【鬼滅の刃】下弦の伍・累(るい)の悲しい過去に涙!“家族”を求める那田蜘蛛山編のボス
『鬼滅の刃』下弦の伍・累(るい)を徹底解説!家族が欲しい蜘蛛の鬼……【ネタバレ注意】
上弦の伍・累(るい)は十二鬼月の1人で、那田蜘蛛山を拠点としていた鬼です。子供の様な容姿に白い着物を着ていて、蜘蛛のような髪型をしています。また、見た目通り戦闘時も糸を使用しているのが特徴です。 人間であった頃の悲しい過去から家族の絆を欲しており、鬼になってからは実際に“擬似家族”と共に生活していました。しかし実際に“擬似家族”とは絆を結べず、家族達は累への恐怖心で動いています。那田蜘蛛山編ではそれまでに登場した敵の中でも屈指の強さを見せつけ、炭治郎を圧倒しました。 下弦ながらも鬼舞辻無惨(きぶつじむざん)に認められた十二鬼月の1人である累。そんな累の血鬼術や悲しい過去などを、徹底的に解説していきます!
累の那田蜘蛛山編での活躍、家族と共に炭治郎達を圧倒
那田蜘蛛山に足を踏み入れた炭治郎は同じ鬼殺隊の同士から向けられる刀に驚きます。そこに現れた少年の鬼・累は「お前らは母が殺す」と告げました。先に山に入った隊士達は、累の母と思われる鬼に操られていたのです。 次に出会ったのは顔が蜘蛛のおそらく十二鬼月と思われる大男。さすがの強さに為す術なく、炭治郎は伊之助(いのすけ)を残し遠くに投げ飛ばされてしまいます。 投げ飛ばされた先には累と姉鬼がいました。炭治郎は姉を痛めつける累を叱責します。これまで母や父も累に怯えている様子は何度かありましたが、ここで累の左眼が露わになります。そこには「下弦の伍」の文字が。 この山の鬼を配下に置く十二鬼月は大男の父ではなく、少年の姿をした下弦の伍・累だったのです。
累の家族への執着……鬼たちと家族“ごっこ”
累たちは一家総出で鬼殺隊を向い撃っているかに見えました。しかし実際は累とその他の鬼は全くの他人。家族の絆に飢えた累に家族“ごっこ”をやらされていたのです。 累だけでなく家族役の鬼も、炭治郎達を劣勢に追いやるほどの強さを誇っていました。
父
累の父役の鬼で、顔が蜘蛛の巨大な怪物です。発達した筋肉を持っており、日輪刀の刃が通らない硬度の皮膚も有しています。脱皮をすることでさらに巨大になり、力も強くなるのが特徴。その実力は炭治郎に十二鬼月だと思わせるほど強く、累を除いた家族の中では1番の実力者です。 伊之助との戦闘時にも脱皮し伊之助を瀕死の状態まで追い詰めましたが、最期は駆けつけた冨岡義勇(とみおかぎゆう)によって討伐されています。
母
母鬼は最初に炭治郎達に戦いを仕掛けた鬼です。累からは母として扱われていますが、実際の年齢はまだ子供。累の願望を叶えるため容姿を大人の姿に変え、無理やり母親として振る舞っているのでした。 しかし実年齢はまだ子供のため母親としての振る舞いができないことも多く、父役の鬼から日常的に暴力を振るわれています。 小さい蜘蛛の糸で人を操る血鬼術を使い炭治郎達を苦しめますが、最期はもう楽になりたいと考え自ら炭治郎に首を差し出しました。
姉
累の姉役の鬼は見た目は可憐な少女のようで、時折見せる表情も人間味があるように見えました。しかし本性は狡猾で卑劣。周りの鬼のことなどどうでもいいと思っており、上手く姉を演じることで累に取り入っています。 使う血鬼術は固く柔らかい糸で相手を包み、溶かして捕食する「溶解の繭」です。隊士の1人・村田を血鬼術で捕食するところを蟲柱・胡蝶しのぶに見つかり、弁明かなわず藤の花の毒を打ち込まれ絶命しました。
兄
累の兄役の鬼は人間の頭に蜘蛛の身体を持つ他の鬼とは一線を画す姿をしています。毒を打ち込み相手を手下の蜘蛛したり、口から触れたものを溶かす溶解液「斑毒痰(ふどくたん)」を発射する血鬼術を使用していました。 性格は母とは違い人間を狩るのを心から楽しんでおり、那田蜘蛛山編でも善逸(ぜんいつ)を手下の蜘蛛にしようと企みます。 しかし戦闘時に善逸の実力をみくびったことにより、予想以上のスピードの攻撃を受け、首をはねられ絶命しました。
累の最期、炭治郎と禰豆子の絆“ヒノカミ神楽”の前に破れる!?
初めての十二鬼月との戦闘に、炭治郎は苦戦を強いられます。遂に炭治郎が危ないという場面で割って入ったのが、鬼化した禰豆子(ねずこ)でした。その時累は炭治郎と禰豆子に本物の家族の絆を感じます。そこで累は禰豆子を自分の妹にすると、炭治郎に妹を差し出すよう言いました。 炭治郎はもちろんこれを拒否。累はさらに強力な攻撃を仕掛けてきます。まさに絶対絶命という場面で炭治郎の脳裏によぎったのは、生前の父が見せた「ヒノカミ神楽」と呼ばれる舞でした。 そこで炭治郎は舞を原型とする新技“ヒノカミ神楽”を、禰豆子は血鬼術“爆血”を覚醒させ、兄妹の合わせ技で見事累の首をはねることに成功します。 とうとう累を仕留めたかのように見えた炭治郎でしたが……。
間一髪のところで水柱・冨岡義勇が登場
累を仕留めたかに見えた炭治郎でしたが、累は死んではいませんでした。炭治郎がヒノカミ神楽を放つ直前に、自分の首を糸で切り離していたのです。 最後の気力も使い果たし、本当に後がない炭治郎。その窮地に現れたのが、水柱・冨岡義勇でした。「後は任せろ」と炭治郎に言い残し、義勇は“水の呼吸拾壱ノ型(じゅういちのかた) 凪”を繰り出します。それを見て驚く炭治郎。それもそのはず水の呼吸は“拾ノ型”までしかなく、凪は義勇が独自に編み出した奥義だったのです。 凪で血鬼術が効かないことに累は焦ります。そして一度瞬きをした次の瞬間、累の首はすでに体から切り離されていました。苦戦を強いられた炭治郎に、義勇が柱としての格の違いを見せると共に累は最期を迎えます。
累の悲しき過去、愛する家族に殺されそうに……
累は人間だった頃、体の弱い少年でした。そこに鬼舞辻無惨がやって来て、累を救うと言い自分の血を分け与えます。累は強靭な肉体を手に入れる代わりに、鬼になってしまったのです。 そんな累の変化を両親は喜びませんでした。累が日の光に当たれず、人を食べる生き物になってしまったからです。ある日累は父の知人を殺してしまいます。それを知った父は、とうとう累を殺そうとしました。 実の子に刃を向ける父に累は怒り、父を止めない母共々自分の手で殺めてしまいます。しかし累は「丈夫な体に産んであげられなくてごめんね」という母の最期の言葉を聞いて、両親が自分の罪を背負い一緒にあの世に行こうとしてくれていたこと、求めていた家族の絆を自分の手で破壊してしまったことを知るのでした。
累の血鬼術は蜘蛛らしい能力!炭治郎たちを圧倒
那田蜘蛛山を拠点とし、家族も蜘蛛を想像させる血鬼術を使用する累。そして累もまた戦闘時には蜘蛛らしい血鬼術を使っています。 ここでは十二鬼月まで登り詰めた累の血鬼術を紹介します!
刻糸牢(こくしろう)
硬度の高い累の鋼糸をさらに硬く練り上げ、その糸を蜘蛛の巣状に放ち敵を切り刻む血鬼術です。鋼糸を斬った炭治郎でも斬れないと感じさせるほどの硬度を誇ります。 切断できなければ回避不可能で切り刻まれるのを待つしかありません。炭治郎も為す術なく絶対絶命かと思われましたが、死の間際に放った“ヒノカミ神楽円舞”によって切り裂き、危機を脱することに成功しました。
殺目篭(あやめかご)
敵の周りにドーム状の糸を張り巡らせ、それを中心に向けて縮めることで対象を切り刻む血鬼術です。 炭治郎はヒノカミ神楽を最後の力を振り絞って放ちました。しかしそれでも累を討伐することはできず、力を出し切り腕も動かすことができない炭治郎にとどめをさすために使ったのがこちらの殺目篭です。 炭治郎は呼吸を乱さないよう努力しますが結局太刀打ちできず、この血鬼術は助太刀にきた冨岡義勇によって破られました。
刻糸輪転(こくしりんてん)
硬度を最高まであげた糸を練り上げ、渦を巻きながら相手に放つ血鬼術です。最硬度の糸が巨大な渦を巻くのはまさに圧巻で、おそらく累の血鬼術の中で最強の技だと思われます。 冨岡義勇との戦いで放たれましたが、義勇の独自技である“水の呼吸拾壱ノ型 凪”で簡単に打ち破られています。累は刻糸輪転が破られたことに激しく動揺し、その隙を突かれ義勇に首を切り落とされました。
過去を知った上で読むと同情してしまう?累の名言を紹介
累は人間だった頃の悲しい過去から、どこか儚く悲しい雰囲気を持つキャラクターです。 ここではそんな強い芯を持ちながらも、儚く危ない魅力を持つ累の名言を3つ厳選して紹介していきます。
「僕達家族の静かな暮らしを邪魔するな お前らなんてすぐに母さんが殺すから」
このセリフは累が登場時に発言した名言です。那田蜘蛛山に踏み入る炭治郎達への忠告という形で放たれました。 初対面の初会話にしては少々物騒過ぎるこのセリフ。後半で母任せの戦闘であることを匂わせている点から、これを聞いた時はまさかこの少年が鬼舞辻無惨の率いる十二鬼月だとは誰も思わなかったでしょう。 自分が1番強いことは心ではわかっていても、あくまで母に守られたいという累の家族への飢えも垣間見えるセリフとなっています。
「何に怒ったのか分からないのが悪いんだよ」
このセリフは累から父鬼に折檻される母鬼に向けられた一言です。母鬼は父鬼に左眼をえぐられ、痛みと恐怖に泣き叫びます。泣きながら謝り「何に怒ったの?何が気に食わなかったの?」という母鬼に累は冷たくこのセリフを吐き捨てました。 自分の欲する母ができない母鬼への苛立ちと、自分の理想の母像の共有すらできていない“現在の母”への落胆、そして累の家族に対する残忍で傍若無人な振る舞いがよくわかるセリフです。
「仲間?そんな薄っぺらなものと同じにするな 僕達は家族だ 強い絆で結ばれているんだ」
姉を痛めつける累を見て「仲間じゃないのか?」と叱責する炭治郎に累が放ったセリフです。このセリフを受け炭治郎は「違う。家族も仲間も強い絆で結ばれていればどちらも同じように尊い。」と言い放ち、累と家族の絆を偽物だと告げます。 家族の絆に固執する累はこれに激怒。このやりとりが2人の激闘の引き金となりました。こちらの名言は悲しい過去を持つが故の、累の歪んだ家族像がもたらした悲しいセリフとなっています。
アニメ『鬼滅の刃』での累の声優は内山昂輝
そんな危険な香り漂う累ですが、TVアニメ「鬼滅の刃」では声優だけでなく、俳優としてもマルチに活躍する内山昂輝(うちやまこうき)が声を当てています。 内山昂輝は過去に『ニセコイ』の一条楽(いちじょうらく)、『ハイキュー!!』の月島蛍(つきしまけい)、『僕のヒーローアカデミア』の死柄木弔(しがらきとむら)などを演じています。挙げたラインナップや累などを見ても、明朗快活(めいろうかいかつ)なキャラというよりはどこか影のある少年役を演じていることが多いです。 また最近では2020年10月に放送開始する『池袋ウエストゲートパーク』の不良をまとめるワルのカリスマ・安藤崇(あんどうたかし)役を務めたことでも大きな話題を呼びました。
悲しい過去をもつ下弦の伍・累、家族の絆に憧れた鬼の活躍を見返そう
十二鬼月の1人にして、炭治郎の前に立ちはだかる最初の強敵となる下弦の伍・累。残忍な性格の裏に悲しい過去を持つ、闇の深いキャラクターです。 しかし累は死の直後に“本当の家族”との再会を果たし、例え行く先が地獄でも累と共に行くと語りかける両親に深く謝罪をし、家族の絆は失ってなかったことに気付きます。 最期は悲しい人生も報われたように見えた少年の泣く姿。累の人生を振り返ったらぜひ那田蜘蛛山編を読んでみて下さい。