「胎蔵遍野(たいぞうへんや)」は羂索(けんじゃく)の領域展開!能力や意味とは?【呪術廻戦】

漫画もアニメも絶好調の『呪術廻戦』において、すべての黒幕とされる羂索(けんじゃく)。千年もの間、他人の体を渡りながら生きてきた呪詛師です。彼(彼女?)こそが「偽夏油」の正体であり、目的や術式も少しずつ明かされてきました。 この記事では、羂索の領域展開「胎蔵遍野(たいぞうへんや)」について解説します。 ※この記事は『呪術廻戦』の重要なネタバレを含みます。
羂索(けんじゃく)の領域展開は「胎蔵遍野(たいぞうへんや)」

羂索の領域展開は「胎蔵遍野」。その見た目は、断末魔をあげる無数の顔でできた樹木のようで、枝には首と足をもがれた妊婦が磔にされています。 根本部分も妊婦をかたどった像がぐるりと囲み、何ともおぞましい雰囲気の領域です。 両面宿儺の領域展開「伏魔御廚子」と同じく、“結界を閉じずに”領域を展開することが可能。この「縛り」によって、どれかの術式効果を強化していると思われます。羂索は天元に匹敵する結界術の使い手であり、領域同士の押し合いに強いです。
「胎蔵遍野(たいぞうへんや)」の能力は未だ不明
「胎蔵遍野(たいぞうへんや)」は205話で初登場しましたが、発動時間がとても短く、また九十九由基が簡易領域を使って対策していたため、その能力は不明なままでした。 ただ、九十九ほどの術師の簡易領域でも数秒しか保たなかったことを考えるに、とても強い領域展開であることは間違いないようです。九十九も「何て強力な結界…!簡易領域がみるみる剥がされる!」と心の中でこぼしています。
「胎蔵遍野(たいぞうへんや)」の能力を考察!

羂索(けんじゃく)の術式に必中効果が乗ったもの?
領域展開が発動すると、その効果の1つとして術式に「必中」が付与されます。 今のところ羂索の術式として明かされているのは、肉体を渡る・「呪霊操術」・重力の3つです。 肉体を渡る術式(正式名不明)は、他人の死体に自身の脳を移植することで、肉体はもちろん、記憶や身体能力、術式などを引き継ぐというもの。 2つ目の「呪霊操術」は、現在乗っ取っている夏油傑が持つ術式。取り込んだ呪霊の術式を抽出できるため、渋谷事変後は真人の「無為転変」も使用可能です。後述する重力を加えたどれかに必中効果が乗ったものが、胎蔵遍野の能力だと推測します。
重力が最有力!
羂索の3つの術式のうち、胎蔵遍野は重力の術式による領域展開だと思われます。 正式名称は「反重力機構(アンチグラビティシステム)」。かつて、羂索が肉体を乗っ取っていた虎杖香織の生得術式だと作中で明かされました。本来は自身の周囲の重力を打ち消す「反重力」の術式ですが、威力が弱く安定もしません。 そのため、羂索は術式反転で効果を反転しており、範囲内の重力を自在に操っています。 206話で九十九由基が胎蔵遍野を受けた際、一瞬で地面に打ち付けられていました。特級呪術師すら回避できない、すさまじい重力攻撃が襲いかかったのでしょう。
「胎蔵遍野(たいぞうへんや)」の登場回
羂索の領域展開「胎蔵遍野」の初登場は、単行本23巻205話。天元を狙って薨星宮を襲撃し、その護衛についていた九十九との交戦中です。 九十九は術式「星の怒り(ボンバイエ)」によって、羂索の両腕が千切れるほどのダメージを与えます。 策を巡らそうとする彼女に、羂索は「互いの術式が煙たいのに領域を展開しないのは、領域の押し合いに自信がありませんって言ってるようなもんでしょ」と言い放ち、印を結びます。「胎蔵遍野」が発動し、九十九は突然の領域展開に驚きつつも天元へ合図を送りました。
「胎蔵遍野(たいぞうへんや)」の手の形・元ネタ
領域を展開する際は、術師ごとに違う掌印(手印)を結ばなければいけません。羂索のものは両手の甲同士を合わせて、指を交差する形になっています。 元ネタと思われるのは「十二合掌」。数千にもおよぶ仏教の手印において、基本となる12の合掌と6の拳印のうちの1つとされています。そもそも合掌は、両の手を合わせることで仏の世界と1つになり、悟りの境地=成仏を願うもの。 無量空処の場合は帝釈天の印であり、その他の領域展開も何らかの神に対応した印なので、胎蔵遍野は少し特殊と言えるかもしれません。
「胎蔵遍野(たいぞうへんや)」の意味は?
胎蔵遍野の「胎蔵」は密教の「胎蔵界(たいぞうかい)」を略した仏教用語。母胎が子を育むように、仏の慈悲が命あるすべての衆生を救済する世界です。 17巻145話にて、九十九が「慈悲の羂に救済の索か」と皮肉っていましたが、仏教においては「羂索とは慈悲の索(縄)なり」との教えがあります。一方の「遍野」は、非常に多いことの例えで、辺り一帯やいたるところを表した言葉です。 つまり胎蔵遍野は、あらゆる命を慈しみ育て、救済する心が一面に広がる領域なのでしょう。
【考察】羂索(けんじゃく)は他にも領域展開が使える?

3つの術式の中で、「呪霊操術」は夏油、「反重力機構」は香織のものとすると、羂索の本来の術式は肉体を渡る能力でほぼ間違いありません。 しかしこの術式の欠点として、体を渡る際に元の器の術式は消失してしまうはずです。 公式ファンブックにて、「渡るときに元の肉体の術式は消えてしまうんですけど、(そうならないよう)彼はいろんな手を打っています。」と書かれており、「反重力機構」を使えるのもそのため。過去に乗っ取った他の術者の術式・領域展開を使える可能性は高く、生前に習得していないと思われる、夏油の領域展開も登場するかもしれません。
羂索(けんじゃく)の術式・能力一覧
名称不明:肉体を転じる
羂索が本来持っている力だと考えられるのが、脳を入れ替えることで肉体を転じる禁忌の術式です。乗っ取った人物の中に入っているのは羂索の脳だと考えられますが、これが彼の本体なのか、他に本体にあたる体があるのかは不明。 乗っ取った対象の生得領域を使えるようになるだけでなく、その人物の記憶も引き継ぐことが可能。彼が乗っ取った人物には額に縫い目がつきますが、それは「縛り」なので反転術式で消すことはせず、そのまま残しています。
呪霊操術

降伏させた呪霊を球状にして飲み込み自在に操る、夏油傑の生得領域が呪霊操術です。上限なく呪霊を取り込むことが可能で、降伏させることができれば特級呪霊もその例外ではありません。生前の夏油は、百鬼夜行時点で6000体以上を使役していました。 また呪霊を操作すれば複数の術式を使えるという呪術界でも異例の力です。天元と人類の同化という目的達成には見逃せない力だったため、夏油は彼の乗っ取り対象となりました。
極ノ番「うずまき」
夏油の呪霊操術の奥義が極ノ番「うずまき」です。これは呪霊操術で取り込んだ呪霊を1つに練り上げ、超高密度の呪力として放つ技。百鬼夜行では呪力による攻撃として夏油はこれを使っていました。 羂索によると、術式を持つ準1級以上の呪霊をつかって「うずまき」を放つと、「術式の抽出」が可能になると言います。呪霊を操作して術式を使うのではなく、術式そのものを取り出して自分で使えるという点が、この「うずまき」の真髄です。
無為転変(むいてんぺん)

特級呪霊・真人(まひと)の持つ術式が無為転変(むいてんぺん)です。相手の魂に触れることで、その魂を変形させ相手の姿形を変形・改造することができます。 羂索は偽夏油として真人を飲み込むと、「うずまき」で無為転変を抽出。無為転変を遠隔発動し、あらかじめマーキングしていた呪物を取り込ませた人・術式を持っているが脳の構造が非術者の人の魂をいじり、脳を術師の形に変質させました。
反重力機構(アンチグラビティシステム)
かつてその身を乗っ取った虎杖香織の術式・反重力機構(アンチグラビティシステム)。名前の通り本来は重力を打ち消す効果がありましたが、そのまま使用すると力が安定しないデメリットが存在。そのため羂索はこの術式を反転で使用し、重力を発生させる術として使用しています。 重力により相手の動きを奪うなど強力な効果を持っていますが、術の範囲は半径2~3m程度と狭く、そのうえ効果時間も6秒ほど。また使用してから次に使うまでに一定の時間が必要となるなど、欠点も多い術式となっています。
「胎蔵遍野」は羂索の強さの序の口かもしれない!?
『呪術廻戦』作中でようやく明かされた羂索の領域展開「胎蔵遍野」。しかし、これは羂索本来の術式ではなく、まだ他に領域展開を隠し持っているかもしれません。 ラスボス候補のその強さがどれほどのものなのか、今後の活躍に注目しましょう!








