「ファンタスティック・ビースト2」の謎をネタバレ解説&考察!黒い魔法使いって誰のこと?
2018年11月23日に公開された『ファンタスティック・ビーストと黒い魔法使いの誕生』。 本作では、「ハリー・ポッター」シリーズの「死の秘宝 PART1」「死の秘宝 PART2」で描かれた謎が解明されるような、ファンの想像を絶する展開が描かれました。 そして、そこからまた新たに広がる謎の数々……。本記事では、「ファンタビ2」で明かされた謎と秘密を徹底解説・考察していきます! ※この記事には『ファンタスティック・ビーストと黒い魔法使いの誕生』のネタバレが含まれます。未見の人はご注意下さい。
「ファンタビ2」のあらすじ
ニュート | エディ・レッドメイン(宮野真守) |
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ティナ | キャサリン・ウォーターストン(伊藤静) |
グリンデルバルド | ジョニー・デップ(平田広明) |
ジェイコブ | ダン・フォグラー(間宮康弘) |
ダンブルドア | ジュード・ロウ(森川智之) |
クイニー | アリソン・スドル(遠藤綾) |
クリーデンス | エズラ・ミラー(武藤正史) |
リタ | ゾーイ・クラビッツ(森なな子) |
テセウス | カラム・ターナー(江口拓也) |
ナギニ | クローディア・キム(大地葉) |
ニコラス・フラメル | ブロンティス・ホドロフスキー(岩崎ひろし) |
前作から約半年後、ロンドンへ輸送中のグリンデルバルドが逃走。彼が狙っているのは、ヨーロッパに逃亡したクリーデンスだと判明しました。 魔法省はニュートの渡航許可と引き換えに、クリーデンスの捜索を命令。ロンドンで再会したダンブルドアにも頼まれてしまい、ニュートはしぶしぶ命令を引き受けます。クイニーと喧嘩別れしたジェイコブを連れ、パリへと向かいます。 そして先んじてクリーデンスを追っていたティナとパリで再会し、彼女を危機から救います。 一方パリでは、クリーデンスがナギニという女性と共にサーカスに身を寄せていました。その行方を追うグリンデルバルドは信奉者を集め、徐々に勢力を拡大。そして最後には、クリーデンスの驚くべき正体と彼の過去が明かされました。
続編「ファンタビ3」が2022年4月8日に公開!
「ファンタビ3」の舞台は前作から数年後、1930年代のブラジル。第2次世界大戦を背景に、大規模な戦いやダンブルドア一族にまつわる秘密が描かれます。 グリンデルバルドの魔の手が魔法界へ迫り、ダンブルドアに助けを求められたニュート。ノー・マジのジェイコブも含めたチームで危険な任務へ向かい、そこで新旧の魔法動物と出会います。増え続けるグリンデルバルド陣営との衝突は避けられず、事態は混迷を極めていくのです。 本作では、ホグワーツ魔法学校のシーンも差し込まれ、「ハリポタ」お馴染みの場所やアイテムが数多く登場します。 またグリンデルバルド役のジョニー・デップは、DV疑惑を発端とする騒動を理由に降板。その後任として、マッツ・ミケルセンが出演すると発表されました。
謎①:ナギニが人間の姿で登場?
「ハリー・ポッター」シリーズでは、ヴォルデモートの忠実な側近として存在感を放っていた蛇・ナギニ。「死の秘宝」においてネビルによって殺害されましたが、「ハリー・ポッター」シリーズでは、その過去や生い立ちは謎に包まれたままでした。 母親を探すためにサーカス団で働いていたクリーデンスが、そこで出会った絶世の美女の正体こそがナギニなのです!サーカスでは、人間より劣る種族マレディクタスとして虐げられていました。 マレディクタスとは、親から子へと遺伝する呪いを持って生まれた女性のこと。この種族は、動物に変身できる一方で、いずれ変身した動物のまま人間の姿に戻れなくなる悲しき運命を背負っていました。 本作の舞台となる1927年では、大蛇へ変身しても元の姿へと戻れる状態でしたが、「ハリポタ」シリーズで私たちが目にしていたナギニは、すでに人間の姿に戻れなくなっていたのです。
謎②:ダンブルドアとグリンデルバルドが直接対決できない理由
『ファンタスティック・ビーストと黒い魔法使いの誕生』ではダンブルドアとグリンデルバルドの関係性について、新しい情報が明かされました。 ダンブルドアが彼に恋心を抱いていたことをご存知の人は多いかもしれません。しかしグリンデルバルドはダンブルドアの妹であるアリアナの死に関わっており、それに加えてマグルに対する考えの不一致から、2人の間には確執が生まれました。 本作でダンブルドアは「みぞの鏡」を見ますが、そこに写っていたのはグリンデルバルドでした。そこから、まだ恋心が完全には失われていないことが伺えます。 ダンブルドアがすぐにグリンデルバルドについて手を打たなかったのは、この恋心が原因だと思われていましたが、そこには他にも事情があったのです。
2人が対決できない真の理由とは?
2人が対決できない事情とは、2人が交わした「血の誓い」。これは誓いを結んだ2人のうちのどちらかがそれを破れば、2人とも命を落とすという血の呪いです。血の誓いに似ている「破れぬ誓い」は、「ハリポタ」シリーズの「謎のプリンス」で、セブルス・スネイプとマルフォイの母親のナルシッサが交わしていましたね。 ダンブルドアとグリンデルバルドは、近い将来、お互いが対立することを青年期に想定していました。そうなった時のために、「お互いが戦わない」という破れぬ誓いを立てていたのです。 つまりグリンデルバルドがダンブルドアをすぐに、そして直接に始末しないわけは、ここに起因していました。
ダンブルドアとグリンデルバルドの行方やいかに?
もともとは親友同士で、「血の誓い」まで交わしていたダンブルドアとグリンデルバルド。ゴドリックの谷で出会って以来、2人とも「死の秘宝」に魅了され、「より大きな善のために」と称してマグルの世界を魔法で支配しようとも考えていたほどでした。 しかし妹・アリアナの死をきっかけに、親友であったにも関わらず決別してしまった2人。いつしか互いに正反対の道を歩んでいき、決闘を繰り広げることになるのでした。 すでに「ハリー・ポッター」シリーズで、ダンブルドアとグリンデルバルドが1945年に決闘することが明らかになっています。今後が分かっているからこそ、物語の展開から目を離せませんね。
謎③:グリンデルバルドがクリーデンスを利用したのはなぜ?
自分はダンブルドアに直接攻撃ができない。そう考えたグリンデルバルドは、自分の駒となって彼を破滅させる存在を探すことにしました。それが、『ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅』で描かれた、オブスキュラスの捜索だったのです。
グリンデルバルドは魔法省の闇祓いに扮して、孤児のクリーデンスにオブスキュラスを探させていました。彼も途中までは、自身がオブスキュリアル(オブスキュラスを生み出す魔法族の子供)とは気付けなかったのです。 なぜなら本来オブスキュリアルは体が蝕まれているため、10歳前後で命を落としてしまうからです。 しかしクリーデンスがそうであると知った時、グリンデルバルドはわざと彼を「裏切る」ことで動揺させ、オブスキュラスを発生させました。 10歳を優に超えている彼に類稀なる魔法の力を感じたグリンデルバルドは、彼をダンブルドアとの決闘に利用しようと考えたのです。「ファンタビ2」では、クリーデンスが自分の下にくだるよう仕向けます。
ダンブルドアの妹・アリアナがオブキュラスだった?
しかしここで疑問なのが、そもそもなぜグリンデルバルドはオブスキュラスにこだわっていたのか、ということです。ここから考えられるのは、彼は既にオブスキュラスに遭遇していて、その威力を知っていたということ。 実はグリンデルバルドが今まで出会ったなかで、クリーデンスのようにオブスキュリアルになり得た人物がいました。それは、アルバス・ダンブルドアの妹アリアナです。オブスキュラスの宿主の共通点に「精神的・肉体的な虐待を受けた魔法族の子供」というものがあります。
We don't know much about Ariana Dumbledore, but the effects of her tragic death had far-reaching consequences: https://t.co/cNp7xvmPls pic.twitter.com/t5Y8Pzf8Cd
— Wizarding World (@wizardingworld) December 1, 2016
アリアナは、マグルに魔法を使っているところを見つかり攻撃を受けたことをきっかけに精神が脆くなり、破壊的になって「抑えられない力」を暴発させるようになった、という過去があります。 そしてその力によって母親であるケンドラ・ダンブルドアを殺してしまいました。このアリアナが暴発してしまった力というのが、オブスキュラスだと考えられるのです。 彼女がマグルに襲われたのは6歳のとき。年齢的にもオブスキュリアルであったことへの辻褄が合うのです。さらに彼女が不慮の事故で亡くなる14歳まで「生き延びられた」のは、ダンブルドア家の血に流れる強い魔力のおかげだと考えられます。 これこそが、まさしく「ファンタビ2」で明かされたクリーデンスの正体の裏付けとなるのです!
謎④:リタの実の弟は死んでしまった?
『ファンタスティック・ビーストと黒い魔法使いの誕生』でついに登場したリタ・レストレンジ。ホグワーツ時代のニュートとリタの様子が描かれますが、闇の魔術の防衛術の授業では、リタが怖がるものとして白い布が出現します。 リタはなぜ白い布を怖がるのか。それは彼女の過去に秘密があるようです。
リタはロレナ・カーマとコーヴァス・レストレンジ・シニアの間に生まれた娘。コーヴァスは、服従の呪文を用いてロレナを誘惑しました。しかしその後ロレナは死亡し、クラリス・トレンブレイと再婚後、リタの弟となるコーヴァス・レストレンジJr.が生まれます。 服従の呪文を使った過去への報いを恐れ、息子をどこか遠くの地へと向かわせたかったコーヴァス。そこでリタと弟のコーヴァスJr.を、船でアメリカへと向かわせるのです。 その移動中、リタは弟を見知らぬ赤ちゃんと取り違えてしまいますが、なんと船が沈没の危機に。リタの本当の弟を間違って抱いている母親は、白いお包みに包まれた弟を抱きながら海に飲み込まれてしまいます。 まだ詳細は明らかになっていませんが、この時に取り違えられて、その後ベアボーン家に引き取られていった赤ちゃんこそが、クリーデンスではないかと考えられているのです。
謎⑤:クリーデンスの正体はアウレリウス・ダンブルドア?
「ファンタビ2」のメインテーマは、クリーデンスのアイデンティティを探す旅でした。誰もが「彼がいったい何者なのか」ということを本作で突き止めようとします。彼がレストレンジ家の人間ではないのか、という疑惑もありましたが、上記のように取り違えられていたことも明かされます。 なんと彼の本当の正体はダンブルドア家の人間、アウレリウス・ダンブルドアだったのです。 このアウレリウスという人物は、シリーズ史上、未だかつて登場したことのない存在でした。しかしクリーデンスがダンブルドア家の人間である証に、ピンチの時に不死鳥が彼の元に現れているのです。 さらに先述のアリアナがオブスキュリアルであれば、彼女と同じくダンブルドア家の血を引き継いでいるクリーデンスが長く生き延びていることにも納得がいきます。
アルバスとアバーフォースとアリアナの兄弟ではない?
ただここで生まれた新たな謎が。それはクリーデンスの親についてです。「ファンタビ」1作目で彼の義母だったメアリーが「お前の母は魔女だった」と話していたことから、彼が魔法族の子供であることはわかっていました。 しかし本作で明かされたリタ・レストレンジの秘密によると、彼の母親は航海中に息子を取り替えられてしまった人物です。そしてダンブルドア家の子供だとしても、アルバスの母ケンドラは1899年に亡くなっています。さらに父パーシバルはそれよりも前に、アズカバンに収監されていました。 クリーデンスがこの2人の子供であることは考えられないのです。 さらに、仮にケンドラの息子だとすると、1899年以前に生まれてなければなりません。すると彼は「ファンタビ2」の時代1927年には、30歳以上になっていないと辻褄が合わないのです。いったい彼はどのダンブルドアの子供なのでしょう!?
【考察】「黒い魔法使い」は誰を指しているのか
2作目のタイトルである『ファンタスティック・ビーストと黒い魔法使いの誕生』。原題では、「グリンデルバルドの犯罪(The Crimes of Grindelwald)」となっているサブタイトルが、邦題では「黒い魔法使いの誕生」になっています。 日本版だけ違うストーリーになっているというわけではありませんが、邦題のサブタイトルは、今回の物語をとても上手く表しているのです。
その答えは……グリンデルバルド?
「黒い魔法使い」が誰を指すか、パッと思いつくのはグリンデルバルドでしょう。「ファンタビ」シリーズで主人公ニュートたちの前に立ちはだかる、悪の魔法使いゲラート・グリンデルバルド。彼の名前は小説版「ハリポタ」で幾度か登場しており、映画版「死の秘宝」では老後の姿が描かれています。 グリンデルバルドは、ヴォルデモート卿の出現まで「歴史上もっとも危険な闇の魔法使いのリスト」のトップに君臨していました。青年期はダンブルドアと深い親交があり、彼をして秀才と言わしめる、確かな実力者だったのです。 前作で逮捕されたグリンデルバルドは脱獄し、再び活動し始めます。「黒い魔法使いの誕生」とは、グリンデルバルドが歴史に名を残す人物として、いっそう本格的な活動を始める、ということを「誕生」に例えたのではないでしょうか。
実はクリーデンスが「黒い魔法使い」?
しかしここで注目したいのが、物語の最後で「アウレリウス・ダンブルドア」という本名が明らかになったクリーデンス。 その名に誰しも驚いたことでしょう。クリーデンスが本当にダンブルドア家の血を継いでいるのかはわかりませんが、確かにダンブルドア家の象徴である不死鳥が、彼の前に姿を現しました。 「黒い魔法使いの誕生」というサブタイトルには、彼が闇の魔法使いの道を歩むことになる、という意味も込められているのではないでしょうか。
あの重要なアイテムや呪文も「ファンタビ2」に続々登場!
死の秘宝
死の秘宝とは、「ハリー・ポッター」シリーズにも登場する魔法界で最も強力な3つの秘宝のこと。ニワトコの杖、蘇りの石、透明マントの3つを指しています。 ダンブルドアとグリンデルバルドは、死を制する者となることのできるこれらを利用し、マグルの世界を支配しようと考えていました。
変身薬(ポリジュース薬)
「ハリー・ポッター」シリーズで登場していた変身薬・ポリジュース薬は、「ファンタビ」シリーズでも登場。 主人公ニュートは、ポリジュース薬を用いて兄のテセウス・スキャマンダーに変身しています。
「フィニート」呪文を終わらせる
『ハリー・ポッターと謎のプリンス』(2009年)で、マルフォイの呪文によって石にされてしまったハリー。そんな彼を救ったのが、ルーナが使った呪文「フィニート」でした。 『ファンタスティック・ビーストと黒い魔法使いの誕生』では、ニュートやティナ、ニコラスなどが円陣を組んで「フィニート」を使用し、グリンデルバルドの魔法を抑えています。
考察するほど面白い!「ファンタスティック・ビースト2」は驚きの連続
ダンブルドアとグリンデルバルドの関係、ナギニの過去と呪い、クリーデンス・ベアボーンズの正体など、「ハリポタ」ファンにとって驚きの展開の連続となった本作。しかし明かされた謎は、まだほんの一部でしかありません。 魔法ワールドのさらなる謎や秘密は、今後公開が予定されている「ファンタスティック・ビースト」シリーズで、明らかになることでしょう。