『思い出のマーニー』怖い都市伝説まとめ「禁じられた遊び」がキャッチコピーだった!?
突然消えたり、存在が村人に知られていないなど幽霊っぽさ満載のマーニー。マーニーという存在がミステリアスなだけでなく、数々のホラー描写が多くの鑑賞者を怖がらせました。 この記事では、問題になった『思い出のマーニー』のちょっと怖い都市伝説やホラーな描写を徹底的に考察していきます! ※映画のネタバレを含みますので、未鑑賞の場合は注意してください。
『思い出のマーニー』の怖い都市伝説
どこか謎多い映画である『思い出のマーニー』には、ちょっと怖い都市伝説がいくつも存在します。以下ではその真偽や由来を徹底調査!信じるか信じないかはあなた次第です……。
①マーニーは実は幽霊である
終盤でマーニーの正体が杏奈の「死んだ祖母」だと明らかになったことで、幽霊だったのではないかと思った方もいるのではないでしょうか。 確かにマーニーの雰囲気や2人の関係は秘密にするという約束、さらにマーニーと会うには湖を渡らないといけない点など幽霊らしいシーンが多数存在します。 実は原作では杏奈の幻想だとはっきり書かれているのです。しかし映画では杏奈の幻想とも実際に起こった心霊とも取れる描写があえて混在させられているよう。マーニーの方が孫を心配して会いに来た可能性も否定できないようになっているのです。
②『思い出のマーニー』は百合映画である
「思い出のマーニーは百合映画」とよく言われています。 そう言われる理由はマーニーのボディタッチやハグに対して杏奈が毎回頬を赤らめる様子やお互い「好き」などの直接的な愛情表現が多いため。さらに和彦との社交ダンスの様子を見た杏奈が嫉妬しているような態度をとるシーンなど「百合」っぽい雰囲気が豊富なのです。 また採用されたキャッチコピー「あなたのことが大すき」ではなくボツになった「ふたりだけの禁じられた遊び」や「ふたりだけのイケナイこと」などの案はもろに百合な関係性を彷彿とさせます。
「無償の愛」をイメージした結果だった
しかしどうやら最初から百合映画を目指したわけではなかったそう。杏奈のような家族の問題から傷ついた少女が成長するためには愛が必要で「無償の愛」や「杏奈が憧れそうな女の子」をイメージしてデザインした結果、愛情深いマーニーのようなキャラクターができあがりました。 ストーリーに沿ったキャラクターとしてマーニーは杏奈に無償の愛を注ぐ・天真爛漫で積極的な女の子に。杏奈はマーニーに憧れや親しみを感じる・心を閉ざした内気な女の子という立ち位置になったのです。 オフィシャルな百合映画ではありませんが、大きな愛のひとつのかたちとしてはある意味『百合映画』だともいえるかもしれません。
③杏奈は精神病を患っている
杏奈はマーニーに出会うまで無表情で無愛想、さらに幼少期のつらい経験から被害妄想が激しく、出会ったばかりの信子に「太っちょ豚!」と暴言を吐くため、総合失調症や夢遊病などの「精神病」を患っているのではないかという都市伝説が囁かれています。 そのため田舎に療養しているのも喘息ではなく、実は精神病の治療ではないかとも言われているのです。あくまで推測の域を出ませんが、症例が一致しているため精神病の気はありそう。ただ製作陣はやんわりと否定しているようですね。
④マーニーは不倫してできた子?
マーニーはハーフであるはずですが、純粋なイギリス人みたいな見た目をしています。父親はお金持ちで世界を回り1年に2回くらいしか戻ってこず、母親も社交界の花として他の男を侍らせている様子。 母親は家にいても、マーニーに対してあまりに無関心すぎます。マーニーが夜に出かけたときも、入り口からちらっと一瞥をくれるだけでした。 また父親は、初期設定では本国に妻子がいたという話も有名です。 これらからマーニーは、実は父方の連れ子、もしくは父が不倫した結果できた子であり、母親の実の娘ではないのではないかという都市伝説も流れています。 もし本当の母も外国人であった場合、ほぼ日本人だと思われていた杏奈はクオーターということになりますね。
⑤マーニーは戦争の影響で差別されていた
本作は明確な時代設定が公表されていません。特急に乗って療養に向かう様子から杏奈の時代は1990年〜2000年代あたり、マーニーの幼少期は屋敷の形状や社交界の様子から戦争前後である可能性があります。 そう考えるとマーニーは、戦争の影響でばあやたちから差別や虐待を受けていたのかもしれません。戦争で起こった敵国を憎む、外国人差別の感情の犠牲になったのがマーニーだった可能性があるのです。 真実はわかりませんが、十分にあり得る話です。ちなみに原作では、マーニーは戦争の影響で娘(杏奈の母)を疎開させ、それがきっかけで娘が駆け落ちしてしまったというストーリーでした。
『思い出のマーニー』ホラー描写ランキング
勝手に考察された都市伝説だけでなく、ホラーなシーンの数々で鑑賞者を怖がらせた『思い出のマーニー』。そんな本作の特に怖いと言われているホラー描写ベスト(ワースト?)3を紹介します。
1位:嵐の中のサイロ
マーニーのトラウマを克服するために杏奈とマーニーはサイロに向かいますが、嵐によってサイロに閉じ込められてしまいます。 道中では急に杏奈を「和彦」と混同するマーニー。さらに杏奈が目を覚ますとマーニーが忽然と姿を消すなどホラー要素が多いシーンです。
マーニーの不可解の行動の理由は?
マーニーが急に、杏奈のことを「和彦」と呼ぶようになったのはなぜでしょうか。 これは杏奈がマーニーと過ごした時間はすべて、マーニーの過去の追体験だったからです。杏奈が祖母からの話や日記をもとにマーニーとの思い出を作り出したのか、それともマーニーが幽霊として現れたのかは分かりませんが、すべてマーニーの過去の経験に基づいたエピソードでした。 杏奈の心が成長したことで杏奈にはもうマーニーは必要なくなり、幻想的な世界は崩れます。その崩れが、杏奈と和彦の混合という形で現れたのでした。
2位:ヒロイン2人の青い目
どこか非現実的な存在感を漂わせるマーニーと、周囲に冷たく当たり散らすような性格をしている杏奈。どちらも違った意味で「怖い」と言われるヒロインです。 怖がられる理由の1つが青い目。マーニーの非現実的な存在感や、杏奈の底知れぬ影を持った暗い表情の怖さをいっそう引き立てています。
3位:ばあやの髪梳
マーニーは屋敷の家政婦ばあやからいじめられていました。序盤にばあやがマーニーの髪を梳かすシーンが2回登場します。 最初のシーンは普通に髪を梳いている2人の後ろ姿のようですが、2回目では力強く髪を梳いてマーニーが前のめりになるほど。陰湿ないじめから怖いシーンとして挙げられています。
『思い出のマーニー』は怖い?都市伝説でもっと深掘ろう
『思い出のマーニー』は1回見ただけでは「怖い」という感想になってしまいがちですが、見れば見るほど新たな発見が出てくる考察しがいのある映画です。 再度『思い出のマーニー』を深堀りしてみてはいかがでしょうか。