『ハウルの動く城』犬ヒンの正体は人間だった!?犬種や原作設定も徹底解説
2004年に宮崎駿監督が発表したアニメ映画『ハウルの動く城』。呪いで老婆に姿を変えられた少女のソフィーと、美しい青年魔法使いハウルとの共同生活を描いた作品です。ハウルの声を木村拓哉が演じたことでも話題になりました。 そして本作で独特な存在感を放っているのが犬のヒン。特徴的な見た目と鳴き声のこのキャラクターについて、知っているようで知らなかった正体からトリビアまで徹底紹介していきます。
『ハウルの動く城』犬ヒンの基本情報
ヒンはソフィーがサリマンのもとへ交渉にいったとき、ソフィーについてきた老犬です。見た目は大きな顔と耳、長い体毛が特徴です。しかし手足だけは小さく鳥のような形をしています。
犬・ヒンの正体はサリマンの手下
ヒンはハウルの師匠である魔女サリマンの使い魔です。 老犬のため、階段も自分では登ることができませんが、大きな耳を羽ばたかせて飛ぶことができます。自分の目を通してみた映像を、サリマンの手元にある水晶玉へ送ることができるという使い魔らしい能力も持っています。
なぜ「浮気者」?
最初はサリマンに言われてハウルの様子を探るべく、ハウルの動く城にやってきたヒン。しかし調査する中でソフィー達にすっかり懐いてしまい、彼女の味方になってしまいます。 挙句にはサリマンから「浮気者」といわれていました。相当ハウルとソフィーのことが気に入ってしまったのでしょう。
原作のヒンは人間の王子だった?
『ハウルの動く城』の原作小説は、ダイアナ・ウィン・ジョーンズが書いた『魔法使いハウルと火の悪魔』。アニメ映画版は原作からかなり大胆なアレンジが多数加えられています。 ヒンに関しても同様で、原作のヒンは犬人間でした。映画版の初期案でもヒンは人面犬で描かれています。 それはヒンの正体が国王の弟ジャスティン殿下だから。ジャスティンは行方不明になったサリマンを探しに行くうち、荒地の魔女によって顔と体と心をバラバラにされ、顔を犬につけられてしまったのです。 荒地の魔女はジャスティン王子とサリマン(原作では男性)、ハウルの3人を継ぎ接ぎすることで、完璧に理想的な男性を作ろうとしていたのでした。その残骸が犬とカカシだったのです。
ヒンのモデル・犬種は?
モデルになった犬種は?
公式に発表はありませんが、ヒンのモデルになった犬種はプチバセットグリフォンバンデーンではないかと言われています。長い名前なので、日本では通称“プチバセ”で通っています。フランス原産の猟犬で、長い剛毛に覆われた胴長な体がヒンを彷彿とさせます。
押井守をイメージしている?
本日はとある打ち合わせからスタートしました#押井守 pic.twitter.com/Zdz9A4UCaP
— 押井守 公式アカウント (@oshii_mamoru) May 23, 2018
ヒンは初期のイメージボードでは、人間ぽく高貴な雰囲気が漂う顔をしていました。しかし映画に登場したヒンはより犬っぽく、そしてある人物に寄せられた顔になっています。 その人物というのが「機動警察パトレイバー」や「攻殻機動隊」シリーズで知られるアニメ監督、押井守です。どうしてヒンの顔が押井守風になったのか、その詳しい理由は語られていません。 しかし押井守は相当な愛犬家として知られています。彼と親交が深かった宮崎駿は、幾度となくその犬バカっぷりを目にしてきたに違いありません。 犬のキャラクターを描いているうちに、自然と、押井守を連想してしまったのかもしれませんね。
『ハウルの動く城』犬ヒンの声優は?
ヒンの声を担当したのは、俳優の原田大二郎です。 原田大二郎の名を広めたのは1975年のテレビドラマ『Gメン’75』。警部補、関屋一郎役で有名になりましたが、なんと自分よりも共演している女優のアップが多いという不満をプロデューサーにぶつけ、降板させられてしまったそうです。 その後は映画『蒲田行進曲』に出演したり、蜷川幸雄演出の舞台などで活躍するようになりました。 ヒンの鳴き声は実に特徴的。名前の通り「ヒンッ」と鳴くのですが、喘息を患っている人のように苦しい咳をイメージして演じたそうです。
『ハウルの動く城』鑑賞の際には、ヒンに注目!
『ハウルの動く城』に登場するヒンにまつわるエピソード、あなたは幾つご存知だったでしょうか? エピソードを思い出しながら本作を鑑賞してみると、より一層作品を楽しめるかもしれませんね。ぜひ、ヒンに注目してみてください!