ヒノカミ神楽の全型・技一覧!炭治郎が受け継いだ厄払いの舞に13の型はあるのか【鬼滅の刃】
『鬼滅の刃』の主人公・竈門炭治郎の一族に伝わる厄払いの舞・ヒノカミ神楽。炭治郎がただの奉納演舞だと思っていたこの神楽には、重大な秘密と約束が隠されていました。 本記事ではヒノカミ神楽の使用者や歴史を紐解くとともに、「ヒノカミ」という言葉について考察していきます。炭治郎のルーツにも関わるヒノカミ神楽を深く知ることで、より『鬼滅の刃』が面白く感じられるはずです。
【解説】炭治郎の呼吸法・ヒノカミ神楽とは?
使い手 | 竈門家 |
---|---|
特徴 | 鬼の再生能力を止める |
呼吸音 | ゴオオオオ |
ヒノカミ神楽とは、竈門家に代々伝わる厄払いの神楽とそれを舞う際の呼吸法のことを指します。その内容は、新年に雪の積もった山頂で12の舞型を何百回、何万回と繰り返すというもの。奉納は一晩じゅうに渡るといい、かなり過酷なものだということがうかがえます。 炭次郎はこの呼吸法を使いながら日輪刀を振るうことで、自身のパワーを底上げしていました。鬼の再生能力を阻害する効果もあり、そのほかの呼吸法とは一線を画しています。その裏にはとある重大な秘密が隠されており、物語終盤でその謎が明かされました。
ヒノカミ神楽の型・技一覧
ヒノカミ神楽には合わせて12の型が存在します。しかし竈門家では舞の型として伝承されてきたため、呼吸法とはちがって型の番号はつけられていませんでした。 一方で本来の日の呼吸には合計13の型があり、きちんと番号も振られています。以下では日の呼吸の番号順にならって、ヒノカミ神楽(=日の呼吸)の型について簡単に紹介していきます。 水の呼吸・炎の呼吸に似た点が多くあるところにも、注目してみてくださいね。
型一覧
各型の詳しい説明を知りたい人は表内リンクをクリック!
壱ノ型 円舞(えんぶ)/円舞一閃(えんぶいっせん) | 両手で日輪刀を握り込み、円を描くように大ぶりに振り下ろす技 |
---|---|
弐ノ型 碧羅の天(へきらのてん) | 日輪刀で空に円を描き、垂直方向に強く振り下ろすことで強力な斬撃を与える技 |
参ノ型 烈日紅鏡(れつじつこうきょう) | 両手で握った日輪刀を肩の左右に素早く振るい、広範囲にダメージを与える技 |
肆ノ型 灼骨炎陽(しゃっこつえんよう) | 太陽を描くように日輪刀をぐるりと振るい、炎の竜巻を出現させる技 |
伍ノ型 陽華突(ようかとつ) | ヒノカミ神楽の中で唯一の、上方向に鋭い攻撃を繰り出す刺突技 |
陸ノ型 日暈の龍 頭舞い(にちうんのりゅう かぶりまい) | 戦場を駆け巡りながらいくつもの円を繋ぎ、龍のような炎を出現させる技 |
漆ノ型 斜陽転身(しゃようてんしん) | 高く跳んだ後に空中で身体の天地を入れ替えながら、水平に鋭い攻撃を繰り出す技 |
捌ノ型 飛輪陽炎(ひりんかげろう) | 日輪刀を両手で持ち、揺らぎを加えながら刀を振り下ろす技 |
玖ノ型 輝輝恩光(ききおんこう) | 姿勢を低くしながら跳躍・前方に突進し、渦巻くような火柱を出現させる技 |
拾ノ型 火車(かしゃ) | 日輪刀を両手に握った状態で飛び上がり、垂直方向に回転しながら切りつける技 |
拾壱ノ型 幻日虹(げんにちこう) | 高速の捻りと回転で回避をするだけでなく、残像を作り出すことができる技 |
拾弐ノ型 炎舞(えんぶ) | 両手で握った日輪刀を素早く振り下ろした後に振り上げ、高速の二連撃を生み出す技 |
拾参ノ型(名称不明) | 壱ノ型から拾弐ノ型までを連続でおこなうことで完成する技 |
技一覧
円舞(えんぶ)
両手で握った祭具を円を描くように振るう舞です。日輪刀を振るうときに応用することで、水の呼吸の最強の技である生生流転以上の威力を発揮します。 この技は、5巻39話の累戦の際に初めて登場しました。
円舞一閃(えんぶいっせん)
円舞一閃は炭治郎が円舞を独自に作り変えたもの。善逸から教わった雷の呼吸の踏み込みを思い出しながら、彼の得意技である壱ノ型・霹靂一閃を円舞に掛け合わせることで、高速の突進から勢いをつけたまま斬撃を繰り出す強力な技です。 この技は、15巻125話の半天狗戦の際に初めて登場しました。
碧羅の天(へきらのてん)
祭具を両手で握って、腰を回すようにして空に大きく円を描く舞です。日輪刀を振るうときに使うと、垂直方向の強力な斬撃を繰り出せます。 この技は、7巻61話の魘夢戦の際に初めて登場しました。
烈日紅鏡(れつじつこうきょう)
両手で握った祭具を肩の左右で素早く振るう舞です。日輪刀の場合は、左右広範囲におよぶ水平斬りとなります。 この技は、9巻77話の堕姫戦の際に初めて登場しました。
灼骨炎陽(しゃっこつえんよう)
祭具を両手で握った後、太陽を描くようにぐるりと回す舞です。日輪刀を振るった場合は、炎の竜巻が現れます。炎の呼吸の肆ノ型・盛炎のうねりに似ているところが特徴です。 この技は、10巻81話の堕姫戦の際に初めて登場しました。
陽華突(ようかとつ)
祭具を右手で握り、左手を柄尻に添えて天に掲げる舞です。日輪刀を振るうときに使うと、上方向に鋭い攻撃を繰り出せます。水の呼吸の漆ノ型・雫波紋突きに似ているところが特徴です。 この技は、12巻106話の半天狗戦の際に初めて登場しました。
日暈の龍 頭舞い(にちうんのりゅう かぶりまい)
複数の円をつなぎ、龍を形作るように祭具を振るう舞です。祭具を日輪刀に持ち替えると、龍のような炎が現れます。水の呼吸の参ノ型・雫波紋突きに似ているところが特徴です。 この技は、13巻122話の積怒・可楽・空喜戦の際に初めて登場しました。
斜陽転身(しゃようてんしん)
高く跳躍した後、空中で逆さまになりながら祭具を振るう舞です。戦闘中に応用した場合、敵の攻撃をよけながらの鋭い攻撃ができます。 この技は、18巻152話の猗窩座戦の際に初めて登場しました。
飛輪陽炎(ひりんかげろう)
両手に持った祭具を揺らがせながら振り下ろす舞です。日輪刀を使って舞うときは、敵に刀の姿を誤認させる不思議な効果を発揮します。 この技は、17巻149話の猗窩座戦の際に初めて登場しました。
輝輝恩光(ききおんこう)
這うほどに姿勢を低くした後、伸び上がりながら祭具で螺旋を描く舞です。日輪刀の場合は渦巻くような火柱が現れます。 この技は、22巻191話の無惨戦の際に初めて登場しました。
火車(かしゃ)
祭具を両手に握った状態で飛び上がり、身体ごと垂直方向に回転する舞です。日輪刀を手にして舞うと、水の呼吸の水車に似た斬撃が繰り出せます。水の呼吸の弍ノ型・流流舞いに似ているところが特徴です。 この技は、9巻77話の堕姫戦の際に初めて登場しました。
幻日虹(げんにちこう)
高速で回転する舞。戦闘中に使うと残像を作り出すこともでき、かく乱に有用です。 この技は、9巻77話の堕姫戦の際に初めて登場しました。
炎舞(えんぶ)
両手で握った祭具を振り下ろした後に素早く振り上げる舞です。日輪刀でこの舞をすると、高速の二連撃となります。 この技は、9巻77話の堕姫戦の際に初めて登場しました。
13の型(名称不明)
これら12の型を最初から最後まで通して行うと、その一連の流れが13番目の型となります。
【比較】ヒノカミ神楽と日の呼吸の違いは?
ヒノカミ神楽は奉納の舞ながら、炭治郎がこれを舞うと全集中の呼吸と同等かそれ以上の効果が表れます。 当初ヒノカミ神楽は、日の呼吸と似て非なるものと考えられていました。ところが「無限城最終決戦」編で両者の関係性が明らかとなり、実はヒノカミ神楽は日の呼吸そのものであったことが判明。 日の呼吸の使い手である耳飾りの剣士こと継国縁壱(つぎくによりいち)が炭治郎の祖先である竈門炭吉に日の呼吸を披露した際、その姿があまりに美しかったことから、後世に神楽として伝えられたのです。 長い鬼との戦いの歴史の中で、鬼の驚異となる日の呼吸の才を持つ者はことごとく消されてきました。その中で神楽として伝えられたヒノカミ神楽だけが、後の世に残ることとなりました。
ヒノカミ神楽が竈門家に伝わる由来は?
戦国時代、炭治郎の遠い祖先・炭吉(すみよし)夫婦を鬼から助けたのが日の呼吸の使い手、継国縁壱でした。縁壱は2人を鬼から救うと、さらに産気づいた妻すやこのために奔走し、夫婦の間には無事に子供が産まれます。 これがきっかけで炭吉と縁壱は友人に。2年後再び夫婦のもとを訪れた縁壱は、温かな炭吉一家に見失いかけていた守るべき者の存在を思い出します。しばらく竈門家で過ごした後、縁壱は日の呼吸の型を披露し、餞別として花札の耳飾りを贈りました。 別れ際、炭吉は縁壱への感謝の気持ちと、自分に価値がないと自嘲する彼の存在証明のために、子々孫々まで耳飾りと日の呼吸を継承していくことを約束。こうして竈門家にヒノカミ神楽が受け継がれていくことになります。 400年近くも経つにも関わらず正確に伝承されているところに、炭吉の思いの強さが現れていますね。
【使用者】ヒノカミ神楽を扱える者は一握り!
竈門炭治郎
炭治郎は父親から耳飾りとヒノカミ神楽を継承しています。彼が作中初めてヒノカミ神楽を披露したのは「那田蜘蛛山」編、コミックス5巻です。 下弦の伍・累の圧倒的な強さの前に窮地に陥った炭治郎は、朦朧とする意識の中で亡き父の走馬灯を見ます。そこで父から受け継いだヒノカミ神楽の呼吸と型を思い出し、応戦。反撃への契機を生み出しました。
継国緑壱
作中では長らく耳飾りの剣士と呼ばれていた継国緑壱は、鬼舞辻無惨をあと一歩のところまで追い詰めた作中屈指の強さを誇る剣士。その額には炭治郎と似た痣があります。 彼は鬼殺隊の核となった「始まりの呼吸の剣士」の1人。彼の使う日の呼吸は鬼にとって危険だと判断されたことで、彼の時代以降の日の呼吸の素質を持つ者は無惨によって消されてしまいます。
竈門炭十郎
炭治郎の父・竈門炭十郎(たんじゅうろう)もヒノカミ神楽を収めています。彼は生まれつき病弱な人物で床に伏せていた人物でした。 ヒノカミ神楽を極めていた炭十郎は病弱であるにも関わらず、日没から夜明けまで延々と舞うことができ、さらにはヒノカミ神楽を使って人食い熊を一瞬で倒すという人並み外れた力を見せています。
アニメ第19話「ヒノカミ」が神回と話題!海外の反応は?
ufotableによる神作画が毎回話題となっているアニメ版では、19話「ヒノカミ」にて初めてヒノカミ神楽が登場。戦いの最中、炭治郎は水の呼吸で切れない累の蜘蛛糸に苦戦していました。そこで炭治郎が思い出したのが父から受け継いだヒノカミ神楽です。 アニメでは水の呼吸からヒノカミ神楽への切り替えの作画・演出が素晴らしく、炭治郎の覚悟と家族の絆が剣に乗って鬼気迫る迫力で累へと放たれていきました。 さらにこの一連のシーンのために用意された挿入歌『竈門炭治郎のうた』も視聴者の琴線に触れる美しい楽曲で、まるで最終回のような圧巻のクオリティだったのです。 これぞ神回、という美しい映像美が堪能できる回となりました。
海外のファンも大絶賛!
国内ファンはもちろんのこと、ヒノカミ神楽の初登場シーンは海外ファンからも絶賛されています。一番多かったコメントが、「今まで見たアニメの中で一番美しかった」というものや「炭治郎の円舞がスローモーションになるところがやばい」など、映像の美しさに関するもの。 これはufotableならではの作画のクオリティの高さが引き出せるコメントですね。
神回19話「ヒノカミ」を見る
【考察】ヒノカミ神楽のモデルは“火の神”神楽?
日の呼吸の使い手である縁壱の双子の兄・巌勝(みちかつ)は、後に上弦の壱・黒死牟となった人物で月の呼吸の使い手です。日と月で、さらに鬼殺隊と鬼。対となるこの双子のモデルは、日本神話の日の神アマテラスと月の神ツクヨミと考察することができます。 この考察から考えると、縁壱から継承されたヒノカミ神楽は「日の神神楽」と言えるでしょう。一方でヒノカミ神楽を奉納演舞として伝えてきた竈門家は、代々「火」を扱ってきた炭焼きの家系です。竈門家の人々は「火の神様」に対して神楽を納めてきたと考えるのが自然でしょう。 これらのことから、もともとは「火」の意味を持たなかったヒノカミ神楽は、長い時間の中で本来の「日の神」と、新たに「火の神」の意味を持つダブルミーニングな言葉になったのではないでしょうか。
『鬼滅の刃』ヒノカミ神楽を一覧で紹介!奥深い伝統の舞
完結後もなお大きな話題となっている『鬼滅の刃』。終盤の戦いで大きなカギとなるヒノカミ神楽について、考察を交えて紹介しました。 本作は伏線が多く、完結後も何度も読み直したくなる作品です。全編がアニメ化されることに期待しつつ、ヒノカミ神楽や日の呼吸を予習復習しておきましょう。