『ハウルの動く城』サリマン先生の本性が怖すぎ……黒幕説や若い頃何があったのか正体を解説
宮崎駿が監督・脚本を務めたジブリの名作ファンタジー映画『ハウルの動く城』(2004年)。 本作に登場するハウルの師匠、サリマン先生はこの物語で描かれる戦争の黒幕とも噂されています。この記事では謎多き魔女サリマン先生に隠された秘密やハウルとの関係性を解説していきましょう!
ハウルの師匠・サリマン先生の基本情報
本名 | サリマン |
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年齢 | はっきりした年齢は不明 (見た目は70~80歳ほど?) |
肩書 | 魔法学校校長 王室付き魔法使い (総理大臣と参謀長に指示ができる) |
性格 | 聡明で穏やか ハウルに異常に執着する |
声優 | 加藤治子 |
サリマンは魔法学校の校長であり王室付き魔法使いでもある、大きな権力を持った魔女です。ハウルの師でもあり、その魔力はハウルをしのぐのとも言われています。 聡明で穏やかに見える一方、ヒンという使い魔でハウルたちを監視したり、小姓を全員ハウルの幼い頃と同じ顔にするなど怖い一面も。普段は温厚そうな彼女ですが、その裏にはもう1つの顔が隠れていそうです。
サリマン先生は戦争の黒幕!?ハウルとの関係は
サリマンは本作で起こっている戦争の黒幕です。お気に入りの弟子・ハウルをそばに呼び戻したいがため、サリマンは隣国の王子に呪いをかけて戦争を起こしたのでした。 以下ではそんなサリマンとハウルの異常な関係を、時系列順に解説していきます。
- 若い頃・弟子の1人だったハウルを気に入る。
・あるときハウルが悪魔と契約。
・去っていくハウルを引き止めようとするが、戦いに敗れて車椅子に。 - ハウルに異常に執着・小姓を全員ハウルと同じ顔に。
・ハウルを呼び寄せるため戦争を起こす。
・ハウルのあらゆる名前に召集令状を送る。
・犬のヒンをスパイとして潜り込ます。 - ハウルを諦める(?)・ハウルと悪魔の契約が切れる。
・戦争を終わらせる。
①サリマンとハウルの若い頃
サリマンはかつてハウルの師匠でした。ハウルは容姿端麗で魔法の才能にも秀でており、サリマンは最後の弟子でもある彼を大変気に入り自分の後継者にしたいと考えていたのです。 しかしあるときハウルは星の子(のちの火の悪魔カルシファー)を助けて彼と契約します。サリマンは悪魔とともに去るハウルを止められず、重傷を負いました。
車椅子になった理由は?
サリマン先生は車椅子に乗っていますが、その理由はハウル・カルシファーとの戦闘による後遺症ではないかと考えられています。 魔法学校の校長であるサリマンは、悪魔と契約して学校を去ろうとするハウルを体をはって止めようとしますが、もとから優秀な上に悪魔の力まで加わったハウルに敵わず、大けがを負うことになったというのです。 真偽はわかりませんが、サリマンのハウルへの異常な執着には怪我を負わされたことも関係しているのかもしれません。
②ハウルを呼ぶため戦争を起こす
サリマンは自分の元を離れていったハウルを呼び戻す口実を作るために、戦争を起こしたと言われています。その理由はサリマンがハウルに対して、並々ならぬ執着を見せているからです。
小姓を全員ハウルと同じ顔にする
サリマンがハウルに執着している様子は、劇中でたびたび描かれています。まず自身に仕える小姓を全員ハウルの幼少期と同じ顔にしていました。それだけハウルの顔が気に入っていたのでしょう。 戦争が始まってからも、ハウルの数多くの名前(ジェンキンスやペンドラゴン)に宛ててしつこく召集令状を送っています。 またソフィーが母のふりをして断りに来たときには、帰っていくソフィーと一緒にカメラ付きの犬のヒンを送り込みました。 この執着は男女の恋愛感情なのか、はたまた依存や支配欲なのか……ハウルの罪深い魅力のせいなのでしょうか。
戦争はサリマンがハウルのために起こした?
この異常ななハウルへの執着から、戦争はサリマンが起こしたのではないかと言われています。 今回の戦争の発端は、隣国の王子が行方不明になったこと。王子とはカカシのカブのことで、彼にはかなりこんがらがった呪いがかけられていました。 こんなにも高度な呪いをかけられる能力を持っていて、かつ戦争を望んでいた人物はサリマンしかいません。サリマンがどうやらハウルを呼び戻すために王子に呪いをかけて、戦争を起こしたようです。
③戦争の終結
本作のラストでは、ソフィーのキスで王子の姿に戻ったカカシのカブが戦争をとめるために自国に戻っていきます。王子が誘拐されていなかったことが明らかになれば、戦争の理由はなくなるのです。 さらにサリマンはハウルとカルシファーの契約が切れたことも知り、総理大臣らとともに戦争終結に動き出していました。実はサリマンはただハウルに執着していただけでなく、悪魔によって狂っていくであろう愛弟子を心配していたのかもしれません。
「この馬鹿げた戦争を終わらせましょう」の意味は?
サリマンは最後に「この馬鹿げた戦争を終わらせましょう」と語っています。このセリフから、戦争は実はサリマン自身が望んだものではなく、サリマンが仕えている総理大臣や国のお偉方が望んでいたのではないかという考察もありました。 たしかにその可能性も否定できませんが、サリマンがハウルに対して異常な執着を見せていたのも事実。お偉方の意向はわかりませんが、サリマンも少しは戦争を望む側に加担していて、自虐も込めて「馬鹿げた戦争」と語ったのではないでしょうか。
原作ではベン・サリヴァンという男性だった
『ハウルの動く城』の原作とされる、イギリスの児童文学作家ダイアナ・ウィン・ジョーンズが書いた『魔法使いハウルと火の悪魔』。 実は原作小説ではサリマン先生というキャラは存在せず、代わりにベン・サリヴァンという男性キャラが登場しています。 彼は王室付きの魔法使いであり、かつてハウルと同門で学んだ兄弟子でした。ベン・サリヴァンはサリマン先生の元になったキャラクターですが、原作では師匠ではなくただの兄弟子。しかも魔法の実力はそれほど高くなかったようです。全くの別人ですね。
サリマン先生の声優は?
サリマン先生の声優を担当したのは、多数の映画・ドラマ・舞台に出演した女優、加藤治子です。 長年「火曜サスペンス劇場」シリーズに出演するなど、確かな演技力で様々な作品を支えてきました。声優としての出演作品は少ないですが、『魔女の宅急便』(1989年)ではキキを励ます老婦人役として出演。 これからもジブリ作品を支えてくれると思われましたが、残念ながら2015年に永眠しています。
『ハウルの動く城』サリマン先生は知れば知るほど怖い存在だった
一見温厚そうに見えるサリマン先生ですが、知れば知るほど怖い一面が見える存在でしたね。 それを知って本作を見直すと彼女の気付けなかった部分に気付けるかもしれません。これを機に是非『ハウルの動く城』を見返してみましょう!