『思い出のマーニー』はひどい?感想評価を賛否でそれぞれまとめてみた【あなたのことが大すき】
2014年7月19日に公開されたスタジオジブリ制作のアニメ映画『思い出のマーニー』。宮崎駿、高畑勲の両巨匠が唯一関わっていない作品であり、次世代のジブリを占う作品と言われています。 札幌に住んでいる喘息持ちで周囲にうまく馴染めない少女・杏奈は療養のために北海道の海辺の田舎に住むことになりました。 ある日、海辺にある館で不思議な少女・マーニーと出会います。マーニーとの出会いをきっかけに杏奈の周りで奇妙な出来事が起こり始めるのです。 肯定的なものから否定的なものまで様々な評価を集めた本作。今回はそんな映画『思い出のマーニー』の感想や評価を紹介します。
『思い出のマーニー』の総合評価・感想
杏奈に感情移入して観ていたので、めちゃくちゃ刺さった。殻にこもって素直になれない人には絶対観てほしい。最後のセリフで毎回号泣。でも観る人を選ぶ作品かも。
むかし観たときは怖くてよくわからなかったけど、あらためて観てみるとしみじみと良い映画だなあ。温かい愛とエネルギーを与えてくれる作品。百合っぽいっていうけど、杏奈とマーニーの関係はそういうのじゃなと思う。
『思い出のマーニー』は決して広く受け入れられた作品ではありません。暗い描写や百合っぽい雰囲気のためか、興行収入では35億円ほどでジブリ作品の中では歴代13位となりました。 しかし一部の人の心には深く深く刺さったのもまた事実。以下では高評価を受けた本作の魅力と、賛否が分かれた部分をそれぞれ紹介していきましょう。
高評価なところ
①思春期の繊細な感情の描写
前情報は一切入れずに観てほしい! 子供向けではないという意見もあるけど、 ラストは特に、親切なほど子供に向けて描かれてたと思う。将来に漠然と不安とか抱えてる10代の子たちのほうが感情移入しやすいんじゃないかな。 最高!!とか完璧!!っていう感じの映画ではないけど、 個人的にすごく好きな映画になりました。
(20代男性)
純粋で温かくて強い素敵な映画だった。ジブリは質感の描写がすごいなぁ~と、いつも思う。ジブリにしては珍しく最後に曖昧なところがなく、きちんとした納得感があった。良かったなぁ…。二度観たし、江戸東京博物館にあるマーニーの展示会にもいきました。
(30代女性)
感情描写の質の高さはさすがジブリという評価が多いよう。絵の繊細さ、緻密さはジブリならではのクオリティということで、安心して観られると高く評価している感想が多いです。
②ミステリー要素の質が高い
んーいつものジブリやなぁ、と思って観ていたらまさかのミステリー!しかも伏線もしっかりしてて、「なるほど、だからああだったのかぁ!」と納得する展開が最後にドドッとやってくる。ただ、推理小説の探偵じゃないんだから、語りによるネタバレは唐突に現実味を帯びてしまって合ってないですね。マーニーとアンナが妙に「愛してるー」「好きー」を繰り返すんで、こんな年齢の少女達の百合展開はなぁ…と思っていたら、ラブではなくアガペーだったわけですね。合点がいきました。
(40代男性)
とっても良かった。義理の母との確執とその葛藤、個人的にこの手の設定に弱くて開始5分で涙が止まらなかった。マーニーという謎の存在を巡って、数々の伏線が巧妙に張り巡らされたすばらしいミステリ作品だった。そして、エンドロールでのカタルシスが半端ない。観る前はどんな百合映画なんだろうと思っていたけど、観終わるとそんな自分を恥じてしまうほどの良作。
(20代女性)
鑑賞前に予想していた内容が良い意味で大きく裏切られるという感想も。感情を中心に描いたロマンシスっぽい内容かと思いきや……思わぬどんでん返しのカタルシスに射抜かれたという評価が多数です。
③世界観の描写が丁寧・ご飯がおいしそう
誰だよ、百合とかレズとか言った人は!(笑) 普通に感動的なお話で、ちょっと、うるっとしてしまいました。友人は隣で号泣してました(笑) 食べ物が美味しそうなところは、さすがジブリ。トマトがとっても美味しそうに描かれていて感動しました(笑) 背景画もとてもきれい。 お話自体のオチは、途中から何となく読めてしまうのですが、それでもちゃんと落ち着いて終わるのは私的にはよかったです。 主人公の目の色の描写が素敵で、彼女の目の色から光の加減が分かるのがすごい。 時間さえあれば、もう一度映画館に足を運ぼうと思います。
(20代女性)
人の輪に入れなく人を信じられない孤独な杏奈は、喘息療養のためおばさんのいる田舎に預けられ、そこで自分の空想に出てくる少女とそっくりなマーニーに出会う。次第に心を通わせていくが、現実の世界なのか空想の世界なのかゴチャゴチャになってマーニーは本当にいるのか?などわかりづらくなってくる。でも最後には自分の出生の秘密とともに、謎が解けたみたいにスッキリした。おばさん達はとても良い人で救われるし、庭で育てているトマトがとても美味しそう。
(20代男性)
繊細で心洗われるいい話でした。 2人が入れ替わったみたいに話を共用できたり、似た者同士のように感じるのには理由があったんですね( ´∀`) 列車からの風景、足音などの効果音などもすごくリアルで、映像や音の部分も楽しめました( ´∀`) 鉛筆をカッターで削りすぎて折るシーンは、全美大生が共感できるあるある笑 あと、 結婚式のシーンで途中、宮崎駿そっくりのモブがいたと感じたのは私だけ?笑 試写会の特典に原画展の招待券があったので 合わせて行ってみようと思います( ´∀`)
(40代女性)
トマトがおいしそうという感想が多く指摘されています(笑)食べ物や風景が魅力的に見えるというのも、ジブリ作品に多く共通して評価されている点ですね。
低評価なところ
①杏奈のシビアな設定と暗い雰囲気
かなり現実的と言うかシビアな設定で、ほっとんどの時間が暗かったな~両親が事故死した遺児の押し付けあいとか養育の手当とか。一方は親から見放されてるうえに家政婦にいじめられたりとか… 。最後のあの瞬間だけ、すべてのことがつながって鳥肌たった。 かなり大人向けだなぁと思いました。
(20代男性)
輪に入れない思春期の主人公の気持ちは何となく理解できて痛々しい。 その悩み自体はネタバレになるので書かないけれども親の視点で見ると、なんとも言えない気持ちになってしまう。 見る人の年齢や立場や育った環境で感想も全く変わるだろうなぁ。 いい話ではあったけれども、ずっと心に残る1本…というほどの盛り上がりは個人的にはない。
(30代女性)
作品全体の暗い雰囲気やシビアな設定から、「やや大人向けの作品」、「観る人を選ぶ」という評価をする人もかなり多いよう。はまるかはまらないかには個人差がありそうですね。
②セリフが説明っぽい
きっと原作は良い話なんだろうなぁというのが伝わってきた。監督の力量不足感が否めない・・・。北海道を舞台にする必要があったのか?あと、セリフが説明的すぎ。もっとボカしてても良かったんじゃないかなぁ。
(40代女性)
悲しいも苦しいも、実は自分からその方向へ向かっているから。きっかけや辛い出来事は確かにあるだろうけど、それを抱え込んで動けなくなってしまうのは自分。アンナは自分から棘のついた殻の中にいるふりをするような、幼い自分の守り方しかできなかった。そこに現れる天真爛漫なマーニー。 「許さない」「許す」は本当に重たい言葉。自分を探すことと、空想の世界を進んでいくことはちょっとだけ似てるのかもしれないね。アンナが大人への一歩を踏み出したのは良かったけど、少し淋しくて涙が止まらなかった。 ただ、この難しい感情の動きをすべて台詞で説明したのは少し違和感。そこがいちばん残念。
(20代男性)
説明し過ぎという厳しい評価も寄せられています。キャラクターのセリフではなく、絵や物語、比喩的な描写で感情を表現してほしかったという声もあるようです。
『思い出のマーニー』あなたの感想は高評価?
米林宏昌監督による、ダブルヒロインのジブリ映画『思い出のマーニー』の様々な感想をまとめてお届けしました。やはりスタジオジブリという圧倒的なイメージもあるため、賛否両論となっていますね。 否定的な感想を持っていた人も、今見返したら感動するかもしれません。改めて作品を鑑賞して、感じ方の違いを体験してみてはいかがでしょうか?