2020年1月15日更新

2020年アカデミー賞徹底予想 前哨戦では『アイリッシュマン』が有力?

オスカー

映画の祭典アカデミー賞。今年も数多くの傑作が公開されたなか、いったいどの作品が作品賞に輝くのでしょうか?主要部門のノミネートを紹介するとともに、作品賞の受賞予想をしてみました!

目次

2020年 第92回アカデミー賞作品賞を予想!『ジョーカー』のオスカー獲得はあるか?

2019年のヴェネツィア国際映画賞で金獅子賞に輝き、当初アカデミー賞大本命といわれた『ジョーカー』。2020年1月13日に発表されたノミネーションでは、最多ノミネートを果たしたものの、どの部門も強豪ばかりで激戦が予想されます。 この記事では、2020年アカデミー賞主要6部門のノミネート作品と候補者、そして作品賞受賞予想をお届けします!

2020年 アカデミー賞全ノミネートが発表!

アカデミー フリー画像

2020年1月13日(日本時間:同日深夜)、アカデミー賞全ノミネート作品と候補者が発表になりました。ここでは、授賞式は2020年2月9日に行われ、日本時間では2月10日の昼間に中継を観ることができますので、楽しみに待ちましょう!

2020年アカデミー賞はココにも注目したい!【その他注目の部門、アカデミー賞の傾向】

主演男優賞は誰の手に!?

ホアキン・フェニックス『ジョーカー』
© Supplied by LMK/zetaimage

2020年アカデミー賞は、主演男優賞のゆくえにも注目が集まります。 まずは、『ジョーカー』での演技が絶賛されたホアキン・フェニックス。オスカー前哨戦第1弾とされるヴェネツィア国際映画祭で金獅子賞を獲得した本作での受賞が有力視されています。また、『アイリッシュマン』のロバート・デ・ニーロや、『マリッジ・ストーリー』のアダム・ドライバーとのデッドヒートも予想されています。

Oscar Still White(オスカーはまだ白い)?

『パラサイト』チョ・ヨジュン
© 2019 CJ ENM CORPORATION, BARUNSON E&A ALL RIGHTS RESERVED

2016年の俳優部門ノミネートが全て白人だったことから、「Oscar So White(白すぎるオスカー)」と批判されたアカデミー賞。翌年にはその反動か、多くの黒人俳優がノミネート/受賞するなど世論との折り合いをつける形でダイバーシティ化が進んでいます。 また、2019年にはアルフォンソ・キュアロン監督の『ROMA/ローマ』が作品賞をはじめとする10部門にノミネート、外国語映画賞、監督賞、撮影賞の3部門を獲得しました。 しかし今回のノミネートを見ると、主演/助演男優賞ノミネートは白人のみ、主演女優賞には『ハリエット』のシンシア・エリヴォがノミネートしているものの、助演女優賞も白人ばかり。そして監督賞のノミネートは男性のみと批判は避けられないかもしれません。 一方で、韓国映画『パラサイト 半地下の家族』は国際映画賞のほか、作品賞と監督賞にもノミネートされています。

Netflix作品が21ノミネート!

『マリッジ・ストーリー』スカーレット・ヨハンソン、アダム・ドライバー
© Supplied by LMK/zetaimage

2019年のアカデミー賞では、ネット配信作品の扱いについて注目が集まりました。動画配信サービスは映画文化の衰退を招くという意見もあり、映画業界ではそうした作品に対する賞レースからの締め出しを主張する声も。 しかし、今回はNetflix製作の『アイリッシュマン』、『マリッジ・ストーリー』、『ふたりのローマ教皇』、『失くした体』など、多数の作品が様々な部門にノミネートされ、Netflix作品全体では21ノミネートとなりました。これらの作品がどの部門で受賞を果たすのかにも注目です。

作品賞ノミネート一覧&受賞予想

本命:『アイリッシュマン』

マーティン・スコセッシ監督、ロバート・デ・ニーロ&アル・パチーノのW主演で話題となっている『アイリッシュマン』。本作は、2019年11月1日にアメリカの少数の劇場で限定公開された後、同月27日からNetflixで配信が開始されました。日本をはじめ、イギリス、ドイツ、スペイン、韓国などでも同様の公開形態がとられています。 巨匠マーティン・スコセッシと、名優たちの共演で注目を集めている本作はアカデミー賞前哨戦といわれる米国映画批評会議と、ニューヨーク映画批評家協会賞で作品賞を受賞。米映画批評サイトRotten Tomatoesの評価は96%フレッシュを記録しており、アカデミー賞でも作品賞受賞の期待が高まっています。

対抗:『ジョーカー』

ヴェネツィア国際映画祭で金獅子賞を受賞した『ジョーカー』も、作品賞受賞が期待されています。 バットマンの宿敵であるジョーカー誕生譚を描いた本作は、数多くの過去の名作へのオマージュや、現代社会への辛辣なメッセージが盛り込まれた作品で、主演のホアキン・フェニックスの演技が絶賛されました。 本作は2020年アカデミー賞で最多11部門にノミネートしており、ほかにもどの部門で受賞するのか注目です。

対抗:『1917 命をかけた伝令』

『007 スカイフォール』(2012年)で注目を集めてサム・メンデス監督の『1917 命をかけた伝令』。若きイギリス兵2人が重要な命令を一刻も早く届け、最前線にいる1600人の仲間を救うため、危険が待ち受ける敵陣を駆け抜ける姿を描いた本作は、全編ワンカットで撮影され、注目を浴びています。 本作は、アカデミー賞前哨戦のひとつであるゴールデングローブ賞で、『ジョーカー』や『アイリッシュマン』を抑えて映画ドラマ部門作品賞を獲得しました。

『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』

クエンティン・タランティーノ監督の『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』では、レオナルド・ディカプリオとブラッド・ピットの2大スター共演が話題になりました。 本作では、ピークを過ぎたアクション俳優(ディカプリオ)と彼の親友でありスタントマン(ブラピ)を中心にストーリーが進みます。「ハリウッド」「映画業界」を題材としている本作は、同様のテーマを持つ作品が過去に多数アカデミー賞を受賞していることもあり、票を得やすいとみられています。 また、前哨戦のひとつである米国映画批評会議で監督賞を受賞している点でも、アカデミー賞での躍進に注目です。

『パラサイト 半地下の家族』

2019年、カンヌ国際映画賞で最高賞パルムドールを獲得した韓国映画『パラサイト 半地下の家族』は、経済格差の広がる社会で、異なる社会階層に属する家族が出会ったときに起こる悲喜劇を描いた作品です。 本作は、多くの映画祭で高く評価されており、ゴールデングローブ賞外国語映画賞や全米映画批評家協会賞作品賞をはじめとする数多くの賞を獲得しています。

『マリッジ・ストーリー』

アダム・ドライバーとスカーレット・ヨハンソンという演技派2人を主演に迎えた『マリッジ・ストーリー』は、「離婚」をテーマに結婚生活や子供の将来、自分自身の望みに向き合う夫婦を繊細に描いています。 賞レースでは、今のところ特に俳優陣の受賞が多くなっていますが、アカデミー賞では作品賞にもノミネートされ、受賞なるか注目が集まっています。

『ジョジョ・ラビット』

MCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)作品『マイティ・ソー バトルロイヤル』(2017年)などで知られるタイカ・ワイティティ監督による『ジョジョ・ラビット』は、第二次世界大戦下のドイツを舞台に、空想の友達・ヒトラーとともに、一人前の兵士を目指す少年を描いたコメディ映画です。 本作は、アカデミー賞のゆくえを占ううえで重要視されているトロント国際映画賞の観客賞を受賞。本戦での躍進も期待されています。

『フォードvsフェラーリ』

『フォードvsフェラーリ』は、1966年のル・マン24時間耐久レースで打倒王者フェラーリに挑んだフォードの男たちを描いたドラマです。クリスチャン・ベール&マット・デイモンをW主演に迎え、『LOGAN/ローガン』(2017年)などのジェームズ・マンゴールドがメガホンを取りました。

『ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語』

ルイザ・メイ・オルコットによる名作小説「若草物語」を新たな視点で映画化した『ストーリー・オブ・マイライフ わたしの若草物語』。 『レディ・バード』(2017年)のグレタ・がーウィグ監督とシアーシャ・ローナンが再びタッグを組み、南北戦争下に強く生きる4姉妹を描いています。

アカデミー賞 監督賞ノミネート一覧

サム・メンデス(『1917 命をかけた伝令』)

サム・メンデス
©Paradisi Alessia/ABACA USA/Newscom/Zeta Image

サム・メンデス監督は、『1917 命をかけた伝令』でノミネート。全編ワンカットで119分の作品を製作したことが評価されたようです。

マーティン・スコセッシ(『アイリッシュマン』)

マーティン・スコセッシ
©︎Ivan Nikolov/WENN.com

Netflixオリジナル映画『アイリッシュマン』でノミネートされた巨匠マーティン・スコセッシ。同作は彼の集大成ともいえるもので、オスカー獲得に期待が高まります。

ポン・ジュノ(『パラサイト 半地下の家族』)

ポン・ジュノ
©Adam Orchon/Sipa USA/Newscom/Zeta Image

世界中で高評価を獲得している『パラサイト 半地下の家族』のポン・ジュノ監督もノミネート。もし受賞を果たせば、アジア人監督として台湾のアン・リー(『ブロークバック・マウンテン』など)につづく2人目の快挙となります。

クエンティン・タランティーノ(『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』)

クエンティン・タランティーノ
©︎FayesVision/WENN.com

これまで、アカデミー賞では『パルプ・フィクション』(1995年)と『ジャンゴ 繋がれざる者』(2013年)で脚本賞を獲得しているクエンティン・タランティーノ。今回受賞となれば、監督賞は初受賞となります。

トッド・フィリップス(『ジョーカー』)

トッド・フィリップス
©️WENN/zetaimage

『ジョーカー』でヴェネツィア国際映画賞金獅子賞を獲得したトッド・フィリップス。今回初ノミネートにして初受賞なるのでしょうか。

アカデミー賞 主演男優賞ノミネート一覧

ホアキン・フェニックス(『ジョーカー』)

ホアキン・フェニックス
©Adriana M. Barraza/WENN.com

『ジョーカー』で迫力の演技を見せたホアキン・フェニックス。彼は同作のために23kg減量しており、その役作りも選考の大きなポイントになるのではないでしょうか。

アダム・ドライバー(『マリッジ・ストーリー』)

アダム・ドライバー
©︎Dave Bedrosian/Future Image/WENN.com

Netflixオリジナル映画『マリッジ・ストーリー』で繊細でエモーショナルな演技を見せたアダム・ドライバー。2019年には『ブラック・クランズマン』で助演男優賞にノミネートしました。今回は主演男優賞に初ノミネートし、受賞が期待されます。

レオナルド・ディカプリオ(『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』)

レオナルド・ディカプリオ
WENN.com

レオナルド・ディカプリオは、これまでに主演・助演合わせて6回男優賞にノミネートされ、2016年の『レヴェナント:蘇りし者』で主演男優賞を初めて獲得しました。今回2度目の受賞となるでしょうか。

アントニオ・バンデラス(『ペイン・アンド・グローリー(英題)』)

アントニオ・バンデラス
©Dennis Van Tine/ABACAUSA.COM/Newscom/Zeta Image

アントニオ・バンデラスは、今回スペイン映画『ペイン・アンド・グローリー(英題)』でカンヌ国際映画賞男優賞を受賞。アカデミー賞には初ノミネートとなるベテラン俳優の受賞にも期待がかかります。

ジョナサン・プライス(『2人のローマ教皇』)

ジョナサン・プライス
© Joseph Marzullo/WENN.com/zetaimage

Netflixオリジナル映画『2人のローマ教皇』で現ローマ教皇・フランシスを演じたジョナサン・プライス。イギリスを代表する名優ですが、アカデミー賞へのノミネートは今回が初めてです。

アカデミー賞 主演女優賞ノミネート一覧

レネー・ゼルウィガー(『ジュディ 虹の彼方に』)

レネー・ゼルウィガー
©︎Sean Thorton/WENN.com

往年の名女優ジュディ・ガーランドを演じたレネー・ゼルウィガーは、これまでにアカデミー賞に3度ノミネート。そのうち2004年には『コールド・マウンテン』で助演女優賞を受賞しました。4度目のノミネートとなる今回は、初の主演女優賞受賞となるか注目です。

スカーレット・ヨハンソン(『マリッジ・ストーリー』)

スカーレット・ヨハンソン
OTTAVIA DA RE/SINTESI/SIPA/Newscom/Zeta Image

『マリッジ・ストーリー』で、アダム・ドライバーとW主演を務めたスカーレット・ヨハンソンも主演女優賞にノミネート。また、彼女は『ジョジョ・ラビット』で助演女優賞にもノミネートされており、賞のゆくえが気になります。

シャーリーズ・セロン(『スキャンダル』)

シャーリーズ・セロン
WENN.com

2004年に『モンスター』でアカデミー賞主演女優賞を獲得したシャーリーズ・セロンは、今回3度目のノミネートを果たしました。ベテランキャスターが「テレビ界の帝王」を告発した実際の事件を題材とした『スキャンダル』でのノミネートです。

シンシア・エリヴォ(『ハリエット』)

シンシア・エリヴォ
© Adriana M. Barraza/WENN.com/zetaimage

ブロードウェイのミュージカルで活躍するシンシア・エリヴォは、『ハリエット』で初主演にしてアカデミー賞初ノミネート。ブロードウェイでミュージカル女優としても活躍する彼女は、本作の「Stand Up」で主題歌賞にもノミネートされています。

シアーシャ・ローナン(『ストーリー・オブ・マイライフ わたしの若草物語』)

シアーシャ・ローナン
WENN.com

『レディ・バード』(2017年)や『ブルックリン』(2015年)などで知られるシアーシャ・ローナンは、『ストーリー・オブ・マイライフ わたしの若草物語』でアカデミー賞4度目のノミネート。若手実力派として認められる彼女は、『レディ・バード』の監督と再タッグを組んだ本作で初受賞となるのでしょうか。

アカデミー賞 長編アニメーション映画賞ノミネート一覧

『トイ・ストーリー4』

ピクサー/ディズニーの大人気シリーズ「トイ・ストーリー」の最終章。前作『トイ・ストーリー3』(2011年)は、やはり長編アニメーション映画賞を受賞しており、今回も大本命と予想されています。

『ヒックとドラゴン 聖地への冒険』

こちらも大人気シリーズの最終章となった『ヒックとドラゴン 聖地への冒険』。これまでの作品すべてがアカデミー賞にノミネートされていますが、今回初受賞となるのでしょうか。

『失くした体』

2019年のカンヌ国際映画祭批評家週間でグランプリを受賞したNetflixオリジナル映画。パリのとある医療施設から逃げ出した切断された左手が、体をさがして街をさまよう様子が描かれます。

『ミッシング・リンク(原題)』

神話やモンスターに関する自称・最先端の研究者ライオネル・フロストが出会ったのは、伝説のモンスター、ミスター・リンク。フロストはミスター・リンクとともに、彼の親戚を探す旅に出ることに。 『コララインとボタンの魔女』(2009年)や『KUBO/クボ 二本の弦の秘密』(2016年)などで知られるアニメーション製作会社・ライカによるストップモーションアニメです。

『クロース』

サンタクロース誕生秘話を描くNetflixオリジナルアニメ『クロース』。近年ではめっきり少なくなった手書き2Dアニメーションによる長編映画です。

アカデミー賞 国際映画賞ノミネート一覧

『パラサイト 半地下の家族』(韓国)

『ペイン・アンド・グローリー(英題)』(スペイン)

スペインの名匠、ペドロ・アルモドバル監督による自伝的映画。アントニオ・バンデラスとペネロペ・クルスが再び共演しました。ある映画監督の少年期から夢を追う青年期、そして映画監督として成功しながらも、創作と私生活両方で問題を抱える姿を、過去と現在を行き来しながら描きます。

『ハニーランド(原題)』(北マケドニア)

北マケドニアの年老いた養蜂家を追うドキュメンタリー。廃墟になりつつある町で、自然との共存を目指し、ミツバチを守ろうとするヨーロッパ最後の女性養蜂家の姿に迫ります。

『レ・ミゼラブル』(フランス)

ヴィクトル・ユゴーによる「レ・ミゼラブル」の舞台となった街の現在の姿を描く本作。小説に描かれた時代と変わらず、貧しい人々の集まる地域、弱者に対する暴力あ横行する現状を生々しく描き、カンヌ国際映画賞審査員賞を受賞しました。

『コーパス・クリスティ(英題)』(ポーランド)

ポーランド映画『コーパス・クリスティ(英題)』は、神父になりすました元犯罪者と逃げ込んだ町の住人との間に起こる出来事を描いた、実話をもとにした作品です。

2020年アカデミー賞は誰の手に?続報もお伝えしていきます

毎年授賞式を前に、ノミネート予想や受賞予想も盛り上がるアカデミー賞。2020年はいったいどの作品や俳優が栄冠に輝くのでしょうか。 アカデミー賞授賞式は、日本時間で2020年2月10日の昼間に行われます。ciatrでは、ひきつづき受賞結果等も伝えていきますので、お楽しみに!