2023年11月7日更新

「存在しない記憶」とは?『呪術廻戦』作者が明かした衝撃の真実を解説!【ネタバレ注意】

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呪術廻戦 虎杖悠仁
©芥見下々/集英社・呪術廻戦製作委員会

『呪術廻戦』に登場する作中屈指の大きな謎「存在しない記憶」のシーン。数回登場したこのシーンは果たして重大な伏線なのでしょうか。読者の間で考察が盛り上がった「存在しない記憶」について、該当シーンをおさらい。同時に作者・芥見下々が明かした真相についても本記事で解説します。 ※この記事は『呪術廻戦』の重要なネタバレを含みます。

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『呪術廻戦』で読者を騒がせた「存在しない記憶」とは?

呪術廻戦  虎杖悠仁
©芥見下々/集英社・呪術廻戦製作委員会

「存在しない記憶」とは、主人公・虎杖悠仁(いたどりゆうじ)と対峙した人物が不意にあり得ない記憶を脳内で見るという現象です。 当初は東堂葵(とうどうあおい)の常人とは異なる思考回路を示すためのギャグかと思われた「存在しない記憶」ですが、後に脹相(ちょうそう)戦でも登場。これにより「存在しない記憶」は虎杖の能力にまつわる重要なヒントではないかと話題になったのです。

「存在しない記憶」が初めて発生した場面

呪術廻戦 東堂葵
©芥見下々/集英社・呪術廻戦製作委員会

最初に「存在しない記憶」が発生したのは35話「京都姉妹校交流会編」での虎杖VS東堂のシーン。東堂は満身創痍の虎杖に好みの女について質問を投げかけます。それに対して虎杖は「尻と身長のデカい女の子」と回答。 虎杖の好みが自分と合致すると分かった瞬間、突然場面が校舎へと切り替わりますそして東堂の脳内には、中学時代彼と虎杖が同じ学校に通う同級生で親友だったという、ありもしない記憶が流れたのです。 東堂が大好きなアイドル高田ちゃんも同級生で、東堂は彼女に告白するも玉砕。“親友”の虎杖は東堂を慰め、一緒にラーメンを食べに行こうと誘うのでした。まさに絵に描いたような青春時代を送る2人の映像が、東堂の脳内にのみ流れたのです。

「存在しない記憶」を見た後の東堂に異変?

記憶を見た後、東堂は「どうやら俺たちは“親友”のようだな」と天を仰ぎ涙を流します。そして東堂はここから、虎杖を敵ではなく“親友”と見なして態度を軟化させることに。 交流戦そっちのけで、虎杖を導くことに全力を尽くします。実際、東堂の指南のおかげで虎杖は飛躍的に戦力がアップしました。後に「超親友(ブラザー)」と呼び合うほど、2人は意気投合します。

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渋谷事変の脹相戦でも「存在しない記憶」が発生!

呪術廻戦

渋谷事変で対峙した虎杖と脹相。圧倒的な強さで脹相は虎杖を一方的にボコボコにします。トドメを刺す前に、脹相は弟2人を屠った虎杖に対して、弟たちの最期の様子を尋ねました。虎杖がそれに対して答え、脹相がいざトドメを刺そうとした瞬間、「存在しない記憶」が彼の脳内に流れ込みます。 それは呪胎九相図で受肉した壊相(えそう)と血塗(けちず)をはじめとした8人の弟たち、そして虎杖とともにランチを楽しんでいる風景でした。脹相と血塗の間に座る虎杖は楽しそうに血塗に話しかけ、脹相と壊相がその様子を微笑ましく眺めているような、穏やかな光景です。 脹相にとって弟の仇であった虎杖が、なぜ兄弟水入らずの食卓に参加しているのか。あり得ない光景に動揺した脹相は、虎杖にトドメを刺すことはせずその場を離れます。

脹相が「お兄ちゃん」?

脹相には血のつながった弟たちの死を察知する能力があります。「存在しない記憶」は、その血の絆が弟=虎杖の死を察知して見せたものでした。この光景をきっかけに、脹相は虎杖が同じ血を持つ兄弟であると理解。 偽夏油側の敵だったはずの脹相は一転、弟・虎杖の味方へ。脹相は「全力でお兄ちゃんを遂行する」精神に基づき、渋谷事変終幕後も虎杖と共に行動するようになります。

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なぜ虎杖悠仁と脹相が血を分けた兄弟なのか

呪術廻戦 虎杖悠仁
©︎芥見下々/集英社

前述したように「存在しない記憶により兄弟であると誤認させた」と見せかけて、実は本当の兄弟だと判明した虎杖脹相。しかし人間と呪霊、まったく違う種族である2人がどうして血を分けた兄弟になれたのでしょうか。 実はそこには2人の「親」に関連するある大きな秘密が関わっていたのです。

脹相の父は加茂憲倫(かものりとし)

呪術廻戦 脹相
©︎芥見下々/集英社

脹相はそもそも加茂憲倫という呪術師が、呪霊の子を妊娠してしまう女性に産ませた特級呪物「呪胎九相図」が受肉した姿です。 さらに脹相は加茂の血を分け与えられており、他の兄弟よりもより人間に近い存在となっています。彼にとって加茂は自身に血を与えた父とも言える存在。2人はまさに「血縁関係」と呼ぶべき関係性で繋がっているのです。

悠仁の母は虎杖香織(いたどりかおり)

呪術廻戦 虎杖悠仁
©︎芥見下々/集英社

虎杖の母は17巻に掲載されたワンシーンにのみ登場しており、その名前が香織であることが判明しています。しかし香織は普通の人間ではない模様。 香織が登場した際、虎杖の祖父である倭助は彼女を強く警戒し、「香織は死んだはず」という旨の発言まで残しています。しかも彼女の額にはどうも見覚えのある「縫い目」のような跡が。果たして香織の正体はいったい何者なのでしょうか……。

加茂憲倫と虎杖香織の正体はどちらも…?

呪術廻戦 夏油傑
©︎芥見下々/集英社

実は香織の額にあった縫い目マークは加茂にも存在。そして現在、この縫い目は偽夏油の額に出現しています。作中で偽夏油の正体は、自身の術式により他者の身体を奪い生き続ける呪詛師羂索だと判明済み。 つまり加茂も香織もかつて羂索に乗っ取られていた存在であり、脹相も虎杖も羂索により生み出された存在だと言えるのです。複雑な関係性ではありますが、2人が兄弟だということは紛れもない事実。虎杖と脹相は様々な運命が交錯して巡り合うことになった、何とも奇妙な縁を持つ家族だったのです。

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吉野順平も「存在しない記憶」を見ていた?

呪術廻戦 吉野順平
©芥見下々/集英社・呪術廻戦製作委員会

虎杖が交友を深めた吉野順平は、「ゆうじ、なんで」と言い残して息絶えました。それまで吉野は虎杖のことを下の名前で呼んだことがなかったため、実はこのときの吉野も「存在しない記憶」を見ていたのではないかと考察されるように。 しかもこの回のタイトルが「もしも」。虎杖の力で吉野に「もしも高専に入っていたら……」という記憶を見せていて、このシーンは虎杖の能力の伏線の1つではないかという見方もされています。

作者の明かした衝撃の真実とは?読者の考察も併せて紹介

呪術廻戦 東堂葵
©芥見下々/集英社・呪術廻戦製作委員会

質疑応答や虎杖の出血が発動条件では?と、虎杖の能力として様々な考察がなされた「存在しない記憶」。その後TV番組『漫道コバヤシ』にて作者の芥見下々自らが、「存在しない記憶」の真相について明かしています。 作者は「存在しない記憶」は虎杖の術式ではないと断言。東堂も脹相もそれぞれ違う理由で記憶をフラッシュバックさせているだけだと説明しました。 東堂の場合は、高田ちゃんと脳内で会話を繰り広げているシーンもあるので、日常的に特別好意を持つ相手とは脳内でやり取りを繰り広げているのだと考えられます。女性の好みが一致したことで、虎杖は即座に脳内妄想枠に入ったのでしょう。 脹相は上述したように血の絆が反応して見せた光景であり、どちらも虎杖の術式に関するヒントではなかったのです。

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ネットミームとしての「存在しない記憶」

呪術廻戦 虎杖悠仁 東堂葵
©︎芥見下々/集英社

実は『呪術廻戦』の人気爆発をきっかけに「存在しない記憶」という言葉はネット上でも流行し、本来の意味とは違う意味を持ったネットミームと化しています。主にネット上では「本来は存在しないもののあり得そうな展開」、「クオリティが高く実在するように見えるもの」などを意味している様子。 またイラスト投稿サイトなどでは「呪術廻戦本編で描かれなかったハッピーな展開」や、「本編にはなかったキャラの関係性」などを描いた二次創作を指す場合もあるようです。

予想外に拡大?流行する「存在しない記憶」

呪術廻戦
(C)芥見下々/集英社・呪術廻戦製作委員会

ファンたちの様々な憶測を呼び、たびたび議論が交わされるテーマとなっていた「存在しない記憶」。 そのうえ現在はネットミームとしての広がりも見せており、この言葉がひとり歩きする予想外の流行りっぷりも見せています。あらゆる意味で話題性抜群の「存在しない記憶」。これからどう扱われていくのか、この先の展開にも注目していきましょう!