2021年3月18日更新

【ハウルの動く城】カカシのカブはなぜ呪われたのか?正体とサリマンの動機を解説

ジブリ公式画像 ハウルの動く城
© 2004 Studio Ghibli・NDDMT

人気ジブリ映画『ハウルの動く城』に登場するカカシのカブ。謎に満ちた存在である彼は、実はハウル以上にイケメンなキャラクターなのです。彼が作中で見せた紳士っぷり、そしてその秘密を振り返っていきましょう。

目次

『ハウルの動く城』カカシのカブの正体を解説&考察!実は戦争の原因だった?

『ハウルの動く城』
© 2004 Studio Ghibli・NDDMT

2004年に公開されたジブリ映画『ハウルの動く城』には、魅力的なキャラクターがたくさん登場します。そのなかでも謎が多く、驚きの正体を隠しているのがカカシのカブ。 登場シーンからカカシなのに英国紳士のような服を着ていたのが印象的なカブですが、その服装は実は正体の伏線でした。 ここではそんな紳士的な彼の活躍を振り返りながら、その魅力に迫っていきましょう。また原作での意外な設定や戦争の原因も考察していきます。 ※この記事には『ハウルの動く城』のネタバレがあります。未見の場合はご注意ください。

ソフィーに一途で優しすぎるカブの登場シーンをおさらい!

ソフィーに助けられて一目惚れ!?

『ハウルの動く城』
© 2004 Studio Ghibli・NDDMT

カブの初登場は、老婆になってしまったソフィーがその魔法を解いてもらおうと、ハウルの城に向かっていたときでした。彼女は道すがら、草むらに刺さって動けなくなったカブを助けます。 彼はそのときソフィーのやさしさに打たれ、恋をしてしまったようなのです。

杖とお城を用意する

おばあさんになってしまったソフィーは歩きにくかったため、枝を拾って杖にしようとしていました。それを見たカブは、柄に見事な鳥の細工が施された杖をどこからか持ってきて、彼女に渡します。 またこのとき「ついでに今夜のお宿も連れてきてくれるといいねえ」と言ったソフィーのために、カブはハウルの城を連れて来ました。 それ以降もカブは愛するソフィーを追って、ハウルの動く城を後ろから追いかけていきます。

洗濯物を干すのを手伝う

『ハウルの動く城』
© 2004 Studio Ghibli・NDDMT

最初は「変なのに好かれてしまった」と少し怪訝な表情だったソフィーですが、徐々にカブに親しみを感じていきます。 城が岸辺にたどり着いたある晴れた日に、ソフィーは洗濯をはじめました。するとカブは洗濯物を干した紐を木に結びつけて、ソフィーの手伝いをします。 ソフィーと仲良く作業ができて、その表情はどことなくうれしそうです。

傘をさしてあげる

ソフィーが浴室を掃除した結果、ハウルが浴室にかけた魔法が解けてしまい、入浴した彼の髪の色が変わってしまいました。そうしてハウルとケンカになったソフィーは、城を飛び出して行きます。 外は大雨。びしょ濡れになりながら涙を流すソフィーに、カブはそっと傘をさしかけます。好きな人と喧嘩したソフィーを慰めようとする姿がなんとも紳士的でした。

体をはってハウルの城を守る

物語終盤、ハウルとカルシファーの契約が解消されたことで、彼の城は崩壊をはじめます。滑り落ちるソフィーたちを、カブは体を張って受け止めました。 しかしそのせいで彼の体の芯である棒が削られ、大きなダメージを受けてしまいます。 身を削って助けてもらったソフィーはカブに感謝のキス!すると彼は美しい正体を表したのです。

【ネタバレ注意】ソフィーから感謝のキスでイケメン王子に変身!

呪いは“愛する者のキス”で解ける

実はカブは、呪いによってカカシに変えられた隣国の王子でした。そしてその呪いは、“愛する者のキスで解ける”というものだったのです。やはりカブはソフィーを愛していたのでした。 しかし心が通じ合ったソフィーとハウルを見て、彼は身を引くことに。 そして戦争を終わらせるため国に戻ることにします。それでもソフィーのことをあきらめきれないカブは最後、「戦争が終わったら、また伺います」「心変わりは人の世の常と申しますから」と言い残して去っていきました。 失恋してもなおソフィーを一途に想うなんて、見方によってはハウルよりイケメンかもしれません。

呪いをかけたのはサリマンだった?カブ王子の正体と戦争の関係を考察

呪いの秘密 戦争の行方を背負ったカカシ

映画では語られていませんが、王子に呪いをかけてカカシにしたのは、魔法使いのサリマンだったと考えられています。 原作でカカシに呪いをかけるのは凶悪な荒地の魔女ですが、映画では彼女はもう少し良いキャラクターです。ラストシーンで荒地の魔女は王子に「国に戻って戦争をやめさせたほうが良い」と諭します。 逆に言えばカブには、戦争を止めるだけの力があるということ。 ハウルの師匠だったサリマンが戦争を起こすために、隣国の王子に呪いをかけてカカシの姿とし、行方をくらませてしまったのだと考えられます。

サリマンが戦争を起こそうと思ったのはなぜ?

ジブリ公式画像 ハウルの動く城
© 2004 Studio Ghibli・NDDMT

サリマンはなぜ戦争を起こしたのでしょうか。それはハウルの師匠であるサリマンが、彼を手元に取り戻したいと思ったからだと思われます。多くの弟子を抱える彼女にとって、優秀なハウルはお気に入りだったに違いありません。 しかしソフィーの存在によってハウルが戻ってくることはないと悟ったサリマンは、ハウルを連れ戻すことを諦め戦争をやめることに。また隣国の王子であるカブが自国に戻ったことも、その選択を後押ししたのかもしれません。

カブの恋はサリマンに仕組まれたものだった?

戦争の原因は、ハウルを愛していたサリマンがソフィーに嫉妬したことだとする説があります。 愛するハウルを呼び戻したいのにソフィーから離れようとしないハウルを見て、困ったサリマン。そこで邪魔者のソフィーをハウルと引き離すため、そして戦争を口実にハウルを呼び戻すために、王子をカカシとして送ってソフィーとくっつけようとしたと考えられているのです。 実際にカカシのカブはソフィーのことを愛し、呪いを解いてもらうために頑張ったのか、ソフィーに紳士的な行動を繰り返しました。 しかしハウルに惚れたソフィーはもちろんカカシには惚れません。ハウルがタイプであるソフィー相手に王子をカカシに変えてしまったのは失策だったかもしれませんね。

カカシのカブの声優は大泉洋!実はジブリ作品3作目だった

大泉洋(真戸呉緒/東京喰種)
©️ciatr

カブの声を担当したのは、人気俳優の大泉洋。「ハウル」が公開された2004年当時は、主に地元・北海道テレビの『水曜どうでしょう』などのバラエティ番組や、自身が学生時代に立ち上げた演劇ユニットTEAM NACKSの活動などで知られていました。 実は本作は、彼にとって3作目のジブリ作品への出演。それ以前には『千と千尋の神隠し』(2001年)で番台蛙役、『猫の恩返し』(2002年)で国語教師の役を担当しています。 本作以降にはテレビドラマ『東京タワー 〜オカンとボクと、時々、オトン〜』(2006年)や「ハケンの品格」シリーズ、映画『アイアムアヒーロー』(2016年)に出演するなど、その活躍は知ってのとおりです。

原作では王子じゃない!かかしは荒地の魔女に囚われたサリマンの心だった

『ハウルの動く城』原作の児童小説『魔法使いハウルと火の悪魔』

映画『ハウルの動く城』の原作は、1986年に刊行されたイギリスの作家ダイアン・ウィン・ジョーンズによる児童小説『魔法使いハウルと火の悪魔』です。日本語版は1997年に発売されました。 原作は映画版とキャラクターの設定が違っている部分が多くあるので、紹介していきましょう。

好みを追い求める、荒地の魔女が用意した「かかし」

ジブリ公式画像 ハウルの動く城
© 2004 Studio Ghibli・NDDMT

映画では荒地の魔女はサリマンに魔力を奪われてしまいますが、原作ではいちばん強いのは荒地の魔女です。火の悪魔に操られた彼女は、複数の人間の体を切り貼りして自分好みの人間を作り出そうとしていました。 彼女が好みの人間を作るために使おうとしていたのは、「首のない体」と「犬」そして「かかし」。荒地の魔女はこの「首のない体」にハウルの頭をくっつけて、完璧に自分好みの男性を作り上げようとしていたのです。

バラバラになっている3体のキャラ「体、犬、かかし」

『ハウルの動く城』
© 2004 Studio Ghibli・NDDMT

火の悪魔に操られた荒地の魔女は、自分好みの人間を作るため3つの生き物「首なしの体・犬・かかし」に、2人のキャラクターをバラバラにして入れていました。 2人のキャラクターとは、魔法使いサリマンと王様の弟ジャスティンです。 サリマンは原作では男性で、王様の命令で荒地の魔女を始末しに行きそのまま行方不明になってしまいます。彼の胴体が「首無しの体」です。「犬」に入れられていた王様の弟ジャスティンも、サリマンを探しにいったまま行方不明になっていました。 そして「かかし」に入っていたのは「サリマンの心」でした。

ソフィーの命を吹き込む魔法

『ハウルの動く城』
© 2004 Studio Ghibli・NDDMT

本人に自覚はありませんが原作でのソフィーは魔法を使うことができました。言葉によって物に命を吹き込んだりする“言霊の魔法”の力を持っています。 原作では彼女はこの魔法によって、ただのかかしに無意識に命を吹き込んだのでした。そしてかかしは、彼女のあとを執拗についてくるようになります。 原作のかかしは呪いによって姿を変えられた王子ではないので、最後までかかしのままです。

『ハウルの動く城』カカシのカブはソフィーを一途に想い続けるイケメン王子だった

ソフィーを一途に想いつづける『ハウルの動く城』のカカシ、カブ。愛する彼女を守るため、自らの命の危険も顧みずに行動した彼の正体は、呪いによって姿を変えられた隣国の王子でした。カブの行動は、奔放で、ときおり子供っぽさを見せるハウル以上に勇敢なものです。 一途で紳士なカカシ、カブの活躍に注目して本作をもう1度観てみるのもいいかもしれませんね!