ニュート・スキャマンダーの主人公らしからぬ人生と性格を解剖!【ファンタビ】
ニュート・スキャマンダーのプロフィール
ニュート・スキャマンダーは魔法動物学者であり、魔法界の世界的ベストセラー『幻の動物とその生息地』の著者です。 世界中を旅して数多くの魔法動物を研究し、その保護活動も熱心に行っています。また、ニュートは「ファンタビ」シリーズ開始当初、魔法省の魔法生物規制管理部に所属する役人でもありました。 南ロンドンにあるアパートに1人で暮らしていますが、後述するトランクと同じく、ここにも魔法で作った隠し地下室があるとか。そこは、あらゆる魔法動物を匿う病院のような施設になっているそうです。
【幼少期】魔法動物に惹かれた理由
ニュートは幼い頃から魔法動物に関心が持てる環境で育っています。彼の母親は、鷲と馬を融合させたような容姿をもつ魔法動物・ヒッポグリフのブリーダーだったからです。そのため、一般的な家庭よりも幼い頃から魔法動物に親しめる環境で育ったのでした。 このヒッポグリフは「ハリー・ポッター」シリーズの小説や映画でも登場しています。特にシリーズ3作目の『ハリー・ポッターとアズカバンの囚人』の劇中では、ある重要な活躍を見せているので、未見の人はぜひチェックしてみてくださいね。
【ホグワーツ】リタと意気投合するも退学の危機
ハッフルパフ寮に組み分けされる
魔法使いとしての素質が認められたニュートは、1908年にホグワーツ魔法魔術学校に入学。先述の通りハッフルパフに所属し、魔法動物の学習に力を注ぎます。 アルバス・ダンブルドア教授による「闇の魔術に対する防衛術」のクラスで、まね妖怪についての授業の受けた際には彼が最も恐れるものが明らかになりました。ニュートは将来、退屈なデスクワークの仕事に就くことを恐れていたため、まね妖怪は机に変身したのです。 彼はまね妖怪を追い払う呪文を唱え、机を機械のドラゴンに変化させました。この頃から、じっとしていられない性格と魔法動物への愛情を持ち合わせていたことがわかります。
ニュートがリタをかばって退学処分に
ニュートの級友でもあるリタ・レストレンジが魔法動物ジャービーを使った実験に失敗し、人々に危害を及ぼす事件が発生。この事件はジャービーの所持を禁止する法律にも触れていて大問題に。窮地のリタを助けるため、ニュートはこの罪をかぶり退学処分を受けてしまいます。 ダンブルドアはニュートの潔白を強く主張し、処分を考え直すよう訴えましたが、その奮闘も虚しくニュートは退学処分が決定。しかし最も重い処分である杖を取り上げられることはなく、彼はその後も魔法使いとして生活しています。
ニュートの想い人はリタ・レストレンジ
ホグワーツ時代から周囲からは浮いた存在だったニュートですが、親しかった人もいます。 それが、同学年でスリザリン寮に所属していたリタ・レストレンジ。彼女もある事情から学校では浮いた存在だったため、ニュートとは非常に親しい間柄でした。 しかしニュートが学校を去った後は、疎遠になってしまいます。 「魔法使いの旅」ではニュートが彼女の写真を大事にしている様子も見られましたが、「黒い魔法使いの誕生」でリタが本格的に登場した際には、彼女はニュートの実兄・テセウスの婚約者になっていました。
【魔法省勤務】『幻の動物とその生息地』も執筆
学校を退学したニュートは、ダンブルドアの計らいでイギリス魔法省職員として就職します。 最初は魔法生物規制管理部の屋敷しもべ妖精転勤室に配属され、非常に退屈な日々を送っていましたが、2年後の動物課への異動が彼の転機となり、様々な魔法動物の知識を活かしてどんどん昇進していったのでした。 また、後に彼は狼人間登録簿の作成もしており、これは狼人間について多く言及されることとなる小説第3巻『ハリー・ポッターとアズカバンの囚人』でも登場します。 彼の功績は後世に色濃く影響を残していることから、いかにニュートが魔法動物学の分野で重要な人物かがわかりますね。
『幻の動物とその生息地』を執筆
ニュートは、ホグワーツ魔法魔術学校の指定教科書でもある大ベストセラー『幻の動物とその生息地』の執筆者でもあります。 彼は魔法界にあるオブスキュラス出版社より、著書の執筆を勧められました。 当時安月給で働いていたニュートは、自分の好きな魔法動物を探して本が書け、かつそれでお金が稼げるという利点からこの話に乗り、長期休暇などを利用しながら5大陸100か国を訪問。時には抗う魔法動物を撃退しながら、観察を続けていくのです。 また1926年には、ニューヨークでトランクに入っていた魔法動物を逃してしまいます。これが原因で、魔法世界と非魔法世界を巻き込んだ大騒動に発展。数々の試練を乗り越えたニュートは、その翌年の1927年に『幻の動物とその生息地』を出版したのでした。
「ファンタビ」シリーズでのニュートの活躍
1作目:ニューヨークで魔法動物を逃がす
2016年に公開された『ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅』で、ニュート・スキャマンダーはある目的のためにニューヨークを訪れます。しかし途中で彼のトランクと非魔法族のジェイコブ・コワルスキーのトランクが入れ替わり、中にいた魔法動物たちが逃げ出してしまいました。 同時に魔法界を危機にさらす、さまざまな事件が起こります。闇の魔法使いグリンデルバルドの暗躍、彼が利用しようと画策する危険な体質のクリーデンスの出現。 ニュートはジェイコブとともに逃げ出した魔法動物たちを探し出すのと同時に、魔女であるティナやクイニーと協力して危機に立ち向かうことになります。 物語終盤、グリンデルバルドの策略によりクリーデンスは力を暴走させ街を破壊しますが、ニュートたちの活躍により事態は鎮静化。グリンデルバルドは捕縛され、アメリカの魔法議会監視下に置かれることになりました。ですが議会はこの事件により、魔法界の存在が人間に知られることを恐れます。 そこでニュートはサンダーバードを使い雨を降らせ、その雨に人々の記憶を消す薬を乗せてニューヨーク中の人々の記憶を消し去ることでこの事態を解決しました。
2作目:ヨーロッパで本を出版しパリへ
ニューヨークを訪れた翌年、著書『幻の動物とその生息地』を出版したニュート。本はまたたく間にベストセラーとなり忙しくなってしまった彼は、ニューヨークでの事件で国外渡航を禁止されていることもあり、再会を約束したティナに会いに行けずにいました。 そんななか、彼はダンブルドアからグリンデルバルドやクリーデンスの追跡を依頼されます。そこへアメリカからクイニーとジェイコブがやってきました。しかし彼らはケンカが原因でクイニーは姉ティナのいるパリへ行ってしまいます。 ニュートはクリーデンスを追っているティナを探しに、ジェイコブはティナのもとへ行ったクイニーに会うため、ポートキーでパリへ密出国。しかしそこでは、脱獄したグリンデルバルドが新たな拠点を築き、クリーデンスを手に入れるため暗躍していました。 グリンデルバルドの野望を阻止するため再び相まみえるニュートたち。激しい攻防のなか、グリンデルバルドは言葉巧みにクリーデンスやクイニーを仲間に引き込み逃亡。決着が着くかと思われた戦いの幕は下りず、それどころかニュートたちの陣営も分断される事態に。 さらにはダンブルドアとグリンデルバルドの深い因縁も明らかになり、ここからさらに激しい戦いが始まることを予感させます。
3作目:グリンデルバルドと正面対決
未来が見えると言われる魔法動物・キリンを保護するため密林にいたニュート。そこにクリーデンスが現れ、キリンの子どもを奪っていきます。これによりキリンを手に入れたグリンデルバルドは、魔法使い連盟のトップを決める選挙でトップの座を手中に収めようと目論んでいました。 ニュートはダンブルドアやジェイコブらと協力しグリンデルバルドの野望を阻止するために奔走します。そしてついに連盟のトップを決める選挙会場に突入し、グリンデルバルドの悪事を暴くことに成功。窮地に立たされたグリンデルバルドはそこから逃亡してしまいます。 何とか平和が戻った世界で、ニュートは久しく会っていなかったティナのもとへ。にこやかにほほ笑み合う2人。それを見守る人々はこの平和が長く続くことを祈っていました。
ニュートはどんな性格?ハリーと比較!
ニュートの性格
ニュート・スキャマンダーは、ホグワーツにある4つの寮の中ではハッフルパフに所属していました。 ハッフルパフの寮生は、忍耐強く勤勉で、慈愛に満ちた心を持ち、他者に対して寛容かつ献身的に接するという特徴があります。 若き日のニュートはこれらの特徴を見事に兼ね備えた青年で、劇中でも怒りを見せる場面はほとんどありません。唯一怒りを見せるのは自分ではなく、魔法動物に危機が迫った時のみ。それ以外では、困っている動物や人間に対しても優しく接する姿が印象的です。 そんな彼もかつて人に対して敵意をむき出しにしたことがありました。ニュートは学生時代、魔法動物に批判的な発言をした教授と対立。彼の温和な性格の奥には、意外と頑固な一面も潜んでいるようです。 そんな頑固な一面を証明するように、ニュートもハリーやダンブルドアと同じく、必要であれば規則を無視する傾向も。さらに、どんな相手に対しても言うべきことはきっちり言うことができるなど、穏やかなだけでなく、勇敢な人物として描かれています。 このように、数多くの美点を持つニュートですが、周囲からは基本的に変わり者だと思われていたようです。ニュート自身も、同じ人間より動物に囲まれている方が幸せだと感じている、一風変わった人物ではあります。
ハリー・ポッターとの共通点は?
「ハリー・ポッター」シリーズの主人公・ハリーと、「ファンタスティック・ビースト」の主人公・ニュート。両作品の主人公としてしばしば比較されるこの両者には、ホグワーツ出身という以外にもいくつかの共通点があります。 特に印象的なものは、必要に応じて規則を破ることも厭わない性格と、ダンブルドアから多大な信頼を寄せられている点が挙げられるでしょう。 そんなダンブルドアが信頼する2人には、「勇敢である」「弱者を守ろうとする」「権威を求めない」などの共通点もあります。 ハリーもニュートも自分では権威を求めてはいないものの、ハリーは後に闇祓い局局長に就任し、ニュートも魔法動物学者として名を馳せました。ダンブルドアは彼らの魔法使いとしての将来性も見抜いていたのかもしれません。 いずれにせよ、2人とも心優しく勇敢であり、最終的には魔法界で偉業を成し遂げることなどが共通点と言えるでしょう。
ニュートの能力とは?実際の強さは?
ニュートの最大の能力は、なんといっても魔法動物に関する幅広い知識と経験、そして深い愛情です。 1作目「魔法使いの冒険」で彼は、人間のジェイコブに「ドラゴンと戦ったことがある」と話していました。 ニュートが戦ったのはウクライナ・アイアンベリー種というドラゴンで、『ハリー・ポッターと死の秘宝 PART2』でグリンゴッツ魔法銀行の金庫を守っていたのと同じ種類。魔法使いを殺せるほど強く、調教やペットとして飼うのは不可能とされています。 またこれまでのシリーズで、ニュートは難易度が高いとされる「姿現し」や「姿くらまし」と呼ばれる瞬間移動の魔法を頻繁に使っています。1作目で逃げ出した魔法動物によってジェイコブの部屋が破壊されたときには、瞬時に修復する魔法も披露していました。 さらに強大な力を持つグリンデルバルドの闇の魔術プロテゴ・ディアボリカを防いだことからも、ニュートは魔法動物の扱いだけでなく、魔法使いとしても優れた能力を持っていることがわかります。
ニュートのその後は?ティナと結婚する?
ニュートは、ニューヨークで出会ったティナことポーペンティナ・ゴールドスタインと後に結婚します。著書を出版してからも研究職を続けているため、ティナとペットたちに囲まれながら生活しているようです。 また後に生まれた孫ロルフは、小説5巻『ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団』から登場する大の魔法動物好きな魔女ルーナ・ラブグッドと結婚。2人はローカンとライサンダーという名の双子のひ孫に恵まれました。
ニュートと兄テセウスの関係は?2人の仲は良いのか?
当初ニュートとテセウスとの関係はお世辞にも良好と言えるものではありませんでした。優秀で真面目な兄と変わり者の弟。性格が合わないのはもちろん、テセウスがニュートの想い人であったリタと婚約したこともあり、2人の仲はこじれていくことになりました。 しかし『ファンタスティック・ビーストとダンブルドアの秘密』で行動を共にしていくなかで、2人の関係は次第に軟化。兄弟らしいやり取りも見られるなど、関係は改善されているように思えます。
ニュートにまつわるトリビア・豆知識
ニュートの持つトランクの秘密
一見普通に見えるニュートのトランク。しかしその中には、驚くほど広い空間があります。 このトランクには無数の拡大呪文がかけられており、魔法動物たちに持ち運び可能な住処を提供することができるようになっているのです。ニュートの作業部屋もあり、彼はこの中に魔法動物たちを入れて世界中を旅していました。 スイッチ1つでマグルから中身を隠すこともできる優れものです。
「ハリポタ」シリーズに96歳のニュートが登場していた?!
実はニュートは、「ハリポタ」シリーズにもこっそり登場しています。 シリーズ3作目「アズカバンの囚人」で、ハリーはロンの兄であるフレッドとジョージから「忍びの地図」を譲り受けました。その地図は、ホグワーツ内で誰がいま、どこにいるのかわかるというもの。この地図を見れば、人目を避けて行動することができます。 あるシーンでハリーが「いたずら完了」と唱え地図を閉じる直前、そこにはニュートの名前が浮かび上がっています。劇中の年代を考えると当時ニュートは96歳になりますが、魔法使いは人間よりも非常に長生きするため、存命であってもおかしくありません。 彼は、ホグワーツになにか用事があったのでしょうか。
ニュートの名前の由来は?
ニュートのフルネームは「ニュートン・アルテミス・フィド・スキャマンダー」です。ミドルネームが2つもある長い名前ですが、その由来を1つずつ見ていきましょう。 ファーストネームの「ニュートン」は、万有引力で有名なイギリスの数学者アイザック・ニュートンから取られたものと思われます。また、ニックネームである「ニュート」は英語でイモリを意味します。 「アルテミス」はギリシャ神話に登場する狩猟の女神の名前。自然と野生動物の守護者としても信仰されています。「フィド」はラテン語が起源の「信頼」を意味する単語。ラテン語と関わりのある言語文化圏では、ペットの犬を連想させる名前だそうです。 名字の「スキャマンダー」はギリシャ神話の河の神スカマンドロスが由来。またこの名前は、炎をまとったトカゲのような魔法動物サラマンダーを連想させます。 全体的に動物をイメージさせるニュートの名前。ロンが教科書として使われていたニュートの著書に「名前がイカシテル」と落書きするのも頷けますね。
ニュートを演じているのは誰?
本シリーズで主人公のニュート役を演じるのは、イギリス人俳優のエディ・レッドメインです。ニュート役の候補には、マット・スミスやニコラス・ホルトの名前も挙がっていましたが、最終的にエディに決定しました。 ケンブリッジ大学トリニティ・カレッジで美術史を専攻していたエディは、2006年の『ザ・デンジャラス・マインド』で俳優デビュー。2012年に公開された『レ・ミゼラブル』のマリウス・ポンメルシー役で、世間的な知名度が一気に向上します。 また、2014年に日本でも公開された『博士と彼女のセオリー』では、第87回アカデミー賞主演男優賞を受賞しました。翌年の『リリーのすべて』でも同賞にノミネートされるなど、その確かな演技力が高く評価されている俳優です。
ニュート・スキャマンダーは「ファンタビ」の異色の主人公だった!
前作の主人公ハリーが、宿敵ヴォルデモート卿を倒す「選ばれた男の子」だったのに対し、ニュートが物語の中で果たす役割については、まだまだ謎に包まれています。 これまでの主人公像とは違う、異色の主人公として「ファンタスティック・ビースト」シリーズを引っ張ってきたニュート・スキャマンダー。 魅力あふれる彼の活躍はこれからも描かれるのか。最新作の発表を楽しみに待ちましょう!