありません。作中ではアイが双子の父親に電話をかけるシーンがあるのですが、このとき既に上原は亡き人となっていたのです。同時にアクアや社長たち以外にアイの新居を知っていたのはアイの夫(双子の父親)だけなので、上原＝黒幕説も否定されます。　 とはいえDNA鑑定の結果は間違いないため、姫川の母親は不倫をしていて、その不倫相手がアイの夫(双子の父親)と考えられます。これによって、アイの夫がまだ生きている可能性が再び浮上し、真犯人が別にいると分かったのでした。

アイの過去を知る鏑木Pは、出会った頃の彼女は田舎から出てきたばかりの芋女だったと語ります。それが劇団ララライのワークショップを紹介してから、ガラッと変わったとのこと。外見にも気を使い始め、美味しいご飯が食べれるお店を聞いてくることもあったそうです。 鏑木Pは相手はわからないけど、当時のアイは恋をしていたのだろうと話します。その相手は、当時劇団ララライに所属していたカミキヒカルでしょう。 アイは「愛」を知らず、同時に「愛」に飢えていました。恋に免疫がなかった彼女は、カミキが放つサイコパス特有の不思議な魅力に魅入られてしまったのかもしれません。 アイが才能を開花させたきっかけは、カミキヒカルとの恋だったのでしょう。

アイの母親はシングルマザーで、まだ彼女が幼いうちに窃盗の罪で逮捕されてしまいます。その後アイは施設に入れられ母親が戻ってくるのを待っていましたが、釈放されたはずの母親はそのまま姿を消し、アイを迎えに来ることはありませんでした。 さらにまだ2人が一緒に暮らしていたころ、アイが母親から虐待を受けていたことも明らかになっています。どうやらアイはキラキラしたアイドルの姿からは想像もつかない壮絶な幼少期を送っていたようです。

母親という存在から裏切られ、アイは「愛」がなんなのか分からないまま成長していきます。転機となったのが苺プロの社長によるスカウト。 アイは「私には愛がわからない、嘘しか言えない」とスカウトを断ろうとしますが、社長はそんなアイの言葉を「嘘でいい」と肯定します。 さらに「愛していると言い続ければ、嘘が本当になるかもしれない」と続け、アイの気持ちを動かすことに成功します。こうして愛のある「嘘つきアイドル」が誕生したのです。

アイは16歳の時に双子を出産しています。本名はそれぞれ愛久愛海と瑠美衣ですが、長いためアクア・ルビーと呼ばれるようになりました。子どもの存在は極秘なので、表向きは事務所社長の子どもということになっています。 また一見普通に見える双子たちですが、実は2人とも前世の記憶を持ったまま生まれてきた転生者です。 2人は生前、医師と患者として出会っており、ゴローはさりなの影響でアイのオタクになりました。さりなにとってはゴローの初恋の人です。ですが、2人は互いに転生者であることは知っていますが、その正体は知りません。

アクアとルビーはアイの子どもで、最愛の存在でもあります。またアイは知らなかったものの、ふたりとも前世ではアイの熱狂的なファンでした。 アイはアクアから内心「母親としては相当 駄目な部類」と評されるほどで、少々危なっかしい一面もあったものの、たしかにふたりのことを愛していました。我が子の可愛さに悶えたり、ルビーにダンスを教えてあげたりと、微笑ましいシーンも多々あります。 最期はふたりに「愛してる」という言葉を伝え、彼らに対する愛情だけは嘘ではないと確信しながら息を引き取ります。

見た目は幼くても中身は前世の記憶を引き継いでいるため、双子たちはいつも赤ちゃんのフリをしています。ただし赤ちゃんにあるまじきヲタ芸を披露したり、難しい言葉を使ったりしてボロを出すこともしばしば。 普通なら何かおかしいと気が付きそうなところですが、アイは基本的に能天気なので「うちの子天才！」で片付けてしまいます。そのため2人は不審がられることもなく、最後まで良好な親子関係を築いていました。

特徴的なアイの目の星ですが、その意味は明言されていません。アイの場合、両目に紫の星が入っています。スカウトされた一般人の時点で両目に星があったことから、アイの目の星は天性のカリスマ性を表しているのではないかと考察。 アクアもルビーも負の感情に支配されると目の星が黒くなりましたが、アイにはそういった描写もなく死の間際まで星があったので、これは彼女の持って生まれたものだと考えるのが自然です。

アイが所属していたB小町は、小さい芸能事務所であった苺プロダクションの顔として活動していたアイドルグループです。星野アイを絶対的なセンターとしたグループで、ドーム公演が決定していたほどの人気を誇りました。 テレビ中継をみるに、B小町のメンバーは7人だったようです。しかし、アイが死亡した後、2年後に解散。また、アイの人気頼りだったグループのメンバー仲は複雑だったよう……。

B小町はセンターのアイありきのグループだったこともあり、本編では詳しく描かれていないものの、メンバー仲はあまり良くなかったようです。 書き下ろし小説「45510」によれば、結成当初、アイも含めて4人で活動していた頃は仲が良かったとのこと。しかしアイが才能を発揮していくにつれて、次第に皆の関係はこじれていってしまいます。 最終的にアイはメンバーからの嫉妬と、その裏返しである信奉を一身に受けることになるのでした。このあたりの複雑な感情は、アニメ主題歌『アイドル』の歌詞の一部にもあらわれています。 アイという絶対的なセンターを失った後、B小町は人気が低迷し最終的には解散。メンバーもバラバラの道を歩むことになります。

斉藤壱護はアイの所属する苺プロダクションの元社長で、アイをスカウトした張本人です。身寄りのないアイの父親代わりのような存在でもあり、彼女のことを娘のように可愛がっています。同時に彼女のアイドルとしての才能を誰よりも評価していました。 一方でアイは壱護のことを信頼しつつも、名前をしょっちゅう間違えたり雑ないじりをしたりと、なかなかの扱いをしていました。 壱護はアイが殺された事件をきっかけにひどくふさぎ込み、失踪してしまいます。その結果として妻のミヤコが会社の社長を引き継ぐことになりました。

黒川あかねはアクアの好きなタイプがアイだと聞いて、アイを演じるために得意のプロファイリングを行います。あかねがどの情報を見て分析したかは不明ですが、その精度は実子であるアクアも驚くほどでした。

描写が少なくて完全に◯とはいえない項目もチラホラありますが、あかねのプロファイリングはほぼ当たっているといます。あかねの分析したアイ像はほとんどそのままアイだと思ってよさそうです。

アイを殺したストーカーの正体はアイの熱狂的なファンであるリョースケ。彼はアイが子供を産んだことで裏切られた気分になり、彼女を殺したのです。 しかし、死に際のアイが、彼女なりにファンを愛していた事や、リョースケの名前を覚えていた事を知り、驚愕します。その罪悪感からでしょうか、リョースケ自身もその後、自ら命を断ち死亡しました。

アイは単純にルックスが可愛かったりパフォーマンスが良かったりするだけでなく、圧倒的なカリスマ性を兼ね備えたアイドルです。 そんな彼女の魅力がよくあらわれているのが、目の描写。真ん中の星マークと周りに散りばめられたキラキラがまるで夜空のようで、ずっと眺めていたくなってしまいます。そのうえコロコロと表情が変わり、ときにあざとすぎる可愛さまで見せてくれるのがたまらないです。 アイは自分の可愛さとその魅せ方を熟知しており、日々それらに磨きをかけているので、歌い踊る姿はまさに究極のアイドルとしか言いようがありません。B小町に興味がなかった業界人の視線すら釘付けにしてしまうのですから、その実力は明らかでしょう！

アイはアイドルというお仕事について、「嘘に嘘を重ねてキラキラした姿を見せる楽しいお仕事」としてとらえています。 通常、嘘というとマイナスなイメージが湧いてしまいますが、アイの場合はそうではありません。彼女は「嘘は とびきりの愛なんだよ？」というセリフの通り、ファンを幸せにするために全力で嘘をつくことを信条としていました。だからこそ自分のプライベートや真の姿はずっと隠し続けていたのです。 アイのこうした考えは正しいとはいえないかもしれませんが、ファンへの愛や誠実さにあふれたものでした。最期までその姿勢を貫き通した彼女の姿勢を見ていると、汚い真実より綺麗な嘘こそが尊いものだと思えてきます……。

アイの性格は明るく天真爛漫、常に前向きで逆境も打ち砕くほどのポジティブ人間です。さらにアイドルグループのセンターと育児を両立する根性も兼ね備えていて、一言でいうとバイタリティーの塊。 その一方で、暗い過去の影響からか、アイドルが虚像であること、そしてイメージを守るため時には嘘も必要だということを達観するリアリストでもあります。

2023年4月12日から放送開始となるアニメ「推しの子」。星野アイのCVを担当するのは歌手としても活動する、声優の高橋李依です。 代表作は『ゆるキャン△』の斉藤恵那や、『Re:ゼロから始める異世界生活』のエミリアなど。公式チャンネルでは高橋が「サインはB」を歌いながら踊る動画も公開されており、ファンは「笑顔が可愛い！」「歌って踊る姿がアイそのもの！」と大評判でした！

アニメ「推しの子」ではアイがB小町の楽曲「サインはB」「STAR☆T☆RAIN」「HEART's♡KISS」を歌うシーンがあり、EDのクレジットではアイのソロバージョンと表記されていました。そのため今後はB小町で歌うシーンも描かれるのかもしれませんが、現時点ではこの3曲がアイのキャラクターソングです。 2023年7月5日には、3曲を収録したCDも発売されます。ぜひ伝説のアイドルであるアイのキャラソンを、聞いてみてください！

アイはなんと現実世界でもCM出演を果たしています。それがPanasonicの食洗器「SOLOTA」の広告です。 SOLOTAは一人暮らしをしている20代～30代の生活をサポートするために作られた食洗器。公私ともに大忙しのアイがターゲットのイメージにぴったりだったこと、そして何より担当者がアイのファンだったことから、このコラボCMが実現しました。 置き場所に困らないコンパクトな設計で、水仕事が減るから手荒れしなくて、食後はのんびりできて……とさまざまな魅力を紹介した後、原作にも出てくる「アイは欲張りなんだ♪」というセリフでまとめるところが可愛らしいです。ほんとうは一人暮らしではないけど、まあそこは言いっこなしでしょう。

ここまで「推しの子」の登場人物・星野アイを徹底的に解説してきました。悲しい過去と早すぎる死、あまりにも辛い人生に胸が締め付けられました。果たして彼女を殺めた黒幕は本当に「カミキヒカル」なのか。ぜひ連載をチェックして考察してみてください！